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2009年3月に作成された記事

2009年3月31日 (火)

ヴォアザン&ギターラのトランペット

今年度の最終日。今日は溜まってしまった代休を取りお休みをいただく。
家に家内も娘もいるのでまるで日曜のような気分。

2008101813440000 昼食後に家族を連れ立って近くの牛臥山公園をぶらつく。多少風が強かったが天気も良く駿河湾の向こうの静岡方面の山々がよく見えた。
明治の初頭に元勲らの別荘が軒を連ね、その後御用邸が造営されたこともあり周囲の環境は抜群だ。

今日は、ミュンシュ時代のボストン響の首席トランペット奏者だったロジャー・ヴォアザンとアルマンド・ギターラの演奏を聴く。

P1010647 米Kapp原盤の国内LPで、ハイドンとヴィヴァルディの協奏曲に、パーセルの(一部クラークの作品もあるが)トランペットのための作品を集めたもの。伴奏はモントゥーの弟子だというハリー・ディクソン指揮のユニコーンオーケストラ。

アンダーソンの名曲「トランペット吹きのための子守唄」はヴォアザンのために書かれた。

幾分硬くボテッとした音色に時代を感じさせられる。伴奏のオーケストレーションもかなり現代風にアレンジされているようだ。古く変色したモノクロ写真を見るような演奏。

P1010636 もう一枚も管楽器もの。米ノンサッチのLPで「ナポレオン時代のファンファーレ、行進曲、合唱」。演奏はD.ドンディーヌ指揮のパリ警視庁音楽隊および合唱団。

作者不詳のものから、メユール、ゴッセクといった同時代の大家による革命歌や行進曲の数々。合唱や時として独唱も加わり、なかなか楽しい。

こんな立派な行進曲があるのになぜナポレオンは負けちゃったんだろう?などと聴きながら考えておりました。

P1010648 沼響のHPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、クーセヴィツキーの第1回録音の感想をアップしました。

http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

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2009年3月30日 (月)

ワルターの「さすらう若者の歌」

朝、寝坊した部活に行く下の娘を学校に送りながら職場へ直行。中学校の桜は未だ五分咲きといったところ。

今日も春うららの良い天気。車中に流したのは、今日もマーラー。最初の連作歌曲集「さすらう若者の歌」。

Hayashimasashi88img275x240123214761 演奏はブルノー・ワルター指揮コロンビア響にミルドレッド・ミラーの歌唱。CBSに録音されたワルターのマーラー録音を集めたCD5枚組。

これはkechikechiclassicsの林さんからヤフオクで落としたものだ。http://kechikechiclassi.client.jp/

交響曲第1番「巨人」にも転用された第2曲「朝の野を歩けば」の明るさは、春の陽気にこそふさわしい。

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2009年3月29日 (日)

マイルスの「クッキン」

澄んだ空気と良く晴れた青空、爽やかな日曜日。昼間は車の洗車やら庭木を片付けたりとぶらぶらしているうちに時間が過ぎていく。

音楽は夜になってから。

P1010646 最初にアンチェル指揮チェコフィルのマーラーを聴いた。曲は交響曲第9番。チェコ、スプラフォンのCD。
80分を超える演奏が多い中で、この演奏は74分ということでCD一枚で収まっている。
厳しくもストイックなマーラー。

アンチェルの冷静な指揮の下、チェコフィルが引き締まったアンサンブルで応え、素晴らしい演奏が展開されている。

P1010648_2 大作をじっくり聴いた後は、若き日のマイルス・ディヴィスが米プレステーッジに残したアルバム「クッキン」を聴く。

第一曲「マイ・ファーニー・ヴァレンタイン」のレッド・ガーランドのさりげないピアノソロに絶妙のタイミングで被るマイルスのソロ。

「あぁ、いいなぁ・・」何度聴いても素晴らしい。誰が聴いても幸せな気持ちになれる超名盤。

YouTubeは、そのマイルスの「My Funny Valentine」

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2009年3月28日 (土)

プレスティ&ラゴヤのデユオ

裏山の山桜が咲き始めた花冷えの一日。

高速料金値下げの影響だろうか、いつもより多くの他県ナンバーの車で渋滞している国道414号を伊豆方面とは逆方向に走りながら、本日出勤。

帰宅後は、昨日聴いた村治佳織の影響で、イダ・プレステイとアレキサンドル・ラゴヤのギターデユオを聴く。

P1010648 米nonesuch から出ていたLPで、「イギリス組曲第3番」(バッハ)2つのソナタ(スカルラッティ)「オリエンタル」(グラナドス)組曲第1番(G.B.マレイラ)「月の光」(ドビュッシー)というもの。
マレイラの曲以外はすべて編曲だ。

