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2009年2月に作成された記事

2009年2月28日 (土)

シルス&ヤラスのドニゼッティ

大きなイベントがあり本日出勤。結局今日も帰りは9時過ぎとなった。明日はなんとか休めそうだ。
帰宅後ヤフオクで落としたLPが届いていた。このところ音盤購入は控えていたのだが、あまり控えすぎて反動が来たる。

P1010622 P1010620 今回はショパンを2枚。ゲーザ・アンダの弾くピアノ協奏曲第一番で伴奏は名匠ガリエラによるコロンビア盤。これはテスタメントからCDも出ている。
そしてフランスのピアニスト、ジャン・ドワイアンのショパンのワルツ集EPIC盤。

P1010619 もひとつ、アメリカのソプラノ。ビヴァリー・シルスの歌うベルリーニとドニゼッティのアリアを集めたPROBE原盤の東芝盤。

これはどうやらシルスの日本デビュー盤だったようだ。1969年録音。
シベリウスの娘婿ユッシ・ヤラスが伴奏を付けている。これは珍しい。

P1010610 P1010609 沼響のHPの聴き比べコラム「ベートーヴェンの7番を聴く」にコンビチュニーの演奏の感想をアップしました。連載49回目
http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

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2009年2月27日 (金)

オーマンディーのオペラ合唱曲集

またも雨、東京は雪が降ったようだ。
今日は、2年越しに進めていた大きなプロジェクトの一つの区切りとなる外部監査が入る日。

もともと外部の人間の美味しい話に乗せられた前任者の立てた杜撰な計画をそのまま引き継いだだけに、軌道修正に苦労し、北京オリンピックの影響による資材不足という思わぬアクシデントに遭遇したりと、いろいろと紆余曲折はあったが、ようやく目処が立ってきたはずだった。

ところが、検査の場になって一緒に受けていた外部業者の作成した書類に考えられないようなミスを発見。\( ;・_・)/

事前に渡されていた資料と、あまりにも食い違っていたのに愕然となってしまったが時既に遅し。百戦錬磨の検査官の目に留まらぬはずはなく、キツイお叱りを受けるはめになってしまった。orz

P1010597 何とか丸く治めたが、冷たい雨振る中を悄然としながら帰宅後に聴いたのは、オーマンディ指揮するオペラ合唱曲集の米コロンビアのLP.

「アイーダ」「トロヴァトーレ」「カルメン」「魔弾の射手」「ローエングリン」エトセトラ。

全て英語の歌唱でどれも同じように聞こえるが、難しいことを言わなければフィラデルフィア管のゴージャスな響きと、300人を超えるモルモンタバナクル合唱団の物量作戦に圧倒される一枚。

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2009年2月26日 (木)

ボドのフォーレ

波乱万丈の今年度もあと僅かとなった。今年は大きなプロジェクトを3つも抱え四苦八苦の一年となったが、そのうち二つは目処が立ち、残りの一つは明日が大詰めを迎える。

おかげで本日残業、なんとか10時前に帰れたのでよしとしよう。今日のオケの練習は、降り番のドヴォルジャークでよかった。

このところ音盤購入は遠ざかっていたが、ヤフオクで落としたLPが届いていた。

P1010611 フランスの指揮者セルジュ・ボドの指揮するフォーレとミヨーの入った日本コロンビアLP.

曲は、フォーレの「バラッド」と「ペレアスとメリザンド」組曲そしてミヨーの「プロヴァンス」組曲というもの。フランスCHANT DU MONDE原盤。
オケはパリ音楽院管なので、ボドのかなり若い頃の録音だ。

「ペレアス」は後にチェコフィルを振って再録音をしている。かつてEMIから出ていた「フランス音楽のエスプリシリーズ」にもパリ管を振った録音が家にあったような気がするが、レコード棚を検索する気力が沸かない。

沼響のHPの聴き比べ「シベリウスの2番を聴く」をアップしました。
今回は録音史。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

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2009年2月24日 (火)

バルヒェットとティレガントの「四季」

昨日に引き続き雨の一日。仕事はあい変らず高値安定だが、日々予期せぬ難題が降りかかってくる。
相手の有る仕事だけにそれなりの気は使っているつもりだが、あまりにも理不尽な要求にはそれなりの対応が必要だろう。

今日は明らかに先方の不手際にもかかわらず、そのミスを糊塗せんがためにこちらに実現不可能な要求を突きつけてきた輩がいた。対応していた部下が困惑していたので、堪りかねて割り込み一喝。お引取りをお願いした。

こんな日は、爽やかで軽い音楽を・・・・ということで、取り出したのはビバルディの「四季」。

P1010568 デンオンが出しているオイロディスク・ヴィンテージコレクションの逸品で、バルヒェットのヴァイオリン、ティレガント指揮の南西ドイツ室内管によるCD.

