ハラシェビッチのショパン、ワルツ集
近所のお年寄りが亡くなり、昨日のお通夜から今日のお葬式まで、受付その他の手伝いの二日間となった。夜から生暖かな雨。
今日はハラシェビッチの弾くショパンのワルツ集を聴いた。日本フォノグラムから出ていたLPでワルツ全19曲が入っている。
1955年のショパンコンクールで、あのアシュケナージを抑えて1位となってしまったことのみがクローズアップされた気の毒なハラシェビッチ。そのハラシェビッチは自分が中学のときに沼津に来てリサイタルを開いていった。雨漏りがするようなオンボロの当時の沼津市公会堂でのコンサートだったこともあり、土座回りの哀愁の漂うコンサートだったような気がする。
このワルツ集は独特な癖はあるものの非常に素直な演奏だ。だが聴き進むにつれて変化の乏しさにしだいに退屈して来た。テクニックも弱い部分があるようだ。60年代から70年にかけて、ショパンの主要作品のほとんどの録音を残したハラシェビッチだが、ショパン以外の録音はあるのだろうか。
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コメント
ハラシェビッチとクライヴァーン、前者は当初からスキャンダル後者は英雄、でもそれからは……、奏者のあずかり知らぬところで世界が勝手にまわり、渦中の人はやがて忘れられてしまいます。
彼らはどうなったんでしょうねえ。
1枚だけクライヴァーンのチャイコフスキー(ライブ)もってまして、悪くないです。ただし同時代のリヒテルのあの3枚やギレリスとは比ぶべきもありませんし、あえて聞くほどのことは。
投稿: gkrsnama | 2011年5月21日 (土) 09時13分
ハラシェビッチとクライバーンの二人は、あまりにも栄光の日と現在との落差が大きいので、よく話題になりますが、ショパンコンクールの時点でアシュケナージは18歳、ハラシェビッチは23歳。
この頃のアシュケナージが後年ほどの完成度があったのかは正直なところ疑問に思っています。
少なくとも1955年のショパンコンクールのライブの数曲を聴く限りではハラシェビッチをアシュケナージが明らかに凌いでいるようには聞こえませんでした。
ご存じの通り60年代以降この二人の差は急速に開いていきます。
当時のコンクールの審査員が二人の将来性までは見抜けなったということでしょうか。
投稿: 山本晴望 | 2011年5月27日 (金) 23時44分