一見とりとめのない選曲のようでいて、実に良く考えられている曲順。
艶やかな音と息の合ったアンサンブルで非常に楽しめる。適度な残響のある録音も良い。

P1010647 もう一枚は、ロドリーゴの「アランフェス協奏曲」を初演者デ・ラ・マーサのソロで聴く。RCAの国内盤LPで、伴奏はハルフテル指揮のE.ファリヤ管弦楽団によるローカル色豊かな演奏

P1010645 沼響のHPの聴き比べコラム「ベト7を聴く」に、カール・ベームの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

Youtube はプレスティ&ラゴヤのスカルラッティ。画質は悪いが貴重な記録

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2009年3月27日 (金)

あるタンゴ弾きへの哀歌

今年度もいよいよ終わりに近づき、昨日発表した人事異動に伴い自分に寄せられる当事者からのご意見という名の不満は、有り難く拝聴しながらも全て無視。
もうひとつ、このところの大不況の煽りを受けた最後の最後まで引き摺っていたトラブルも本日解決。ということで良い週末を迎えることができそうだ。

698 今日は沼津市民文化センターで、村治佳織のギターコンサート。
このところ空席が目立っていた楽友協会主催のコンサートだが、久々の満席。

前半が全てバッハで、リュートのための組曲BWV.998、
カンタータNo.156から「シンフォニア」これはチェンバロ協奏曲第5番の第2楽章として有名な曲。
そして「シャコンヌ」と「主よ人の望みの喜びよ」。

後半はラテン系の作品から、ピアソラの「ブェノスアイレスの冬」、
プホールの「あるタンゴ弾きへの哀歌」、ヴィラ=ロボスのプレリュードから「1,3,5番」、アルベニスの「マジョルカ島」「カンシオン」
最後にギター曲の定番「アルハンブラ宮殿の想い出」というもの。

10代の頃の天才ギタリストとしてのイメージが強かった村治佳織もすっかり貫禄がついていた。

最初のバッハからしっとりと繊細な演奏で、円熟味の感じられるもの。 音量の小さいギターだけに、あちこちでコックリコックリと船を漕ぐお客もいるが、概ね静かに聴いている。
10代の頃のバリバリと弾きこなす痛快さは影を潜めたが、テクニックは確実だし音も美しい。

演奏としては、後半のプログラムが楽しめた。中でもピアソラへのオマージュとして作曲されたプホールの「あるタンゴ弾きへの哀歌」が美しい。

アンコールは「禁じられた遊び」にディアンスの「タンゴ・アン・スカイ」。

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2009年3月25日 (水)

ボールトのメンデルスゾーン

曇りのち雨、その後晴れ。今日はコンタクトを変える娘を眼医者に連れて行きながら出勤。

職場では、新年度の人員配置を決めるために各セクションの責任者を呼びヒアリングをおこなう。

自分のことはさておき、仕事の遂行能力に個人差があるのは厳然たる事実。お引取り願いたいような負の人材はどこでもいるものだ。限られた優秀な人材はどこも欲しいが、そうでもない人の置き所が難しい。

その調整にほぼ一日かかり、その間に驚天動地の大事件が発生し数時間中断。とにかく原案が仕上がったのは10時過ぎとなってしまった。

帰宅したらヤフオクで落としたLPが着いていた。今回は往年のイギリスの指揮者の名盤二つ。

P1010647 一枚は、今年生誕200年の記念の年となるメンデルスゾーンの「スコットランド」「イタリア」の二つの交響曲のカップリング、サー・エードリアン・ボールトの指揮する米ウェストミンスター盤。

ボールトのメンデルスゾーンでは「フィンガルの洞窟」が非常な名演だった記憶がある。

P1010648 そして作曲者と深い親交があったビーチャムの指揮するシベリウスの交響曲第一番。

こちらは日本コロンビアの初出盤。いずれも50年以上前のLPながら、ジャケットも盤面も新品同様のぴかぴかだった。どこかの倉庫にでも埋もれてたのかしらん。

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2009年3月24日 (火)

ビル・エヴァンス、「ア・シンプル・マターズ・オブ・コンヴィクション」

4月に向け新体制への構築のための人事案で四苦八苦。

今日はジャズを聴きたくなった。

LPレコードからCDへ急速に切り替わっていた時期に、ある人からマイルス・デイヴィスとビル・エヴァンスの演奏を中心にかなりの数のジャズレコードをいただいた。
もう20年以上経つのに、今だに全部聴き終えていない。

P1010647_3 今日聴いたのは、ビル・エヴァンスの「ア・シンプル・マターズ・オブ・コンヴィクション」。1966年ニュージャージーでのセッションでエディ・ゴメスのベースにシェリー・マンのドラムス。このメンバーでは唯一の録音らしい。

