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2008年5月に作成された記事

2008年5月31日 (土)

ワインガルトナー著「ある指揮者の提言」

5月も終わりというのに昨晩から雨、気温はさらに下がり3月並の陽気となった。本日出勤し、今年度のもうひとつの大きなプロジェクトの資料作りで一日が終わる。こちらは〆切が決められておりマズイ状況になってきた。

Wain 沼響の定演は終わってしまったのに、ベートーヴェンの交響曲第7番の聴き比べコラムはやっと始まったばかりだ。

ベートーヴェンの古い演奏を聴くのにどうしても読んでおきたい本があったのだが、絶版久しく古書でも高価な値がついていてとても購入できない。やむなく図書館を探すことにした。その本はワインガルトナー著「ある指揮者の提言」。

だが、静岡県内の図書館には所蔵がなく、栃木県立図書館から借りることにした。この点図書館の相互貸借制度はありがたい。

ベートーヴェンの9曲の交響曲への実に細かなワインガルトナーの提案の数々。今となっては時代遅れの感があるとはいえ、数々の改変が興味深い。

読んでいて面白かったのは、ワインガルトナー自身が聴いたハンス・フォン・ビューローの演奏解釈の記述が随所にあることで、今のところビューローの現存する録音がないだけに実に貴重だ。

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2008年5月29日 (木)

J.Thatcherのバッハ

雨のち午後から曇り、気温も低い。ここ数日パソコンが不調。昨年あたりから夏場は機嫌が悪いのだが、突然電源が落ちてしまう現象が頻発。昨日は書きかけのコラム原稿がパァ(T^T)。ウルトラマンのカラータイマーではないが3分で落ちてしまった。

P1010438 ここ数日ホルンソロの演奏を聴いていいる。今日はユタ響やロスアンゼルスフィルの奏者を経てハリウッドのトップスタジオミュージシャンとして活躍するJames.Thatcherのソロを聴いた。バッハのパルティータ第一番とブラームスのデユエット、Verne ReynoldsのFour Etudes,Walter MaysのDialoguesというもの。Summit Recordから出ているCDでピアノ伴奏。

美しくすっきりした音色と着実なテクニック。いくぶん冷めた雰囲気もあるが、ホルン一本で生き抜いてきたスタジオミュージシャンの腕の確かさが光る一枚。

P1010437 もうひとつは、ベルリンフィルの名手バボラクの吹くバッハの無伴奏チェロ組曲から第一番。EXTONから出ているCD。まるでホルンのために書かれたように響く純音楽的な名演。

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2008年5月26日 (月)

T.S.ランダルとリステンパルト

5月最後の週に突入。夏を予感させる暑い一日となった。10数年乗り回している愛車のクーラーの調子が悪い。燃費も悪く排ガスもひどい。

数年前、国立沼津高専で行われた科学セミナーに参加した時に、自分の車の排気ガスの濃度を測定してもらった。その時に測定不能なほどのすごい値が出てしまい、非常に恥ずかしかったのを思い出した。そろそろ変え時のようだ。

P1010426 今日は先日購入したシュテヒ・ランダルの歌唱を集めたアルバムを聴く。リステンパルト&ザール放送管の伴奏によるモーツァルト、シューベルトの宗教曲を集めたもの。スイスのエリートクラシクスというレーベルのLPだが、この中のモーツァルトはかつて日本コロンビアから出ていたものと同じものだ。

いくぶん硬質なランダルの歌唱とリステンパルトの爽やかな伴奏。気負いのないごく自然体なのがモーツァルトにふさわしい。しかもこのLPは音が非常に良い。極上のアナログ録音。

P1010427 沼響のHPの聴き比べコラム「ベートーヴェンの7番を聴く」にメンゲルベルクの1940年ライヴの感想をアップしました。

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2008年5月25日 (日)

定演終わる

24thcon 第24回定演も無事に終わった。今回は業務多忙のため、メインのベト7は降り番とし、乗ったのは「オベロン」と「タンホイザー」のみ。

自分としては物足りなさは多少残るものの、仕事との両立はできたと思う。

午後のGPが終わる頃から、またもや雨。沼響の定演はここ5年間100パーセント雨だ。それでも開場30分前にはホールの外までお客さまの長蛇の列。ありがたいことです。

今回は地味なプログラムながら入場者1,000人。自分のノルマ分も早々と完売。ノダメの影響があったのかしらん。

演奏は、爽やかな「オベロン」と重厚な「タンホイザー」との対比がよく出ていたと思う。自分としても大きな破綻もなくまずまずの出来。

後半のベト7は客席で聴いた。本番になると即興的な振り方に変わる横島先生ならではの指揮にオケは懸命に喰らいついていく。同じリズムの繰り返しにお客さんの多くが音楽に合わせて首を振っているのがなんとも面白い。木管の美しい響きにうまく乗ったトランペット、ホルンのバランスも良かった。

