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2007年11月に作成された記事

2007年11月30日 (金)

カラヤンのマニフィカト

11月も今日で終わり。多忙でさまざまな事があった2007年もあとわずか。ここのところ昼と夜が逆転していて、夜になると頭は冴えてしまいついつい夜更かししてしまう。昨日も就寝は2時過ぎだ。

Old_stradlaterimg600x5751187551049 今日はカラヤンのバッハをLDで視る。1984年のシルヴェスターコンサートからヴァイオリン協奏曲第2番と「マニフィカトニ長調」。ヴァイオリンはカラヤンお気に入りの女流ヴァイオリニストのムター。

巨大な編成のゴージャスなバッハ。カラヤンはチェンバロを弾きながらの指揮。ムターのヴァイオリンも容姿そのままの豊満な演奏。

「マニフィカト」も巨大な編成で、カラヤンが弾くチェンバロの両翼に6本ずつのフルートとオーボエが縦に並び、その両側に弦楽器が包み込むように並んでいる。

今では流行らぬスタイルだが、カラヤンの気合の入りは尋常でなく、時として立ち上がりこぶしを振り上げ、オケを煽っていく壮麗なバッハ。第8曲のアルトと二本のフルートによるアリアではカラヤンはほとんど目だけで指揮している。この点映像はありがたい。

オーボエのオブリガードの上に合唱が美しく流れていく第11曲など感動的だ。ローター・コッホとシュレンベルガーをはじめとする6本のオーボエの音程がピタリと合っているのも見事なものだ。

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2007年11月29日 (木)

クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ イン・コンサート

本日主催の外部有識者を招いた会議は、和やかな雰囲気は良いのだが雑談部分が多く核心部分の密度が薄くなってしまった。6割程度の出来。議事録の原稿起しに苦労しそうだ。

P1010300 今日はジャズが聴きたくなった。聴いたのはGNPレーベルから出ていた「クリフォード・ブラウン&マックス・ローチ イン コンサート」。このコンビ唯一の公式ライヴとして有名なアルバム。1954録音。

何事にも天才とはいるものでホルンのデニス・ブレインとトランペットのクリフォード・ブラウンはその横綱格。一瞬のさりげないフレージングに余人には真似の出来ない閃きがある。二人とも若くして交通事故で逝ってしまった。

P1010301 もう一枚はホルン奏者、ジュリウス・ワトキンスセクステットによるブルーノートのアルバム。

ジャズホルンの録音は非常に珍しい。基本はホルンとテナーサックスの二重奏にベース、ドラム、ピアノが加わる。軽いラテン風の曲からムーディーなバラードまでの実に多彩な曲の数々。

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2007年11月28日 (水)

マイナルディとゼッキのベートーヴェン

曇り、時々雨。予想していたとはいえ、休んだ報いをストレートに受けた一日。会議の最中にもお偉方からのダイレクトな電話攻撃の嵐。

明日の重要な会議の予習を済ませ、オケの練習には8時30分過ぎに参加する。今日は次回定演のベートーヴェンの交響曲第7番。「のだめカンタービレ」で取り上げられたせいでもなかろうが、皆良く知っているので、初見にもかかわらずかなり形にはなっている。が、やはりベートーヴェンはウソとごまかしが利かぬ難曲だ。それにしても、この曲のホルンは実にキツイ。

P1010297 帰宅後はマイナルディの弾く、ベートーヴェンのチェロソナタ全集から第4番を聴いた。先日購入したタワーレコード・ヴィンテージコレクションの2枚組CD。全集としては今回国内初登場だという。

ピアノは指揮者としても一流だったカルロ・ゼッキ。ゼッキはマイナルディの弟子のペレーニともベートーヴェンのチェロソナタの録音を残している。バッハのチェロソナタとともに、いずれもレコード棚のどこかにあるはずだ。

冒頭のびやかなチェロの響きに自然にすーと入り込むゼッキのピアノ。マイナルディのチェロはけっして技巧派ではないが優美にして格調の高い名演だ。

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2007年11月27日 (火)