「星影のステラ」のほか、比較的聴きやすい曲が並ぶ。

気分がリラックスしたところで、映画「タクシー・ドライバー」サウンドトラック盤。こちらは自分で購ったLPです。

P1010646 映画音楽の大御所バーナード・ハーマンの遺作となった作品。
トム・スコットの吹く甘くせつないアルトサックスの響きはまさに夜の音楽。

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2009年3月23日 (月)

スウィトナーの「とんぼ」

日曜の夜遅く、NHKBSでN響の名誉指揮者のスウィトナーのドキュメンタリーが放送されていた。
スウィトナーが西ベルリンに残した愛人の息子Igor Heitmannの目を通してスウィトナーの音楽人生を振り返るというもの。2007年ZDF制作。

ドレスデンとベルリンの国立歌劇場の音楽監督だった旧東ドイツ音楽界の重鎮スウィトナーは、東西ドイツの統一と同じ時期に引退同然となってしまった。一時は廃人同様だという噂が流れるほど、消息を聞かなくなって久しかった。

P1010647_2 番組では、若い頃のスウィトナーが振るレーガーやモーツァルトなどの貴重な映像と、ベルリン国立歌劇場のメンバーに別れを告げる姿、巨匠の現在の日常生活が紹介されていた。

パーキンソン氏病だというスウィトナーだが、意外なほど元気なのには驚いた。息子の「まだ数年は指揮ができたのでは?」という問いに、「腕が震える。音楽を愛するからこそ辞めたのだ。両脇を抱えられて指揮台に上がるような姿にはなりたくない。」という言葉が印象に残る。

「もし、再び指揮をするならば何を選ぶ?」の問いに「ヨゼフ・シュトラウスのトンボだ。この曲ほど人々を幸福にする曲はない。空中に静止している時も、羽を小刻みに震わせているトンボの姿を見事に捉えている素晴らしい曲だ」
ずしりと深い重みのある一つ一つの言葉に、音楽への深い愛と自分への厳しさが垣間見える。

このドキュメンタリーのクライマックスは、息子の「指揮をする父の姿を見たい」という言葉に実現した引退後唯一のスウィトナーの指揮。曲はモーツァルトの交響曲第39番とヨゼフ・シュトラウスの「とんぼ」というもの。この時のために集まったベルリン国立歌劇場のメンバーのスウィトナーの姿を見上げる畏敬の眼差し。そして流れる音楽は一点の澱みのない純粋な高み に達したモーツァルト。実に感動的な演奏だ。

P1010648 今日はそのスウィトナーの指揮したヨゼフ・シュトラウスのポルカ・マズルカ「とんぼ」を聴く。

そしてもう一枚は、番組の中でスウィトナーが満足そうな顔で聴いていたモーツァルトの交響曲第39番。

いずれもドレスデン国立歌劇場管の気品のある弦楽器の音きが美しい。
自分の手元にあるのは徳間音工から出ていた国内盤LP。同じ録音のCDもあるが、LPの方が音が良い。
番組の中で、スウィトナーはドイツ製DUALのレコードプレーヤーで聴いていた。

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2009年3月21日 (土)

シューリヒトのディーリアス

本日快晴、今日はお彼岸の墓参り(といっても家のすぐ裏だが)をしたり、録画しておいた「NHKスペシャル」やいくつかのテレビ番組を見たりといった平和な一日。
その中でも、NHKスペシャル「女と男」最終回は、近いうちに人間の男性が姿を消してしまうというショッキングな内容。
http://www.nhk.or.jp/special/onair/090118.html
この番組を見る限り、人類の行く末はお先真っ暗だ。

今日は名指揮者カール・シューリヒトの指揮する、イギリスの「作曲家ディーリアスの作品を聴く。
P1010646 Archiphonから出ていたCDで、ここでシューリヒトは、合唱とバリトン独唱付きの「海流」を演奏している。オケはバイエルン放送響で1962年3月8日のライヴ。独逸語の歌唱。
この日はブルックナーの交響曲第9番も演奏され、こちらの録音はOrfeoからCDが出ている。

シューリヒトのディーリアスとは意外だったが、シューリヒトはディーリアスとも親交があり、演奏会では積極的に取り上げていた。

詩情豊かでサラリと淡白なシューリヒトの芸風は、ディーリアスの音楽にぴったりだ。

このCDには、シューリヒトの弟子だったGabriel Saabという人の交響曲第一番の初演録音がカップリングされている。サーブ自身の解説によると、サーブはシューリヒトと家族ぐるみでの付き合いがあったが本職は経営コンサルタントだったらしい。