本番終了後、簡単なレセプションの後2次会は沼津駅前の「海人」。どしゃぶりの雨の中ホールから宴会場へ歩く。2次会は参加者も多く大いに盛り上がった。これが楽しみで続けているようなものだ。久々に痛飲し帰宅は午前0時過ぎ。

明けて日曜は朝から台風なみの強風と大雨。そのうち注意報から警報に変わった。半日ずれていたら定演は危ないところだった。

午前中はお寺へ行き、父の法事の打ち合わせとお寺の役員会の話。午後は晴れてきたので、畑の草取りと裏山に入り細竹のタケノコを採取する。雨上がりなので足元を蛇が何匹もすり抜けていく。

その後、P1010422 ザッヒャー指揮のウィーン響によるJ.C.バッハのシンフォニア集などを聴いているうちに眠り込んでしまった。

目覚めたのは8時過ぎ、家族たちは「篤姫」を見ている。今晩、高校時代の吹奏楽部OB会の演奏会打ち合わせがあったのだが、いまさら顔を出す気にもならず自主的な欠席とさせていただいた。

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2008年5月23日 (金)

本番前日

高校同級生のメーリングリストに国際緊急援助隊の医師として派遣されている友人からの現地報告が入っていた。実際に活動している本人からの生の声であり、国内のどの報道よりもリアリティがある。

どうも日本での報道と現地の状況はかなり違うようだ。中国側は日本人医師団の安全を最優先に考えているという。日本から来たマスコミ陣の取材攻勢もすさまじく、日本人医師団の移動とともに黒山の邦人報道陣が移動するという現地の人からみれば異様な情景が展開しているようだ。とにかく無事に使命を果たすことを祈るのみ。

本番を明日に控え本日は実質最後の練習日。仕事を早めに切り上げ、練習開始30分前に大ホールの舞台上でウォーミングアップ。今回の自分はウェーバーとワーグナーのみ。横島先生の手馴れた練習で要点のみのチェック。

メインのベト7は観客席で観戦。当初ホール客席の中央で聴いていたが、途中から平土間の席に移動。音の響きはこちらが格段に良い。多少管楽器の配置を変えたことにより、ずいぶんと良いバランスになった。先週の練習は不満が残ったが、今日の練習ではオケの音がホールに馴染んできた。特に第三楽章の出来は傑出。

聴きながら、やはりベートーヴェンは名曲だなぁと深く実感。

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2008年5月22日 (木)

川崎出張、

6月上旬の汗ばむほどの一日。本日午前中は、先日来足の痛みを訴えていた母を整形外科へ連れて行き精密検査をおこなう。先生の説明によるとどうやら手術は不可避の状況だ。

先生の説明の後にそのまま川崎へ出張。新幹線が品川に止まるようになり川崎は行きやすくなった。三島から一時間足らずで目指すミューザ川崎へ到着。

用件を済ませ駅近くの喫茶店で同行した他社の技術屋さんと雑談混じりに今後の打ち合わせをする。ふと隣のテーブルを見ると見覚えのある顔。なんと指揮者の広上淳一さんがコーヒーを飲んでいた。

その後帰宅するため東京まで足を伸ばしたが、御茶ノ水ディスクユニオンへ自然と足が向かってしまった。前回よりも人出も多くCDの在庫も増えたような感じ。時間もないので、そのままLPの新入荷コーナーをざっと目を通す。聴き比べコラム絡みで、ブラ4、べと7、シベ2コーナーにも目を配るが目新しいものはない。

P1010429 P1010426 今回はオーマンディーのLPが多量に出ていた。コレクターが放出したのかしらん。ざっと一周見渡した中で拾い出したのは、ウェーバーの「ミサ・ソレニムス」、リステンパルトのハイドンの宗教曲。

P1010433 P1010434 オーマンディーではミシガン大学のオケを振った珍しいライヴを発掘。曲はブランデンブルク協奏曲第3番、バーバーのアダージョなどの非買品。