クラウスとモントゥーのウェーバー

どんよりと曇った肌寒い一日。本日、ここ数日続いた休日出勤の代休をいただく。とても休める状態でもないのだが、とにかく気分のリフレッシュも必要だろう。休日とはいえ雑事が多く、あっという間に日が暮れてしまった。

P1010117 今日は、Disco Aricivaのディスクから、モントゥーの1952年サンフランシスコ・ライヴを聴いた。曲目はウェーバーの「オベロン」序曲とピアノとオーケストラのための「コンチェルトシュトゥック」、そしてシューマンの交響曲第4番というもの。

ピアノソロは日本でも人気の高いリリー・クラウス。リリー・クラウスとのウェーバーは、コンセルトヘボウ管との1938年ライヴの録音も残されている。

このシリーズの常として曲の前後にアナウンスが入る。アナウンスの鮮明さに比べて、音楽の音質はいまひとつだが、演奏の素晴らしさの前に録音の古さは気にならない。

特にウェーバーの2曲が引き締まった厳しい響きと若々しい推進力で一気に聴かせる名演だ。男勝りの豪快なタッチでバリバリ弾いていくクラウスのピアノも見事なものだ。

ヤマハがスタインウェイと並ぶ老舗のピアノメーカー、ベーゼンドルファーを買収したという。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20071127-00000138-jij-biz

ちょいと複雑な気分。

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2007年11月25日 (日)

ベートーヴェンの32の変奏曲

今日は娘のピアノの発表会。午後に会場の三島市民文化センター小ホールに着くとすでに幼い子供のグループの演奏が始まっている。会場は出演する子供たちとその家族、お付き合いで見に来た友達とその母親といった、どこでも見られるピアノ発表会の風景。

P1010299 娘の通っているピアノ教室は、音大や音校の入学者を多数輩出している先生だけあって生徒の水準は高い。

さらに毎回さまざまな趣向が凝らされていて、先生自らが弾くハンドベルや、いずこから連れてきたのか高校生らしき二人によるトランペット独奏(ボザの協奏的作品など曲もマニアック)。地元の中学2年生によるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲の演奏など、なかなか楽しめる内容だ。

娘のドビュッシーは、家での特訓の成果は見られず、ちょっと精彩に欠ける出来。交通事故による練習不足もあったが、途中ブランクのあった2年ぶりのピアノの発表会であがってしまったらしい。まぁそれも仕方がないだろう。

そしてピアノ発表会の最後を毎回飾るのは、このピアノ教室で学び、日本音楽コンクール1位の実績を持つ海瀬京子さんによるゲスト演奏だ。今日は偶然にも彼女の24回目の誕生日と重なり、出演の前にトランペットデユオによる「ハッピバースディー」の演奏と誕生ケーキの贈呈もあり、会場は楽しい雰囲気に包まれた。

P1010295 簡単なスピーチに続いて演奏されたのは、ベートーヴェンの「創作主題による32の変奏曲」、リストの「シューベルトの歌曲から、鱒と水車小屋と小川」、そして緑交響楽団のコンサートのアンコールでも弾いたプロコフィエフのトッカータ。

テクニックの冴えは相変わらずだが、ベートーヴェンに聴かれる古典的な格調の高さとがっしりとした構成感は、今までの彼女の演奏にはあまり感じられなかったものだ。音楽を自由に楽しんでいるかのようなリストも良い。今までざわついていた幼い子供たちも静かに聴いている。何やら尋常でないものを感じ取っているようだ。

彼女の演奏に、さらなる表現の幅の広がりと奥行きが出てきた。ここにきて彼女の中に大きな変化があったようだ。演奏終了後に、ご両親と本人から近況やらこれからの予定など、いろいろと話すことができた。いよいよ海外へ雄飛する日も近い。

P1010301 帰宅後、ベートーヴェンの「創作主題による変奏曲」を大作曲家にして大ピアニストだったラフマニノフによる演奏で聴いた。繊細緻密にしてデモーニッシュなる大演奏。

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2007年11月24日 (土)

