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2008年5月11日 (日)

杉山富士男メモリアルコンサート

昨日に引き続き肌寒い一日。いよいよオケの練習も佳境に入り今日も練習。午前中は大ホールにて「オベロン」序曲に参加する。

弦分奏に引き続き11時から一時間ほどの練習。軽快にしてロマンティックなウェーバーの世界。吹いていて自然と楽しくなってくる名曲だ。さほど難しくないのが良い。ウェーバーの序曲はどれも名曲なのに、オペラ全曲となると「魔弾の射手」以外はどれもつまらないのはなぜだろう?などと考えながら吹いていた。

お昼となり休憩となった。午後はベートーヴェンの練習ということで、降り番の自分は会場を後にし職場へ向かい、昨晩家で整えた書類の確認をおこなう。

午後2時からは、昨年亡くなった沼津楽友協会の事務局長杉山富士男さんのメモリアルコンサート。

コンサート会場の東急ホテルの4階に行くと、ロビーに杉山さんの遺影の前に杉山さんが実現したコンサートのパンフが並べられていた。昭和31年のハンス・カンピアノリサイタルから始まり昨年までの五十有余年の膨大なコンサートの記録の数々。

ガッゼローニ、ラトル、ヤンソンス、リヒテル、マリナーなど自分が聴いたコンサートの他に昭和30年代の藤原義江の出演する「カルメン」全曲などのオペラ公演も多い。日本のプロオケと代表的な演奏家のほとんど全て訪れているのが驚異的だ。

1975年にはなんと、ラヴェルの弟子のペルルミュテールまでも来ていた!

P1010406 今日のコンサートは、コントラバスの黒木岩寿トリオを招いてのメモリアルコンサート。会場内では丸テーブルが10ばかり並んでいる。ごく親しい人たちの内輪のコンサートのような雰囲気で、大部分は年配の方々。

曲は、ボッテシーニの2曲に、ブルッフの「コルニドライ」、ロッシーニのチェロとコントラバスのためのデユオ、そして今年から東響の首席チェロ奏者となった西谷牧人のソロでラフマニノフの「ヴォカリーズ」というもの。ピアノは江上菜々子。

着実な技巧と美しい音色でマイナーな曲も実に楽しく聴かせてくれる。シュタルケルに学んだという西谷さんのフレッシュなヴォカリーズも見事なものだ。休憩時間にトイレで偶然西谷さんと一緒になり、ちょいと話しかけたがちょっとはにかんだ雰囲気も初々しい爽やかな好青年だった。まだ若いがこれからの注目株だろう。

黒岩さんの軽妙な語りに、湿っぽくなりがちな追悼コンサートが明るく後味の良いものになった。休憩時間に出されたケーキとコーヒーも美味、実に充実した日曜日。

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