オンド・マルトノと一ノ瀬トニカの音楽
本日の祝日は、暖かな良い天気となった。昼は、自宅から車で10分ほど距離にある柿田川湧水群近くのレストラン「バッカスのへそ」http://
富士山に降った雨水が、10年の歳月を経て地下を通り忽然と湧き出している観光名所だが、自分が子供の頃と比べると湧水量はかなり減った印象だ。
ここは後北条氏が築いた泉頭城跡でもあり、戦国時代は武田信玄に攻められたりしている。広大な公園の一部には今でも空堀が残る。
夜は、若山牧水記念館コンサート「オンド・マルトノを聴く夕べ」
に家内を連れていく。 フランスの電波楽器、オンド・マルトノの演奏会を沼津で聞けるとは思わなかった。
出演は、オンド・マルトノが久保智美さん、http://tomomikubo.com/作曲とピアノは一ノ瀬トニカさん、そしてヴォーカル鈴木千香子さん。
コンサート前半は、オンド・マルトノによる「呪文」(ジョリベ)、「月の典礼」(E.ミカエル)、無伴奏チェロ組曲第一番から(バッハ)、というもの。
30人ほどの聴衆によるサロンコンサートで、お客さんの大部分はオンド・マルトノを聴いたことがない、というか楽器の名前も知らない人ばかり。自分の席の後ろでは、「オン・デマンド?」とかの呟きまで聞こえてくる。 最初は部屋の大きさに対して音量が大きすぎる気もしたが、曲が進むに連れて次第になじんできた。
初めて聴く聴衆にもわかりやすい曲を選ぶ演奏者の苦心が伺われる。この中で自分が知っているのは、バッハはともかくジョリベの作品だけだが、目の前で見るオンド・マルトノのインパクトは大きい。
後半はヴォーカルの鈴木千香子さんが加わり、若手作曲家一ノ瀬トニカさんの歌曲の数々を紹介。
どこかで聞いた名前だと思っていたら、かつて岩城宏之がアンサンブル金沢とレコーディングしていた作曲家だ。http://
曲目は、第6回奏楽堂日本歌曲コンクール入選作の「そして、いちめんのなのはな 山村暮鳥の詩による3つのいめえぢ」、サンスクリット語によるオンドマルトノとヴォーカルのための「PRANA」、ピアノとヴォーカルとオンド・マルトノによる「BREATHE~そらふかく息せよ」(宮沢賢治の詩による)から第2曲というもの。
いわゆる難解なゲンダイオンガクではなく、いずれも言葉の響きを大切にした澄んだ叙情と美しく洗練された音が心地よく響いてくる曲ばかり。
鈴木千香子さんの歌唱は、師カミーユ・モラーヌ譲りの滑らかな響きで聴かせる聴き応えのあるもの。
実は、彼女は家内の同級生だったりするので、コンサート終了後にご挨拶。ついでにオンド・マルトノの久保さんには、オンド・マルトノの仕組みやら、なにやらといろいろと質問してしまった。
おかげで今まで抱いていた疑問の数々が氷解しました。ありがとうございました。
沼響のHPに、聴き比べコラム「シベリウスの2番を聴く」をアップしました。http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi
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