フデチェックの春の海
春のような暖かな一日。家内は魂柱が外れてしまったチェロを直しに伊豆の国市韮山在住の弦楽器製作者、野田脩次さんのアトリエに出かけている。
自分も行こうと思ったが、物置の棚が作りかけだったのを思い出し、そちらを完成させることにした。ほぼ出来上がったとき家内が帰ってきた。
韮山は、代官江川英龍が国内で初めてパンを製造した所として知られる。韮山のパン屋では、当時の製法そのままのパンを売っていて、家内が買ってきた。もともと保存の効く軍事用として作られたパンなので、現在の乾パンに近いものだ。商品名は「カノンパン」。
カノン(大砲)は、どうやら江川英龍が大砲製造のために築造した反射炉にちなんだネーミングのようだ。当時のパンは丸餅のようなものだったらしいが、食べやすく大砲のようなスティック状にしてある。実際食べてみるとかなり硬い。パンというよりも煎餅のようだ。
今日はチェコのヴァイオリニスト、フデチェックの演奏を聴いた。昨年ご近所のおばぁさんからいただいた日本ビクターのLP。新年にふさわしく宮城道雄の「春の海」が入っている。筝は宮下伸、ピアノはS.ボグニアという人。曲目はヴィニアフスキーやドルドラ、クライスラーなどのヴァイオリンの小品が中心で、邦人作品は宮城道雄の「春の海」と宮下秀冽の「花」の二曲。1976年の来日時の国内での録音。
フデチェックはひところ数多くの録音が出ていたが、今では全く消息を聞かなくなってしまった。この演奏を聴いてみると、技巧は確かだが音に潤いが乏しく線が細い。中では筝の伴奏の二曲が良い。録音は非常に鮮明。
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