バックハウスとシューリヒトのブラームス

雲ひとつない蒼い空とひやりとした風、富士のお山も良く見える。本格的な冬の到来も近い。今日は出勤し昨日やり残した仕事を片付け夕方帰宅。

明日は娘のピアノの発表会だ。曲はドビュッシーの「ベルガマスク」組曲だがとても人様の前で演奏を披露する水準ではない。ブツブツ言う娘をとにかく特訓。

P1010303 今日はバックハウスの弾くブラームスのピアノ協奏曲第2番を聴いた。シューリヒト&ウィーンフィルの伴奏による1952年録音の旧盤。手持ちはキングレコードから出ていた国内盤LP。堂々たる風格、重厚にして確信に満ちた巨匠二人によるこれぞブラームス。

P1010302 もう一枚は往年のテナー、ユッシ・ピヨルリングの歌うアリア集。SP起しのRUBINI盤LP。かなり古い録音を集めたものだが、軽いダンス音楽からリゴレットなどの曲が入っている。重いブラームスの後には恰好の一枚。

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2007年11月23日 (金)

ドヴォルジャークの糸杉

今日は朝から仕事。だが昨日ネット上の古くからの友人が急逝し仕事が手につかない。

彼とは今から十数年前にniftyのクラシックフォーラムで知り合った。インターネットが普及する前のパソコン通信の時代だ。彼はすでにクラシックのネット上では有名な存在であり、ネット初心者の自分が恐る恐る書き込んだコメントにも暖かなレスを付けてくれたのが忘れられない。

私よりも若いというのにクモ膜下出血で突然逝ってしまった。遠のく意識の中で父に語った最期の言葉は「僕が死んだら、ベートーヴェンをかけてください・・・」だったという。彼のHPの掲示板やクラシック関係のさまざまなブログには彼の急逝を惜しむ声が満ちている。http://homepage1.nifty.com/yurambo/

P1010301 今日は故人が好んで聴いていたドヴォルジャークの曲から、若き日に作曲した歌曲を編曲した弦楽四重奏曲「糸杉」。演奏はスプラフォンのドヴォルジャーク全集からパノハ四重奏団による演奏。

この中から5曲を聴く。いずれも故人の人柄を彷彿させる春の暖かな日差しの中でまどろむ気分を誘うような穏やかな曲の数々。第2曲の副題は「死は多くの人の心に」。

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2007年11月21日 (水)

シモン・バレルのショパン

10月でピークを迎えた仕事の忙しさはそのまま恒常的となりつつあり、泥沼状態。夜は交通事故の相手方の父親が保険屋を伴いやってきた。家内と娘の病院通いは続き車は全損、といったこちらの状況を直に伝える。重苦しい雰囲気で会話も進まず30分あまりで会談終了。

P1010300 今日はシモン・バレルの弾くショパンとリストを聴く。ショパンのバラードとスケルツォ、リストの「グノーのファウストよりのワルツ」などのレミントンのモノラルLP。

ライヴで聴かれたバリバリと弾きまくる演奏とは異なり、じっくりと腰を落ち着けた詩情豊かな演奏。バレルの意外な一面を垣間見た一枚。

先日東京の息子さんの所に身を寄せるという、ご近所のお年寄りから古いレコードを多量に譲り受けた。その中のクラシックLPの大部分はすでに所有しているものばかりだし、自分が聴きそうにもないダンス音楽なども数多く、お断りするつもりだったのだが、あまりにも熱心に懇願され、お年寄りの家の片付けを手伝いながら少しずつ自宅に運んでいる。  ひたすら増殖する未聴盤の数々。

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2007年11月19日 (月)

ヴァーシャーリとクルカのショパン

晴れのち夜から雨、夜はかなり冷えてきた。暖房用の灯油を近くのガソリンスタンドで購入したところ、なんと18リットル1,800円。本日交通事故相手の保険屋と交渉するも折り合いがつかず決裂。ぶつけた当事者からは先週ようやくお詫びの電話が一本あった。

P1010300 今日聴いたのは最近指揮者としての活動が忙しい、ハンガリーのタマーシュ・ヴァーシャリーの弾くショパンの2つのピアノ協奏曲。これはある方からの頂き物で、ドイツグラモフォンベスト1000シリーズのCD。

