ダカーポ休刊
今日から新たな一年、新年の挨拶が終わるといつもと変わらぬ日常が始まる。
定時に帰宅し、暮れにコンビニで買っておいたマガジンハウス社発行の雑誌「ダカーポ」をパラパラと流し読む。ところが最後のページを見て、「あっ」と思わず息を呑んだ。
そこには今号をもって休刊の文字が・・・
「ダカーポ」は自分が社会人になってまもない時の創刊だったように記憶している。創刊号は未だ手元にあるはずだ。
質の高い情報が幅広くコンパクトにまとめてあり、しかも廉いので創刊号から数年は毎号買っていた。
その後、興味のある特集が取り上げられている時しか買わなくなったが、年末恒例の「本」の特集号は必ず買っていた。まさかこの号が最後となってしまうとは思わなかった。インターネットの普及で読者が離れたのが理由だという。
いささか暗澹たる気持ちになり、明るい曲が聴きたくなって取り出したのはウィーンのフルート奏者カミーロ・ワナウゼックの吹くテレマン、シュターミッツ、M.ハイドンの協奏曲集。VOX原盤の日本ビクター盤LPで、伴奏はA.ハイラー指揮するウィーン楽友協会管というもの。
ワナウゼックはウィーン響首席奏者として知られ、バイロイト音楽祭でもしばらく首席を吹いていた。1957年のベルリンフィルの初来日時にはカラヤンに乞われて特別に同行した名手だ。
年末に聴いたコンセルトヘボウ管の首席バルワーザーと同じく木製のフルートを使用している。奏法自体も似ているようだ。ウィーンのオケの響きにしっとりと溶け合った柔らかな音が実に心地よい。
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