この演奏の魅力は、一にバルヒェットの凛として気品に満ちたヴァイオリンに尽きる。

ティレガントの指揮は幾分生真面目だが、バルヒェットのソロに巧みに同化して見事なサポートを聴かせるのが良い。

P1010601 沼響の聴き比べコラム「ベートーヴェンの7番を聴く」をアップしました。今回はスタインバーグの2回目。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

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2009年2月23日 (月)

ドゥダメル指揮のベネズエラ・シモン・ボリバル・ユースオケ

雨のち曇り。今日は、先週録画しておいたNHK教育放送の「芸術劇場」から、ベネズエラの若手指揮者グスタヴォ・ドゥダメルの演奏を聴いた。

Gfd プログラムの前半は、「ベネズエラ・シモンボリバル・ユースオケ」の来日公演から「ダフニスとクロエ」第2組曲とチャイコフスキーの交響曲第5番、アンコールの「ウエストサイドストーリーからマンボ」、ヒナステラの「エスタンシアから終曲」、そして後半はベルリンフォルのヴァルトヴイーネコンサート2008から年米の音楽を集めたもの。http://eplus.jp/sys/web/s/sb/index.html

ドゥダメルは現在28歳。既にウィーンフィル、ベルリンフィルに客演し、現在エーテボリ響の首席指揮者であり、この秋からロスアンゼルスフィルの音楽監督に決まっているという俊英。

ベネズエラのオケは、1991年にベネズエラ国立シモンボリーバル響が既に来日していた。当時NHKで放送されたその公演を見ていて、世界的な水準に達しているオケの高性能さに驚き、生き生きとした躍動感溢れる音楽に新鮮な感動を覚えたのが印象深い。

今回この番組を見て、ベネズエラが「エル・システマ」という貧困層の子供達のために国を挙げての音楽教育にかなり以前から取り組んでいて、最近目覚しい成果を上げていることを初めて知った。

現在2600万人のベネズエラの人口のうち、実に30万人のこどもたちがこのオケ活動に参加しているという。楽器は無料貸与。放課後の4時間を練習に当てているという。17歳にしてベルリンフィルのコントラバス奏者となったE.ルイースもここの出身だ。ドゥダメルもこの教育を受けている。

Is 昨年来日したユースオケはその選抜メンバー。エネルギッシュでパワフル、音楽を心から楽しんで知るひたむきさがストレートに伝わって来て感動的だ。

「ダフニスとクロエ」の夜明けの出だし部分、ヴィオラが奏でる熱いほどの共感に満ちた若者達の演奏を聴いていて、熱いものがこみ上げてきた。
20型?4管の巨大編成のオケから若いエネルギーが迸るチャイコフスキーも、ホットな快演だ。

時には立ち上がり、派手なパフォーマンスで盛り上がるアンコールの「マンボ」とヒナステラは見ていて実に爽快。久しぶりに良いものを視た。

YouTubeは、その来日公演から、エキサイティングなアンコール

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2009年2月21日 (土)

デルヴォーの幻想交響曲

本日風もなく良く晴れた一日。

家でゴロゴロ過ごすのも能がないので、久ぶりに裏山に登ってみた。裏山は、通称沼津アルプスと呼ばれるハイキングコースの一部になっている。http://www.geocities.jp/onedayhik/yama/2007/20070420_01.htm

Pic601alli_89e6919c128959d34283s83n 標高が低い割には起伏が大きく景色も良いので、中高年の手ごろなハイキングコースとして、休日には都心あたりからツァーを組んでリュックをしょった人たちがゾロゾロと家の近くの道を歩いているのを見かける。

今日もリュックを背負った老若男女が100人以上ゾロゾロと登ってくる。全部のコースを回ると5時間はかかるので、通称象山と呼ばれる徳倉山の頂上だけにしておいた。我ながら軟弱。 一汗かいて小一時間ほどで家に帰る。

