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2007年12月に作成された記事

2007年12月31日 (月)

バルワーザーのテレマンとモーツァルト

2007年も今日で終わる、晴れてはいるが昨日から強風強く裏山から吹き寄せられた落ち葉が庭に山をなしている。夜は、紅白をつまみ視しながら片付けをしたり音楽を聴いたりとしているうちに一年が過ぎていく。今年は二人の娘の進学、家の増改築、そして交通事故などいろいろな出来事があった年だった。また病や事故で古くからの友人・知人を何人か失った年でもあった。家族が皆息災で年を越せることに感謝しよう。

P1010325 P1010327 まず取り出したのはコンセルトヘボウ管首席フルート奏者だったH.バルワーザーの吹くフルート曲の数々。

一枚目は「テレマンのフルートと弦楽のための組曲」。B.パウムガルトナー指揮ウィーン響伴奏によるEPIC盤LP。カップリングはヘンデルのフルート協奏曲。そしてデーヴィス指揮ロンドン響をバックに控えたモーツァルトの二つのフルート協奏曲の日本フォノグラム盤LPの2枚を聴いた。

木製フルートのしっとり暖かな響きに心和む演奏。音色に頼るだけでなく明快でスピード感にも欠けていないのはさすがだ。バルワーザーは流派としてはドイツ系の流れをくむものだがウィーンのスタイルにより近いように思う。その点パウムガルトナーとのテレマンが非常に良いと思う。

テレマンの曲はバッハの管弦楽組曲第2番にも匹敵する名曲だ。憂いを帯びた序曲と次に続くアレグロはさにバロック。

そして年末はやはり「第九」。今年は若林顕のリスト版と、栗田博文指揮伊豆新創世記合唱団による二つの「第九」の生演奏を聴くことができた。

P1010328 今年最後として、ブロムシュテット指揮シュターカペレ・ドレスデンのライヴを聴いた。手持ちはレーザーライト盤のCD。

演奏の詳細は「第九を聴く」ということで沼響のHPに書きます。このコラムも完結を見ぬまま、ラフマニノフ、ブラームス、「第九」の三曲が溜まってしまいました。

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2007年12月30日 (日)

フィストラーリの「オーロラの結婚」

昨日からの雨は早朝上がる。本日から年末年始の休みとなり、お墓の掃除の後に床屋に行きながら年末の買出し。年賀状も出し終わり部屋の掃除などをしているうちに、慌しく一日が終わる。

P1010329 今日聴いたのは、チャイコフスキーのバレエ「眠りの森の美女」をディアギレフが手際よくまとめた「オーロラの結婚」。バレエ音楽の権化、フィストラーリ指揮のパリ音楽院管によるロンドンの10吋盤。

同曲にはストコフスキーの録音もあるが、フィストラーリはパリっと引き締まったスリムで小粋なところが魅力の演奏。パリ音楽院の艶のある響きも嬉しい名演。

P1010312 もう一枚は、スッガーマンの弾き振りで、ハイドンのヴァイオリン協奏曲第一番と協奏交響曲の独グラモフォンLP。ヴァイオリン協奏曲としては地味な曲を手際よくまとめた好演だ。

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2007年12月28日 (金)

ガウクのチャイコフスキー

曇りのち雨、本日御用納めとはいうものの通常通りの仕事量で帰宅は10時過ぎ。いろいろあった一年だったが何とか乗り切った・・・と考えよう。年末年始はあまり天気は良くないようだ。

P1010334 P1010335 アリアCDからロシアのVISTA VERAのCDが3点届いた。ガウクの指揮ではチャイコフスキーの交響曲第4番とオボーリンのピアノでピアノ協奏曲第一番、1954年と1958年のライヴ。もう一枚も合わせものでモーツァルトの3番と4番のホルン協奏曲に協奏交響曲というもの。いずれも1940年代後半から50年までのライヴ。

