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2008年7月に作成された記事

2008年7月31日 (木)

イノシシ跳梁跋扈す

ここ数日深夜になると裏山が騒がしい。イノシシの群れが今年もまたやってきたようだ。

昨晩1時過ぎ、あまりの騒々しさに外に出て裏庭に回ったところ、突然、ドカドカドカという異様な音があたりに鳴り響いた。深い闇でよく見えぬが、なにやら黒い塊が数体、ゴホッ、ゴホッという音を立てながら山の斜面を登っていく。

P1010512P1010511_2 一夜明け、昨晩物音の聞こえた辺りにはイノシシが土を掘り起こした穴が連なっていた。

数年前、天城のオケ合宿で食した猪鍋が頭に浮かぶ。

P1010510_3  今日はスイスのオルガニスト、ハインツ・バリーの演奏を聴いた。DENONから出ていたLPで、スイス聖ニコラウス教会のメッツラーオルガンを弾いたもの。

ブクステフーデからブルーンズ、パッヘルベルそして大バッハに至るドイツオルガン音楽の系譜を俯瞰するアルバムだ。直裁にして明晰なバリーの演奏。透明なメッツラーオルガンの響きも素晴らしい。

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2008年7月30日 (水)

ホルスト・シュタイン逝く

晴れ後雨。夕方に突然の雨となった。本日はバイク出勤のため雨合羽をはおって帰宅。濡れると電機が漏れてビリビリと感電状態となってしまうポンコツバイクには閉口。                                                                   

昨日N響名誉指揮者ホルスト・シュタインの訃報が飛び込んできた。ちょうど通勤途中のカーステレオでシュタインの指揮するシューマンの「ライン」を聴いたばかりだった。ここ数年引退同然だったといえ独逸正統派巨匠の死去は寂しい。

シュタインを初めて聴いたのは、70年代にFMで流れていたバイロイト音楽祭の一連のライヴだった。その後テレビで見たN響来演時の圧倒的なワーグナーは今でも忘れられない。紅潮した表情であぶら汗を流しながら指揮する「葬送行進曲」は本当に凄かった。

実演では、バンベルク響との来日公演で、ベートーヴェンとブラームスの質実剛健な演奏を聴くことができたのも良き思い出のひとつだ。

P1010517 昨日聴いていたのは、シュタインがウィーン響を振った1997年12月10日、ウィーンでのライヴ。メンデルスゾーンの序曲「静かな海と幸福な航海」とピアノ協奏曲第一番、そしてシューマンの交響曲第3番「ライン」というもの。

ピアノはJ.スタンクール。T-RAXというレーベルで出ているCDで正規の放送音源がオリジナルのようだ。

シュタインが第一線から退く直前の演奏だが、衰えは全く感じられない。序曲の爽やかで神秘的な冒頭からアレグロへのごく自然な移行。コンチェルトの終楽章で聴かれる音の奔流。派手さはないが深い味わいの「ライン」。ウィーン響からバンベルク響にも似た温もりのある響きを引き出している。

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2008年7月28日 (月)

ハレルのドヴォルザーク「チェロ協奏曲」

晴れ後曇り。日中の猛暑にもかかわらず夜は比較的涼しい。夕方には雨がパラついてきた。大気の状態が不安定なため、関西、北陸では大雨の被害が出ている。

P0601_01 今日は下の娘が県吹奏楽コンクール東部大会のため早朝に送り出す。娘は緊張気味で朝食もあまり進まない。

昨年は直前に顧問の教諭が本番を振れなくなるという大アクシデントがあり、可哀想な結果になってしまった。今年は自分も仕事を休み、演奏を聞くことにした。会場は裾野市民文化センター大ホール。

プログラムを見るとクラシックのアレンジものが大多数。どうやら最近はオペラの編曲物がブームのようだ。娘の学校は3番目の出場。課題曲に一番難しい曲を選んでしまったため、未消化の部分が目立ってしまった。自信のなさがメンバーの表情にも現れている。結果はほぼ見えたので。早々に会場を後にする。

35581131 今日は、アメリリカのチェロ奏者、ハレルの弾くドヴォルザークのチェロ協奏曲を聴いた。

ハレル2回目の録音で、伴奏はアシュケナージ指揮のフィルハーモニア管。手持ちはDECCAのLP。

セル最晩年のクリーヴランド管の主席奏者に20代で抜擢されたハレル。しなやかなで着実な技巧と気品のある音色の見事な演奏だ。アシュケナージもピアノ伴奏のような実に丁寧な伴奏を付けている。時としてオケを豊麗に鳴らして自己主張も忘れない。このLPは音が非常に良い。