P1010602 今日は、フランスの指揮者、ピエール・デルヴォー指揮の幻想交響曲を聴いた。

EMIジャパンから出ているCDで、オケはデルヴォーと係りの深いコロンヌ管。確かデルヴォーの父親はこのオケのトロンボーン奏者だったはずだ。

幻想交響曲を聴くのは、5年ほど前に集中的に聴き比べた時以来。あの時はもう一生聴くことはないだろうとまで思ったが、当時このデルヴォー盤がどうしても入手できなくて、以来気にはなっていた。

これは非常に良い演奏だ。1962年のライヴとはいえ、観客の存在感はほとんどない。カラフルな音色と適度にラフなオケのアンサンブルがベルリオーズの怪奇性をうまく引き出している。
クリュイタンスとミュンシュという二人の大指揮者の幻想交響曲録音が同じEMIから出ていたために、LP時代に国内で出ることはついになかったが、デルヴォーの芸風を知るのに絶好の一枚。

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2009年2月20日 (金)

プレヴィンのプーランク

朝からの雨は午後には晴れ。スギ花粉が盛大に飛び辛い一日となった。

昨日のオケの練習は、弦と管楽器に別れてシベリウスの分奏。場所は文化センター小ホールで管楽器はロビーで練習。シベリウス特有の木管とホルンの絡みとドイツ音楽とは異質な世界の和音が実に難しい。

P1010608 今日は、アンドレ・プレヴィンの弾くプーランクのピアノ曲を聴いた。

ユニバーサルクラシックスが出したCD200枚組の膨大なセット。「20世紀の偉大なるピアニストたち」シリーズからの2枚組CD.
http://www.universal-music.co.jp/classics/special/pianists/pianists.htm

このBOXセットは、一時期輸入盤が国内盤の10分の一近い価格で出回った時に購入したが、未だに半分も聴き終えていない。

プレヴィンが若い頃の録音で、プーランクは「三つの小品」、「メランコリー」、「フランス組曲」、「プレスト」が収録されている。軽妙洒脱なプーランクの音楽は、プレヴィンの芸風にぴったりだ。

P1010609 もう一枚プーランク。こちらはプーランクのスペシャリスト、プレートルがパリ音楽院管を振った「フランス組曲」。

こちらはルネサンス、フランス期の作曲家クロード・ジェルヴェーズの鍵盤音楽を管楽合奏と打楽器、チェンバロのために編んだもの。

ピアノ版よりもさらに垢抜けてお洒落な素敵な音楽集。

沼響のHP、聴き比べコラム「シベリウスの2番を聴く」3回目をアップしました。今回は、シベ2の基本情報と新シベリウス全集までの経緯です。http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

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2009年2月18日 (水)

クレツキのマーラー、交響曲第4番

忙中暇あり。今週は多忙な中で比較的余裕があり、今日一日休暇をいただく。休みとはいえ雑事が多い。
本日「二の午」。庭の片隅に古い稲荷社があり、もともとは村落の稲荷社だったのが、何らかの理由で我が家で祭ることになっているらしい。
http://jo1upk.blogdns.net/saito/index.php?cmd=read&page=%E6%9A%A6%2F%E5%88%9D%E5%8D%88

本来は2月6日の初午に幟旗を立てて祀らなければならなかったが、うっかり失念。お稲荷さんごめんなさい。Orz
今日しっかりと幟を立てて赤飯も炊きました。

P1010603 今日はクレツキの指揮するマーラーの交響曲第4番を聴いた。
EMIの2枚組CDで、他にシベリウスの2番やマーラーの第5番のアダージェットなどが入っている。

クールで純音楽的なマーラー。デニス・ブレインのホルンソロはここでも見事。

聴いているうちに、どうも人の話し声がどこからか聞こえてくる。お稲荷さんの祟りかと思ったが、スピーカに耳を近づけるとラジオの放送。
どうやら日本向けの北京放送のようだ。

今までこのようなことはなかったのだが、一度気がつくとどうも気になる。試しにパワーアンプを、真空管アンプからクォードのアンプに替えたらピタリと止まった。
当分の間こちらで聞くことにしよう。

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2009年2月17日 (火)

シッパーズのS.バーバー管弦楽曲集

朝、障子窓を開けると本格的な雪、薄明るい曇り空に湿った大粒の雪が乱舞している。ほんの三日前に最高気温25度を超えたことを思うと、突然数ヶ月前にタイムスリップしたような感覚。