P1010333 もう一枚はG.ネイガウスの弾くショパンのピアノ協奏曲第一番と、リヒテルのピアノでラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。いずれも1948年5月19日のライヴで同日にこの二人のピアニストが出演したらしい。伴奏はアノーソフ指揮のソビエト国立響。

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2007年12月26日 (水)

山田一雄のアヴェ・マリア集

いろいろあった2007年もいよいよ押し詰まってきた。仕事に追われた一年だったが来年はさらに多忙になりそうだ。

P1010331 ここ二日ほど合唱曲ばかり聴いている。まず聴いたのはCBSソニーのファミリークラブが出していたLPからクリスマス名曲集で、かつてコロンビア専属だったオーマンディーやバーンスタインらによるクリスマスアルバム。

セル&クリーヴランド管による「もろびとこぞりて」などのクリスマスキャロル集が入っているのが珍しい。カザルスが指揮したバッハのコラール「羊たちは草を食み」も暖かな演奏で良い。最後はアンナ・モッフォの歌う「聖しこの夜」。

P1010330 続いて山田一雄が日本合唱協会他を指揮した古今の「アヴェ・マリア」を集めた日本コロンビアのLP。アルカデルト、A.スカルラッティ、ブルックナー、バッハ~グノーらの「アヴェマリア」の他、モーツァルトの「アヴェ・ヴェルム・コルプス」など10数曲。ア・カペラやオルガンとハープの伴奏で歌われている。

残響8秒の東京の聖マリア大聖堂での録音で、まるで風呂場で聴くようだ。4チャンネル録音が盛んだった70年代初頭のデモンストレーション的なアルバム。

P1010332 同じ聖マリア大聖堂での録音のドレスデン十字架合唱団によるライヴ録音も聴いた。ドイツシャルプラッテンによるCDでこちらは残響を排したきちっとした録音だ。

指揮は名匠M.フレーミヒ。ガルスやガブリエリに始まり、シュッツやバッハ、メンデルスゾーンらの宗教曲の数々がア・カペラで歌われている。山田一雄のLPとA.スカルラッティとブルックナーがだぶっている。

甘さを排した厳しい演奏。この合唱団とゆかりの深いシュッツとバッハはことさら感動的な演奏だ。アンコールの「夏の思い出」と「からたちの花」は日本語で歌われている。

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2007年12月24日 (月)

もう家のない子のクリスマス

昨日に続き良い天気となり日中は20度近くにもなった。久しぶりの二日続けての休日でゆったりとした気分で家の片付けと下の娘と買い物。

今日はこの時期しか聴く気にならないクリスマスにちなんだ名曲を数曲。

P1010328 まずはブリテンの名作「キャロルの祭典」を作曲者自演盤で聴く。1953年のコペンハーゲン少年合唱団のイギリス楽旅の際の録音で、合唱指揮はハイドンの演奏で名高いモーゲンス・ウエルディケ。手持ちは英ロンドンの10インチ盤。精度の高いアンサンブルと純な少年合唱の歌声に心洗われる演奏。

P1010332 続いてフランスのマリ・クレール・アランのオルガンで、ダカンやダンドリューらのオルガンのためのノエル集。エラート原盤のRVCビクター盤でフィオーリムジカーリシリーズ中の一枚。明るいオルガンの音色に高貴なフランスの香り漂う楽しい一枚。

P1010334 再び合唱曲でサン・サーンスの「クリスマス・オラトリオ」。カルブラン指揮のリヨン管その他による仏アリオン盤LP。小編成のオケとオルガンと4人の独唱者によるパストラール風の穏やかな作品。バッハとグノーの影響が強く。オケとオルガンのみの序奏には「バッハのスタイルによる舞曲」という副題が付いている。

P1010333 最後に、ドビュッシーの「もう家のない子のクリスマス」。第一次世界大戦で家を失った子供たちの悲痛な叫びを題材にしたドビュッシー最晩年の作品。2分余りの曲ながら、今までの曲のお祭り気分を吹き飛ばすような強烈な印象を残す名作。

