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2009年5月に作成された記事

2009年5月31日 (日)

ナウモフのドビュッシー「忘れられた映像」

涼しげな日曜日の朝、才能教育研究会が出していた教材用のLPをBGMとして流しながら、ノンビリと音楽部屋の片付けなどをする。

P1010659 スズキメソードのごく初級のピアノ曲を集めたものを小林道夫が弾いている。
世界的な伴奏ピアニストとしてフルニエ、ニコレやフィッシャー・デースカウとの共演の実績を持ち、バッハの名演奏家でもある小林道夫が弾くと、「ちょうちょ」や「ぶんぶんぶん」といったピアノの習い始めの子が弾くような曲も格調高く響いてくる。

「アンナ・マグダレーナ・バッハのための小曲集」からの数曲やモーツァルトのK.2のピアノ曲もよい演奏だ。

P1010646 夜はエミール・ナウモフの弾くドビュッシーを聴く。フォーレの「レクイエム」のピアノ編曲や「展覧会の絵」のピアノとオーケストラの版の編曲などの一風変わった盤歴のあるナウモフ。

掴み所のないピアニストでとりわけ好きなピアニストではないが、ナディア・ブーランジェの弟子ということで気にはなっている。

このドビュッシー、プーランク、フォーレなどの作品を集めたCDも、ドビュッシーの生前は発表されず1977年にようやく出版された「忘れられた映像」から始まり、フォーレ、プーランクを経て自作で締めくくるという凝ったもの。

無機的で硬質な音、どこかブラックな趣の漂うナウモウのピアノ。軽妙で洒落た曲であるはずのプーランクにも、ある種の陰りのような闇がある。
YouTubeはナウモフの弾くバッハ

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2009年5月30日 (土)

シュワルツコップのモーツァルト歌曲集

曇りのち晴れ。昨年に比べ中だるみ気味の5月も終わり。本日出勤し気を引き締めて一日仕事。

P1010655 帰宅後聴いたのはシュワルツコップの歌うモーツァルト歌曲集。
名ピアニスト、ギーゼキングの伴奏という超豪華な組み合わせによる世評高い名盤だ。

シュワルツコップの清純にして気品のある歌唱に、モーツァルトのピアノソナタ全集も残しているギーゼキングの渋く落ち着いた伴奏が見事に調和している。
ギーゼキングの愛用したグロトリアンのピアノの音はモーツァルトにこそふさわしい。

P1010656 手持ちは東芝EMIの国内盤LPだが、同じ東芝盤で違う番号のLPが2枚ある。そのうちの一枚は、数年前にご近所のお年寄りから譲り受けた数十枚のLPの中に入っていたもの。

マトリックス番号は同じで、レコード番号が異なるだけで中身は全く同一。だが、ジャケット写真が微妙に異なっているのに初めて気がついた。いずれも同じリサイタルの写真なのに、シュワルツコップの表情が微妙に異なっている。

P1010657 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、ベルグルンド指揮ボーンマス響の演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

YouTubeはギーゼキングの弾くドビュッシー「ヒースの茂る荒地」

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2009年5月29日 (金)

ラスト、ルービンシュタイン

曇り時々雨、あれほど騒がれていた新型インフルエンザ報道も急速にしぼんできた。感染患者は深く潜行しているのだろうが、熱しやすく冷めやすい日本人。昨日仕事帰りに寄ったDIYショップにはマスクが積まれていた。

V25630nrosv 本日はルービンシュタインの、イスラエルでのラストコンサートのLDから後半のショパンを見る。
ルービンシュタイン88歳、引退一年半前の記録。