ヴァーシャーリはグラモフォンの廉価盤LPからショパンの演奏がいくつか出ていた。この中の一番のコンチェルトは、学生時代に札幌の名曲喫茶で聴いた懐かしい演奏だ。伴奏は、1番がイエルジ・セムコフ、2番がヤーノシュ・クルカで、オケはいずれもベルリンフィル。63年と65年の録音。

同世代のピアニストにアシュケナージやポリーニ、アルゲリッチといったビッグネームがいるために影が薄いヴァーシャーリだが、冴えたタッチと美しい音色で見事なショパンを聴かせてくれる。テクニックも申し分ない。

P1010301 伴奏では2番のクルカが良い。クルカはヴァーシャーリーと同郷のハンガリーの指揮者だが、ウィーン響を振った「白鳥の湖」「眠りの森の美女」抜粋のオイロディスク原盤の無骨で野暮天な演奏が、妙に印象に残っている。

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2007年11月18日 (日)

明電舎ファミリーコンサート終わる

先週の木曜で秋は過ぎ去りいよいよ冬の到来。昨日は沼響の今年の活動を締め括る明電舎ファミリーコンサートだった。

このコンサートは、沼津に事業所のある明電舎創立110周年の記念コンサートで、明電舎の全面的なバックアップにより実現したファミリーコンサート。

おそらくこんな機会でなければ出来ない特殊楽器のオンパレードの「グランド・キャニオン」。さらにソプラノの家田紀子さん、テノールの中鉢聡さんを招いてのプッチーニのオペラアリア、そしてナレーションに自分と同世代のアイドル石野真子ちゃんを招いて組曲「トトロ」という豪華なコンサートだ。入場無料ということでもありチケットは早くに入手不可能となった。

当日ゲネプロは石野真子ちゃんの登場。遠目に見る限りではかつてのアイドル歌手そのままだ。オーケストラのナレーションは初めてとのことだが、持ち前の明るさで多少のミスは気にしない様子。

金曜に気になった「グランド・キャニオン」は途中から抜け出し客席で観戦。キンキラだった照明の効果を適度に落としたので、神尾先生の棒も見やすくなった。アンサンブルにもまとまりが出てきた。だがステージで吹いている時は気が付かなかったが、客席で聴くと意外にこじんまりとして、スケールの大きさが感じられない。この手の曲はなかなか難しいものだ。

そして本番。ほぼ満席の客席は子供同伴が条件とのことで平均年齢が相当低いコンサートとなった。が、裾野の時よりも幼児のノイズは少なめだ。

明電舎の社長さんのスピーチに続いて、「カルメン」そしてオペラアリアの数々。歌手の二人は本番ともなると手馴れた貫禄の歌唱を聴かせてくれるプロの味。後半の組曲「トトロ」の石野真子ちゃんのナレーションは、本番ともなると落ち着いたものだ。客席も静かに聞き入っている。真子ちゃんもナレーションをしながら涙が出てしまったという。この「トトロ」が本日のベストだったかもしれない。

アンコールは「威風堂々」、これはちょっとやりすぎか。録音を聴いてみたいものだ。

P1010299_2P1010297_2 沼響のHPの聴き比べコラム、「ブラームスの4番」を聴くにカラヤン&フィルハーモニア管の感想をアップしました。

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2007年11月16日 (金)

明日は本番

急に寒くなり本日の最高気温14℃。今日も技能五輪国際大会のお手伝いとなった。昨日は夕方に技能五輪の会場から職場に直行。机上はメモだらけで各方面への電話の対応で遅くに帰宅。だが今日は明日に迫った明電舎創立110年のファミリーコンサートの練習に出なくてはならない。

練習開始の5分前にホールに到着するが昨日からの疲れはまだ抜けない。最初に「グランド・キャニオン」の練習から開始。本番さながら照明の効果を入れた通し練習だが、舞台上がかなり暗く譜面が見えない。一度本番を経ているとはいえ中西先生の棒の影響が残り、暗い中での練習となると神尾先生の棒とどうしてもズレてしまう。明日に大きな課題を残したまま後半はオペラアリアの歌手との合わせとなった。