1997年作曲のこの曲(作品1だそうな)は、シベリウスやドビュッシーの影響を受けているという。かなり保守的な耳当たりの良い作品。

このCDにはもう一曲、第一次世界大戦で20代の若さで戦死してしまったRudi Stephaの「管弦楽のための音楽」もシューリヒトの演奏で収録されている。こちらは1942年のドイツグラモフォンへのスタジオ録音。

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2009年3月20日 (金)

P.マークのマリピエロ

雨のち晴れ。巷の三連休をよそに本日出勤。昨日はオケの練習日だったが夜に所用が重なり痛恨の欠席。
来週出ると思った人事異動は予想外に早く、昨日出た。結局肩書きは変わったものの来年度も残留が決定。新たな懸案事項も出現し再び多忙な一年となりそうだ。

P1010643 今日はイタリアの近代作曲家マリピエロの管弦楽作品を聴いた。

NAXOSから出ているCDで、「7つのインベンション」、「4つのインベンション」「歌劇アルレッキーノから交響的断章」「ヴィヴァルディアーナ」というもの。大好きな指揮者ペーター・マークがパドヴァのオケを振っている。

ヴィヴァルディの校訂者として名高いマリピエロが、色彩豊かなオーケストレーションで聞かせる作品の数々。透明度の高い響きとカラフルな響きで比較的聞きやすい音楽だ。インベンションの数曲は映画音楽にも使われたことがあるという。

P1010642 もうひとつ、天才デニス・ブレインの加わったデニス・ブレインアンサンブルによるイギリスの作曲家G.ジェイコブの管楽器とピアノのための六重奏曲。

BBC Legendから出ている放送録音からのCD.

もともとデニス・ブレインのために作曲されただけあって、縦横無尽に活躍するデニスのホルンが聴きもの。ピアノのジョージ・マルコムがこれまた非常にうまい。

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2009年3月18日 (水)

ラインスドルフのR.シュトラウス

年度末、波乱の20年度も終わりに近づき落ち着かない日々。
コンピューターシステムの刷新に加え、組織の将来を左右する大きなプロジェクト二つの目処も立った。これで異動を待つばかりと言いたいところだが、何となく残留の予感。
今の部署に長居し過ぎたのは自他共に認めるところだが、仕事内容が自分に合っているので、このまま残るのも良いだろう。

Hannosuke5044img600x52712286384179w 今日聴いたのはオーストリアの指揮者ラインスドルフ晩年のR.シュトラウスからヨーロッパ室内管を振った「町人貴族」と「クープランのクラブサン曲による舞踏組曲」の2曲。ASVから出ていたCD。

クリーヴランド管やボストン響の音楽監督をするほどの実力者で、練習の際、楽員のミスを人前でズバズバと指摘して嫌われた存在だったらしいがオーケストラトレーナーとしても超一流だった。

ウィーン生まれのラインスドルフがその晩年に自由闊達に遊んだ仙人のような演奏。一つ一つの音が高度な次元で結晶化され、比類のない高みにまで昇華された素晴らしい名演だ。

P1010645 R.シュトラウスをもう一枚。同じクープランのクラヴサン曲を題材とした「クープランのクラブサン曲によるディヴェルティメント」を委嘱者であり初演者のクレメンス・クラウスの指揮で聴く。

アマデオ原盤の国内盤LPでオケはバンベルク響.

こちらは退廃的なムードが仄かに漂う艶やかな世界。

P1010643 0000000382892l 沼響のHPの聴き比べコラム「シベリウスの2番を聴く」にカヤヌスの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

YouTubeは、ラインスドルフ指揮するワーグナーのパルシファル

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2009年3月16日 (月)

伝ハイドンのオーボエ協奏曲

本日は、ハイドンの管楽器のための協奏曲集。

P1010642 日本フォノグラムが出していた廉価盤グロリアシリーズから、ホルン協奏曲、オーボエ協奏曲、トランペット協奏曲が入っているLP。

ベルリンフィルのコンマスだったゴールドベルクやザルツブルク・モーツァルテウムの校長だったパウムガルトナーが伴奏を付けているので、比較的古い録音だろう。

ソリストは三人ともなじみのない人達だが、確かな技巧でなかなか楽しませてくれる。

この中では、ハイドンの真作ではないオーボエ協奏曲ハ長調第2楽章の儚いまでの美しさ最も心惹かれた。 いずれ名のある作曲家の作品だろう。

P1010644 もう一枚は、テユーレックの弾くバッハの「ゴールドベルク変奏曲」。
スローモーな冒頭には驚くが、かちりとした音で含蓄のある深遠なバッハの世界が広がる。

あまりの深さにそのまま寝入ってしまった。

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2009年3月15日 (日)

パリ管楽器五重奏団のロッシーニ

本日快晴、3月も半ばとなりいよいよ春の到来。

午前中は、昨日の強風で倒れた畑のえんどう豆を支える支柱を組み立てる。予想はしていたが杉花粉が盛大に飛び、くしゃみ、鼻水、目のかゆみに耐えながらの辛い作業となった。

