ラローチャのラフマニノフ
春のような暖かな一日。本日東京出張、家を出るときにコートを持参するか迷ったが置いてきて正解だった。三島始発7時19分発の新幹線に乗車。本来の用件は午前中に終了したが、合わせて仕事絡みで何箇所かを訪問。帰り間際に渋谷のレコファンを冷やかしで品川発の新幹線で帰宅。
今日はスペインの女流ピアニスト、ラローチャのラフマニノフのピアノ協奏曲第3番を聴いた。DECCAの録音でカップリングはフランクの交響的変奏曲。バックはプレヴィン&ロンドン響が付けている。
艶のある音で淡々と弾いていくラローチャのラフマニノフ。非常に小柄な彼女にとってラフマニノフは必ずしも適した作曲家のようには思えないのだが、音量は大きくないのに聴き進むうちに彼女の姿が次第に大きく見えてきた実演の様子がまざまざと脳裏に蘇ってきた。
着実な技巧と端正でいて粋な表現。ホロヴィッツとは対極にある解釈でありながら、曲の本質を見事に捉えた名演。プレヴィンの好サポートも素晴らしい。
ラローチャでもう一枚。スペイン、ヒスパボックス原盤の日本コロンビアのLPで、「舞踏への勧誘」、「ラ・カンパネルラ」、ラフマニノフの「プレリュード」、ドビュッシーの「月の光」などの小曲10曲ほどを集めたアルバム。
控えめでいて聴くほどに味わい深い名演の数々。シューベルトの「軍隊行進曲」では珍しいタウジヒ編曲で華麗な技巧を披露。
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コメント
初めまして!
実はラローチャのラフマニノフ『第3番』,一番好きな演奏なんです。
でも「手が小さいから」を理由にショパンの『ソナタ第3番』を弾かなかったラローチャが本当にこの難曲第3番を弾いたのだろうか・・・・大いに疑問です。
でも実に素敵な演奏ですよね。
グラナドス『ゴイェスカス』も素敵ですよ★
投稿: fujisyujohn | 2008年3月16日 (日) 19時24分
コメントありがとうございます。
ラローチャを実演で聴いた時、見た目は小柄で普通のおばちゃんなのに、弾き始めると艶のある粒立ちのはっきりとした明確な音で、みるみると存在感が増し大きな存在になってきたのが印象に残っています。
ゴエスカスは僕も好きな演奏です。
投稿: 山本晴望 | 2008年3月16日 (日) 23時12分