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2007年12月23日 (日)

年末の第九、伊豆新世紀創造祭合唱団

朝まで残った昨晩からの雨は10時過ぎには上がり、良い天気となった。気温も上昇過ごしやすい休日。

20071126_405340 今日は沼響と第九で共演したこともある「伊豆新世紀創造祭合唱団」の第8回定期演奏会、第九公演。

会場の三島には比較的早くに着いたのだが、同行の家内がペットショップに入りたいと言い出し、ホール近くのペットショップでチンチラを見てたりしたためにホールに入ったのは開演10分前となってしまった。座席は大部分埋まってしまっていて、なんとか確保したのは左側最前席。目の前に見上げるようにファーストヴァイオリンが並んでいる。

プログラムの前半は信長貴富編曲による「ヴィヴァルディが見た日本の四季」。「四季」に日本の代表的な歌曲、「花」(春)、「城ケ崎の雨」(夏)、村祭り(秋)、ペチカ(冬)を挿入した編曲。「四季」と同じ規模の室内オーケストラの伴奏で歌われる。

日本歌曲とヴィヴァルディのコラボレーションは比較的うまくいっているが、ここでのヴィヴァルディはあくまでも脇役だ。今日は編曲者が会場に来ていて演奏の終了後に舞台上で紹介されていた。まだ若い気鋭の作曲家という印象。

合唱団は総勢二百数十人の大所帯。大部分は女声で男声は40人ほど。日本歌曲では良いが「第九」となるとバランスが難しかろう。

休憩の後、いよいよ「第九」が始まる。指揮は栗田博文さん、ソリストは先月明電舎ファミリーコンサートで沼響と共演したばかりのソプラノの家田紀子さん。アルトはこれまたおなじみの山下牧子さんにテノールの岡本泰寛さん、バリトンの北川辰彦さんという面々。

オケは熊川哲也バレエ団専属オケのメンバーが中心で、12型対向配置にベーレンライター版使用。ただし第4楽章のホルンの経過句はブライトコップ版の音型で吹いていた。安全策を採ったのだろうか。

オケのメンバーは非常に若い。栗田さんのキビキビとした指揮に乗り速いテンポで小気味良く演奏していく。ティンパニの強打や内声部のホルンの強奏も見事に決まっていて聴いていて気持ちが良い。ただし最前列左側に座ったために対向配置の妙味は視覚で補わざるをえない。独唱者も全然見えない。かろうじてオケのメンバーの合間からバリトンが見えるだけ。このバリトンの北川さんが張りのある声でなかなか良かった。山下さんは昨年の都響の「メサイア」以来だが、ずいぶんと貫禄が着いた。幸いホルンセクションも良く見えていたので、第三楽章での4番ホルンのソロの手際の良い分業も良く見える。

アマチュア合唱団の常として「第九」はスタミナのペース配分が難しく、心意気だけでなんとかなるものでもないが、臨時編成の合唱団と違い既に10年近いキャリアのある合唱団であるだけに大きな破綻もなく進んでいく。

第四楽章で熱き思いを込めてベートーヴェンを歌い上げていく合唱団のメンバーの表情を見ているうちに感動してきました。やはり第九は名曲です。

今日はいろいろあった今年一年のコンサート聴き収め。

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