ヤフオクで落としたLPが届いていた。
パリ管楽器五重奏団によるロッシーニの六つの管楽四重奏集2枚組。

P1010637 EMIの国内盤LPで、ラモー、ウーブラドウ編による管楽器のための「優雅な印度の国々」組曲、ヴィヴァルディの管楽三重奏のための協奏曲ト短調が第4面に入っている。

この四重奏曲は第6番以外の5曲のオリジナルがヴィオラの代わりにコントラバスが入った弦楽四重奏曲で、これを後に誰かがフルート、クラリネット、ファゴット、ホルンのための管楽合奏用編曲したもの。

ロッシーニの屈託のない陽気な世界に無条件に浸れる楽しい名曲の数々。
第6番を除く5曲のオリジナルの弦楽四重奏曲が、ロッシーニ13歳の時に3日で書き上げたものだとは恐れ入る。まさに天才の至芸。

パリ管楽合奏団は、フルートのカスタニエ、クラリネットのブータール、
バソンのフサンティエ、ホルンのベルジェという顔ぶれ。
フランスのソリストたちのカラフルな音色と完璧な名人芸を堪能した。フレンチタイプのバソンの響きも独特なものだ。

P1010639 この曲集はフランスの名手達による録音に恵まれていて、手持ちにパリ管楽器四重奏団による録音もある。

こちらは米コンサートホール盤のLPで、フルートはジュリアン・ブラン、クラリネットのアンリ・デユアールホルンのテーヴェ、バソンのアラールというものすごい顔ぶれ。

フルートのブランはゴーベール門下の逸材で、デユフレーヌの翌年にパリ音楽院首席で卒業。パリ・ギャルドの指揮者としても有名だ。
クラリネットのデユアールは1947年ジュネーヴ国際音楽コンクール1位。テーヴェはクリュイタンスの「亡き王女のためのパヴァーヌ」のソロで有名なフランスホルン界の大御所。しかもバソンの神様と言われたアラールまでも加わる鉄壁の布陣。

P1010640 もひとつフルートのランパル、クラリネットのランスロ、ホルンのクールシェ、バソンのオンニュという往年のオールスターキャストによる録音も存在する。
こちらは柔らかでゆったり落ち着いた上品な演奏。手持ちはエラート原盤の国内盤LP.

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2009年3月14日 (土)

プレヴィターリのロッシーニとガリエラのイタリアオペラ「間奏曲集」

発達した低気圧の通過で、昨晩からの雨は明け方には暴風雨となった。本日休みだが、昼前に職場に顔を出し3時頃まで仕事。

Front_mini 昨晩は定例となった4人の仲間の飲み会。プッチーニの名作「ラ・ボエーム」の登場人物4人になぞられ会の名前も「ボエームの会」となり、4人のボヘミアンならぬ中年オヤジのノンベェの会。
いつもの二次会のプライベート・バーの女性は、年齢不詳ながらさながらミミということか。

20070326b_27 一次会はいつもの割烹「はちまき」で白菜鍋に湯葉豆腐エトセトラ。
白菜鍋は以前にも出して頂いたが、シンプルな材料ながら家でやってみても同じ味にならない。厳選された食材とプロならでは秘伝があるのだろう。

このお店では、毎回初めてお目にかかる一品が出されるのだが、今回のサプライズは「豆腐よう」。

http://www.tofuyo.com/
Tofuyol 沖縄の伝統食品で、豆腐を泡盛に漬け醗酵させたもの。
高級チーズのような濃厚な味は酒のつまみにぴったりだ。本日のお酒は、芋焼酎「しろ銀滴」、宮崎の産。

帰宅時はまたもや強い雨。前回も前前回も雨だった。

今日はイタリアの名匠二人、プレヴィターリとガリエラの指揮による演奏を聴く。

P1010637 P1010638 プレヴィターリは、RICORDI原盤の「ロッシーニオペラ序曲全集」から数曲をローマ聖チェチーリア音楽院管による演奏で。

この演奏はかつて有名曲だけを集めた国内盤LPが出ていて、手元に有る。

P1010638 ガリエラは創設期にトレーナーを勤めたフィルハーモニア管によるイタリア・オペラ間奏曲集、英EMI盤LP.

