バッハ、斎藤秀雄編のシャコンヌ
北海道の「白い恋人」に引き続き、伊勢の「赤福」も賞味期限改竄が発覚。「赤福」の改竄は34年前からだという。食の安全以前のモラルの欠如がこの国全体に蔓延。これでは何を信じて良いのか判らない。
一国の総理が施政方針演説の翌日に政権を放棄、年金制度は破綻寸前、10月からの郵政民営化は手数料が軒並み値上げとなり簡易郵便局の廃業も相次いでいるという。
この国のかたちそのものがあたかも爛熟から崩壊へ移行つつあるようだ。
今日は斎藤秀雄編曲によるオケ版、バッハのシャコンヌを聴いた。
この曲の録音には小沢征爾による桐朋メモリアルオーケストラ1984年ライヴとボストン響とのスタジオ録音が名高いが、今日の聴いたディスクは名古屋青少年交響楽団の第10回定期演奏会を記念して制作されたプライヴェートLP。
曲目は歌劇「アウリスのイフィゲニア」序曲、バッハ(斎藤秀雄編)シャコンヌ、ハンガリー舞曲第5番、そして重本佳美が弾くメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲というもの。
指揮はこの当時TBS系の音楽テレビ番組「オーケストラがやってきた」で創設まもない新日本フィルを振っていた山本七雄。
平均年齢14歳という小中学生らによるオーケストラとはいえ水準はなかなか高い。
素直でひたむきな思いが自然に伝わってきて聴いていて気持ちが良い演奏だ。
丁寧にキチンと弾いている「シャコンヌ」は、さながらオーケストラのためのエチュードのように響いてくる。メンデルスゾーンではのびやかで瑞々しい重本のソロが聴き物。
1975年8月、日本が未来への希望に満ちていた70年代前半の演奏会ライヴ。
| 固定リンク
「音盤視聴記録」カテゴリの記事
- 今年最初のクラシックレコードコンサートはウィンナワルツ(2021.01.23)
- グリエールの「赤いけし」(2021.01.21)
- ホグウッドのモーツァルト(2021.01.19)
- モーツァルト2題(2021.01.17)
- シューリヒトのウィンナワルツ(2021.01.15)
コメント