演奏は、フランス国立放送局の合唱指揮者だったポール・クローデル指揮のクローデル合唱団による「女声合唱による珠玉のフランス合唱曲集」。フォーレ、プーランク、ルーセルらの小品を集めたまさに珠玉の名演集。エラート原盤による日本コロンビアモノラルLP。

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2007年12月23日 (日)

年末の第九、伊豆新世紀創造祭合唱団

朝まで残った昨晩からの雨は10時過ぎには上がり、良い天気となった。気温も上昇過ごしやすい休日。

20071126_405340 今日は沼響と第九で共演したこともある「伊豆新世紀創造祭合唱団」の第8回定期演奏会、第九公演。

会場の三島には比較的早くに着いたのだが、同行の家内がペットショップに入りたいと言い出し、ホール近くのペットショップでチンチラを見てたりしたためにホールに入ったのは開演10分前となってしまった。座席は大部分埋まってしまっていて、なんとか確保したのは左側最前席。目の前に見上げるようにファーストヴァイオリンが並んでいる。

プログラムの前半は信長貴富編曲による「ヴィヴァルディが見た日本の四季」。「四季」に日本の代表的な歌曲、「花」(春)、「城ケ崎の雨」(夏)、村祭り(秋)、ペチカ(冬)を挿入した編曲。「四季」と同じ規模の室内オーケストラの伴奏で歌われる。

日本歌曲とヴィヴァルディのコラボレーションは比較的うまくいっているが、ここでのヴィヴァルディはあくまでも脇役だ。今日は編曲者が会場に来ていて演奏の終了後に舞台上で紹介されていた。まだ若い気鋭の作曲家という印象。

合唱団は総勢二百数十人の大所帯。大部分は女声で男声は40人ほど。日本歌曲では良いが「第九」となるとバランスが難しかろう。

休憩の後、いよいよ「第九」が始まる。指揮は栗田博文さん、ソリストは先月明電舎ファミリーコンサートで沼響と共演したばかりのソプラノの家田紀子さん。アルトはこれまたおなじみの山下牧子さんにテノールの岡本泰寛さん、バリトンの北川辰彦さんという面々。

オケは熊川哲也バレエ団専属オケのメンバーが中心で、12型対向配置にベーレンライター版使用。ただし第4楽章のホルンの経過句はブライトコップ版の音型で吹いていた。安全策を採ったのだろうか。

オケのメンバーは非常に若い。栗田さんのキビキビとした指揮に乗り速いテンポで小気味良く演奏していく。ティンパニの強打や内声部のホルンの強奏も見事に決まっていて聴いていて気持ちが良い。ただし最前列左側に座ったために対向配置の妙味は視覚で補わざるをえない。独唱者も全然見えない。かろうじてオケのメンバーの合間からバリトンが見えるだけ。このバリトンの北川さんが張りのある声でなかなか良かった。山下さんは昨年の都響の「メサイア」以来だが、ずいぶんと貫禄が着いた。幸いホルンセクションも良く見えていたので、第三楽章での4番ホルンのソロの手際の良い分業も良く見える。

アマチュア合唱団の常として「第九」はスタミナのペース配分が難しく、心意気だけでなんとかなるものでもないが、臨時編成の合唱団と違い既に10年近いキャリアのある合唱団であるだけに大きな破綻もなく進んでいく。

第四楽章で熱き思いを込めてベートーヴェンを歌い上げていく合唱団のメンバーの表情を見ているうちに感動してきました。やはり第九は名曲です。

今日はいろいろあった今年一年のコンサート聴き収め。

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2007年12月22日 (土)