いずれの盤も、手馴れた棒さばきの中に、余人には真似の出来ない練達の味わいが光る逸品。

ガリエラの「間奏曲集」は、カタラーニやヴォルフ・フェラーリ、ザンドナイ、マスカーニらの作品の中から、見事なほどマイナーなオペラばかりから掘り出した珠玉の小品をそろえたもの。
その中のマスカーニ「グリエルモ・ラトクリフ」間奏曲「夢」は、切ないほどの哀愁と高貴な美しさに満ちた名品だ。 有名な「カヴァレリア・ルスティカーナ間奏曲」に勝るとも劣らない。

Youtubeはその「グリエルモ・ラトクリフ」

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2009年3月11日 (水)

サージェントのシベリウス

昨日今日と肉体労働系の仕事。ぎっくり腰の再発を恐れ、無意識のうちに腰をかばってしまう自分が悲しい。

P1010633 今日はマルコム・サージェントのシベリウス。ビーチャムやバルビローリ、ギブソンらイギリスの指揮者のシベリウス録音は数多いが、サージェントも1,2,5番の交響曲といくつかの管弦楽曲録音を残している。

中でもウィーンフィルを振った「伝説」や「カレリア」などの管弦楽曲集は名盤の誉れ高いものだ。

この中から、交響曲第5番と「ポヒョラの娘」を聴く。いずれもオケはBBC響で、EMIの外盤CDと東芝セラフィムシリーズのLP.

P1010634 サージェントの演奏は、時として過度の折り目正しさから窮屈な思いをすることが少なくないが、シベリウスを振ると、格調の高さの中にブラスを強調した荒さっぽさが適度にブレンドされて魅力的。

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2009年3月10日 (火)

デユフレーヌのフルート

今日は、モイーズとランパルに学び、ロンドン響やアカデミー室内管、イギリス室内管の首席フルート奏者だったウイルアム・ベネットが、最もエキサイティグなフルーティストだったというフェルネン・デユフレーヌの笛を聴いた。
http://www.williambennettflute.com/rampal_dufrene.htm

デユフレーヌは、モイーズとランパルのちょうど中間の世代に属し、ルーカス・グラーフ、デボスト、ラルデたちが一目置いていたフランスの偉大なフルーティストだ。
ソリストとしての名声を築くことはなく、フランス国立放送局管の首席奏者として音楽人生を送った音楽家だった。

P1010632 聴いたのは、山野楽器が出していた2枚組CDで、デユフレーヌが参加していたイベール、ミヨー、フランセたちの木管合奏のための室内楽に、ジョリヴェとオネゲルのコンチェルト、マルケヴィッチ編の「音楽の捧げ物」、ドビュッシーの弟子だったアンゲルブレシュト指揮する「牧神の午後への前奏曲」その他というもの。

いかなる音域でも均一で美しい音色のフルート。ヴィヴラートは最小限、さりげないようでいて、しかも高い品格に満ちているのが驚異的。

P1010631 もう一枚、クリュイタンスがフランス国立放送局管を振ったラヴェル管弦楽全集から「ダフニスとクロエ」と「スペイン狂詩曲」を聴く。

パリ音楽院管との有名な全集とは異なるもうひとつの全集。手持ちはミュージカルノートのCD.

ダフニスの夜明けからパントマイムのソロに聴かれるビロードような気品のある音色に柔軟なアーティキュレーション。ここでもデユフレーヌのフルートはためいきが出るほど素晴らしい。

YouTubeはチャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番第2楽章でソロを吹くデユフレーヌ。ピアノはギレリス、クリュイタンスの指揮。

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2009年3月 9日 (月)

レオポルド・ルートヴィヒのマーラー

新たな週の始まりとはいえ昨日一日仕事だったので週の切れ目の感覚はなし。

職場でパート一名の欠員が出来、出勤前にハローワークへ求人の手続きに行く。早い時間なのにフロアは職を求める人であふれ、入り口まで行列ができていた。不況の深刻さをあらためて実感。
手続きを済ませ職場に着くや否やハローワークから希望有りの連絡有り。

今日はレオポルド・ルードヴィヒのマーラーの交響曲第4番を聴いた。ベルリンクラシクスのCDでオケはドレスデン・シュターツカペレ。

ルードヴィッヒのマーラーでは交響曲第9番の録音もあり、確か初のステレオ録音だったはずだ。 この4番は1957年1月のモノラル録音。

P1010631 速いテンポで端正な格調高きマーラー。各楽器の細部まで実に精密に再現している。

ソプラノのAnny Schlemn のカチッとした硬質でいて艶の有る歌唱が、オケの柔らかな響きに絶妙にブレンドされていて美しい。名演です。

P1010629 沼響のHPの聴き比べコラム「ベートーヴェンの7番を聴く」に
コンヴィチュニーのライヴ録音の感想をアップしました。連載50回目。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

YouTubeは室内オケ版マーラーの交響曲第4番

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2009年3月 7日 (土)