ソプラノ、テナーの二人とも、プロオケとの共演を着実に重ねている実力派中堅歌手。だが、練習はそれぞれの曲を一回ずつサラリと通しておしまい。とてもこれだけでは二人の実力の見当もつかないが、プロの練習とはこんなものだろう。

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2007年11月15日 (木)

技能五輪国際大会

家内と娘の病院通いは続く。車の保障の件で相手の保険屋と折り合いが付かず、交渉は続く。

1333 昨日から技能五輪国際大会が始まった。皇太子殿下を招いた昨日の開会式に続き今日から本格的な競技が開始。

正直なところ今まで技能五輪と言っても全く関心がなく。沼津で開催という話を聞いた時は、今まで東京、大阪といった大都市での開催が常識だったこともあり、大丈夫かいな?というのが本音のところだった。

本日仕事からみで会場に足を運んだところ、広大な敷地に群がる各国の競技関係者の姿を目撃、とても地方都市のイベントには見えなかった。たいしたものだ。

ここ数日は音楽から遠ざかっている。

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2007年11月13日 (火)

幕末狂乱

日曜の事故の影響は、外傷もなく当初たいしたことはないと思っていたが意外と重いことが判明。朝から家内と娘を家の近くの総合病院に連れて行く。特に娘は首の痛みがひどく辛そうだ。診察に出た若い整形医はレントゲンを軽く撮っただけで、湿布薬を処方したのみ。うーむ、これは病院を変えたほうがよさそうだ。

玉突き事故の被害者は3家族6人。直撃を受けた後ろの若夫婦と幼い子供は大丈夫だろうか。加害者の保険屋からは何度か電話があったが当事者からは一切連絡無し。

61hs1a7mnal_aa240_ 今日はどうも音楽を聴く気にはならない。昨日Amazon  から届いた「幕末狂乱~コレラがやって来た!」(高橋敏著 朝日選書)をパラパラと流し読む。

安政5年5月ジャワを経て長崎に上陸したコレラは各地で猛威をふるいながら西上、7月には江戸に到達した。異国船の到来、安政の大地震、大津波。本書は社会不安が日本全体を覆う中、各地に残る古記録を元に庶民が立ち向かう姿を紹介したもの。本書の発行は2年前だが、ある偶然からこの本に身近の神社が紹介されているのを知り購入。

P1010196 我が地区の神社は、安政年間のコレラ流行時に疫病退散を祈念して京都の吉田神社を勧進したものとは祖父母の代から語り継がれていたが、当時の関係者が書き記した詳細な記録が残されていたことは知らなかった。

コレラが刻一刻と西から迫る中、必死に対抗策を模索する地区のご先祖たち。やっとの思いで村内からかき集めた5両を懐中に京都に向かう我が家のご先祖の姿。ところが、苦労してたどり着いた京都の吉田神社側は足元を見透かして法外な祈祷料を要求。

ご先祖が祈祷料7両二分をいかにして工面したかの記録はない。

とにかく祈祷の小箱を受け取ったご先祖は故郷沼津に向かって東海道を飛ぶが如く下っていく。途中駿府(静岡市)で祈祷の小箱を今か今かと待っていた村人の代表二人に遭遇。吉田神社の祈祷の小箱が通過することを聞き小箱に群がる東海道筋の人々。

自分の身近の神社に、これほどドラマティックな由来があったとは思わなかった。京までの路銀は全て自己負担だったという。今の日本からは失われてしまった、皆のために何とかしようとする純朴にして崇高な精神には心を打たれた。

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2007年11月11日 (日)

PTAの奉仕作業、そして・・・

時々雨がぱらつく曇り空の中、今日は中学校の奉仕作業から始まった。眠たい目をこすりながらスコップを担ぎ娘の通う中学校に向かう。既に校庭には父兄が数百人ほどが集まっている中、役員さんの説明が始まった。

自分の地区はグラウンド横の側溝の泥すくいが担当とのこと。直線距離で200メートルほど続くコンクリート製の重い蓋で覆われた側溝を見て、運動不足でメタボ気味の皆はげんなり。

