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2008年1月に作成された記事

2008年1月31日 (木)

マルケヴィッチ、イスラエルフィルとのライヴ

ここ数日暖かだったが夜になって寒くなった。仕事はびっしり密度が濃く時間の経つのも早い。出勤して昼までの時間のなんと短いことか。

明日は外部のお偉方を招いての重要な会議二連発。説明資料造りに追われる一日。なんとか目処がつき夜のオケの練習になんとか参加することができた。

本日は今年初のホール練習。やはりのびのびと練習できるのが良い。曲はウェーバーの「オベロン」序曲とワーグナーの「タンホイザー」序曲。古典的な格調の高さの中にロマン派の萌芽が感じられるウェーバーは良い曲だ。管楽器はさほどではないがヴァイオリンはなかなかの苦戦。

P1010326 今日はマルケヴィッチがイスラエルフィルに客演した際のライヴを聴いた。1976年のライヴとされるCD-R盤で「展覧会の絵」と「田園」というもの。マルケヴィッチの「展覧会の絵」は何種類かあるが、「田園」はライヴ映像があるきりだった。この中から「展覧会の絵」を聴く。

筋肉質で引き締まった無駄のないいつものマルケヴィッチのスタイルだが、イスラエルフィル独特の艶のある豊麗な響きとうまく溶け合って見事な名演となった。オケが完全に鳴り切った壮麗な「キエフの大門」は巨大な建造物を仰ぎ見るようで、ただただ圧倒されるばかり。多少ノイズが入るがステレオなのがありがたい。

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2008年1月29日 (火)

ソンドラ・ビアンカのショパン「ワルツ集」

昨日は所用で東京へ出かけた、行きがけに職場に寄りシステム更新の日程の軽い打ち合わせをSEと担当相手に済ませ沼津駅へ向かう。昼過ぎには所定の用事は全て終了し、久しぶりに御茶ノ水「ディスクユニオン」を覗くことにした。お店の中は変わりばえしないものの、CDの在庫が減ったような印象だ。

買取20%アップ中ということで持参したCDとDVD10枚ほどを処分。ネット通販とオークションで間に合うCDにはあまり関心がなく、さっそくLPの新入荷コーナーをパラパラと漁ってみる。よほどの貴重品以外LPの値段は安値安定の傾向のようだ。

数枚引き出した後420円均一コーナーへ場所を移す。自分がレア盤だと思っていた音盤何枚をそこで見つけ複雑な気分。

P1010337 P1010332_2 そんな中で手に取ったのは、かつて指揮者ハンス・ユルゲン=ワルターとのコンビで多量の廉価盤が出回っていた女流ピアニスト、ソンドラ・ビアンカのショパン「ワルツ集」MMS盤。イギリスの作曲家アイアランドの管弦楽曲集、ボールト指揮のLyrita盤。

P1010334 P1010328 P1010329 K.コルト指揮のポーランド勢による「メサイア」全曲の4枚組LP、ポーランド国内仕様MUZA盤。そしてM.ヤノフスキ指揮ロンドン響によるワーグナーの初期の作品を集めた秘曲集。国内EMI盤。

ハンスバーガー指揮のイーストマンウインドアンサンブルによる、O.リード、サリナック、ニクソンの作品。これは有名なフェネル指揮のマーキュリー盤とは全く異なるMCA音源。

今回はイタリアの名匠プレヴィターリの録音を数枚。

P1010330 P1010331 Ricordiから出ているロッシーニ歌劇序曲全集2枚組に続き、ラヴェルの「マメールロア」組曲、チェリビダッケ若き日のプロコフィエフとのカップリングのRCAブルーバード盤。

フレスコバルディとペトラッシの作品を振ったデッカ盤などなど。

P1010335 P1010338 他にマスネ、エック、ルーセル、ドビュッシーの組曲作品ばかりを集めたヴァレーズ・サラバンド盤。音源はウラニアとの記述があり、ルーセルとドビュッシーはチェリビダッケの戦時中放送録音。ジャケットが痛んでいるために格安。

その他20枚余りを購入したところ、ディスクユニオン製作だというデッカ音源のシューリヒトのブラームス交響曲第2番のLPをいただいた。

帰りは17時33分新宿発沼津行きの小田急「あさぎり」に乗車。松田を過ぎたあたりから乗客がめっきり減り、広い車両には自分ひとり。

沼津は細かな雨。ずしりと重いLPを持ったまま再び職場に戻り後9時過ぎに帰宅。

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2008年1月27日 (日)