この雪も9時前には止み午後は晴天となった。裏山の頂にうっすら積もった雪もたちまち溶けていく。

仕事を終え帰ろうとすると、職場の片隅がなにやら不穏な雰囲気。どうも女性係長がベテラン古手の女性職員数人の突き上げにあっているようだ。無視して帰るわけにもいかず、双方の言い分を聞いてみる。

感情的な部分もなくはないが、どちらも仕事熱心なあまりの口論なのでよしとしよう。何とか収めたら帰りが遅くなってしまった。

P1010606 本日は、アメリカの指揮者トーマス・シッパーズのS.バーバー作品集を聴く。米オデッセイのLPで高校時代からの愛聴盤だ。

有名な「弦楽のためのアダージョ」、「メディアの瞑想と復讐の踊り」、「悪口学校」序曲、「オーケストラのためのエッセイ第一番」の4曲を収録。

今でもCDで現役の名盤。

沼津の姉妹都市カラマズー出身のシッパーズは、バーンスタインの次の世代を代表する逸材だったが、ガンのために47歳の若さで逝ってしまった。

「弦楽のためのアダージョ」のモダーンな叙情、「メディア」で聴かれるやるせない官能と壮絶なクライマックスとの対比。品格漂う「エッセイ第一番」。

いずれも猛者揃いのニューヨークフィルを見事にドライヴした、シッパーズの傑出した力量を十二分に証明するに足る名演。

P1010600 沼響のHPの聴き比べ「ベートーヴェンの7番を聴く」にスタインバーグの演奏の感想をアップしました。

http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

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2009年2月15日 (日)

シエナ・ウィンド IN 沼津

昨日に続き暖かな一日、花粉も盛大に飛びマスクが手放せない。

Uranikki20090214t15_54_221 今日は上の娘を連れて行き、シエナ・ウィンドオーケストラの演奏会へ行く。

第2回ブラスの祭典 NUMAZU音楽祭ということで、市内の中高校生の参加も含めた市主催のイベント。

昨年はびっしり満席だったが、今年は客の入りが半分ほどで意外な思いがした。

このところの不況が響いているのだろうか。意欲的な取り組みなだけに末永く続けていただきたいもの。

プレコンサートとして、中高校生選抜バンドの演奏。昨年の10月から練習を積んだという。シエナのメンバー数人も入り、「アーセナル」、「シンフォニックセレモニー」「たなばた」の3曲。指揮は市内の高校の先生二人。
少ない練習で、臨時編成のバンドをよくまとめたという印象だ。

続いてシエナウィンドオーケストラの登場。指揮は昨年に続き金聖響。
前半の曲は、祝典序曲(ショスタコーヴィチ)、「オーバーザ・ギャラクシー(齋藤高順)」、「風紋(保科洋)」そして「レッドラインタンゴ(マッキー)」というもの。

祝典序曲は、聴き慣れたハンスバーガー編と多少異なるようだ。最後のマッキーの曲が、吹奏楽のオリジナルとは一風変わった趣で変化にも富んでいて面白かった。

後半は、オールアメリカンプロで、ガーシュインの「キューバ序曲」とコープランドの「ロデオ」。巧みな編曲で聴かせるものの、終曲の「ホー・ダウン」などは、どうしても原曲のフィドルの雰囲気がもう少し欲しくなる。

最後は、シエナ恒例の会場参加による「星条旗よ永遠なれ」。このためにホルンを持ち込んだ娘は、嬉々としてステージ上で吹いていた。

134 帰宅後聴いたのは、「ビリー・ザ・キッド」、「ロデオ」完全全曲盤。

当時のペニー・ホイッスルやホンキートンク・ピアノを使用したレナード・スラトキン若き日の名演。セントルイス響とのCD。

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2009年2月14日 (土)

サラステのシベリウス、サンクトペテルブルク ライヴ

金曜の晩から春一番が吹き荒れ、明けた土曜日は最高気温25度という6月並みの暑さ。

木曜のオケの練習は、仕事で大幅に遅刻したものの「シベ2」の練習にはなんとか間に合った。

そして金曜はいつもの4人による定例の飲み会。先日のオペラ「ラ・ボエーム」のルドルフォ以下の4人の登場人物に重ね合わせ、会の名を「ボエームの会」としたものの、本家「ラ・ボエーム」の4人の若者ボヘミアンに比べ、こちらは、いささかくたびれ気味の中年のおっさん4人の会。