バッハのコラール「私はここに貴方の御座の前に進み出ます」BWV.668

今日は貴重なる休日天気も良い。 朝からオーディオ棚とCD棚を移動して、音楽部屋の大掃除。

10年近くそのままだったので、棚の裏には盛大な綿埃と出所不明のネジやら死んだ虫やらが転がり、すごいことになっていた。CD棚の裏からは行方不明だったテルミンコンチェルトのCDも発見。

P1010626 オーディオからは、コード類を一度全部外して接点のクリーニングをおこなった。真空管も布で磨いたら透明なガラスが蘇ってきた。コンセントの極性も再度チェック。

P1010628 手始めに聴いたのは、アメリカのバレーシアター管を振ったジョセフ・レヴィン指揮の「白鳥の湖」米キャピトルのステレオLP.
パリッとした冴えたリズムとオケを存分に鳴らした手際の良い職人芸が気持ちのよい快演。録音も良い。

オーディオ装置も気のせいか、余計なノイズ成分が減り音がフレッシュされたような感じ。

P1010627  夜は、テレフンケンのLPで、「ヨーロッパの歴史的オルガンシリーズ」から、スイスの聖ウルバン教会の歴史的オルガンを、S.ヒルデンブラントが弾いたもの。

バッハのコラールプレリュードを前後に挟み、シャイト、ブクステフーデ、ハンフらの北ドイツの作曲家たちの作品を収めている。

ブクステフーデの名作シャコンヌホ短調が入っているのも嬉しい。
僅か6曲しか伝わらないJ.N.ハンフのコラールプレリュードもしみじみとした良い曲だ。
最後は、もはや目が見えなくなった老バッハが友人に口述させたという「私はここに貴方の御座の前に進み出ます」BWV,688の壮大なコラールで閉じている。

この曲は、バッハの未完の遺作となった「フーガの技法」の出版譜の最後のページに印刷されていた曲。

YouTubeはグレン・グールドの弾く「フーガの技法」

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2009年3月 6日 (金)

アバドの「フィガロの結婚」

今日も終日雨。昨日一日空けただけなのに机上は決済待ちの書類の山。会議に予期せぬトラブル有りと休んだ翌日はロクなことがない。

Karassy331img600x4501228129726wbagv 今日は、1991年のモーツァルトイヤーにアンデアウィーン劇場で上演されたアバド指揮ウィーン国立歌劇場による「フィガロの結婚」全曲をLDで見た。

フィガロのL.ガッロは無難な出来だが、スザンナのマクローリン、伯爵夫人のスチューダーが秀逸。アルマヴィーヴァ伯爵のライモンディのエロオヤジぶりも堂に入っている。

各々のアリアも素晴らしいが、重唱のアンサンブルが見事。これは相当練習を積んだに違いない。

狭いステージを逆手に取り、かっちりとしたまとまりのある良い出来となった。「フィデリオ」が初演されたアン・デアウィーン劇場をあえて選んだアバドの意図が良く判る。

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2009年3月 5日 (木)

木曜日はオーケストラ

本日溜まってしまった代休取得。幸い晴れたので畑で檸檬と夏蜜柑を採ったり、病院へ行ったりとなかなか忙しい。

幸い職場からの呼び出しもなく、夜はオケの練習に参加することができた。

P1010486 塾へ行く娘を送りながら練習会場に着いたのは合奏の30分前。こんなに早くに練習に参加できたのは久しぶりだ。

今日は横島先生の棒による初めてのシベリウス。先生がどのようなシベリウス感をお持ちなのか興味津々。

まず全曲をざっと通し、その後第一楽章から細かな練習に入る。
いわゆるドイツロマン派の流れとは全く異なるシベリウスの語法に、団員は戸惑うばかり。先生の練習は判り易く細かに積み上げていく緻密なもの。
P1010488 練習専用に買った廉いドーヴァーのスコア片手に、先生の言葉と譜面とをひとつずつ確認していく。

沼響のHP用にシベ2の聴き比べを始めているが、スコアを細かく見ているうちに、今までの自分のシベリウス感が大きく変わってきたような気がする。

何枚かの視聴はすでに終わっているが、確信を持って書き始めることが未だにできない。
P1010487 使い慣れた古いブライトコップ旧版のスコアは、表紙が擦り切れてしまった。

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2009年3月 4日 (水)

ヘンデルの「ジュリアス・シーザ」

晴れ午後から再び雨。最も多忙な一年も終わりに近づき、3月に入り、緊張の糸がぷつりと切れ虚脱状態続く。

Yhbch590img600x4501202282653pict036 こんな時いつも聴くのは、ヘンデルの歌劇「ジュリアス・シーザ」から第一幕のアリア「抜け目のない狩人は・・・」