クリュイタンスの「ジークフリート牧歌」

天気は下り坂となり夕方から雨となった。冬休みに入ったというのに二人の娘は揃って風邪をひき寝込んでいる。本日出勤、年末の慌しさの中なんとなく仕事が身に入らぬ一日。

今日はクリュイタンスのワーグナーを聴いた。当初ヨッフムが振るはずだった1955年のバイロイト音楽祭の「タンホイザー」は、7月22日の公演直前にヨッフムの息子が19才で盲腸炎のために急逝してしまい、ヨッフムはショックのために振ることができなくなってしまった。急遽代役としてクリュイタンスが呼ばれたが、あまりに急な出来事のために最初の練習時にタンホイザーのスコアが間に合わなかったという。公演は成功し、以後クリュイタンスはバイロイトの常連となった。

P1010325 P1010326 この年の「タンホイザー」のバイロイトライヴもCDとして出ているが、クリュイタンスは、LPにして2枚分のワーグナーの管弦楽曲集のスタジオ録音を残している。オケはパリオペラ座管。手持ちの音盤は東芝セラフィムの廉価盤LPと仏パテのLPのトリアノン盤。

東芝盤は、「マイスタージンガー」、「タンホイザー」、「さまよえるオランダ人」と「ローエングリン」の第一、三幕前奏曲。トリアノン盤は「ジークフリート牧歌」、「森のささやき」、「夜明けとジークフリートのラインの旅」「葬送行進曲」というもので、トリアノン盤はモノラル。

いずれも遅いテンポでじっくりと進めた均整の取れた名演ばかり、特にフランスのオケの明るい音色が曲想とマッチした爽やかな「ジークフリート牧歌」が印象に残る。

P1010322 P1010321 沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの4番を聴く」にカイルベルトの来日公演の感想をアップしました。連載38回目。

1955年のバイロイト公演では、カイルベルトが「リング」を振り、このライヴ録音が昨年に引き続き今年も日本レコードアカデミー賞を受賞した。

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2007年12月21日 (金)

グールドのモーツァルト

音盤購入記録用の差し替え手帳の予備がなくなったので、昼休みに駅前商店街をブラついてみた。クリスマスソングが鳴り響き、年末ならではの賑わい。文房具屋を数件回ったがお目当てのものはどこにもない。数年前には同じサイズのものが数社から出ていたのだが。本日最終日の年末ジャンボ宝くじを購入し職場へ戻る。

昨日は年内最後のオケの練習日。ベートーヴェンの第3楽章の途中からから参加。2番ホルンは2オクターヴ近くの跳躍がポンポン出てくるのでウォーミングアップが不十分だと全くお手上げだ。

P1010323 今日はグレン・グールドの弾くモーツァルトとのピアノソナタから有名な「トルコ行進曲付き」を含むソナタ2曲と幻想曲を聴いた。手持ちはCBSソニーから出ていた国内盤LP。

数あるグールドの演奏の中で、ユニークさにかけては最右翼だろう。極端にスローモーな冒頭からして全く別の曲を聴くようだ。

そばで聴いていた娘が私にひとこと、「小学生が弾いているの?」。「・・・・・・・・」

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2007年12月18日 (火)

若林顕「たった一人の第九」

いよいよ大きなプロジェクト始動。新聞にも出ちまったしもう後戻りはできない。本日の説明会はまずまずの内容。

P1010318 今日は沼津楽友協会の12月例会、ピアニスト若林顕による「たった一人の第九」コンサート。沼津だと思っていた会場がチケットを良く見ると三島となっていた。このところこの手の勘違いが実に多い。

プログラムの中心はリスト編によるベートーヴェンの交響曲第9番。

てっきり一曲プロだと思っていたが、前プロに映画音楽があり、「ロメオとジュリエット」、「サウンド・オブ・ミュージック」やら5曲ほど並んでいる。おそらく地方公演のため主催者側が要請したのだろう。他の都市の公演では「第九」の前プロはシューマンの「幻想小曲集」なのに・・・・

美しいが平板な映画音楽に不覚にも寝入ってしまった。途中咳き込み、目覚めたところ隣の見知らぬおばさんがノド飴を差し出してくれた。感謝。

後半はリスト編による「第九」全曲。録音はいくつか聴いたことがあるが、実演に接するのは初めてだ。さすがに楽譜を見ながらの演奏だが、100人を超えるオケと独唱、合唱のための音楽をたった一人で果敢に挑戦していく。

