クリュイタンスの「ジークフリート牧歌」
天気は下り坂となり夕方から雨となった。冬休みに入ったというのに二人の娘は揃って風邪をひき寝込んでいる。本日出勤、年末の慌しさの中なんとなく仕事が身に入らぬ一日。
今日はクリュイタンスのワーグナーを聴いた。当初ヨッフムが振るはずだった1955年のバイロイト音楽祭の「タンホイザー」は、7月22日の公演直前にヨッフムの息子が19才で盲腸炎のために急逝してしまい、ヨッフムはショックのために振ることができなくなってしまった。急遽代役としてクリュイタンスが呼ばれたが、あまりに急な出来事のために最初の練習時にタンホイザーのスコアが間に合わなかったという。公演は成功し、以後クリュイタンスはバイロイトの常連となった。
この年の「タンホイザー」のバイロイトライヴもCDとして出ているが、クリュイタンスは、LPにして2枚分のワーグナーの管弦楽曲集のスタジオ録音を残している。オケはパリオペラ座管。手持ちの音盤は東芝セラフィムの廉価盤LPと仏パテのLPのトリアノン盤。
東芝盤は、「マイスタージンガー」、「タンホイザー」、「さまよえるオランダ人」と「ローエングリン」の第一、三幕前奏曲。トリアノン盤は「ジークフリート牧歌」、「森のささやき」、「夜明けとジークフリートのラインの旅」「葬送行進曲」というもので、トリアノン盤はモノラル。
いずれも遅いテンポでじっくりと進めた均整の取れた名演ばかり、特にフランスのオケの明るい音色が曲想とマッチした爽やかな「ジークフリート牧歌」が印象に残る。
沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの4番を聴く」にカイルベルトの来日公演の感想をアップしました。連載38回目。
1955年のバイロイト公演では、カイルベルトが「リング」を振り、このライヴ録音が昨年に引き続き今年も日本レコードアカデミー賞を受賞した。
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