デーヴィスのベルリオーズ、テ・デウム

昨日は沼響の新年会。いつもは一月の第一週の土曜日だが、今年は団内のアンサンブル大会に合わせたため遅い新年会となった。長泉町のベルフォーレでおこなわれたアンサンブル大会は、芸達者の沼響の面目躍如の楽しいものだったらしい。自分はかつての上司との約束がありアンサンブル大会は欠席。宴会のみの参加。

新年会会場はいつもの「越前屋藤助」で安い会費でいつもながらボリューム満点の料理。新しいメンバーも増え益々盛況でめでたいかぎり。

楽しい一晩の後は本日出勤。コンピューターシステムの更新資料に目を通し、週末東京から専門家を招いておこなわれる審査会のために業者から提出されたプレゼン資料をチェック。さらに同時進行のもうひとつの会議の欠席委員へ電話連絡と御意見聴き取り。

日常の業務のほか3つの重要なプロジェクトを同時進行させる重要な一週間がいよいよ始まる。

仕事をしながらも耳の中には、先日視たローマ歌劇場の「トスカ」第一幕のテ・デウムの音楽がまだ鳴っている。

P1010331 帰宅後聴いたのはベルリオーズ振りとして有名なC.デーヴィスの指揮によるベルリオーズの「テ・デウム」。

1968年のロンドン響との録音でADFディスク大賞受賞盤のフィリップスのLP。デーヴィスは後にドレスデン・シュターカペレを振り再録音をおこなっている。

巨大な編成のあまり密度の薄い演奏になりがちなこの作品を、デーヴィスは極めて精緻にまとめ上げている。

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2008年1月25日 (金)

パヴァロッティ、ローマ歌劇場のトスカ

職場のコンピューターシステム更新は、膨大な量のファイル変換を含むため今までになく複雑なものになっていた。本稼動直前の確認作業は膨大なものになりそうだ。

夜は文化センター主催のディスクコンサートの解説者として参加。直前の会議が長引いてしまい会場に到着したのは始まる30分前。係りの人が心配して玄関前で待っていた。急ぎ会場に入り再生装置のチェックをおこなっているうちにお客さんが入ってきた。

Tosca16 本日のディスクは、今年生誕150年となるプッチーニの「トスカ」全曲。

1990年ローマ歌劇場のライヴ映像だ。カヴァイバンスカとパヴァロッティの二大スターをそろえた初演の地のローマ歌劇場の「トスカ」。ヨーロッパサミット開催中であり、ミッテラン大統領をはじめとしたVIPが見守る中での公演のため通常とは異なる会場の雰囲気が画面からも伝わってくる。

解説は、内容を考えている時間がなかったので、自分の知っていることを簡潔に話すことのみにする。お客さんの中には私が足元にも及ばないオペラ通もいるので、迂闊なことは話せない。(^^;

光と影を巧妙に組み合わせた簡潔な舞台。衣装もトスカ以外はモノクロームに統一されている。会場の華やかさに比べていささか地味な舞台だが、パヴァロッティの存在感が他を圧している。会場の熱狂的な拍手に応えて第3幕の「星は光りぬ」ではアンコール。

よほど好調だったのだろう。好調なパヴァロッティの前にカヴァイバンスカのトスカはちょいと霞んだ印象。演技は見事だが歌唱はいまひとつ。若いオーレンの指揮はドラマティックで叙情的な実に見事な伴奏を付けている。2回目の「星は光ぬ」のクラリネットソロも絶品。

終演は9時過ぎとなった。大ホールでは石川さゆりのコンサートがありホール駐車場の出口は大渋滞。その後再び職場に舞い戻りいくつかの案件のチェックの後帰宅。

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2008年1月24日 (木)

パヌフニクのコンチェルト・フェスティーボ

久しぶりに良い天気となった。仕事帰りに天を仰ぐと見事な満月。今日はオケの練習日。

練習会場に入ると中プロの「タンホイザー」序曲が始まっている。今までベートーヴェンばかりなので、トロンボーンのメンバーは今日が初練習。「タンホイザー」の合わせは今日が初めてだが、曲としての体裁はそれなりに整っている。これならば問題はなさそうだ。

Index_image 休憩時間中に今年の夏に静岡のグランシップでおこなわれるイベントの詳細発表があった。

県内の音楽家をプロアマを問わず400人集めオーケストラ演奏させるらしい。指揮は井上道義、曲目はパヌフニクの「神聖な交響曲」のファンファーレ、クセナキスの「ノモス・ガンマ」、「水上の音楽」「ボレロ」「惑星より」という内容。