しっかりとしたテクニックで豪快にして緻密に弾き切った一時間余。途中汗を拭きながらの熱演だった。アンコールはショパンの「夜想曲第20番」。澄みきった美しい音で実に丁寧に弾いてくれた名演。

P1010319 P1010320 帰宅後に家内の持っていたリスト編の「第九」の譜面を覗いてみた。家内に「これ弾けるの?」と聞いたところ「見るだけ・・・」との返事。

リストは2台のピアノのための編曲も残している。手持ちはコンティグリア兄弟によるコニサーソサエティ原盤の日本フォノグラム盤。

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2007年12月17日 (月)

ベイヌムのバッハ

本日、上司の御母堂の告別式のお手伝いの後、お仕事。やるべき仕事は山ほどあるが、ノドの痛みが出てきたので早々に切り上げ帰宅。

026 今日はヴァン・ベイヌムが聴きたくなった。コンセルトヘボウのベイヌム・ボックスからバッハのみを取り出して聴いてみた。

まず聴いたのはベイヌムとヘルトークのピアノによる2台のチェンバロのための協奏曲。この曲はオーボエとヴァイオリンのための協奏曲のバージョンで有名な曲。多彩な音色の楽しめる編曲バージョンも良いが、モノクロ写真のようなオリジナルも古色蒼然とした魅力がある。

異様な緊張感の中で速いテンポで突き進む演奏。第二次世界大戦勃発直後の1939年のライヴ録音。ベイヌムのピアノは非常に達者。

もうひとつはブゾーニ編曲のニ短調のチェンバロ協奏曲。こちらのピアノはディヌ・リパッティで1944年のライヴ。録音は悪いがこちらも研ぎ澄まされたリパッティのピアノの音色が印象的な名演。

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2007年12月16日 (日)

バックハウスのベートーヴェン後期ソナタ集

本日快晴。一日仕事となり、夜は上司の御母堂の御通夜の受付の手伝いで帰宅は8時過ぎ。大河ドラマ「風林火山」は総合テレビで見ることができず10時からのBSで視た。

P1010319 今日はベートーヴェンのピアノソナタの定番ともいえるバックハウスの演奏。

聴いたのはバックハウス2度目の全集から最後の3つのソナタ。晩年の演奏ながら技巧の衰えは感じられない。寸分の隙のない厳しいベートーヴェンの世界。

P1010318 裾野ファミリーコンサートの録音を聴くことができた。うちのオケもだいぶ演奏会慣れしたな、という印象。

細かな部分では素人っぽい部分はあるが、「トトロ」組曲はのびのびとしたリラックスな演奏で、非常に出来が良い。神崎ゆう子さんのナレーションも当日一回のみのリハーサルながら、実にうまいものだ。

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2007年12月15日 (土)

ヘブラーのショパン

本日快晴、夕方から強い風が吹いてきた。天空のオリオンが良く見える夜。

P1010317 今日はイングリット・ヘブラーのショパンを聴いた。手持ちは1970年のフィリップスへの録音の国内盤LP。中古で買ったので見本盤の大きなシールが張ってある。ここでヘブラーは19曲のワルツを弾いている。

モーツァルト弾きとして知られるヘブラーだが、両親はポーランド人であり最初の音楽教育もポーランドで受けている。ショパンの直系の弟子、ニキタ・マガロフにも学んでいるが、ショパンはVOXへの旧録音を含めてワルツ集の録音しかない。

華やかさはないが、モーツァルトの演奏で聴かれる美しい音色そのままの繊細にしてj格調の高いショパンが聴ける。

P1010314 P1010313 沼響のHPの聴き比べコラム、「ブラームスの4番を聴く」にカイルベルトの演奏の感想をアップしました。

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2007年12月14日 (金)