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2008年7月26日 (土)

ダンディの「コンセール」

連日の暑さで畑にひびが入ってきた。朝、昼、晩に水を撒いたが正に焼け石に水。多治見では39℃を記録したという。

Dindy 今日はフランスの作曲家、ヴァンサン・ダンディの作品を聴く。20世紀始めのパリの音楽界ではラヴェルと人気を二分していたというダンディだが、あまりにも保守的で彫琢されすぎた作風のため、今では演奏されることが稀になってしまった。自分も実演ではお目にかかったことがない。

今日聴いたのは、比較的知られた夏向きの「フランス山人の歌による交響曲」ではなく、「古風な様式による組曲」と「フルート。チェロ、ピアノと弦楽合奏のためのコンセール」。

P1010512 エラート原盤のLPで、パイヤール率いる室内管弦楽団に、ソロはフルートのランパル、チェロのロデオン、ピアノのデユシャブールといった面々。

ダンディの曲は、聴き始めはモヤモヤしていて訳が判らぬのが、次第に実体が見えてくるといった作品が多いが、これらは比較的わかりやすい。ダンディの最後のオーケストラ作品となった「コンセール」など、バッハのブランデンブルク協奏曲第5番をチェンバロでなく、ピアノで演奏したバージョンを聴くような趣。

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2008年7月25日 (金)

メタボリックな一日

昨日は職場の健康診断の日。今年から体重身長、腹回りも測られてしまう。もう最初から諦めの境地だが、よりによって一番太い箇所をメジャーがぐるりと回るのがうらめしい。血圧も昨年よりも高くなった。ここしばらく休みも取れず、帰りも不規則だったのが効いているようだ。寝る前のビールもよくないのはわかっちゃいるけど、この暑さではやめられない。

P1010510 自宅車庫の天井に巣食っていたツバメの雛が成長し、飛行訓練を始めている。大きくなって巣に入りきれなくなった雛たちは、夜には蛍光灯の庇で一塊になり寝入っている。

P1010479 沼響のHPの聴き比べコラム「ベートーヴェンの7番を聴く」に、ワルターのステレオ録音の感想をアップしました。

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2008年7月24日 (木)

ドヴォコン初見

今週は、一年以上も討議を重ねた組織の将来を左右する大きな事業の総決算。新聞報道も好意的でまずは安心。今日一日半ば虚脱状態のまま夜の練習に参加する。

楽器を車に積み込み練習会場の文化センター近くの契約駐車場に行くと、自分の契約スペースに見知らぬ車が止まっていた。大ホールで市民劇場の例会があり、満車でホール駐車場に入れぬ参加者が勝手に止めてしまったらしい。やむなく知人宅に駐車をお願いし練習会場へ急ぐ。

41rkb10ycgl_sl500_aa240_ 会場の小ホールでは、来年定期の中プロの曲「ドヴォルザークのチェロ協奏曲」の初見が始まっていた。

ウォーミングアップもせぬまま空いていた3番ホルンの席に滑り込むと、間の悪いことに第一楽章後半、シンコペーションで2オクターヴ降りる3番ホルンソロの直前ではないか。

頭では判っていても心の準備ができておらず、あえなく爆沈。しかもボケでいてin Dの譜面がまともに読めない。ほとんど譜面を追えぬままで初見はおしまい。

暗澹たる気持ちで後半はシベ2のフィナーレ。こちらはボケた頭でもなんとかなる in Fの譜面。

P1010494 帰宅後聴いたのは、若い頃ラヴェルの演奏旅行に同行したフランスのヴァイオリニスト、ジノ・フランチェスカッティの弾くラロの「スペイン交響曲」。

ご近所からの頂き物の日本コロンビアの10吋盤を聴く。これは1958年発売の国内初出盤のはずだ。50年前の音盤だが盤の状態も良く、音もフランチェスカッティの美音を余すことなく捉えている。

ベートーヴェンやブラームスも皆同じように聞こえてしまうフランチェスカッティだが、このような曲だとフランチェスカッティの輝かしい美音が良く映える。この曲の古典的な名盤。

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2008年7月22日 (火)

フェヴリエのドビュッシー

本日「大暑」。暦のとおり今年一番の暑さとなる。職場の空調が外気の暑さに負け、室内温度が朝から急上昇。これはどうも変だ。たまたま今日は空調の定期点検日。

午後から入った業者さん曰く,「理由は判りませんが、なぜか暖房に切り替わっていました。」とのこと。(・ロ・;

