ホッターの冬の旅
昨晩からの雨は夜まで降り続いている。気温はかなり低い。「題名のない音楽会」を見ているうちに静岡県東部に大雪警報のテロップが流れた。思わず窓の外に目をやったが、東部でも温暖な地域の沼津はよほどのことがなければ雪は降らない。東京は一日雪で青梅マラソンも中止。
出かける気にもならず家の中でゴロゴロと過ごす節分の一日。昼食の野菜が切れたので裏の畑に行ったところ、手にしたキャベツと白菜は凍りつくような冷たさだった。
このような天気にあまりにもジャストフィットした選曲だが、今日はホッターの歌う「冬の旅」を聴いた。1969年東京文化会館でのライヴでホッター4度目の録音。ピアノはハンス・ドコウピル。手持ちはCBSソニーから出ていたLP。
ホッターの暗い声に聴いているうちに陰鬱な気分になってきた。技巧の衰えを補うためにピッチをいくらか下げて歌っているためになおさらだ。よほど途中で針を上げようと思ったが、最後まで聴き通させる有無を言わさぬ説得力があるのも事実。最後に入っている拍手も心なしか虚脱したような音に聞こえる。
続いて聴いたのはタマーシュ・ヴァーシャリの弾くショパンのバラード全4曲。聴き手に媚びる甘口のショパンとは対極にある演奏だが、ホッターの後に聴くと正直なところほっとする。聴いたのは日本グラモフォンの廉価盤LP。音も良い。
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