パレーとG.グールドのブランデンブルク協奏曲
今日はDisco AricivaのCD-R から、ポール・パレーのデトロイト響時代のコンサートライヴを聴いた。
1963年10月13日のライヴとされるもので、メンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」に始まり、ピアニストのグレン・グールドを迎えてバッハのブランデンブルク協奏曲第5番とベートーヴェンのピアノ協奏曲第2番というもの。
Disco Aricivaの常として放送のアナウンスも全て収録されている。グールドの座る位置やらステージ上のしぐさなど、あたかも野球の実況中継のような細かさだ。この音源は明らかに個人のエアチェックで「イタリア」のフィナーレではクレシェンドの途中で急に録音レベルが下がってしまい興ざめ。
飄々として彫りの深い音楽を聴かせてくれる名匠パレーの指揮も聴きものだが、このコンサートの主役は明らかにグールドだ。バッハではグールド独特の音楽の揺らぎが深い陰影を浮かび上がらせ、ベートーヴェンでは蝶が舞うような自由闊達さで聴き手を幸福な気分にさせてくれる。
このベートーヴェンは、かつてDisques Refrainから同じパレーの伴奏の62年ライヴのベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番とのカップリングのCDが出ていたが(MADR205)、こちらの表記では1960年12月13日となっている。両者を聴き比べるとあきらかに同じ演奏だ。音はDisques Refrain盤の方が良い。
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