230 今日はフランスの名匠ジャック・フェヴリエの弾くドビュッシーを聴く。

仏ヴェガ原盤のACCORDから出ているピアノ曲全集CD4枚組から「ベルガマスク組曲」「バラード」などの入った1枚目。

フェヴリエのドビュッシーは、ソフラソン名で日本キングから部分的に出ていたLPが長い間の愛聴盤だった。LPでは部分的に入っていたノイズが気になったがCDでは改善されている。

陽炎のように淡くも儚い「二つのアラベスク」や「夢」などの初期の作品。「ベルガマスク組曲のプレリュード」や「ゴリウォークのケークウォーク」では硬質で剛直な表現に一変。

幾分枯れたモノトーンな響きと微妙なテンポの揺れに聴かれる巨匠の芸を堪能。

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2008年7月21日 (月)

ダヴラツの「オーヴェルニュの歌」

今日は膝の手術で入院中の母の一時帰宅の日。ふだんは部活動で忙しい娘たちも珍しく休みとなり、弟の家族も呼び賑やかな昼食となった。午後には90を超える大叔母の家族たちも訪れた。

10auver 今日は夏にふさわしい名曲、ナタニア・ダヴラツの歌うカントルーヴの「オーヴェルニュの歌」を聴いた。

この曲初の全曲録音として有名なヴァンガードのLP。フランスのオーヴェルニュ地方の民謡を、印象派風の美しいオーケストラアレンジでまとめた小曲集。

ダヴラツの可憐にして鄙びた味わいのある声、2曲目の「バイレロ」のこの世のものとは思えぬ神秘的で美しい響きに部屋の空気が一変する思い。このアルバムでダヴラツの名は不朽のものとなった。

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2008年7月20日 (日)

川久保賜紀のバッハとエルガー

昨日梅雨明けとなり猛暑続く。今日は一日で二つのコンサートに行くことになった。

昼間は、市内のデパートのお客さまご招待の堺正章コンサートに家内と二人で行く。会場の沼津市民文化センター大ホールは中年以上のお客で満員。スパイダースとしての活動歴はともかく、バラエティ番組のタレント活動が主になっているマチャアキとしては正味90分のコンサートを歌のみでもたせるのはちょいとキツイ。トーク7割、歌3割といったところ。だが会場を沸かせるエンタティナーとしての力量は超一流だ。

同じ頃小ホールでは、静岡に本拠を置く楽器店「すみや」主催の「ピアノコンサート」が行われていた。これはコンクール形式のコンサートで、かつて自分の娘たちもお世話になった。今回も50人を超える出演者の盛況ぶり。

Image 審査委員は、ピアニストの小形眞子、2002年チャイコフスキー国際コンクール一位なし2位のヴァイオリニスト川久保賜紀。昨年までベルリン国立歌劇場の首席チェリストだったTimothy Parkという豪華な顔ぶれ。

Umg_cvrart_00602498998540_01_rgb_2 小形眞子さんはアンサンブルピアニストとして著名な方で、NHKの大河ドラマ「新撰組」、朝ドラマ、紅白、民放のテレビドラマの数多くのピアノを担当されている。

前日に娘のピアノの先生から、この3人による演奏が聴けるという情報を得ていたので、堺正章コンサート終了後一旦帰宅し、娘たちを連れ再び文化センターへ急ぐ。6時過ぎに会場に入ると表彰式が始まっていた。娘がお世話になった先生の門下生が上位を独占。

そしていよいよ審査委員長の小形眞子さんによるトークコンサートと審査員によるサロンコンサートが始まる。バッハの平均率第一番、サンサーンスの「白鳥」、エルガーの「愛の挨拶」の3曲をピアノソロと川久保のヴァイオリン、Timothy Parkのチェロ独奏を絡めて調性の違いを判りやすく解説していく。

Gagliano 「白鳥」ではピアノ独奏伴奏版ではなく連弾の譜面を使用したり、ゴトフスキーのピアノ独奏版を紹介したりといったかなり深い内容。そして最後はピアノトリオでモンティの「チャルダーシュ」。

川久保の華やかで美しい音色と名器Gaglianoを駆使したTimothy Parkの朗々たるチェロ。この聴き応えのあるコンサートが入場無料。

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2008年7月19日 (土)

メリカントの交響詩「レミンカイネン」

今年の夏も猛暑の予感。ここ数日日差しの強い日が続く。早朝、幾分暑さで萎びた庭木に水を遣った後に本日出勤。巷は三連休なのだが。

調子が悪かったXPパソコンがついにOSが起動しなくなった。原因不明のため仕事帰りにPCDEPOTへパソコンを持ち込む。店員に症状を説明すると、「うーん、買い換えたほうが良いかもしれません」とのこと。