曲はスケルツォ第3番、練習曲第17,4番、夜想曲第5番に「英雄」ポロネーズ。そしてアンコールにワルツOp-64-2とメンデルスゾーンの「紡ぎ歌」というもの。

演奏会の最後になにやらルービンシュタインが記念品を贈られている。

このときのルービンシュタインは、白内障が悪化していて、ライトに照らされ客席に答礼する際の眩しげな表情と、時として鍵盤を探るような動きに視力の悪化を伺わせる。

曲によってはミスタッチ続出で音が濁り、かなり痛々しい。だがミスタッチの中に、ルービンシュタインの執念が立ち上ってくるようなスケルツォ、十八番だった「英雄ポロネーズ」はさすがに凄みのある演奏で聴かせる。
YouTube  はルービンシュタインの「火祭りの踊り」

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2009年5月27日 (水)

ゴールウェイ・60イヤーズ60マスターピーシーズ

気温は上昇終日晴れ、明日からまた天気は雨の模様。

本日職場に突然テレビの取材が入り、夕方のニュースでさっそく紹介されていた。画面に映った自分の姿を見て鏡の前の蝦蟇さながらに冷や汗タラリ。再びダイエットを始めようと思う今日この頃。

P1010654 今日はジェームズ・ゴールウェイのフルートを聴く。

1999年にゴールウェイの60歳を記念して発売されたアルバムで、ゴールウェイの演奏する60曲の録音を集めたCD15枚組セットから、バッハ、テレマン、シュターミッツ、ヴィヴァルディらの作品を集めた第一巻。

大好きなテレマンの組曲イ短調が入っているという理由だけで購入したもの。
ゴールウェイ独特の、純で玉を転がすような澄み切った音が堪能できる好アルバムだ。

YouTubeは、ゴールウェイとペトリのデユオで、曲はマラン・マレの「ル・バスク」

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2009年5月25日 (月)

ヴァンゲリス「白羊宮の巨星」

定演も終わり、職場やらその他の人からいろいろな感想を聞くことができた。多少社交辞令はあるとはいえ、概ね好意的な返事が返ってきている。

前回の「椿姫」の時もそうだったが、沼響はオペラを経験するたびに飛躍するようだ。
特に今回は2月の「ラ・ボエーム」公演以来、実質3ヶ月でよくあれだけまで仕上げたと思う。

新型インフルエンザもとうとう静岡までやってきた。品薄のはずのマスクが今日職場に届く。ある所にはあるものだ。

P1010651 今日は「炎のランナー」や「ブレード・ランナー」などの映画音楽で有名なギリシャの作曲家ヴァンゲリスのアルバムを聴く。

聴いたのは、RCAからポリドールへの移籍時にヴァンゲリス自身が編んだベスト・アルバム「白羊宮の巨星」。手持ちは国内盤LPだが、未だ国内ではCDでは発売されていないようだ。

ロックのようでいて、ある種現代音楽のようなヴァンゲリスの不思議な世界。

YouTube は「炎のランナー」のテーマ

 

 

P1010653 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、ガラグリーの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

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グルダの「悲愴」

明日からの予定だった下の娘の修学旅行は延期と決定。市内の他の学校が軒並み延期の中、今の状況では仕方がないのだろう。
代わりに明日は遠足だということで、先日買い込んだ菓子類をリュックに詰め込んでいる。

P1010647 上の娘が最近ベートーヴェンの「悲愴ソナタ」を弾き始めている。

始めたばかりでとても聞けたものではないが、何か模範になるような演奏を、と思い、いろいろとつまみ聴きを始めたら止まらなくなってしまった。

中でも感心したのは、フリードリヒ・グルダの演奏。グルダはDECCAとAMADEOに二つのベートーヴェンピアノソナタ全集を残しているが、今日聴いたのは、この二つの間の時期にコンサートホールレーベルに録音された「悲愴」「月光」「熱情」のいわゆる三大ソナタ集。
手持ちは日本コロンビアから出ていたLP。

確固たる構成力と艶のある粒立ちのはっきりした音の正統派のベートーヴェンが聴ける。録音もまずまずだ。

YouTubeはグルダの弾くモーツァルト、K.397の幻想曲

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2009年5月23日 (土)