P1010424 P1010431 他は若き日のハイティンクが振るハイドンの96番、99番の交響曲。オランダ管楽合奏団によるテレマン、J.C.バッハ、ベートーヴェンの行進曲集などなど。

どうも最近の自分は古典派志向のようだ。

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2008年5月21日 (水)

国際緊急援助隊医療チーム

今年度目玉のプロジェクト始動。だが当初立ち上げた前任者(上司筋にあたる人だが)の杜撰な計画が表面化し一大問題に発展。当の本人は完全にトンズラ状態で、こちらの照会にもまともに答えられず難儀。とにかく最悪の事態に備え、至る所に事前の布石を打っておくことにする。

深刻な面持ちで打ち合わせ中、ふと外を見ると景色の一角から突然黒煙がムクムクと湧き上がってきた。「???・・」 消防車数台が眼下の道路を走り抜けていく。一戸全焼の住宅火災だった。

P1010407 P1010408 今日聴いたのはネヴィル・マリナー指揮するハイドンの初期の交響曲「朝」「昼」「晩」の3曲。通奏低音のチェンバロの響きに乗って展開する自由闊達な世界。

そしてR.カールスの弾くドビュッシー「前奏曲集第2巻」。冒頭「霧」の繊細で詩情溢れる絶妙な美しいタッチが素晴らしい。全曲では曲によって多少のムラはあるが、第1巻よりも良い出来だと思う。

中国四川省大地震の被害ますますひどいことになっている。今朝のNHKニュースの国際緊急援助隊医療チームの中に医師として現地に派遣される高校時代の同級生の姿を見つけた。何年か前の同窓会以来だ。

様々な場で活躍している同郷の友人の姿に勇気付けられた。健闘を祈る。

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2008年5月19日 (月)

エテルナ・エディションのバッハ

5月も後半、季節外れの台風が近づき夕方から雨。庭に植木屋が入る。

いつもならばある程度は自分が剪定しておくのだが、3月から今まで休みがほとんど取れず今回は全て植木屋まかせとなってしまった。これから夏になることでもあり、短めに刈ることを頼んでおいた。定演も近くなり自分の頭も散髪しておくべきだったと、おかしなところに思考が飛躍。

P1010421 12089366261 ネット上のつながりで山形のお酒と「利久堂のかりんとう」をいただいた。

さっそくいただき良い気分となったところで聴いたのは、このところ続けて聴いているオルガン音楽の数々。

P1010419 P1010420 ヤフオクである方から多量に落札したオルガンのLPから、旧東ドイツのETERNAが出していたバッハのオルガン曲シリーズから第5,6集の2枚を聴いた。

いずれもシュニットガーと並ぶ銘器ジルバーマンオルガンによる演奏。フライブルクのオルガンを弾いたH.OttoとRohtaのオルガンを弾いたHnnes.Kastnerによる演奏で、二人とも旧東ドイツのオルガン奏者らしい。

奏者の力量も確かだが、まさに神の声を聴くようなオルガンの歴史的銘器の音が感動的だ。

P1010417 P1010418 沼響のHPの聴き比べコラム「ベートーヴェンの7番を聴く」にワインガルトナーの演奏の感想をアップしました。

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2008年5月17日 (土)

グローニンゲンのシュニットガー・オルガン

爽やかで穏かな週末の一日。本日も一日仕事。心地よい午後の日差しの中、ついついウトウトとしてしまった。

P1010415 今日はオランダの都市グローニンゲンにあるAa-Kerkのオルガンの銘器アルプ・シュニットガーオルガンの音を聴く。

演奏はAa-KerkのカントールのJohan van Meursとオランダを代表するオルガニスト、Klaas Boltによるテレマン、フィッシャー、バッハのコラール・プレリュードの数々。

高原の爽やかな大気の中に包まれるような澄み切ったシュニットガーオルガンの音色。何度聴いても心が洗われるようだ。

中でもF.W.Zachowという作曲家の有名なコラール「Jes meine Frunde」によるパルティータに非常な感銘を受けた。

レーベル名も不明なヤフオクで落とした謎のアルバム。現地の教会で売っていたLPではなかろうか。

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2008年5月15日 (木)

ベト7観戦

今日はオケの練習日だが、メインのベートーヴェンなので自分は降り番。仕事のキリが良かったので帰りに会場の文化センター大ホールの練習を覗いてみた。ステージ上では第一楽章コーダ部分の練習をやっていた。広いホールの最上席でしばらくスコアを見ながら聴く。