半ば覚悟していたので、点検をお願いしている間に店内のパソコンコーナーを物色するが使用可能な今のモニターがそのまま生かせそうなパソコンがどうも見つからない。半ば新品のVISTAパソコン導入に気持ちが傾いたところ、店員の「動きました」との声。

どうやらメモリ部分の接触不良が原因だったようだ。ついでに現在の512MBから1Gにメモリの増設をおこなっっておく。これで当分の間大丈夫。

先日渋谷レコファンで購入したLPから。

P1010505_2 P1010507  ギリシャの現代作曲家テオドラキスの「Marche de l'esprit」の自演ポリドール盤。オケはロンドン響。

アメリカ女流ピアニスト、アン・シャインの弾くラフマニノフのピアノ協奏曲第3番のグーセンス指揮するウィーン国立歌劇場管による米KAPP盤。シャインはりーダーズダイジェストの古いLPに小品を入れていたが大曲は初めて聴く。

P1010497_2 P1010506_2 同じくKAPP盤からは、往年のアメリカのトランペットの名手ヴォアザン、ギターラによるハイドン、ヴィヴァルディらの作品集。

そしてフィンランドFINICAレーベルの「フィンランドの作曲家たち」中の一枚から、メリカントの交響詩「レミンカイネン」とパルムグレンのピアノ協奏曲第2番「河」。

P1010504 P1010503 フェリックス・スラトキンによるヴィラ=ロボスの「ブラジル風バッハ第一番、第五番」、バッハの平均律曲集のチェロ合奏編曲版のキャピトル盤。キャシー・バーベリアンの歌うモンテヴェルディ歌劇アリア集テルデック盤、伴奏はアルノンクール指揮するウィーンコンチェルトムジクス。

P1010501 ゲヴァントハウス時代のノイマンの演奏で、ドヴォルザークの「悪魔のカーチャ」とヤナーチェクの「ラシュ舞曲」テレフンケン盤。

P1010495 キャサリン・フェリアーの最後の録音となったバッハ・ヘンデルアリア集、傷あり格安380円の日本キング盤。オリジナルは1952年録音だが、1960年に当時の伴奏メンバーが再び集まって伴奏部のみステレオで再録音したというもの。

これは既に購入済みの愛聴盤だが、このキングの国内初出LPには小林利之さんによる録音時の詳細なエピソードが載っている。この文を読みたいがだけに購入。

この録音のプロデューサーがジョン・カルショウだったこと、指揮のボールトが小さなスピーカを腕に付けフェリアーの声を再生しながら録音に臨んだことを初めて知った。ジャケット写真には再発時に抜けてしまったrecreated in stereoの表示がある。

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2008年7月18日 (金)

カラヤン&クルゾー「指揮の芸術」

7月も半ばを過ぎ夏本番、仕事のヴォルテージも上がり午前は会議で午後は面接の後、急遽外部のお偉方のお宅へ相談事のため訪問となってしまった。夜は文化センター主催のディスクコンサートでの解説と密度の濃い一日。

ディスクコンサートでは今年生誕100年のカラヤンを取り上げた。60年代、70年代、80年代の映像を中心に、カラヤンとベルリンフィルの変貌ぶりを紹介。カラヤンの映像は妙に凝ったものが多いので、極力コンサートの雰囲気に近い、自然に撮れているものばかりを意識して厳選。今回は、曲目がポピュラーなものばかりだったので、大勢の人が集まった。

70年代のシルヴェスターコンサートからマスカーニの「友人フリッツ」とスッペの「軽騎兵」序曲。このような小品を降らせるとカラヤンは実にうまい。ゴージャスで贅沢な気分になったところで、カラヤン・クルーゾー指揮の芸術からベートーヴェンの「運命」。1966年の収録で、カラヤン自身が若手指揮者を指導するドキュメントが付いている。

41wd25z818l_sl500_aa240_ 20分ほどのドキュメンタリーは、専門的な内容のため、小学生もいる会場の人たちはもてあまし気味となってしまった。これはちょっと失敗。

続く「運命」は、フルトヴェングラー時代の猛者が数多く残るベルリンフィルに、シュヴァルベやライスターらカラヤン・ベルリンフィルの最盛期を支えた名手も加わる重厚怒涛の名演。管楽器は倍管、ホルンは実に8本!若き日のザイフェルトの姿も見える。

カラヤンの周囲をベルリンフィルのメンバーがぐるりと囲み、最上段にはティンパニのティーリヘンがオケ全体を睥睨し演奏をピシッと引き締めている。クルーゾーのカメラワークも秀逸だ。