400人とはいっても奏者のレベルは様々だろうし練習もわずか4回だという。選曲にかなり苦慮した様子。さすがにクセナキスは編成とおりの98人でやるらしい。もっともこの曲を400人でやったら収拾がつかなくなってしまい騒音の洪水となってしまうだろう。

今日はひさしぶりにパヌフニクを聴いた。「神聖な交響曲」はN響が30年ほど前に演奏していたのをFMで聴いた記憶がある。今でも当時のエアチェックテープが家のどこかにあるはずだ。確かテレビでも放映していて指揮は秋山和慶だったような気がする。とにかくやたらとトランペットの数が多かった。

P1010328 今日聴いたのは自作自演の「Concert Festivo」。3楽章からなる15分余りの短い曲。ブラスのみの第一曲、弦楽器のみの第2楽章ラルゲットを経て打楽器コンチェルトのような第3楽章。オケはロンドン響のユニコーン盤LP。

パヌフニクの曲は皆どこかで聴いたことがあるような曲だ。この曲も聴いているうちにクレストンのマリンバ協奏曲を思い出した。

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2008年1月23日 (水)

avexのワンコインCD

氷雨の降る一日。本日職場のお偉方と県外から有識者数名を集めての会議。これから自分が取り組む大仕事への細部に渡る検討の開始。10数年に及ぶ巨大プロジェクトなだけに2時間余りの会議の終了後は疲労困憊。

休む間もなく来月から始まる職場のコンピューターシステム切り替えのためのSEとの打ち合わせ。細かな条件設定表を見ているうちに目がショボショボしてきた。

昨日久しぶりに地元のCDショップ「すみや」に立ち寄った。中学時代からお馴染みの音盤ショップで、他の個人経営のレコード店が軒並み店じまいする中、唯一孤軍奮闘していたが数年前にTUTAYAに吸収されてしまいクラシックの在庫はめっきり減った。ただ在庫管理のいい加減さ?が幸いして廃盤・品切れで入手困難となっているCDが時々埋没して生き残っていたりするので油断ができない。

今回はそのようなCDは見つけることができなかったが、クラシックコーナーの片隅で一枚一枚500円のCDシリーズが目に付いた。「ははーん、ひところ良く見かけた怪しげなワゴンセールのCDかいな」といろいろと漁ってみたが、発売元はavexでどうやらNAXOSの音源らしい。コシュラーのR.シュトラウス、ティントナーのブルックナー、ヤンドーのラフマニノフ・・・エトセトラ。派手さはないが水準の高い渋い音盤が揃っている。

P1010329 そんな中で~癒しのチェロ名曲集~というCDが目に付いた。チェロとオーケストラのための作品集で、サンサーンスの「白鳥」、ラフマニノフの「ヴォカリーズ」といったお馴染みの曲のほかグラズノフの「吟遊詩人」、ポッパーの「ハンガリー狂詩曲」などの珍しい曲がはいっている。

チェリストはマリア・クリーゲル、ヴィタウタス・ゾンデキス、アレキサンドル・ルディンという顔ぶれ。全然知らない名ばかりだ。伴奏指揮に名チェリスト、D.ゲリンガスの名が見えるのがポイント。オケはリトアニア室内菅、アイルランド響などなど。500円ならば良いだろうと気軽に購入。

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2008年1月21日 (月)

スウィトナーのタンホイザー

P1010321 大寒の今日はこの冬一番の寒さとなった。後北条氏の砦跡のある裏山の頂にはうっすらと雪が積もっている。午後からの雨も夜のうちに雪になりそうだ。

今年の定演の前半のプログラムは結局「オベロン」と「タンホイザー」の二つの序曲が並ぶことになった。メインのベートーヴェンと併せて純正ドイツ音楽プログラム。

今日はN響の名誉指揮者だったスウィトナーのワーグナー管弦楽曲集から「タンホイザー」序曲を聴いた。PILZ音源で、「ローエングリン」一幕、三幕の前奏曲に「タンホイザー」から序曲とバッカナール、第三幕の前奏曲。そして「ジークフリート牧歌」が入っている。オケはベルリン国立歌劇場菅。

スウィトナーはバイロイトで「タンホイザー」を振っているし、ベルリン国立歌劇場の引越し公演でも取り上げていた。この録音はドレスデン版を用いながらも次にバッカナーレが入っている。

P1010333 常にオペラハウスでの活動が中心であったスウィトナー。このワーグナーもゆっくりとしたテンポで壮大に歌い上げた名演だ。嚠喨と吹き鳴らすトロンボーンの力強い響きが実に素晴らしい。

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2008年1月20日 (日)