Shouhin 今回の割烹「はちまき」の料理は、山形庄内地方のローカル野菜、「赤葱」の入ったタラ鍋。http://www.shun-seika.jp/seisan/001.html

赤紫色の太めの赤葱は、生で食べると普通の葱よりも辛味が強いが、鍋に入れるとトロリとした甘みが出て美味。

スケソウダラの白子も入り、のんべぇおっさん達にはたまらぬ味。

今日のお酒は、麦麹のみから造ったという「吟麗玄海」。こちらも濃厚な味。
Ginre ちょっと調子に乗って飲みすぎた。二次会が終わり零時過ぎに家の前でタクシーから降りると、春一番の突風に傘が吹き飛ばされた。

P1010606 今日は、フィンランドの指揮者サラステによるシベリウスの交響曲第3、6,7番の3曲を聴く。

RCAの旧全集録音とは別の1995年、サンクトペテルブルクでのライヴ録音。FINLANDIAから出ているCDで、オケはフィンランド放送響。

オケの透明な響きと、強い意思の力の感じられる緊張感に満ちた名演。第7番のトロンボーンソロに到達するまでの高揚は感動的だ。

沼響のHPの聴き比べ、「シベリウスの2番を聴く」の第2回をアップしました。今回は、シベリウスの交響曲と、謎の交響曲第8番http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

YouTubeは、サロネン指揮のシベリウス交響曲第3番第一楽章

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2009年2月11日 (水)

オンド・マルトノと一ノ瀬トニカの音楽

P10000811 本日の祝日は、暖かな良い天気となった。昼は、自宅から車で10分ほど距離にある柿田川湧水群近くのレストラン「バッカスのへそ」http://www.at-s.com/bin/yell/yell0020.asp?id=E757945841で家族と食事の後、名水百選にも選ばれている湧水公園を散策。

富士山に降った雨水が、10年の歳月を経て地下を通り忽然と湧き出している観光名所だが、自分が子供の頃と比べると湧水量はかなり減った印象だ。

P10000831 ここは後北条氏が築いた泉頭城跡でもあり、戦国時代は武田信玄に攻められたりしている。広大な公園の一部には今でも空堀が残る。

夜は、若山牧水記念館コンサート「オンド・マルトノを聴く夕べ」
に家内を連れていく。

P1010604 フランスの電波楽器、オンド・マルトノの演奏会を沼津で聞けるとは思わなかった。

出演は、オンド・マルトノが久保智美さん、http://tomomikubo.com/作曲とピアノは一ノ瀬トニカさん、そしてヴォーカル鈴木千香子さん。
コンサート前半は、オンド・マルトノによる「呪文」(ジョリベ)、「月の典礼」(E.ミカエル)、無伴奏チェロ組曲第一番から(バッハ)、というもの。

30人ほどの聴衆によるサロンコンサートで、お客さんの大部分はオンド・マルトノを聴いたことがない、というか楽器の名前も知らない人ばかり。自分の席の後ろでは、「オン・デマンド?」とかの呟きまで聞こえてくる。

P10000841 最初は部屋の大きさに対して音量が大きすぎる気もしたが、曲が進むに連れて次第になじんできた。

初めて聴く聴衆にもわかりやすい曲を選ぶ演奏者の苦心が伺われる。この中で自分が知っているのは、バッハはともかくジョリベの作品だけだが、目の前で見るオンド・マルトノのインパクトは大きい。

後半はヴォーカルの鈴木千香子さんが加わり、若手作曲家一ノ瀬トニカさんの歌曲の数々を紹介。

どこかで聞いた名前だと思っていたら、かつて岩城宏之がアンサンブル金沢とレコーディングしていた作曲家だ。http://hmvjapan.jp/product/detail/1905313/ref=483637

曲目は、第6回奏楽堂日本歌曲コンクール入選作の「そして、いちめんのなのはな 山村暮鳥の詩による3つのいめえぢ」、サンスクリット語によるオンドマルトノとヴォーカルのための「PRANA」、ピアノとヴォーカルとオンド・マルトノによる「BREATHE~そらふかく息せよ」(宮沢賢治の詩による)から第2曲というもの。

