アントルモン、「フランス流に・・・」
本日春分の日、終日風雨強し。10日ぶりの休日に墓参りをする予定だったが、この風雨で明日の早朝に延期することにする。外に出たのは愛犬のドッグフードを買いに出たくらいで家の雑事を片付けながら時間が過ぎていく。
今日はカラヤン&ベルリンフィルの初期の録音で、モーツァルトの「アイネ・クライネ・・」と「3つのドイツ舞曲」、ヘンデル(ハーティ編曲)の「水上の音楽」から聴いた。
いずれも1958年から1959年の録音で1955年の「アヴェ・ヴェルム・コルプス」とのカップリング。これが初出のカップリングで手持ちは再発の英EMI盤LP。「アヴェ・ヴェルム・・・・」は擬似ステレオ。
「アイネ・クライネ・・」は極端なレガートの多用で退廃的なムードの漂う演奏だが、ドイツマーチのようなパリっと引き締まった「ドイツ舞曲」が良い。カナリアの擬音や橇の鈴の音も楽しめる。2度目の録音となる「水上の音楽」も壮大な出来。
続いてオーマンディー指揮フィラデルフィア菅によるハイドンとモーツァルトの協奏交響曲2曲。CBS原盤の日本コロンビア盤LP。
合わせ物の達人だったオーマンディの職人的な手際の良さとフィラデルフィア管の名手達の妙技を堪能する一枚。
最後はフィリップ・アントルモン30代の録音で、ラヴェル、ドビュッシー、シャブリエ、サティ、フォーレ、プーランクのピアノ曲を集めたCBS盤LP。
「フランスピアノ名曲集」という無味乾燥な邦題だが、オリジナルのタイトルは「フランス流に・・・・」。
ラヴェルの「クープランの墓からリゴードン」から始まり、ドビュッシーの数曲に続きシャブリエの「スケルツォ・ヴァルス」でA面が終わる。B面はサティの「3つのジムノペディ」からフォーレの「ノクターン」「即興曲」そして最後はプーランクの「トッカータ」で締め括る。
小粋なシャブリエに続く淡々としたサティとフォーレ。そして当時のアントルモンでしか弾けない輝かしいプーランク。個々の演奏はより優れたものがあるが、センスの良い絶妙の曲配置で忘れがたいアルバムとなった。
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