シェッファー、クルツのモーツァルト

昨晩夜更かししたため本日目覚めたのは9時過ぎ。午前中は青空の広がる良い天気だったが午後から雲行きが怪しくなり、夕方からみぞれ交じりの冷たい雨となった。

朝が遅かったために貴重な休日が無為無策のうちに過ぎていく。訪ねて来た弟と甥の相手をしながら一日が終わる。

P1010328 今日は女流フルーティスト、エレーン・シェッファーのモーツァルトを聴く。東芝EMIの廉価盤LPセラフィムシリーズのLPで、かつて多量に出回っていたもの。

LP時代はあまり注目することのなかった演奏だったが、最近クルツの指揮するモーツァルトということで気になり始めた。シェッファーはフィラデルフィア菅のキンケイドに師事し自身もフィラデルフィア菅で吹いていた。この録音のほかはメニューインの指揮するバッハの管弦楽組曲が同じシリーズから出ていた。

確かな技巧と清楚な雰囲気のフルートソロは好ましく感じるものの、もう少し自己主張があっても良いと思う。知的にすっきり整えた伴奏のクルツはさすがに見事だ。

P1010315 沼響のHP「ブラームスの4番」を聴く、にシュミット=イッセルシュテット最後の演奏会ライヴの感想をアップしました。連載41回目。

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2008年1月19日 (土)

パイヤールの水上の音楽

寒い日が続き明日の日曜からは雪が降るかもしれない。本日も一日仕事。

514jhlotx7l_aa240_ 仕事帰りに寄った楽器屋で雑誌や音楽書をパラパラ立ち読みしているうちに月刊誌「ショパン」が目に付いた。

特集は「2008年注目の邦人若手ピアニスト大集合」で今注目の気鋭ピアニスト8人による座談会というもの。この中に沼響と共演した海瀬京子さんの名を見つけて嬉しくなった。カメラ目線の撮影もだいぶ慣れたようだ。

P1010319 今日はパイヤールの「水上の音楽」。ピリオド楽器全盛の今日、ほとんど忘れられたような存在のパイヤールだが、自分がクラシック音楽を聴き始めの頃、バロック音楽と言えば、パイヤール、イ・ムジチ、レーデル、ミュンヒンガーといったところが定番だった。

2種あるパイヤールの「水上の音楽」のうち再録音を聴いた。トランペットのアンドレやオーボエのシャンボン、ホルンのガルサン・マルーなどの往年のフランスの管楽器の名手達を揃えた豪華な演奏。カラフルで華やかな今聴いても十分通用する名盤だ。手持ちの中からフランス・エラートのSTU規格のLPで聴いたが、最良の状態のアナログ録音の芳醇な響きを堪能。

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2008年1月18日 (金)

ワルター・ゲールのドリーヴ

どんよりと冷えた一日。昨日は新進気鋭の講師を招き県内同業者を集めての研修会。全く異なる分野の方からの鋭いご意見を拝聴。

夜はオケの練習に参加する。先週は近所のお通夜と重なり欠席してしまったため今年初めての参加となった。しばらく吹いていなかったので、合奏部屋の隣部屋でいつもより長めにウォーミングアップをおこなう。部屋に入るとオケの入団希望者の女性がいてホルンを吹いていた。軽く自己紹介の後しばし歓談。

合奏部屋に入ると狭い部屋にオケのメンバーがぎっしり詰まっている。10型オケに倍管の管楽器群によるベートーヴェン。これだけ揃っていると練習も楽しい。久々の練習でここのところ溜まっていたストレスもだいぶ解消された気分。

本日は仕事の後誘われて映画「六ヶ所村ラプソディ」の上映会に参加。監督の鎌仲ひとみさんのトークの後、映画の上映。核再処理工場の周辺の人々の生活を活写したドキュメンタリーの力作。http://www.rokkasho-rhapsody.com/index2

原発に疑問を感じながらも日々の糧を得るために再処理工場で働かざるをえない人々の姿。昨年浜岡原発を見学したこともあり、映画の内容がリアルに感ぜられる二時間余り。原発事故の恐ろしさを感じながらも電気の恩恵をぬくぬくと受けている自分。

P1010320 今日はワルター・ゲール指揮のコンセール・ド・パリによるドリーヴの「コッペリア」と「シルヴィア」組曲。

米コロンビアのモノラルLPだが録音は驚くほど鮮明。同じ組み合わせでコンサートホールレーベルからもLPが出ていた。同じものだろうか。

「シルヴィア」は通常聴かれる組曲だが、「コッペリア」は8曲収録。シンフォニックで実に雄大な演奏だ。リズムの切れも申し分ない。大活躍のホルン群は古きよき時代のヴィヴラートたっぷりのフレンチスタイル。アンサンブルがラフになりがちだったこの頃のフランスのオケをゲールはきっちりと引き締めている。