80年代からは、カラヤンがベルリンフィルを振った最後の舞台となった1988年のニューイヤー・イヴコンサートから、キーシンのピアノでチャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番。

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2008年7月16日 (水)

我が青春の吹奏楽

本日川崎出張。出勤後机上に溜まった仕事を片付け新幹線三島駅へ。お昼前には川崎駅に着き、待ち合わせた二人と賑わっている川崎駅近くの飲食街で食事。その後仕事を済ませ、帰路に付く前に渋谷レコファンをちょいと冷やかす。

いろいろと物色し、380円から980円までのLPを10数枚ほど購入、CDは1点のみ。

P1010510_2 その1点のCDは「我が青春の吹奏楽」、

という書いてるだけで恥ずかしくなるようなタイトルのキングから出ているCD。

曲はリードの「 音楽祭のプレリュード」から始まり、コーディルの「 吹奏楽のための民話」、ホルストの「 吹奏楽のための第1組曲」、スウェアリンジェン「 インヴィクタ序曲」、ジェイガー:「シンフォニア・ノビリッシマ」、チャンス:「 朝鮮民謡の主題による変奏曲」、マクベス:「 マスク」、リード:「 アルメニアン・ダンスパート I」

思わず過ぎ去った遠くを見る目になってしまう曲ばかりだ。さらに演奏は、かつて沼響で「第九」を振っていただいたこともある北原幸男さん指揮する大阪市音楽団となれば思わず手が伸びてしまう。

最近自筆譜が発見されたホルストの曲は、組曲「惑星」に「冥王星」を加えたコリン・マシューズの最新校訂版が使用されているのも嬉しい。

自分の音楽好きの原点がこれらの吹奏楽曲だった。今や自分の娘たちがそれぞれの吹奏楽部で、夏の吹奏楽コンクール地方大会を目指し練習に励んでいる。彼女たちにも、これからそれぞれの思い出の曲が生まれてゆくのだろう。

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2008年7月15日 (火)

蘇るデニス・ブレイン

ここ数日、仕事上の大きな山を越え小康状態だったが、おいそれとは楽にさせてくれない。先週若手職員が胃に穴を開け倒れ緊急入院。これで職場の病休者は2名となってしまった。ほかに半病人若干一名。

仕事は年々増えているが、人員は削減されている。自然とひとりひとりの負担が増えて、どうしても無理がくる。ズボラな自分は、適度にガス抜きをしているのでさほど苦にならぬが、真面目な人ほど脆いようだ。こんな状況でも補充人員はそう簡単に来ない。

デニス・ブレインのすばらしいサイト(おそらく世界一の)「憧れのデニス・ブレイン」http://www.geocities.co.jp/MusicHall/1921/index.htmlを開いている夢中人さんが、個人的に復刻したCDを聴いた。

Cd_brain1940 40年代のSP録音を復刻したもので、ブランデンブルク協奏曲第一番から始まり、ブラームスの合唱曲「四つの歌」、ヘンデルの序曲から「魔弾の射手」「オベロン」「ミニヨン」の各序曲というもの。

ボイド・ニールのブランデンブルクは他にCDが出ているが、他は聴いたことがない。ひとひねり効かせた多彩な選曲も面白い。

ブレインのあっけらかんとしたテクニックは、いつもながら唖然とするばかりだが、ブレインを支える他の奏者も粒ぞろいだ。

最後のフィストラーリの指揮するトーマの「ミニヨン」序曲は、曲の真価を見直すほどの名演。復刻状態も満足できるものだ。

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2008年7月14日 (月)

山田一雄の「復活」

今日も真夏日、裏山の蝉がジリジリと鳴きはじめた。いよいよ本格的な夏の到来か。夕方遠雷が轟くも雨に至らず。

P1010296 今日は山田一雄の指揮するマーラーの「復活」。朝比奈隆の「千人の交響曲」と同じくタワーレコードヴィンテージコレクション中の一枚。http://www.towerrecords.co.jp/sitemap/CSfCardMain.jsp?GOODS_NO=1629523&GOODS_SORT_CD=102

1981年、京都市交響楽団創立25周年記念のライヴ。(わが沼響も来年は25回定演だ)。

これはLP以来待望のCDでの復活。ツボにはまった時の山田一雄の凄さを実感する名演。

時としてオケが指揮に付いていけず、腰砕けになる部分がないわけではないが。この日会場を包んだ尋常でない熱気に圧倒されるばかり。演奏者が渾然一体となり凄愴なほどに盛り上がるフィナーレ終結部は感動的だ。録音にも不満はない。

