今日から6月、昨日までの雨も上がり朝から良い天気となった。本日は東京日本橋にてモーツァルト室内管の第46回定期演奏会。アマオケなれど海瀬京子さんと横島先生の両人出演とあっては行かねばならぬ。
地下鉄半蔵門線水天宮前駅近くの日本橋公会堂は初めて入るホールで客席600人ほどの小ホール。響きは幾分デッドだがこの大きさは古典派の曲には最適だろう。客席には沼響のメンバーも数人見える。
曲目はベートーヴェンのピアノ協奏曲第一番、モーツァルトの歌劇「コシ・ファントゥッテ」序曲に交響曲第38番「プラハ」というもの。
モーツァルト室内管は、1972年にモーツァルトの愛好家たちが集まって組織されたという老舗のアマオケ。ステージ上に並んだメンバーの顔ぶれを見ると落ち着いたアダルトな雰囲気が漂っている。沼響よりも平均年齢は高そうだ。
最初は海瀬京子さん出演のベートーヴェンのピアノ協奏曲第一番。ベートーヴェンとしては3曲めのピアノ協奏曲で古典的な軽快さと格調の高さの中にベートーヴェンらしい堂々たる風格の漂う名作だ。
終演後楽屋口で本人に話を伺った時には不満足げの様子だったが、なかなかどうして着実な技巧と素直なアプローチで、曲の良さを聴き手に自然な形で伝える見事な演奏だった。第一楽章の長いカデンツァや第二楽章の丁寧な歌い口にも好感が持てる。古典派の曲はこのような演奏で聴きたい。お客さんの反応も良い。
使用ピアノはベーゼンドルファー。長い序奏後のピアノの音を聞いてピリオド楽器のような質朴な響きに意外な思いがした。今流行りのピリオド奏法に合わせたのかしらんとも思ったが、。柔らかさとともに感じられるはずの、ベーゼンドルファー特有の箱全体を鳴らすふくらみのある深い余韻があまり感じられない。これは使用ピアノに原因がありそうだ。
後半はすべてモーツァルトプロ。モーツァルトを演奏し続け30年以上というオケの手馴れた演奏。「プラハ」の途中でヒヤリとする場面もあったが、モーツァルトへの深い共感から来る安定感とアマオケながらこのオケ固有の音を持っているのが良いと思う。これは沼響も見習うべきだろう。
アンコールはドイツ舞曲から(たぶん)。
横島先生の指揮は、柔らかな響きを求めながらも要所要所でティンパニを強奏させ、ピシッと引き締める正統派の解釈。
終演後、なぜか神田古書センターにある「ボンディ」のカレーが食べたくなり神田まで足をのばす。しばらく古書街をぶらついた後、久しぶりにじゃがバター付きのビーフカレーを食し9階の富士レコード社をちょいと覗く。
良いものは多いが高いなぁ。続いて寄ったササキレコード社でデ・ワールトの振るマーラーの交響曲第3番のCDを発見。これでデ・ワールトのマーラー交響曲全集の全曲が揃った。
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