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2008年1月16日 (水)

リリングのハイドン

今日はバイクで出勤。冬のバイクは辛いものだが家内がリサイクルショップで見つけてきた鎧のような豚皮のジャンパーが風を完全にシャットアウトしてくれるので、さほど寒さは感じない。

P1010317 今日はリリング指揮シュトゥットガルトのバッハ・コレギウムの演奏でハイドンの交響曲を2曲聴いた。米ターナバウトのLPなのでリリングの若い頃の録音のようだ。曲は交響曲第31番「ホルン信号」、交響曲第59番「火事」のカップリング。数あるハイドンの交響曲の中で何故この2曲を選んだのかよくわからない。

古典的できっちりとした中にほのかなロマンの漂う好演。31番で活躍する4本のホルンも非常にうまい。

もうひとつ、L.モーツァルトの「おもちゃの交響曲」をスワロフスキー指揮のウィーン祝祭管による仏ムジディスクのLPで聴く。ジャケット表記はハイドン作曲となっている。カップリングは「ピーターと狼」でナレーションはフランス語。

P1010318 オケは小編成のようだ。子供向けというよりもきちんと真面目に作品に向かい合った演奏。第3楽章でグロッケンシュピールを強調しているのがユニーク。

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2008年1月14日 (月)

ティーリヒェンのティンパニ協奏曲

朝から底冷えのする一日、遠く箱根の峰にはうっすらと雪も見える。昨日に引き続き本日出勤。ほぼ仕事に目処がつき6時前には帰宅。

P1010309 今日はティンパニ奏者、ティーリヘヒェンとザードロの演奏を聴いた。ティーリヒェンはフルトヴェングラー時代のベルリンフィル、ザードロはチェリビダッケ時代のミュンヘンフィルの名ティンパニ奏者だ。

音盤はKoch Schwannから出ているCDで「Das Schlagzeug」というアルバム。昨年、近所のBook・offで750円にて購ったもの。18世紀のJ.W.Hertelのティンパニ協奏曲とティーリヒェンのティンパニ協奏曲に加えて、S.Fink、Keiko Abeらの作品を集めたもの。

ザードロとティーリヒェンの演奏に加えてデユッセルドルフパーカションアンサンブル、ハンドリー&ベルリン放送響も加わる。

古典的なJ.W.Hertelの協奏曲からポップ調のM..Glentworthまでのきわめて多彩な作品の数々。どれも親しみやすい作風で、聴き手を飽きさせない。

P1010316 沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの4番」を聴くに、シュミット=イッセルシュテットの演奏の感想をアップしました。

連載40回目

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2008年1月13日 (日)

シューリヒトのウェーバーとメンデルスゾーン

昨日からの雨が残る寒い一日となった。近所のお通夜と葬式で休暇を取ったこともあり、巷の三連休を横目に今日と明日は仕事。机上にモニュメントのようになっていた未決の書類は今日一日でだいぶ少なくなった。

P1010311 今日はシューリヒトのウェーバーとメンデルスゾーンをコンサートホール原盤の日本コロンビアのCDで聴いた。1962年9月の録音のオケはバーデンバーデンの南西ドイツ放送響。

数年前、沼響HPのコラム「第九を聴く」のシューリヒトの項に「シューリヒトの演奏はフルトヴェングラーのようなワーグナー派のデモーニッシュなものではなく、むしろメンデルスゾーンの流れをくむ客観的冷静な目で作品を見据えた端正なスタイル。」自分はこう書いた。

このCDの「オベロン」、「オイリアンテ」、「ルイ・ブラス」などのウェーバーとメンデルゾーン序曲集はまさにこのような演奏だ。

P1010312 もう一枚、シュトゥットガルトの放送オケを振ったブルックナーの交響曲第7番。1953年のライヴでヘンスラーから出ているCD。

こちらも飄々とした仙人のようなスタイル。身が清められるような世俗を超越した清潔感が独特の魅力の名演。

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2008年1月11日 (金)

ハラシェビッチのショパン、ワルツ集

近所のお年寄りが亡くなり、昨日のお通夜から今日のお葬式まで、受付その他の手伝いの二日間となった。夜から生暖かな雨。

P1010310 今日はハラシェビッチの弾くショパンのワルツ集を聴いた。日本フォノグラムから出ていたLPでワルツ全19曲が入っている。

1955年のショパンコンクールで、あのアシュケナージを抑えて1位となってしまったことのみがクローズアップされた気の毒なハラシェビッチ。そのハラシェビッチは自分が中学のときに沼津に来てリサイタルを開いていった。雨漏りがするようなオンボロの当時の沼津市公会堂でのコンサートだったこともあり、土座回りの哀愁の漂うコンサートだったような気がする。