「復活」の日本初演は山田一雄だが、日本人のマーラー演奏のモニュメント的大演奏。

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2008年7月13日 (日)

オイストラフのメンデルスゾーン

猛暑始まる。このまま梅雨も明けそうな気配。

P1010487 ダヴィッド・オイストラフの弾くヴァイオリン協奏曲を二曲聴いた。

一枚目は、オーマンディ指揮フィラデルフィア管の伴奏によるメンデルスゾーン、オイストラフ2度目の1955年録音。手持ちは日本コロンビア・モノラル10吋盤。

結局オイストラフは、この曲のステレオ正規録音を残さなかった。その後出たチャイコフスキーとカップリングされたLPは全て擬似ステレオ化されていた。豊麗でいて凛とした気品に満ちたオイストラフのヴァイオリン。この盤が世に出た頃のデンオンのモノラル専用カートリッジDL102で聴くと非常に音がよい。合わせものの名手だったオーマンディーの伴奏も見事なものだ。

P1010467 もう一枚はオイストラフが初演をおこなったハチャトウリアンのコンチェルト。

オイストラフ5度めの録音となったハチャトウリアン指揮モスクワ放送響のメロディア盤。これ以上の演奏は望めぬほどの名演だが、どうも聴いていて面白くない。曲の波長が自分に合わないのだろうか。

P1010478 沼響のHPの聴き比べコラム「ベートーヴェンの7番を聴く」に、ワルター&ニューヨークフィルの演奏の感想をアップしました。

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2008年7月12日 (土)

バレンボイムのエルガー

本日快晴、ジリジリと気温が上がり真夏日となった。朝、部活動に行く娘を駅まで送った後、入院前に母が通っていた聖隷病院に薬を受け取りに行く。朝一番にだったのだが、大病院の常で2時間ほど待たされた。

41d9zxpnkvl_sl500_aa240_ 待つ間に、持参した司馬遼太郎の「世に棲む日々(三)」を再読。文春文庫の表紙裏には鉛筆で1985年6月1日読了の走り書きがある。

天才としか言いようのない20代の高杉晋作の奔放な姿も魅力的だが、松蔭門下でありながら非業に倒れたり、維新後まで生き残りながら無名に終わった人たちまで詳細に描かれていることに惹かれる。

幕府や長州の上級役人たちの保身第一、事なかれ主義は今の日本にそのまま受け継がれている。

他の病院に入院中の母に薬を手渡し、帰宅後はお墓の掃除と畑作業で午前中が終わる。
ナスがいよいよ本格的に採れはじめた。日差しの強さに僅かな間に日焼けしてしまった。このままシャワーを浴びビールでも飲みたいところだが。ビールは我慢。

P1010470 午後は音楽部屋で、先日のトスカニーニのベト7にカップリングされていたBBCの放送音源からベートーヴェンの「ミサ・ソレニムス」とモーツァルトの「ハフナー」を聴く。

録音は良くないがトスカニーニとしては意外なほどロマンティックな演奏。

P1010486 そして、CBSのLPでバレンボイム30代の録音からエルガーの「威風堂々全曲」と「インドの王冠」組曲。

猛スピードで駆け抜けた「威風堂々」は全5曲がLP片面に収まっている。バルビローリやボールトのような風格は望むべくもないが、ロンドンフィルのソフトな音色にジェントルな趣が漂う。

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2008年7月11日 (金)

シベリウスの新全集版スコア

雲は多く湿度は高いが梅雨の中休み。雨は降らず気温は30度を超えた。仕事も一つの大きな山場を超え、気持ち多少の余裕が出て来た。

昨日のオケ練習は小ホールでシベ2第一楽章。広い会場とじっくり丁寧な練習で、のびのびと練習できるのがうれしい。練習はまだ始まったばかりだが次第にシベリウスらしい響きが聞こえ始めてきた。

それにしても譜面に不可解な部分が多く、確信を持って吹くことができない。

P1010487_2   手持ちのブライトコップ旧全集版のポケットスコア(PB3323)もおかしい。アマゾンで安く買ったドーヴァーのスコアも中身はどうやら同じもの。

300_2 最近出た日本楽譜社版も細かくは見ていないが同じ内容のようだ。

そこで、団内の仲間からシベリウス新全集版のスタディスコアが、ブライトコップから出ているとの教示を受け、アカデミアから取り寄せてみた。(PB5378 4,000円は高いなぁ)