いわゆる難解なゲンダイオンガクではなく、いずれも言葉の響きを大切にした澄んだ叙情と美しく洗練された音が心地よく響いてくる曲ばかり。
鈴木千香子さんの歌唱は、師カミーユ・モラーヌ譲りの滑らかな響きで聴かせる聴き応えのあるもの。

実は、彼女は家内の同級生だったりするので、コンサート終了後にご挨拶。ついでにオンド・マルトノの久保さんには、オンド・マルトノの仕組みやら、なにやらといろいろと質問してしまった。

おかげで今まで抱いていた疑問の数々が氷解しました。ありがとうございました。

沼響のHPに、聴き比べコラム「シベリウスの2番を聴く」をアップしました。http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

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2009年2月 9日 (月)

聴き比べコラム、「シベリウスの2番を聴く」

沼響の定演も次回で25回目となった。メンバーの入れ替わりも多く、第1回から連続して出ているメンバーは自分を含めて3人しか残っていない。
先日の「ラ・ボエーム」の出来を見ていると、沼響のレベルは着実に向上しているようだ。

今回の定演は、シベリウスの交響曲第2番。

シベリウスは自分が最も好きな作曲家で、定演の最初の団員投票には必ずシベリウスの交響曲(2番とは限らないが)を入れていた。

2番は、ここ10年ほど定演の最終候補に毎回のように残りながら次点に甘んじていた。同じく沼響がやりそうでやっていなかったベートーヴェンの第7番がようやく24回定演で取り上げられたので、消去法の結果お鉢が回ってきたということだろう。

沼響のホームページ連載中の聴き比べコラムは、ラフマニノフの2番、ブラームスの4番、ベートーヴェンの7番が未完のまま、さらに一部のデータが損傷して見れない状態になっている中で、シベリウスの連載に突入するのも無謀だが、ここまで来たらやるしかないだろう。

というわけで、シベリウスの評伝やフィンランドのことについて、いろいろと調べ始めたのだけれど、フィンランドという国についてきっちり書かれた書物が国内には少ないのには驚いた。北欧は日本人が好きな国だと思っていただけに、これは意外だ。

シベリウスについては、謹厳実直そうな晩年の風貌のインパクトが強いけれど、若い頃はボヘミアンで、かなりハチャメチャな生活を過ごしていたことが次第に判ってきて面白くなってきた。

P1010608 今日聴いたのは、イギリスのサー・アレキサンダー・ギブソン指揮のシベリウス。シャンドスから出ていた管弦楽曲集から、「ポヒョラの娘」、「タピオラ」など数曲。

オケはギブソンが育て上げたスコティッシュ・ナショナル管。ギブソンはシベリウスを数多く録音していて、交響詩の多くは既に何度目かの録音。

柔らかく霞がかかったような独特の音色で聞かせるシベリウス。白夜の世界の音楽。
YouTubeは、シベリウスの自作自演録音も残る「アンダンテ フェスティーボ」。深い祈りに満ちたシベリウス創作の最終時期を飾る名作。

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2009年2月 8日 (日)

カイルベルトのドイツ舞曲集

花粉症の季節。このところ暖かな日が続いたためか、いよいよ始まった。今年は飛散量も多いようだ。
本日出勤し、いろいろあった今年の仕事の総括として記録をまとめ、今月末に控えている外部監査の資料のチェックで一日が終わる。

P1010606 鼻水も出始めたので、今日は軽くモーツァルトを聴く。まず最初に仏ディスコフィル・フランセ原盤のモノラルLPで、フランス管楽合奏団による「グラン・パルティータ」。

ランパル(fl)、ピエルロ(ob)、オンニュ(Fg)、ヴェスコーヴォ(Hr)その他の往年のフランスの名手達による演奏。カラフルで爽やかなフランスのモーツァルト。

P1010607 もう一枚は、昨日のルードヴィヒと同じくカラヤンと同年生まれのカイルベルトのモーツァルト。
独テレフンケンのLPで、ドイツ舞曲集とアイネクライネその他のセレナードを集めたもの。オケはバンベルク交響楽団。

こちらはフランスの演奏家とは対照的な、農民風の誠実さを絵に書いたような朴訥なモーツァルト。これもまた楽しい。

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2009年2月 7日 (土)

レオポルド・ルードヴィヒのチャイコフスキー、交響曲第5番

暖かな土曜日、娘と家内は昨晩よりは熱は下がったが午前中病院へ。
娘はB型インフルエンザの疑い有りとのことだが、家に帰ったとたん元気にビデオを見ている。予防接種が効いているのだろうか?