皆十分に弾けているがなんとも頼りなげに聞こえるのは、疲れているのだろうか。横島先生への棒の食いつきが微妙に遅い。

上品なベートーヴェンでドルチェの部分は良いが、フォルティシモはフォルティシモらしく行きたいものだ。途中で舞台裏に行きプログラム原稿の校正刷りに目を通す。

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2008年5月14日 (水)

マルクジンスキーのショパン

雨のち晴れ。ミャンマーのサイクロンに続き、中国四川省の大地震。両国とも他国の人的支援を拒否し被害の全貌が見えてこないのが共通している。

P1010414 今日は先日個性的なラフマニノフを聴かせてくれたポーランドのピアニスト、マルクジンスキーのショパン。

聴いたのはEMIのスタジオ録音でピアノ協奏曲第2番。伴奏はジュスキント指揮するロンドン響の東芝セラフィムのLPだ。

今や聴かれなくなった土俗的なショパン。ラフマニノフと同様、独特のルバートとテンポの揺れが個性的だ。インターナショナルな音楽となったショパンとは異なるスタイルだが、ショパンが生きていた時代の演奏スタイルを今に伝えるものかもしれない。

第2楽章に聴かれる絶妙な間は独特の魅力があり、ある種の毒を含んだ演奏。好悪は分かれそうだが、ショパンコンクール第3位という実績以上の説得力のあるショパン。ジュスキントの伴奏もソリストと同化した見事なもの。

P1010411 沼響のHPの聴き比べコラム「ベートーヴェンの7番を聴く」にクナッパーツブッシュの1929年録音の感想をアップしました。

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2008年5月12日 (月)

Jean-Rodolphe Karsのドビュッシー

今日は3月なみの気温になってしまった。夜になり仕舞いかけていた石油ストーヴに火を入れている。こんな陽気なのに台風が接近している。ミャンマーの巨大サイクロンといい地球の気候はいよいよおかしなことになってきた。

P1010408 今日はカルカッタ生まれのオーストリア人ピアニスト、Jean-Rodolphe Karsのドビュッシーの「前奏曲集全曲」を聴いた。1947年生まれ、ドワイアンとカッチェンに学び、リーズ、メシアン国際コンクールの入賞歴のあるピアニストだが、現在ほとんど名を聞かない。ネットで調べても最近の録音はディーリアスのピアノコンチェルトくらいしか拾えない。

P1010413 だが、一昨年聴いたシューベルトの即興曲の演奏が非常に良く。以来気になっていたピアニストだ。このドビュッシーはシューベルトに先がけて録音されたもので、タスキにはデビュー録音と書いてあるが、実はこれ以前にメシアンとリストの録音もあるらしい。

三浦淳史氏が「夜の詩人」と名づけたカールスのドビュッシー。繊細にして美しい淡雪のような演奏だ。シューベルトほどのインパクトはないが、十分な自己主張は感じられる。

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2008年5月11日 (日)

杉山富士男メモリアルコンサート

昨日に引き続き肌寒い一日。いよいよオケの練習も佳境に入り今日も練習。午前中は大ホールにて「オベロン」序曲に参加する。

弦分奏に引き続き11時から一時間ほどの練習。軽快にしてロマンティックなウェーバーの世界。吹いていて自然と楽しくなってくる名曲だ。さほど難しくないのが良い。ウェーバーの序曲はどれも名曲なのに、オペラ全曲となると「魔弾の射手」以外はどれもつまらないのはなぜだろう?などと考えながら吹いていた。

お昼となり休憩となった。午後はベートーヴェンの練習ということで、降り番の自分は会場を後にし職場へ向かい、昨晩家で整えた書類の確認をおこなう。

午後2時からは、昨年亡くなった沼津楽友協会の事務局長杉山富士男さんのメモリアルコンサート。

コンサート会場の東急ホテルの4階に行くと、ロビーに杉山さんの遺影の前に杉山さんが実現したコンサートのパンフが並べられていた。昭和31年のハンス・カンピアノリサイタルから始まり昨年までの五十有余年の膨大なコンサートの記録の数々。

ガッゼローニ、ラトル、ヤンソンス、リヒテル、マリナーなど自分が聴いたコンサートの他に昭和30年代の藤原義江の出演する「カルメン」全曲などのオペラ公演も多い。日本のプロオケと代表的な演奏家のほとんど全て訪れているのが驚異的だ。

1975年にはなんと、ラヴェルの弟子のペルルミュテールまでも来ていた!