さっそく重い蓋を持ち上げる作業を始めたところ、ウンとふんばった拍子に、キチキチの作業ズボンのお尻の部分がビリリと破れてしまった。幸い誰も気が付かなかったようなので、ジャンパーを腰に巻きながら作業を続ける。

P1010056 作業はお昼前に終わり、帰宅後聴き始めたのはリヒターの「ゴールドベルク変奏曲」。バッハ大全集収録のアルヒーヴへの録音だ。

聴きはじめてすぐに買い物に出かけていた家内の携帯から慌てた声で電話が入った。なんと信号待ちで停車していたところ追突されてしまったとのこと。

とにかくおっとり刀でバイクにまたがり現場に急行すると、救急車が3台も止まっていて唖然。車4台が関係した大事故だった。家内の車は後ろから2台目で車の前後が完全に潰れている。

車の横で立ちすくむ家内と娘を見て二人とも無事だったことにひとまず安心する。加害者の乗った外車は前部が完全に大破。運転していた若い娘はどうやら脇見運転をしていたらしくブレーキを踏まずに激突したようだ。

車の状況からして相当な衝撃だったはずで、後部座席に座っていた娘が無傷だったのは奇跡に近い。ただムチ打ちの可能性が大きいので、すぐに救急車に乗せ救急病院に向かわせた。                            

現場検証の後、車に乗り込むとなんとか走れることが判った。エンジンと足まわりは無事のようだ。そのまま運転をして周囲のドライバーが驚きの目で見る中、旧知の修理工場へ向かう。車を見てもらったがこれは買い換えた方が良いとのこと。

これは大変なことになってしまった。何事もない日常がいかに大切かを思い知らされた一日。

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2007年11月10日 (土)

ワルシャワのマルケヴィッチ

昨晩から降り始めた雨は早朝には上がったものの本日一日曇天のはっきりせぬ天気。

今日は朝から仕事で、夜は昨年まで一緒にPTA役員だった方の御母堂のお通夜。久しぶりに新旧役員が顔を合わせた。いろいろとあったが今となっては懐かしい。しばし談笑した後に会場を出ると外は再び雨。

P1010295 帰宅後に巨匠マルケヴィッチのライヴを聴いた。1962年1月、ワルシャワフィル客演時のライヴで、「春の祭典」、チャイコフスキーの「ロメオとジュリエット」、ブリテンの「パーセルの主題による変奏曲とフーガ」。

いずれもスタジオ録音もあるマルケヴィッチ得意の曲ばかりだが、スタジオ録音を上回るドスの効いた緊張感が魅力の凄演。
「春の祭典」などポロポロと音符が欠け落ちているが、燻されたような渋い響きでいささか鳴りの悪いワルシャワフィルも健闘。第一部終盤の大太鼓の強調はスタジオ録音では聴かれない解釈だ。触れれば火傷しそうなチャイコフスキーも灼熱の演奏。

マルケヴィッチは自分が実演で接した最大の指揮者だった。

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2007年11月 9日 (金)

アフィニス・サウンドレポート「日本戦後音楽史」

一日の気温の変化が大きくなってきた。先週まで扇風機を仕舞わずにいたのだが、朝晩の冷えのためハロゲンヒーターと交換する。

いよいよファミリーコンサート本番が来週に迫ってきた。

昨日は神尾先生の指揮で前半は「トトロ」。そして後半は「カルメン」と「オペラアリア集」。

いつも遅刻の常習なので、練習の前半に取り上げられることの多いオペラアリアはほとんど吹いてなかった。さほど難しくないとはいえ、今回は珍しく最後に流してくれたのがありがたい。

同じ曲目で本番を経験したためだろうか。演奏に安定感が出てきた。創立以来沼響の練習を聴いているが、これほど確信を持って皆が演奏している様子を見たのは初めてだ。

P1010296 仕事では昨日と今日、想定外のトラブル発生。しかも昼間は電話が頻繁にかかり、ほとんど仕事にならない。疲れ果てて帰宅すると「アフィニスサウンドレポートVol34」が届いていた。

今回のテーマは「特集 日本戦後音楽史」。

鈴木博義、篠原眞、黛敏郎、福島和夫、夏田鐘甲らの1954年から1965年までの作品を集めたもので、演奏は高関健指揮の東京都交響楽団による2003,2004年のライヴ。鈴木と夏田の作品は初めて聴くもの。これは楽しみだ。