カウンターテナーとホルンのためのドッペルコンチェルトのような曲。

場所はエジプト王の王宮。、自分を暗殺しようと企てているクレオパトラの弟の王の目の前で、シーザが企てに気づいていることを皮肉をこめて歌うアリアだ。

ほど良いテンポに乗って、朗々と歌うカウンターテナーとホルンとの掛け合いが実に爽快。演奏はマギーガン指揮のフィルハーモニア・バロックオーケストラによるヘンデルオペラアリア集から。カウンターテナーはD.Minter。バロックホルンはLOWELL GREERが吹いている。驚異的な超絶技巧。

YouTubeはドイツのカウンターテナー、アンドレアス・ショルの歌う「ジュリアス・シーザ」

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2009年3月 3日 (火)

ノイマン、ゲヴァントハウスの「わが祖国」

今日は冷えた。午前中に降り始めた雨はしばし雪となる。午後からの天気予報は雪90%。

P1010559 今日はチェコの指揮者ノイマンの「わが祖国」。
エテルナコレクションのCDでライプツィヒ・ゲヴァントハウス管のカペルマイスター時代の録音だ。

ゲヴァントハウス管時代のノイマンは、コンヴィチュニー時代の後期に多少タガが緩んだオケのアンサンブルをきっちり立て直し、実に良い仕事を残している。

この演奏は代表作といえるもの。渋く美しい響きのオケを自在にドライヴした熱き演奏。

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2009年3月 2日 (月)

フォスターのエネスコ

3月に入り春の訪れを実感する暖かな一日。

ルーマニアの偉大なヴァイオリニスト、ジョルジュ・エネスコの作曲家としての作品を聴く。

あのド派手なルーマニア狂詩曲が、峻厳なバッハの演奏を残したエネスコとどうも結びつかない。深い精神性が感じられるエネスコの弾くヴァイオリン演奏と、作曲家としてのエネスコの作品との間には、いつも大きなギャップを感じてしまう。

P1010612 今日聴いたのは、アメリカの指揮者ローレンス・フォスター指揮のモンテカルロ歌劇場のオケによるエネスコの交響曲第1番と2番。EMIのCD

フォスターはアメリカ生まれだが、両親がルーマニア人であったためか、エネスコの主要な作品のほとんどの録音をおこなっている。

確かN響に客演したときも、交響曲第1番を定演で取り上げたはずだ。(お客は入ったのだろうか?)

ラフマニノフの交響曲とほぼ同時期の作品で、いわゆる遅れて来たロマン主義、民族派に属する典型的な作品。盛大なファンファーレで始まる第2番などなかなかカッコいい。が後が続かない。聴いていて退屈してきた。

フォスターの指揮は手馴れた老練な出来で、ルーマニア人のマンデールの演奏に比べてもずっと良い。

P1010613 同じフォスターのエネスコで、エラートへの録音の管弦楽組曲も聴いた。

民族的な色濃いこちらの方が素直に楽しめる。

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2009年3月 1日 (日)

グレンジャー編のガーシュインとフォーレ、そしてドビュッシー

朝方の雨はまもなく上がり午後は快晴。
今日から3月、大きな仕事は一応のひと区切りとなり虚脱状態の日曜日。

今日はオーストラリアの作曲家にしてピアニストだったパーシー・グレンジャーの編曲をいくつか聴いた。

グリーグに私淑し、各国の民謡を収集し実に1200曲以上の作曲・編曲作品が残っているというグレンジャーの音楽は、軽いサロン風な雰囲気の中に個性的な楽器編成によるエキゾティックなテイストが魅力的な音楽。

P1010625 HMVCLASSICSから出ていたCDのグレンジャー作品集から、ダニエル・アドニのピアノで、ガーシュインの作品のアレンジ物で、「The Man I Love」「Love Walked In」。

そしてフォーレの歌曲「Nell」のピアノ編曲を聴く。

純粋で爽やか、ガーシュインでは仄かにブルーな気分が漂う素敵な編曲。

P1010626 そしてドビュッシーのピアノ曲の編曲を2曲。前奏曲集第2巻から「ヒースの茂る荒地」と「版画からパゴダ」演奏はサイモン指揮のフィルハーモニア管によるCALAのCD。いずれも他では聴けない録音ばかり。

「ヒースの茂る荒地」はダブルリード族を中心とした木管楽器にアルトサックス、ホルン、ハーモニウムという編成。

一方の「パゴダ」は木琴族を中心とした打楽器13人にピアノ4台にチェレスタ、ハーモニウムというもの。

パストラール風の涼やかな雰囲気漂う「ヒースの茂る荒地」にガムランの影響濃い「パゴダ」。
巨大な編成でありながら実に繊細な音楽が鳴っている。まさにラヴェルに匹敵するアレンジの天才による傑作だ。

YouTubeは、アドニの弾くガーシュインの「The Man I Love」

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