このワルツ集は独特な癖はあるものの非常に素直な演奏だ。だが聴き進むにつれて変化の乏しさにしだいに退屈して来た。テクニックも弱い部分があるようだ。60年代から70年にかけて、ショパンの主要作品のほとんどの録音を残したハラシェビッチだが、ショパン以外の録音はあるのだろうか。

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2008年1月 9日 (水)

モントゥー、ロンドン響との「春の祭典」

今日は朝から会議漬け。午後の会議は結論の出ぬまま堂々巡りのスパイラルに陥るという最悪の事態。

P1010117 Disco Archivaのライヴ集からモントゥー最晩年のロンドン響とのライヴを聴いた。1963年5月23日のライヴとされるもので「マイスタージンガー」第一幕前奏曲、ブラームスのピアノ協奏曲第2番(独奏はクライバーン)、そして自らが初演を振った「春の祭典」というもの。

ボケた頭に活を入れられるような力漲る毅然としたモントゥーのブラームス。対するクライバーンのピアノは表面的なものに終始しオケに完全に埋没。

続く「春の祭典」はロンドン響の機動力全開の豪演。モントゥーの即興的なテンポの動きに必死に喰らい付いて行くオケ、ティンパニの乱打も凄まじく、数あるモントゥーのハルサイ中最もエキサイティングな演奏。ただし第一部の途中で朗読のようなものが数分混信、これは惜しい。

P1010302 興奮した頭を冷やすために聴いたのは、今年のニューイヤーコンサートに登場したプレートルのプーランク。

タッキーノをソリストに迎えたピアノ協奏曲。東芝から出ていた「フランス音楽のエスプリ」シリーズのLPでオケはパリ音楽院管。

粋でお洒落なプレートル若き日の名演。

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2008年1月 7日 (月)

オーマンディーの「水上の音楽」

昼前から冷たい雨が降ってきた。今日から仕事始めの会社も多く、仕事の合間にしばし新年のご挨拶。

P1010310 タワーレコード・ヴィンテージコレクションのCDで、RCA音源からオーマンディーとストコフスキーの演奏をヘンデルの「水上の音楽」と「王宮の花火の音楽」聴いた。ストコフスキーの演奏は花火の音と歓声入りで有名なもの。

この盤には「水上の音楽」がオーマンディーとA.ハリスの2種の編曲が含まれている。CBS音源のオーマンディー編の別演奏も手元にあり、3者の聴き比べも興味深い。

最近では流行らない大編成オケによる演奏だが、オーマンディーの編曲はゴージャスな響きのフィラデルフィア管の特性を節度を保ちつつカラフルに仕上げているのが聞きもの。その点ハリスの金ぴか主義の編曲とは一線を画する。

P1010311 同じオーマンディー編でもCBSの旧盤はオーケストレーションが多少異なり、RCA盤と比べ速いテンポで軽快に仕上げているのがミソ。RCA盤は、第一曲のアレグロを第三曲目としてもう一度繰り返しているが、ちょっとこれはくどい。

P1010314 沼響のHPの聴き比べコラム「ブラームスの4番を聴く」にコンヴィチュニーのライヴの感想をアップしました。連載39回目。

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2008年1月 6日 (日)

フデチェックの春の海

春のような暖かな一日。家内は魂柱が外れてしまったチェロを直しに伊豆の国市韮山在住の弦楽器製作者、野田脩次さんのアトリエに出かけている。

P1010306 自分も行こうと思ったが、物置の棚が作りかけだったのを思い出し、そちらを完成させることにした。ほぼ出来上がったとき家内が帰ってきた。

韮山は、代官江川英龍が国内で初めてパンを製造した所として知られる。韮山のパン屋では、当時の製法そのままのパンを売っていて、家内が買ってきた。もともと保存の効く軍事用として作られたパンなので、現在の乾パンに近いものだ。商品名は「カノンパン」。

カノン(大砲)は、どうやら江川英龍が大砲製造のために築造した反射炉にちなんだネーミングのようだ。当時のパンは丸餅のようなものだったらしいが、食べやすく大砲のようなスティック状にしてある。実際食べてみるとかなり硬い。パンというよりも煎餅のようだ。

