カラヤン&クルゾー「指揮の芸術」
7月も半ばを過ぎ夏本番、仕事のヴォルテージも上がり午前は会議で午後は面接の後、急遽外部のお偉方のお宅へ相談事のため訪問となってしまった。夜は文化センター主催のディスクコンサートでの解説と密度の濃い一日。
ディスクコンサートでは今年生誕100年のカラヤンを取り上げた。60年代、70年代、80年代の映像を中心に、カラヤンとベルリンフィルの変貌ぶりを紹介。カラヤンの映像は妙に凝ったものが多いので、極力コンサートの雰囲気に近い、自然に撮れているものばかりを意識して厳選。今回は、曲目がポピュラーなものばかりだったので、大勢の人が集まった。
70年代のシルヴェスターコンサートからマスカーニの「友人フリッツ」とスッペの「軽騎兵」序曲。このような小品を降らせるとカラヤンは実にうまい。ゴージャスで贅沢な気分になったところで、カラヤン・クルーゾー指揮の芸術からベートーヴェンの「運命」。1966年の収録で、カラヤン自身が若手指揮者を指導するドキュメントが付いている。
20分ほどのドキュメンタリーは、専門的な内容のため、小学生もいる会場の人たちはもてあまし気味となってしまった。これはちょっと失敗。
続く「運命」は、フルトヴェングラー時代の猛者が数多く残るベルリンフィルに、シュヴァルベやライスターらカラヤン・ベルリンフィルの最盛期を支えた名手も加わる重厚怒涛の名演。管楽器は倍管、ホルンは実に8本!若き日のザイフェルトの姿も見える。
カラヤンの周囲をベルリンフィルのメンバーがぐるりと囲み、最上段にはティンパニのティーリヘンがオケ全体を睥睨し演奏をピシッと引き締めている。クルーゾーのカメラワークも秀逸だ。
80年代からは、カラヤンがベルリンフィルを振った最後の舞台となった1988年のニューイヤー・イヴコンサートから、キーシンのピアノでチャイコフスキーのピアノ協奏曲第一番。
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