さっそくドーヴァー版と見比べてみた。なんと、出だしの弦楽器群による最初のクレシェンドの位置からして異なっている。

39小節めのファゴットの後にティンパニが出る箇所のmfp指定からデクレシェンド、といったおかしな箇所もしっかりfひとつとなっている。

P1010486_2 P1010488_3 譜面の誤りは多少はあるものだが、今まで世界中で使われていた楽譜がこれほどヒドイとは思わなかった。

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2008年7月 9日 (水)

ボールトのアイアランド

曇り時々雨。本日母が転院することになり、溜まった代休消化も兼ねて一日お休み。母は、今後リハビリ専門の病院にで治療に専念することになる。結局転院の諸手続きで半日費やされてしまった。

P1010480 今日はイギリスの作曲家、ジョン・アイアランドの作品を聴いた。

英LyritaのLPで、ボールト指揮のロンドンフィルによる「ダウンランド組曲からプレリュード」、「忘れられた儀式」「ピアノとオーケストラのためのLegend」などが入っている。

初期のストラヴィンスキーやドビュッシーの影響を受けたというアイアランドの作品。

メンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」を彷彿させる美しい風景画のような弦楽合奏によるプレリュードは、金管バンドのための作品がオリジナル。「春の祭典」の初演と同時期にパリで作曲されたという「忘れられた儀式」には、「春の祭典」の影響を受けたバーバリスティックな中にケルトの神秘的なティストがほんのり漂う。

いずれも素晴らしい作品だ。ボールトの演奏、録音も不満はない。

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2008年7月 7日 (月)

ソンドラ・ビアンカのショパン

P1010474 曇り時々雨。今年も車庫の天井にツバメが巣作りをしている。蛍光灯の不安定な庇の上なので軽い振動でも落ちそうな危うい巣だが、雛も無事孵り、にぎやかになってきた。

庭先ではウグイスまで鳴いている。やがて雛たちは巣立ち、数年先に再び還って来るだろう。

P1010337 今日は女流ピアニスト、ソンドラ・ビアンカの弾くショパン、「ワルツ集」を聴いた。録音はおそらく50年代末の米コンサートホールから出ていたLP。

時代を感じさせる古色蒼然たるショパンだった。テクニックは普通の水準だが、ブーニンがショパンコンクールで猛烈な速さで弾き飛ばしていたヘ長調のワルツなど悲しいほど聴き劣りがする。硬くデッドな録音もあり、素朴で甘さからは程遠いショパンとなった。

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2008年7月 6日 (日)

ヴィラ=ロボスの「カーニバルの道化師」

7月に入っての初めての休日。朝は畑に行きピーマン、さやいんげんとナスを収穫。今年はいんげんがよく取れた。上の娘は高校野球の応援に楽器を担いで出て行った。

P1010476 今日はヴィラ=ロボスの作品から、「カーニバルの道化師」と「ブラジル風バッハ第3番」を聴いた。

リオのカーニバルの情景を描いたと言われる「カーニバルの道化師」は当初ピアノ曲だったのがブラジルのピアニスト、タリアフェロの助言でピアノとオーケストラの作品として生まれ変わったという。

リオのカーニバルといえばド派手なお祭りのイメージがあるが、この曲は比較的落ち着いた趣。

演奏はタリアフェロの弟子のブラジルのピアニスト、C.オールティズによるEMIのLP。伴奏はアシュケナージ指揮のニューフィルハーモニア管による演奏。アシュケナージの指揮者としての最初期の録音だったと思うが、オールティズのピアノに比べると影が薄い。

P1010477 もう一枚ヴィラ=ロボスで、カポロンゴ指揮のパリ管による「ブラジル風バッハ」曲集。

パリ管の名手たちとソプラノのメスプレによるEMIのLP。カラフルで濃厚な南米の音楽。パリ管のセンスも良い名盤。

アルジェリアの指揮者カポロンゴは、ほとんどこの一枚のみで知られる指揮者。今でも現役のようだが、このままではこのアルバムのみの一発屋として終わりそうだ。

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2008年7月 5日 (土)

ガンヌの「サルタンバンク」

今日も夏日となった。出勤していると突然クーラーが故障。どうやら漏電ブレーカーが落ちているようだ。常駐の電気技師も休日で不在なので窓を開け暑さに堪えて仕事。

P1010471 今日はフランスの作曲家ルイ・ガンヌのオペレッタ「サルタンバンク」を聴いた。パテマルコニのモノラルの擬似ステレオLPで、シャンゼリゼ劇場のオーケストラとそのメンバーによる演奏。

ガンヌと言えば、「勝利の父」や「ロレーヌ」といったフランスマーチの名作が頭に浮かぶ。

オペレッタ「サルタンバンク」も比較的知られた作品らしい。サーカスを題材とした無邪気で軽い音楽のオンパレード。歌詞は解らないが、この底抜けに明るい雰囲気が実に楽しい。