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2007年11月 7日 (水)

バーンスタインのヴォーン・ウイリアムス

慢性的な睡眠不足が続く毎日。加えて今日はどうもノドがいがらっぽい。昨日は娘の通う中学校の参観日にちょいと顔を出した。自分が教室に入ると露骨に嫌な顔をされてしまった。この年頃の娘はどうも難しい。

P1010294 今日はバーンスタイン&ニューヨークフィルによる弦楽作品を集めたアルバムを聴く。曲は、バーバーの「アダージョ」、ヴォーン・ウィリアムスの「タリスの主題による幻想曲」「グリーンスリーヴスによる幻想曲」、チャィコフスキーの「アンダンテ・カンタービレ」、そしてマーラーの交響曲第5番から「アダージェット」というもの。米CBSのLP盤。

かつて流行した「アダージョ・カラヤン」のバーンスタイン版といった趣だが、こちらはおそらくバーンスタイン自身の選曲と配列だと思う。

深い祈りに満ちたバーバーとマーラーに挟まれたヴォーン・ウィリアムスとチャイコフスキー。特に「グリーンスリーヴス」はオリジナルのフルートソロをヴァイオリンに変えているために、このアルバム全曲が弦楽器のみの編成に統一されている。

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2007年11月 5日 (月)

フライシャー、15歳のブラームス

新しい週の始まりは、朝から空一面の綿雲。夜半から雨。今日はアメリカのピアニストレオン・フライシャーの若き日の演奏を聴く。

1944年11月6日、モントゥーのニューヨークフィル客演時のカーネギーホールでの演奏で、曲はベートーヴェンの「プロメテウスの創造物」序曲、ブラームスのピアノ協奏曲第一番、スティルの「オールド・カリフォルニア」、最後にドビュッシーの「夜想曲」から、というもの。珍しい放送ライヴを発掘しているDisco ArchivaのCD-R。戦時中ということもあり最初に「アメリカ国歌」が演奏されている。

その後37歳で右手の故障により第一線を退いたフライシャーのデビュー直後の記録。この直前にモントゥー指揮サンフランシスコ響でデビューを飾っている。フライシャーは実に15歳。おそらくデビュー時にもこのブラームスを弾いたのではなかろうか。

ブラームス20代の作品を瑞々しい音色と抜群のテクニックでバリバリ弾いている。がっしりとした重量感は期待できないが、モントゥーの好サポートが見事に補っている。

CBS放送の放送用録音で、曲の前後にアナウンスが入る。モノラルながら非常に生々しい音に驚かされる。

P1010305 沼響のHPの聴き比べ「ブラームスの4番を聴く」にクリップスの演奏の感想をアップしました。連載33回目。

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2007年11月 4日 (日)

スメターチェクの舞踏への勧誘

涼しさを通り越して寒くなってきた。そろそろ暖房器具の準備も始めようと思う。11月からガソリンも灯油も軒並み値上げとなった。石油の需要が供給を上回った現在、もう価格が下がることはないだろう。

今日は出勤し来年度予算の最後の攻防戦の資料作りと、今月後半の外部団体との会議資料の作成。

帰宅途中に寄ったパン屋さんの前になにやら黒塗りの怪しげな車が2台。「おやっさん」「オヤブン・・・」という言葉が飛び交う中、そそくさとパンを買いその場を立ち去る。

P1010304 今日はチェコの名指揮者スメターチェクの演奏を聴く。日本ビクターから出ていたLPで、曲は「タンホイザー」序曲、「舞踏への勧誘」、「イタリア奇想曲」、リストの「ハンガリー狂詩曲第2番」で、オケはスロヴァキアフィル。1974年録音。

一見とりとめのない軽い名曲アルバムといった趣だが、スメターチェクが振ると俄然印象が変わってくる。ワーグナーに聴かれる上品で繊細でありながら根本に流れる音楽への禁欲的なまでの厳しさ。軽薄に陥りそうな他の3曲も純音楽的。演奏が曲の内容を超越してしまった驚異的な名演。にほんブログ村 クラシックブログへ