P1010406 今日のコンサートは、コントラバスの黒木岩寿トリオを招いてのメモリアルコンサート。会場内では丸テーブルが10ばかり並んでいる。ごく親しい人たちの内輪のコンサートのような雰囲気で、大部分は年配の方々。

曲は、ボッテシーニの2曲に、ブルッフの「コルニドライ」、ロッシーニのチェロとコントラバスのためのデユオ、そして今年から東響の首席チェロ奏者となった西谷牧人のソロでラフマニノフの「ヴォカリーズ」というもの。ピアノは江上菜々子。

着実な技巧と美しい音色でマイナーな曲も実に楽しく聴かせてくれる。シュタルケルに学んだという西谷さんのフレッシュなヴォカリーズも見事なものだ。休憩時間にトイレで偶然西谷さんと一緒になり、ちょいと話しかけたがちょっとはにかんだ雰囲気も初々しい爽やかな好青年だった。まだ若いがこれからの注目株だろう。

黒岩さんの軽妙な語りに、湿っぽくなりがちな追悼コンサートが明るく後味の良いものになった。休憩時間に出されたケーキとコーヒーも美味、実に充実した日曜日。

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2008年5月10日 (土)

来年の定演はシベリウス

朝から冷たい雨、4月初旬の陽気に逆戻りだ。本日出勤し、迫ってきたプロジェクトの準備に本格的に取り掛かる。自分が立ち上げたものでないだけに、様々な疑問や問題点が次々に明らかになり、暗澹たる気持ちになってきたが、決行あるのみ。

夜は市民文化センター大ホールでオケの練習。午後のベト7に引き続き、夜は「タンホイザー」序曲の練習。実質今日がこの曲最後の練習となる。

細部は問題は残しているが、だいぶまとまりが出てきた。当日の団員のテンション次第でなんとか乗り切れるだろう。

「タンホイザー」の練習に先立ち、来年の定演のメイン曲の団員投票があった。候補曲は先日の選曲会議で絞り込んだチャイコフスキーの第5番、シューマンの「ライン」にシベリウスの第2番の3曲。

下馬評では圧倒的にチャイコフスキー。今回もシベリウスの連敗記録更新かと思われたが、いざ開票となるとシベリウスの票がグングンと伸びている。後半にチャイコの猛追があったものの、結局シベリウスが逃げ切った。結果はシベリウス24票、チャイコ19票、シューマン10票。どうやら某団員がシベリウスを当選させるために猛烈な事前運動をしたようだ。

これだから沼響の団員投票は面白い。

練習終了後に横島先生を囲んだ懇親会が計画されていたのだが、仕事の持ち帰りがあり今回やむなく欠席。

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2008年5月 9日 (金)

ドミンゴのオテロ

今日は市民文化センター主催のディスク・コンサート。解説の準備のため仕事を早めに切り上げ会場へと急ぐ。演目はドミンゴの出演するヴェルディの「オテロ」を映像で鑑賞するというもの。

21m281pcegl_sl500_aa140_ 当初予告では1976年のパリオペラ座のディスクのDVDにしておいたのだが、実は最後まで迷っていた。

30代のドミンゴの若々しさに捨てがたいものがあったのだが、どうも画質が良くない。

024 結局、開場時間前に実際の会場の大画面で確かめた結果、1992年の同じショルティの指揮によるコヴェントガーデンのLDに急遽差し替えることにした。

ショルティの80歳の誕生日を祝して開催された名舞台。51歳のドミンゴとキリ・テ・カナワの円熟した歌唱と入魂の演技に圧倒されるディスク。中でも第一幕最後の二重唱と第四幕の「柳の歌」は感動的だ。アヴェ・アリアの部分でキリが十字を切る部分のしぐさ、デスデモーナを殺害した後で完全に据わっているドミンゴの目も凄い。この名舞台を完璧に捉えたブライアン・ラージのカメラワークも秀逸だ。

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2008年5月 7日 (水)