カイルベルトのR.シュトラウスとメンデルスゾーン

暮れに入っても仕事は多方面作戦を強いられ、同時進行する複数のプロジェクトを毎日なんとかこなすのに精一杯。直属の上司は来年去ることが決まっているので、責任が自分に収斂するのが目に見えている。正直逃げ出したい気持ちだがそうもいかない。

昨日のオケの練習は、来年の定演に向けてのベートーヴェンの交響曲第7番。8時過ぎに練習会場へ到着し第2楽章の途中から練習に参加する。

ベートーヴェン自身が絶好調の時に一気阿世に書き上げたエネルギッシュな曲。演奏する側も、ベートーヴェンの挑戦をがっちりと受け止める覚悟が必要な曲。気分が高揚しているときは良いが、疲労蓄積気味の今の自分にはちょいとシンドイ。

P1010315 今日はN響の名誉指揮者でもあったカイルベルトを聴いた。ワーナーから出ていたテルデック原盤のCDで、メンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」とR.シュトラウスの「ドン・ファン」。ベルリンフィルを振ったカイルベルト晩年の1967年録音。

完全にカラヤンの手中にあったこの時期のベルリンフィルで、カラヤンの得意とするR.シュトラウスの録音がなぜ可能であったのかは判らない。

カイルベルトは、同時期のカラヤンの録音から聴かれなくなった純正のドイツの音をベルリンフィルから見事に引き出している。とても同じオケとは思えないほど重厚な音。

夜になって、高校の同級生が事故のため意識不明の重態だというメールが入って来た。自転車での通勤途中に通行人をよけようとして転倒し頭を強打したという。なんとか助かって欲しい。

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2007年12月11日 (火)

石井歓の「風紋」

晴れた朝を迎えたが富士山には笠雲が懸かっていた。古くからの言い伝えのとおり昼からまとまった雨となった。

P1010311 今日は日本合唱界の大御所、石井歓の「風紋」を聴いた。石井歓の音盤で他に手元にあるのは管弦楽作品の組曲「まりも」と「シンフォニア・アイヌ」くらい。弟の石井眞木の方が自分には馴染みが深い。

この音盤も山田一雄の指揮に惹かれて購入したもの。合唱は東京アカデミー混声合唱団による日本キングのLP。

オーケストラ曲はいまひとつピンと来なかったが、この曲は素晴らしい名曲。無伴奏で歌われるきっちりとした日本的叙情の世界。

保科洋の「風紋」も名曲です。こちらは吹奏楽。

P1010309 P1010310 沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの4番を聴く」にカラヤンの77年スタジオ録音と83年のザルツブルクライヴの感想をアップしました。http://www.numakyo.org/

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2007年12月 9日 (日)

ゲルギエフのリアードフ

穏やかな日曜日。暮れの大掃除にはまだ早いが天気が良いので障子を4枚ほど張り替えた。我が家は古い家なので障子がやたらと多いが、これから暇を見つけて張り替えることにしよう。

P1010305 今日はミネソタ響の自主制作アルバムから、ゲルギエフとテンシュテットの客演ライヴを聴いた。ゲルギエフはリャードフの「魔の湖」、そしてテンシュテットは「田園」を演奏している。

全曲ピアニシモで終始するリャードフの小曲はセルも録音している曲。これほど緊張感に満ち、神秘的な雰囲気で聞こえてくる演奏はそう多くない。

テンシュテットの「田園」も奥行きのある味わい深い名演だが、第2楽章の途中で寝入ってしまった。それだけ安心して聴ける演奏、ということか。

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2007年12月 8日 (土)

スメターチェクのオペレッタ序曲集

ここのところ休みが不規則になり一週間の感覚が狂ってきた。今日も仕事で、今月から始まる一大プロジェクトの打ち合わせ有り。他人の立ち上げたプロジェクトだが膨大な予算をつぎ込み作成した初期の段階の計画が非常に杜撰で全く気乗りがしない。