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2007年11月 3日 (土)

文化の日の「澤田政廣記念美術館」

今日は文化の日。朝、東京に遊びに行く娘を駅へ、戸田へスケッチに出かける母を港まで送る。自分は一日ゴロゴロと過ごすつもりだったが、新聞を見ていた家内が熱海の「澤田政廣記念美術館」へ行きたいと言い出した。

熱海出身の文化勲章受章者で高村光雲の孫弟子の澤田政廣。ひところその弟子の和田金剛の作品を仕事絡みで追いかけたこともあり、一度は美術館に行きたいと思っていた。新聞の記事によると、本日は会館20周年で入館料も無料だという。自宅から車を飛ばし熱海へ向かう。見事な富士の姿を左に見つつ、丹那盆地を経て熱海梅園にある「澤田政廣記念美術館」まで所要時間およそ40分弱。

121099_1_1_2421 今日は「特別展初日」ということもあり式典が行われたらしい。入館者は予想外に少なかったが、入り口で素敵なポストカードをいただき、館長さん自らが解説をしてくれた。今回は「仏教の世界」ということで、不動明王や菩薩像などの仏像を中心に80点ほどの展示。

力強さと繊細さの見事なバランス。木の特性を知り尽くした見事な作品の数々、2メートルを超える巨大な「役の行者」像には圧倒されるばかりだ。今回初公開だという「聖観世音菩薩坐像」の穏やかな表情には心が洗われる思い。

1116225504485_1119934789251_image1 十分満足し、次は同じ公園内にある「中山晋平記念館」。昭和10年に建築された中山晋平の別荘を移築したもので、他に来館者もなく案内役のおばさんがいろいろと説明してくれてこちらもラッキーだった。昭和初期のアメリカ製ピアノや、生涯に3,000曲の作品を残した中山晋平の自筆譜の数々。階段には節の多い木材をあえて使い、あたかも音符のように配列されていたのには驚いた。

同じ梅園内にある韓国庭園にも寄ってみたが、こちらは手入れが行き届かず雑草が生い茂り荒れ放題だ。財政危機にある熱海市の実情を垣間見る思い。

Rikutya2 帰りは函南の中華料理店「陸茶坊」で食事をして帰宅。かつて人気テレビ番組「料理の鉄人」で鉄人に勝利したことで知られる有名店だけあって、2時近くにもかかわらず満席だった。http://www.eishogen.co.jp/delicious/v001.html

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2007年11月 2日 (金)

エディッド・ピアフの「サ・イラ」

11月に入り朝晩は冷えてきた。天気は良いので寒暖の差が大きい。沼津のファミリーコンサートも迫り、今回は裾野の曲目に加えてプッチーニのオペラアリアが加わる。ナレーターは細川ふみえに変わって石野真子。自分と同世代のかつてのアイドルだが、若い団員の多くにはなじみのない人だ。

木曜のオケの練習は後半から参加。曲は「グランドキャニオン」から「日没」と「豪雨」。本番を経験したばかりなので、オケにも余裕ができてきた。曲が曲だけに体力勝負で細かなニュアンスは望むべくもないが。

P1010303 来年度予算のヒアリングも終わり仕事のピークも過ぎた。音楽を楽しむゆとりを取り戻そうと思う。今日聴いたのは、ディスクポート西武が出していた「世界名曲アルバム」(仏蘭西篇)のLP2枚組。

フォーレ、ドビュシー、デユパルクなどの芸術歌曲を中心に、フランスの革命歌から民謡までの40曲を集めたオムニバスアルバム。

演奏はクロワザ、ニノ・ヴァラン、スゼー、ティル、カルヴェ、からエディット・ピアフまでの錚々たるフランスの名歌手が名を連ねている。全てモノラル録音。いずれも代表的な名唱しかも選曲と配列も凝っていて非常に楽しめた。

中でもエディット・ピアフの歌う革命歌「サ・イラ」の絶唱が印象に残る。このオケ版編曲はジャン・フランセだ。パンゼラの歌うフランクの「夜曲」もロパルツ編曲という懲りようだ。

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