P1010469 P1010470 沼響のHP「ベートーヴェンの7番を聴く」に、トスカニーニ&BBC響の二つのライヴの感想をアップしました。

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2008年7月 4日 (金)

プレヴィンの「ヤングハリウッド・コンポーザーズ」

早朝5時前に激しい雷鳴で目が覚める。外はバケツを逆さにしたようなドシャブリ。昨晩の天気予報ではこんなはずではなかったが、と思いパソコンに電源を入れ衛星画像で雲の動きを見ると、濃密な雨雲が続々と静岡県東部上空に参集中。裏山に視線を移せば、山の斜面から泥水がバシャバシャと側溝に流れ込み道路がみるみるうちに冠水してきた。家の周りは、秀吉に水攻めされた備中高松城状態となってきた。

JRもストップし娘たちは臨時休校やら自宅待機。ようやく小止みになったところで職場の状態が心配になり急いで出勤。雨は午前中に上がったが、気温はぐんぐんと上昇し30度を超え湿度も高く、異常な蒸し暑さとなった。

P1010468 このような日は重い曲は聴けない。取り出したのは若き日のプレヴイン弾き振りの「ヤング・ハリウッド・コンポーザーズ」というアルバム。

ハリウッド華やかなりし頃の50年代から60年代初めにかけて活躍したマンシーニやE.バーンスタイン、ルグランらの作曲家に、プレヴィンの映画音楽作品を集めた米RCAのLPだ。

今や老大家となったプレヴィンのジャケット写真の若いこと。軽やかなプレヴィンのピアノと、腕利きのハリウッドのスタジオミュージシャンたちによる小粋で素敵なアルバム。

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2008年7月 3日 (木)

本日の練習、シベ2

曇り時々雨。7月に入り仕事が落ち着いてきた。今年最大の山場の一つは越えた感触。今日は早めに仕事を切り上げ、なんとか8時前には練習に顔を出す。

曲は、来年第25回定期に向けてシベリウスの交響曲第2番から第4楽章。

インペクF氏のタクトにも熱が込もる。が、どうしてもフィナーレの終盤になると熱くなってしまう。練習会場が狭い文化センターのリハーサル室なので、音が飽和状態。しかも連日の雨で湿度も高い。続けた第一楽章冒頭からの練習も集中力にはなはだ欠ける出来。

ブライトコップの使用パート譜はどうやら誤植が多く、吹いていてデクレシェンドとアクセントが混同されているよう見える箇所多数。最新のシベリウス全集の譜面を見てみたくなってきた。

休憩時間に、新入団員の紹介と、来年定期のコンチェルトの候補曲の発表があり、どうやらドヴォルジャークのチェロ協奏曲になりそうだ。沼響にとって初めての曲。第25回にふさわしく重量級のプログラム。

そろそろ「ラ・ボエーム」の練習も始まる。本番は少ないが充実した一年。

P1010448 帰宅後聴いたのはノエル・リーの弾く、ドビュッシーの前奏曲集第一巻。ヴァロア原盤の第1回目全集のLPから。

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2008年7月 1日 (火)

ザンデルリングのフランク

今日から7月。雨も降らないようなので久しぶりにバイクで出勤。途中のGSで燃料を補給し千円札で支払ったところおつりが少ない。伝票を見るとなんと1リットル183円!とうとうここまで来たか。年内に200円台突入は確実だろう。明日から自転車にすることにしよう。

ありとあらゆる物が値上がってきた。今はかろうじて踏みとどまっているが、物価上昇と、凶悪犯罪の多発による社会不安で、この国の形そのものが揺らいで来たのではなかろうか。職場では20代後半から30代の職員で心を病む者が増えてきた。

P1010463 今日はクルト・ザンデルリングの指揮するフランクの交響曲を聴く。

今年東京で購入した独ヘリオドールのLPだが、原盤は旧東ドイツのドイツ・シャルプラッテン。実はCDで既にこの演奏は持っていたダブリ買い。オケはドレスデン国立歌劇場管弦楽団。

この顔ぶれとレーベル名で聴く前からどんな演奏か凡そ想像できるが、はたしてそのとおりの燻し銀のオケの響きと堅実なザンデルリングの指揮。オルガン弾きの書いた息の長い旋律を、じっくり渋く響かせたフランクの曲想にぴったりの演奏だ。

P1010462 もうひとつオルガン絡みで、フランスの盲目のオルガニスト、ラングレーの自作自演アルバムからBACHの名によるコラール・プレリュード。

渋い音楽ばかり聴いた一日。

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