内容を組み替えた計画の修正をしなければ、とても成功は覚束ない。だがこれからは自分が中心となり進めなければならない。

P1010314_2 こんな時はせめて明るい曲を聴こう、ということでオペレッタ序曲集を聴く。聴いたのはスメターチェク指揮するプラハ響の「オペレッタ序曲集」。

スプラフォン原盤の日本コロンビア盤で「チェコのカラヤン」といったおよそスメターチェクの芸風に似つかわしくない譬えで売り出されていた頃の録音。

「天国と地獄」「メリー・ウィドゥー」「こうもり」「美しきガラティア」といった有名曲中心にチェコの作曲家ネドバルの「モデスト・バルバラ」で締め括るのがスメターチェクのこだわりだろうか。ここでもスメターチェクはきっちりと生真面目に純音楽的な音楽を聴かせてくれる。

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2007年12月 7日 (金)

ストコフスキーのトリスタンとバルビローリのマイスタージンガー

本日天気晴朗なれども波高し。インフルエンザが流行りだした。今年の流行はかなり早いようで、市内の小中学校で学級閉鎖も出始めたようだ。昨年の冬にインフルエンザに罹り辛い目に会ったので本日上の娘と予防接種を受けることにした。

197136 一昨日は狩野川近くのブルーウォーターで職場の忘年会。http://allsweets.info/thebluewater.htm

川沿いの夜景が美しくどちらかというとカップル向きのお店だ。うちの職場は女性が多いために、どうしてもこのような選択になる。料理はそこそこに良いが宴会向きの店ではない。オジサン連中にはちょっと物足りず、二次会は上司と焼肉屋で一杯。

昨日はオケの練習後に来年の定演の前プロの方針を決める。いくつか自分の腹案を出してはみたが、ベートーヴェンの交響曲第7番がメインとなると、どうしても出番のないトロンボーン、チューバの入る大きな曲にならざるを得ない。結局、ワーグナーの曲をまとめた案とR.シュトラウスを中心とした案を次回の練習で皆に諮ることになった。うちのオケでは結果は見えているが・・・・

P1010311 久しぶりにワーグナーを聴いた。ワーグナーといえばクナッパーツブッシュやフルトヴェングラーだが、ストコフスキーの演奏から聴くことにする。今日聴いたのは、シンフォニー・オブ・ジ・エアーを振ったRCA盤LPから「トリスタンとイゾルデ」の第三幕前奏曲。

劇的で深い低音弦の響きと無伴奏で延々と続くコールアングレのソロのなんという孤独感。この演奏が密かにストコフスキーの最高傑作だと思っている。

P1010312 続いてバルビローリ&ハレ管による「ニュルンベルクのマイスタージンガー」から第3幕の抜粋曲。Pye原盤のティチクの国内盤LPから。

通常第3幕を取り出す場合は、「第三幕前奏曲」に続いて「徒弟たちの踊り」「親方たちの入場」となるのが常だが、シューリヒトのように最後は第一幕の前奏曲で閉める指揮者もいる。

ところがバルビローリ盤では「親方たちの入場」の最後の部分で「目覚めよ!」の合唱部分をオケなしで入れている。ジャケットに編曲者の表示がないがバルビローリ自身のアレンジではなかろうか。演奏は薄いオケの響きのためにおよそワーグナーらしくない。ただしロマンティックに歌い上げようとするバルビローリの努力は伝わってくる。

P1010313 もひとつワーグナー。G.レエル&ブタペスト響、カザンチェフ&ソフィア放送響などによる東ヨーロッパのマイナー指揮者達によるワーグナー管弦楽曲集。レーザーライトレーベルの廉価CDで、かつてDIYショップやデパートのワゴンセールで時々見かけたもの。

「タンホイザー大行進曲」に始まり、「リング」から数曲とこちらも「マイスタージンガー」の3幕の前奏曲が入っている。カチッとまとまったスリムなワーグナーで、このようなワーグナーも良いものだ。録音も良くこれは拾い物の一枚。