隣の家で畑を造成するらしく、朝から重機がガタガタと唸っていてどうも落ち着かない。

144 今日は、カラヤンと同年生まれの指揮者レオポルド・ルードヴィヒのチャイコフスキーの交響曲第5番を聴いた。

DENONが出したオイロディスク・ヴィンテージコレクション中の一枚で、1960年の録音。

ルーヴィヒと言えば70年代の廉価盤LPの隆盛時に「悲愴」や「新世界より」などが出ていたが、かなり地味な存在で当時の自分は全く食指が動かなかった。

ところが最近、リストのハンガリー狂詩曲第2番のさまざまな版を聴き比べた時、あまり期待せずに聴いた東芝セラフィムの廉価盤LPのルードヴィヒの演奏が、他の有名指揮者の定評有る演奏よりもよほど立派だったのでちょいと気になる指揮者となっていた。

そんな時にこのCDが出てきた。

このチャイコフスキーは、人肌の温もりを感じさせる実に滋味深い演奏だ。それでいてロマンティックさと雄大さにも不足せず、ハンブルク国立歌劇場フィルも極上のアンサンブルを聴かせてくれる。特に木管セクションとホルンセクションが見事だ。

ホルンソロは、ヘルマン・バウマンの師であったハインリッヒ・ケラー教授ではなかろうか。

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2009年2月 6日 (金)

シベリウス再び

昨日は、「ラ・ボエーム」終了後初のオケ練習。
5月の定演はドヴォルザークのチェロ協奏曲とシベリウスの交響曲第2番の大作2曲。

本番直後の練習日は出席率が悪かったりするのだが、オペラ本番の熱気まだ冷めやらず、いつもと変わらぬ顔ぶれ。ホルンパートは全員出席。このままのモチベーションで5月の定演も迎えたいものだ。

昨日は、久しぶりにシベリウスを第一楽章から通していく。
プッチーニの甘美な世界とは全く異なるシベリウス独特息の長いフレーズと、ほの暗い音色に皆当惑気味。 ほぼ半年ぶりのシベリウスに、止まらずに全曲は通るもののかつてさらった内容はほとんど忘却の彼方となっている。未だ道のりは通し。

昨日練習から帰ると下の娘が熱を出していた。クラスの隣の席の子がインフルエンザで休んでいるという。娘は予防接種を済ませているのだが・・・本日帰宅したら家内も不調を訴え横になっていた。明日は二人を病院へ連れて行こう。

P1010330 昨日は、シベリウスの交響曲第一番を聴いた。50年代の米盤RCAモノラルLP。
オケの名は明記されていないがニューヨークフィルかもしれない。

シベリウスとも親交のあったストコフスキーの雄大なシベリウス。あまり妙な手を加えていないのが良い。
ストコフスキーは亡くなる前年に再録音をおこなっている。

Youtubeは、Arkady Leytush指揮のソフィアフィルによるシベリウスの交響曲第2番フィナーレ。金管バリバリの猛演

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2009年2月 4日 (水)

テレマン、カノンによる二本のフルートのためのソナタ

職場で風邪とインフルエンザが流行中。どうやら今年の風邪は長引くらしく、仕事熱心?な職員が完治せぬまま出勤し、周囲にウイルスをばら撒いて被害を広めているようだ。

4107082155 今日はベルリンフィルの首席ホルン奏者、バボラークの吹くバッハを聴いた。

無伴奏チェロ組曲第4,5番と、無伴奏フルートのためのパルティータをホルンソロ用に編曲したもの。OctaviaのCD。

前作の1~3番までの3曲の録音を聴いた時には、巧みなブレスと完璧な技巧にたまげたものだ。

このアルバムも、どの音域でも太い音色と均一な音圧で完璧に吹き切っていて聴いていて呆然となる演奏だが、前作を含めて、同じ管楽器のために書かれたパルティータが一番感銘深い。

P1010604 この演奏を聴いていて原曲のフルート版が聴きたくなった。レコード棚から取り出したのはランパルの吹くエラート原盤による「バッハフルートソナタ全集」LP2枚組。