Y.シトコヴェツキーのシベリウス

GWも明け(休めたのは二日のみだったが)今日は初夏を思わせる良い天気。職場の空調も本日から冷房の試運転だが、天井から黴臭い空気が降り注ぐのには閉口。

P1010405 今日はロシアのヴァイオリニスト、ユリアン・シトコヴェツキーのシベリウスのヴァイオリン協奏曲を聴いた。

息子のドミトリは現在活躍中だが、父ユリアンはコーガンと並び称され、将来を嘱望されていながら32歳の若さで世を去った。残された録音は少ない。

今日のディスクはチェコスプラフォン原盤の米パーラメントのLPで、伴奏はゲンナジ・ロジェストヴェンスキーの父のニコライ・アノーソフ指揮のチェコフィル。

カップリングはスメターチェク指揮のプラハ響によるシベリウスの「悲しきワルツ」と「トゥオネラの白鳥」。当初こちらがお目当てだった。

ところがヴァイオリン協奏曲が非常に良い。何かに憑かれたような尋常でないハイテンションな演奏。男性的で豪快なヴァイオリンに見事に付ける伴奏もお見事。モノラルながら録音は非常に良い。

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2008年5月 5日 (月)

GWの鎌倉

曇り時々雨、蒸し暑い一日。連休とはいえ本日出勤し粛々と仕事。昨日は東京の帰りに鎌倉に立ち寄った。

GWの鎌倉の混み具合は覚悟していたのだが、JR横須賀線に乗った時点で品川から完全満席状態。横浜でも一向に乗客の減る気配はなし。北鎌倉到着後も、あまりの混雑に改札前で長蛇の列。おまけに家内が行きたがっていた北鎌倉駅前にあるはずの小滝美術館が見つからない。

自宅の庭木の剪定をしているおじさんに尋ねたところ、つぶれてしまったとのこと。鎌倉行きは家内と娘たちの希望だが、後悔の念がフツフツと湧き上がってきた。さらに追い討ちをかけるように雨が降ってきた。

P1010398 雨の鎌倉も良いものだと開き直り、近くの円覚寺から建長寺、鶴岡八幡宮へとのお定まりのコース。前も後ろも長蛇の列。ちょうど昼時だが、どのお店も長い行列ができている。やむなく路上の煎餅屋さんで購った煎餅を齧りながらをトボトボと歩く。

P1010400 ようやく着いた鶴岡八幡宮もすごい人出で入場制限中。引いたおみくじはなんと「凶」。どうもこれからの行く末を暗示しているようだ。

P1010409 沼響のHPの聴き比べコラム「ベートーヴェンの7番を聴く」にストコフスキーの演奏の感想をアップしました。

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2008年5月 4日 (日)

「ラ・フォルジュルネ2008」

今年もGWは「ラ・フォルジュルネ」。今回のテーマはシューベルトで、購入したチケットは、クワメ・ライアン率いるボルドーアキテーヌ管と小菅優によるウェーバーとベートーヴェンのコンサート。

連休初日の5月3日は朝から雨。午後から止むと見て傘は持参しなかったが、東京に到着しても止む気配はない。2時45分の開演まで時間があるので、雨空をうらめしく見ながら東京駅前の地下道を通り、新丸ビル地下のハンバーガーショップで軽い食事の後丸ビルへ。

ここでは関連イベントとして假屋崎省吾がシューベルトの作品にインスパイアされた作品展をやっていた。2時から本人のトークとゲストを招いてのコンサートもあるという。開場前の受付では假屋崎氏本人が準備をしている。本物目の前にした娘たちはずいぶんと興奮の様子。だが作品を軽く一巡し開場を後にする。假屋崎氏がこちらを見ているのが気になったが、2時からでは小菅優のコンサートにかぶってしまうので仕方がない。

P1010391 エスカレーターを下っていると拍手の音が聞こえてきた。1階フロアでもコンサートをやっているらしい。手持ちのパンフレットを見てもこの時間は何も書いていない。どうやら雨天のため、別会場の野外コンサートのイベントがこちらに移ったようだ。

2階のバルコニーからちょいと覗いてみた。演奏はオカリナとピアノの珍しいコンサート。ちょうど「トゥーランドット」の「誰も寝てはならぬ」をやっている。

これが非常に良い。オカリナの重音奏法も初めて聞いた。下に降りて演奏者名を見ると大沢聡という人。最後のチャルダーシュも素晴らしいテクニック。このような隠れた名手もいるのだ。思わぬ出会いに嬉しくなって外に出ると雨はあがっていた。