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2007年12月 4日 (火)

パレーとG.グールドのブランデンブルク協奏曲

今日はDisco AricivaのCD-R から、ポール・パレーのデトロイト響時代のコンサートライヴを聴いた。

P1010207 1963年10月13日のライヴとされるもので、メンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」に始まり、ピアニストのグレン・グールドを迎えてバッハのブランデンブルク協奏曲第5番とベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番というもの。

Disco Aricivaの常として放送のアナウンスも全て収録されている。グールドの座る位置やらステージ上のしぐさなど、あたかも野球の実況中継のような細かさだ。この音源は明らかに個人のエアチェックで「イタリア」のフィナーレではクレシェンドの途中で急に録音レベルが下がってしまい興ざめ。

飄々として彫りの深い音楽を聴かせてくれる名匠パレーの指揮も聴きものだが、このコンサートの主役は明らかにグールドだ。バッハではグールド独特の音楽の揺らぎが深い陰影を浮かび上がらせ、ベートーヴェンでは蝶が舞うような自由闊達さで聴き手を幸福な気分にさせてくれる。

P1010309 このベートーヴェンは、かつてDisques Refrainから同じパレーの伴奏の62年ライヴのベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番とのカップリングのCDが出ていたが(MADR205)、こちらの表記では1960年12月13日となっている。両者を聴き比べるとあきらかに同じ演奏だ。音はDisques Refrain盤の方が良い。

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2007年12月 3日 (月)

アーノルドの「ピータールー」序曲

朝から冷雨の降る月曜日。粛々と仕事を片付けた後に聴いたのはイギリスの作曲家マルコム・アーノルドの「ピータールー」序曲。アーノルドは映画「戦場にかける橋」の音楽で知られる作曲家だが、映画の中で有名になった「クワイ川マーチ」はアルフォードの作曲だ。

さほど関心のある作曲家でもなかったが、最近は吹奏楽コンクールでよく取り上げられる作曲家らしい。吹奏楽部でホルンを吹いている上の娘がアーノルドの「ピータールー」序曲を演奏するというので、手持ちの音盤を取り出してみた。

P1010308 聴いたのは英EMIのLPで、アーノルドがバーミンガム市響を振った自作自演集。これはカップリングされていたグローヴスの指揮するイギリス舞曲集がお目当てで購入したもの。

19世紀初めにマンチェスターで起きた虐殺をテーマに作曲されたという「ピータールー」序曲。ひたひた押し寄せる軍靴の響き、ブラスの絶叫と犠牲者を哀悼する悲痛な調べ、聴いてみるとなかなかシリアスで聴き応えのある曲だ。

P1010306 沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの4番を聴く」にカラヤンの演奏の感想をアップしました。連載35回目

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2007年12月 1日 (土)

菅沼武治著「六十歳のボストン留学挑戦記」

P1010303 穏やかで暖かな休日の土曜日。今年も畑の片隅の檸檬がたくさんの実をつけた。

樹齢15年ほどのこの檸檬は、3年前までは全く実をつけることがなかったが、3年前の夏のある日、母が檸檬に向かって「今年、実が生らなかったら、切っちゃうからね」と言ったところ。その年の暮れから100個以上の実をつけるようになった。不思議なこともあるものだ。

P1010304 今日は先日いただいた菅沼武治さんの「六十歳のボストン留学挑戦記」(文芸社)を読んだ。菅沼さんは大学の同窓でもあり、5年ほど一緒に仕事をしたこともある尊敬する先輩だ。

退職の際の送別会で「来年からアメリカへ行ってくるよ」と本人から聞かされ、それがボストン大学への留学だと判り仰天したことを今でもはっきり覚えている。

本書は、20代の留学生達の中で、「中年の夢」を実現するために悪戦苦闘する60代の著者の汗と涙の記録。読んでいてどこかユーモラスなのは菅沼さんの人柄だろう。

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