今では疑作とされる曲も含めて8曲が収録された今から30年ほど前に購入した懐かしいアルバム。

滑らかで煌びやかなランパルの音色に酔っているうちに、さらに若い頃のランパルを聴く。

P1010605 曲はテレマンの「二本のフルートのためのカノンによるソナタ作品5の4」で、ランパルとラリューによるエラートのモノラルLP。

実に素晴らしい名曲。

一番フルートに絶妙のタイミングで入ってくるラリューのフルートが印象的。バッハとは異なり、柔らかくも素朴な音色でしみじみ聴かせる味わい深い演奏だ。
こちらはさらに古いレコードで、ジャケットの底も抜けてしまった。

P1010580 沼響のHPのコラム、「ベートーヴェンの7番を聴く」にイッセルシュテットのステレオライヴの演奏の感想をアップしました。

http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

連載46回目

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2009年2月 3日 (火)

コヴェントガーデンの「ラ・ボエーム」

412bx3fjcqel__sl500_aa240_ 先日の「ラ・ボエーム」の興奮未だ覚めやらず。今日は小学館オペラシリーズの「ラ・ボエーム」のDVD。

1982年のコヴェントガーデンの舞台収録で、ミミをイレーナ・コトルバシュ、ロドルフォはニール・シコフ、マルチェロをトーマス・アレンが歌っている。

地味ながら堅実な舞台という印象。やはりコトルバシュのミミが素晴らしい。細部のテンポの変化や間の取り方など、ついつい先日の自分達の演奏と比べてしまう。

2月1日の舞台の映像がネット上で紹介されていた。http://www.channelj.co.jp/business/corporate/toyota/movies/toyota_comm01_j_020209.html

自画自賛ではないが、繰り返しの鑑賞に堪えうる良い演奏だと思う。

こちらは地元新聞記事
http://www.shizushin.com/news/local/east/20090202000000000023.htm

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2009年2月 1日 (日)

「ラ・ボエーム」いよいよ本番

Leaflet_tcc1262 日、「ラ・ボエーム」いよいよ本番。

集合時間の10時に会場に着くと、舞台裏では裏方さんたちが所狭しと動き回っている。

楽屋の通路にずらりと並べられた小道具の数々。いつもの定演とは違う雰囲気に自然と出演者のテンションも上昇するというものだ。

午前中の練習は合唱が加わる部分を中心に全曲からピックアップして部分的に練習。ところが各馬一斉にスタート直前といった異様な興奮状態に、今まででは考えられなかったミスやズレが続出。

さらに木管楽器の1番奏者が高熱のため突然倒れるという一大アクシデント発生!

倒れた本人は他の奏者に付き添われてそのまま病院へ直行。自然と皆の視線が集まる2番奏者は青い顔をして回りをキョロキョロ見回している。本番には悪魔が潜んでいると言うが、これはいったい???。

だが、中橋先生のいつもと変わらぬポーカーフェイスに皆に動揺は広がらない。

午後1時20分開場、開場前には既に外まで長蛇の列ができていた。いつもながらありがたいことです。1,300席弱の会場は満席となり市長や教育長さんたちの姿も見える。倒れた奏者は病院で点滴を打ち復帰し、ひとまず安心。

21001367posters そして2時開演、三枝成彰先生の話に続きいよいよ第1幕が始まる。

華やかな2幕の合唱団の皆さんたちも良い動きだ。舞台を動き回る子供たちの生き生きとした屈託のない表情も楽しい。そして、3幕、4幕と曲は進む。

本番ではいくつかの事故はあったが、中橋先生の冷静な棒でつぎつぎに切り抜けていく。自分で吹いていて変な話だが美しくバランスの良い響きが会場を満たしていて、とても沼響の音とは思えないほどだ。ソリストの歌手さんたちも満員の聴衆を前に全力投球の熱唱。息を詰めて聴き入っている聴衆の様子がオケピットの中にも伝わって来る。

アマチュアでこの水準にまできたという感慨とプッチーニの純で美しい音楽に、吹いていて涙が出そうになってきた。

そしてカーテンコール。最後に出演者全員が舞台に上りお客さんに挨拶。客席の皆さんの本当に満足そうな笑顔を見ていてまたウルウルしてきた。舞台裏では裏方さんたちが地を這うようにして片付けに走り回っていた。本当にありがとうございました。皆さんのおかげです。

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