P1010313 今日はチェコのヴァイオリニスト、フデチェックの演奏を聴いた。昨年ご近所のおばぁさんからいただいた日本ビクターのLP。新年にふさわしく宮城道雄の「春の海」が入っている。筝は宮下伸、ピアノはS.ボグニアという人。曲目はヴィニアフスキーやドルドラ、クライスラーなどのヴァイオリンの小品が中心で、邦人作品は宮城道雄の「春の海」と宮下秀冽の「花」の二曲。1976年の来日時の国内での録音。

フデチェックはひところ数多くの録音が出ていたが、今では全く消息を聞かなくなってしまった。この演奏を聴いてみると、技巧は確かだが音に潤いが乏しく線が細い。中では筝の伴奏の二曲が良い。録音は非常に鮮明。

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2008年1月 4日 (金)

ダカーポ休刊

今日から新たな一年、新年の挨拶が終わるといつもと変わらぬ日常が始まる。

51fput5dhwl_ss500_ 定時に帰宅し、暮れにコンビニで買っておいたマガジンハウス社発行の雑誌「ダカーポ」をパラパラと流し読む。ところが最後のページを見て、「あっ」と思わず息を呑んだ。

そこには今号をもって休刊の文字が・・・

P1010305 「ダカーポ」は自分が社会人になってまもない時の創刊だったように記憶している。創刊号は未だ手元にあるはずだ。

質の高い情報が幅広くコンパクトにまとめてあり、しかも廉いので創刊号から数年は毎号買っていた。

その後、興味のある特集が取り上げられている時しか買わなくなったが、年末恒例の「本」の特集号は必ず買っていた。まさかこの号が最後となってしまうとは思わなかった。インターネットの普及で読者が離れたのが理由だという。

P1010301 いささか暗澹たる気持ちになり、明るい曲が聴きたくなって取り出したのはウィーンのフルート奏者カミーロ・ワナウゼックの吹くテレマン、シュターミッツ、M.ハイドンの協奏曲集。VOX原盤の日本ビクター盤LPで、伴奏はA.ハイラー指揮するウィーン楽友協会管というもの。

ワナウゼックはウィーン響首席奏者として知られ、バイロイト音楽祭でもしばらく首席を吹いていた。1957年のベルリンフィルの初来日時にはカラヤンに乞われて特別に同行した名手だ。

年末に聴いたコンセルトヘボウ管の首席バルワーザーと同じく木製のフルートを使用している。奏法自体も似ているようだ。ウィーンのオケの響きにしっとりと溶け合った柔らかな音が実に心地よい。

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2008年1月 3日 (木)

テルミンを鳴らす

良い天気に恵まれた正月休みも今日で終わる。昼に家内の母と兄が年始に来て、しばし歓談。そのまま連れ立って近所のラーメン屋「麺屋 卓次朗商店」へ。

20070713050520s 昨日に引き続きまたまたお昼はラーメンとなった。この店は和風だしのこってり系。「キャプテンウルトラ」のバンデル星人のような背の高い独特のラーメンどんぶりが特徴的。桜チップで卵を燻蒸した「くんたまラーメン」を食べたが、ぶ厚いチャーシューの存在感に燻製卵が負けている。

帰宅後は「大人の科学 マガジン」17号付録のテルミンを組み立てた。昨年9月に発売されたがたちまち品切れ。昨年度末に第2刷が出てようやく入手したもの。

P1010303 テルミンは1920年に発明された最古の電子楽器だが、まさか雑誌の付録で入手できるとは思わなかった。ドライバー一本で15分余りで完成、きわめて簡単。電源は単三乾電池4本。おもちゃのような外観でこんなもので音が出るのだろうか。と半信半疑でスイッチレバーを引く。

「・・・・・・・ 」  はて?何も音がしない。

慌てて説明書を読む直すが。組み立ての手順は間違えようがないほど単純。小さなスピーカーに耳を寄せてみると「ジジジジ ジー」と微かに音がする。どうやら電池は問題なさそうだ。

試しに前面のチューニング用の二つの穴を回してみると。突然「ホヨヨヨーン ウィーン」という独特の音が飛び出した。とても楽器の音とは言えない。いろいろとチューニングしているうちに音程らしきものが見えてきた。

左手にテルミンを持ち右手の握りこぶしを近づけると音は高く、遠ざけるにつれて音は低くなる。音の上下の幅が一定でなく、高音になるにつれて音程の幅が狭くなり微妙な手加減で音が変わってくる。これは難しい。

いろいろとやっているうちにコツが飲み込めてきた。ラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」の最初の部分を演奏してみたりとなかなか楽しい。

模範演奏を聴いてみたくなり、ストコフスキーの指揮したテルミン協奏曲のCDがあったはずだと棚を探すが見つからない。やむなくYouTubeにアップされているいろいろなテルミンの演奏を聴いてみた。

