狩野川クラシックコンサート2008
今日は海瀬京子さん出演の狩野川クラシックコンサート2008。会場は伊豆の国市長岡のアクシスかつらぎ大ホール。
春の伊豆、河津桜もピークを過ぎたようで国道136号の混雑もさほどではないが会場近くに到着するとかなりの渋滞。どうやら全てコンサート客の車のようだ。
第2駐車場周辺では、観光帰りの車も加わりすごいことになっている。交通整理のおじさん達も罵声を浴びたりと大変な様子。ようやくサンバレーの駐車場へ車を止め会場へ急ぐ。
当日券は既に完売。チケット売り場の前でチケットを買いそびれた若い母親と小学生が泣きそうな顔で立ち尽くしている。ちょうど行けなくなった母と上の娘のチケットが手元にあったので譲り渡しホールの中へ。1007席のホールは満席状態で確保したのは一階右端かなり後ろの席。
プログラム前半は、海瀬さんのトークをはさみながらハイドンのピアノソナタ第50番から始まりシューベルト・リスト編曲の「春の想い」、有名な「愛の夢第3番」そしてラフマニノフの「楽興の時」から1,2,4番。
後半は伊豆フィルの登場で歌劇「ルスランとリュドミュラ」序曲にチャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番というもの。
最初の50番のソナタは、ハイドンらしい屈託のなさの中に潜んだコケティッシュで軽妙さをうまく引き出した演奏。第2楽章では後期のハイドンらしい深い精神性も感じられる。続くリストもロマンティックで美しい音楽の流れにうまく乗った安定感のある演奏だったと思う。この流れの中にちょっとひと呼吸の崩しがあれば、より面白い演奏となったかもしれない。
前半最後のラフマニノフは、ラフマニノフらしいメランコリーとデモーニッシュさを見事に引き出したスケールの大きな名演。海瀬さんの楽興の時第4番は何度か聴いているが、今まで聴いた中で最も感銘を受けた。
そして後半のプログラムは、金丸克己指揮伊豆フィルによるグリンカに続いてチャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番。輝かしい技巧を武器にオケを挑発しながら豪快に盛り上げていく手腕は大器の貫禄十分。フィナーレ終結部の入魂の追い上げは今まで実演で聴いた超一流のピアニストたちの演奏にも引けをとらない見事な出来。
音楽への深い愛情と聴衆への感謝の気持ちが素直に聴き手に伝わり、満員の聴衆も深い感銘を受けていた。しっかりとした自己主張が感じられるのもいつもながら素晴らしいと思う。今回はさらに熱いパッションと即興性も感じられた。聴くたびに大きく成長しているのがなんとも嬉しい。
アンコールは有名なショパンの「夜想曲第2番」。曲名を失念し一緒に聴いていた隣席の下の娘に曲名を尋ねて、あきれた顔をされてしまった。どうやら疲れがまだ取れていないようだ。
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