ホルスト・シュタイン逝く
晴れ後雨。夕方に突然の雨となった。本日はバイク出勤のため雨合羽をはおって帰宅。濡れると電機が漏れてビリビリと感電状態となってしまうポンコツバイクには閉口。
昨日N響名誉指揮者ホルスト・シュタインの訃報が飛び込んできた。ちょうど通勤途中のカーステレオでシュタインの指揮するシューマンの「ライン」を聴いたばかりだった。ここ数年引退同然だったといえ独逸正統派巨匠の死去は寂しい。
シュタインを初めて聴いたのは、70年代にFMで流れていたバイロイト音楽祭の一連のライヴだった。その後テレビで見たN響来演時の圧倒的なワーグナーは今でも忘れられない。紅潮した表情であぶら汗を流しながら指揮する「葬送行進曲」は本当に凄かった。
実演では、バンベルク響との来日公演で、ベートーヴェンとブラームスの質実剛健な演奏を聴くことができたのも良き思い出のひとつだ。
昨日聴いていたのは、シュタインがウィーン響を振った1997年12月10日、ウィーンでのライヴ。メンデルスゾーンの序曲「静かな海と幸福な航海」とピアノ協奏曲第一番、そしてシューマンの交響曲第3番「ライン」というもの。
ピアノはJ.スタンクール。T-RAXというレーベルで出ているCDで正規の放送音源がオリジナルのようだ。
シュタインが第一線から退く直前の演奏だが、衰えは全く感じられない。序曲の爽やかで神秘的な冒頭からアレグロへのごく自然な移行。コンチェルトの終楽章で聴かれる音の奔流。派手さはないが深い味わいの「ライン」。ウィーン響からバンベルク響にも似た温もりのある響きを引き出している。
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