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2008年1月 2日 (水)

ロザンタールとマルティノンのJ.シュトラウス

本日快晴、見逃していた「のだめ」の第一回再放送を見ながら遅い朝食。

20061116063035s 昼は家族を引き連れて隣町の清水町にある「街道ラーメン 醤」で昼食。深く煮込んだ牛すじラーメンはなかなかのものだ。和風だしをゼラチンで固めたトッピングが、食べていくうちに溶けて次第に味が濃厚になっていくのがユニーク。

その後郊外型大型ショッピングセンター「サントムーン柿田川」にて家族とショッピング。静岡県東部最大といわれるだけあり店舗の数は実に89店舗。すごい人出に購買意欲は失せ結局リビングに敷くインド綿のラグを一枚を購い帰宅。

夜は、昨晩最後のアンコール部分しか見なかったウィーンフィルのニューイヤーコンサートの再放送を見た。少し視ているうちに、とてもウィンナワルツだけ3時間も聴く気にはならなくなり録画のスイッチだけを入れておくことにした。昨日聴いた印象と変わらぬが、全ての曲を暗譜で通すプレートルの姿に感心。

他のフランス人の指揮者のウィンナワルツも聴きたくなった。ところがレコード棚を見てみたが見あたらない。主な指揮者のディスコグラフィーやカタログなども見ても全く出てこない。フランス人にとってのウィンナワルツは、隣国のローカルな音楽としてしか認識されていなかったのだろうか。

P1010298 P1010299 それでも手持ちコレクションのデーターベースを探しているうちに、シュトラウスのワルツやポルカをデゾルミエールがバレエ音楽に編曲したバレエ「美しく青きドナウ」の音盤が2枚あることが判った。

演奏はマルティノン&ロンドンフィルの米ロンドン盤LPと、ラヴェルの直弟子ロザンタール&パリオペラ座管による米キャピトル盤。

デゾルミエールの編曲は「美しき青きドナウ」はほぼ全曲、他には「こうもり」のワルツがチラリと顔を見せる程度で他は全く知らぬ曲ばかり。曲も完全にフランス風のバレエ音楽に変貌している。

演奏はどちらも良いが、オッフェンバックを彷彿とさせる楽しさと、ちょっぴり退廃的なムードの漂うロザンタール盤がより面白い。

P1010300 もう一枚フランス系の演奏で、M.メスプレの歌にイージーリスニングの御大フランク・プウルセルの編曲と指揮の「美しく青きドナウ」「皇帝円舞曲」など8曲を入れたLPも出て来た。こちらは東芝EMI盤LP。

プウルセルの率いるオケは、パリオペラ座などのメンバーで構成されているだけあって、水準は高い。軽いシャンソンを聴いているような趣だが、ゆっくりロマンティックに演奏されている「美しく青きドナウ」は今日聴いたプレートルの解釈と非常によく似ている。

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2008年1月 1日 (火)

プレートルのシュトラウス

新しい年は穏やかな良い天気で始まった。今年は大晦日に夜更かしをしてしまい、初日の出には間に合わず。

Hiro12 弟夫婦を迎えた朝食の後、近所の吉田神社へ初詣。先日この神社の由来が紹介された本を読んだばかりなので感慨深いもの有り。その後親戚を何軒か回り、家内の実家に着いた時にはアルコールが体内を充満状態。岳父と杯を重ね、ほろ酔い気分で三島大社へとお参りし帰宅したのは9時ちょっと前。

337 テレビのスイッチを点けたところ、新年恒例のニューイヤーコンサートをやっている。今年の指揮者はジョルジュ・プレートル。フランス人の登場はニューイヤーコンサート初のはずだ。そもそもフランス人のJ.シュトラウスは録音でもほとんどお目にかかれない。意表を衝く人選だが、近年のニューイヤーコンサートがいささかマンネリ気味だったこともあり、かえって新鮮だ。

プレートルがウィーンフィルを振った演奏を聴くのは初めてだ。かつてウィーンに旅行した時に、プレートル指揮ウィーン響の「第九」の演奏会のポスターを見かけたのを思い出した。ウィーン響とは来日してマーラーやシューベルトも演奏していた。

演奏は小粋でロマンティック、そしてエネルギッシュで健康的ななもの。パリ管との実演でも感じたことだが、多少アクの強さもあるがプレートルはお客の喜びそうなツボを良く心得ている。プレートル自身も実に楽しそうだ。

久しぶりに遊び心満載の楽しめるニューイヤーコンサートだ。明日のBSでの再放送は録画するとしよう。

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