P1010394 そのまま東京国際フォーラムへ急ぐ。雨のために昨年ほどの人出はないだろう。・・・と思っていたが国際フォーラムの中庭はすごい人。グラーベン広場ではJR東日本交響楽団が「未完成」を演奏していた。JR東日本の社員とその家族によるアマオケだ。速いテンポの古楽系のすっきりとした演奏だった。

P1010393 隣のブースではギター、フラウト・トラベルソ、バリトンによる三重奏によるキッズプログラム。

古楽器の素朴な音色に幼い子供達が身を乗り出して聴き入っている。曲目は偶然にも先日聴いたばかりのシューベルトのメヌエットだった。

そしてホールAで、小菅優、ボルドー・アキテーヌ管によるコンサート。指揮はクワメ・ライアン、曲はウェーバーの「オイリアンテ」序曲にベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番というもの。チケットを買うのが遅れたために席は2階中ほど。真ん中とはいえ巨大なホールのためステージは遥か下方の彼方だ。ホールはほぼ満席。

最初のウェーバーでは管楽器が突出して響くのが気になった。だがライアンの抑制された棒にしだい美しくまとまってきた。初めて聞くオケだが、なめらかで美しいトーンときっちりコントロールされたアンサンブルの良いオケだ。そして小菅優のベートーヴェンもしなやかで古典的なスタイルの好演。軽くいなせなベートーヴェン。

P1010395 終了後外に出るとミュージック・キヨスクでは海老彰子と裕子によるシューベルトの連弾曲の演奏の真っ最中。これを家族で屋台で買ったクレープを食べながら鑑賞。こちらも太い音色のがっしりとした大人の演奏だ。

これでもう音楽は十分満喫したので、銀座一丁目の「ヤマハ・銀座」へ。仮店舗のためかなり狭く、楽譜売り場は人出も多く、あまりの蒸し暑さに閉口。お目当ての譜面を見つけられない家内を置いて、比較的空いているピアノフロアへ娘達と避難。

Ginza_photo その後家内の従姉妹がお店を出しているプランタン6階へ行ってみた。

いわゆる輸入雑貨のお店だが、楽しくもユニークなデザインの実用的な日用雑貨を集め、お店はなかなかの繁盛のようす。http://www.petitcoquin.net/petit/shop/index.html#ginza

3日の予定はこれにて終了。店員に少し声をかけ、家族を連れて本日の宿に向かう。

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2008年5月 2日 (金)

クラシック名曲初演&初録音事典

曇りのち午後から雨。連休の合間とはいえ研修で二日つぶれ仕事ができず机上は書類の山。

9784479391715 職場に御用聞きに来る馴染みの書店に注文していた待望の書「クラシック名曲初演&初録音事典」(平林直哉著)がようやく届いた。

アマゾンならばさほど時間もかからずに届くのだが、注文して届くまでに2週間以上。今年3月の発行だというのに、頼んだ数日後に書店のおじいさんが品切れの短冊を持ってきたのには驚いてしまった。

この種の本は個人経営の小さな書店経由だと意外と時間がかかるようだ。

内容は期待とおりの面白さだった。古今の名曲374曲の初演時の隠れたエピソードと初録音の紹介。初録音については、できるかぎり実際の音盤を入手して書いているのが凄い。執筆開始から上梓まで10年以上かかったという労作。

沼響のHPに連載中の拙コラムのデータも、何箇所か訂正しなければならない。

さて明日は東京、「熱狂の日」音楽祭。テレビのニュースでも何度か紹介されたようだ。天気が心配だが。

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2008年5月 1日 (木)

ケンプとリヒテルのモーツァルト

今日から5月、本日も一日天気が良い。昨日から研修のため市民文化センターへ通っている。研修会場への廊下を歩いていると、別室にいるわがアマオケの事務局長の姿が目に入った。そういえば今日は来年の定演会場である大ホール会場採りの抽選日。首尾よく当たってくれれば良いが。

P1010379 今日はドイツグラモフォンの古いLPで、ケンプとリヒテルの弾くモーツァルトのピアノ協奏曲を聴く。

ここでケンプは27番、リヒテルは20番を弾いている。二人とも偉大なピアニストだが、硬派のリヒテルに対して女性的なケンプの演奏、個性の全く異なる二人の録音を安易にカップリングしたという印象がぬぐえぬ一枚。

伴奏はケンプに付けているライトナー&ベルリンフィルに比べると、リヒテルの伴奏を担当しているヴィスロツキはだいぶ聴き劣りがする。

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