定演終わる2009

沼響第25回定演は無事終了。第20回から五回連続雨となった定演も今年はよく晴れた。

第25回の節目の年ということで、今年はドヴォルジャークのチェロ協奏曲とシベリウスの交響曲第2番といういささか地味な曲ながらチェリストの林峰男先生という大物を招き、トランペット奏者神代先生ほかのトレーナーの先生方も舞台に乗るという豪華なもの。

4 開演18時半ということで今回は14時集合でゲネプロ開始。後半のシベリウスから順に通していく。

やはり本番当日となると適度な緊張もあり、昨日よりは良い出来だ。本番に余力を残したいところだが、シベリウスはフィナーレになるとどうしても熱くなってしまう。
降り番のドヴォルジャークは客席で観戦。オケとソロのバランスも良く管楽器のソロも良い。安心して聴けるドヴォルジャーク。

そしていよいよ開場。今回は前半降り番なので、入り口ロビーで受付のお手伝い。地味なプログラムで客の入りを心配したがいつも以上の出足だ。
ありがたいことです。

今回は序曲がないので、遅れてきたお客さんがホールの中に入れない。
曲の途中で入れるわけにもいかず、心苦しいがロビーのモニターで見てもらうことになった。

やがてロビーのスピーカーから聴き慣れたドヴォルジャークの旋律が流れてきた。

良い演奏だ・・・・

第3楽章後半から舞台の袖から聴いてみた。オケ全体を包み込むような林先生のチェロは巨匠の風格あふれる入魂の名演。オケの出来は今までの沼響の歴史の中でも屈指の良い出来だ。

曲が終わり盛大な拍手の中、先生のアンコールが予想されるのでロビーで待っていたお客様たちを大急ぎでホール内に案内する。

そしてアンコールはバッハの無伴奏チェロ組曲から「サラバンド」。ホール内に響く、美しく深い本物のバッハの音楽に客席は水を打ったようにシーンとなっている。

団員の気持ちも引き締まりいよいよ後半のシベリウスに臨む。

横島先生の指揮は本番になると即興的に変貌するので油断がならない。今回も指揮棒を降ろし、オケの流れに身を任せる部分もあり、自然と団員の集中力と緊張感が高まっていく。舞台横では、本番を終えた林先生が椅子に腰掛けながらじっと耳を澄ませているのが見える。

Azuma_cd3 そして皆が力を出し切った壮大なフィナーレの最後の和音がホールに拡散していく。
盛大な拍手とブラボーまでいただき、細かな部分ではいろいろあったが、やはり本番が一番良い出来だったと思う。

二次会の会場へ向かう路上で、インペクのF氏が面識のない人に突然声をかけられたと言う。
今日の定演を聴きに来ていただいた方で、「演奏会がよかったので、飲みたい気分になって繰り出してきた・・・」とのこと。

ありがたいことです。

レセプション終了後の二次会はいつもの「海人」。林、横島の両先生も迎えて大いに盛り上がり帰宅は午前1時。チェロパートは林先生も交えて三次会に繰り出したようだ。

素晴らしい音楽と出会いに感謝。林先生のCDも購入させていただいた。

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2009年5月22日 (金)

明日は本番

2 朝の出勤途中、狩野川の堤防沿いから見える富士山にしだいに傘雲がかかってきた。昔からの言い伝えのとおり夜から雨。

いよいよ明日が本番となった。退社直前に怪しい雲行きとなったが、今日ばかりは残業なしでオサラバだ。

練習開始時間の30分前にホールに到着しウオーミングアップ。
ところが練習開始5分前になってもホルンは3,4番の二人しかいない。1番、1アシ、2番ホルンがまだ来ていない。
練習時間スレスレに2番ホルンが到着したものの、1番が欠けたままシベリウスの第一楽章が始まってしまった。

Cteien25 1番ホルンがいないと全くサマにならない。自分もはなはだ集中力に欠ける結果となり、全休止で自分ひとりが飛び出しプーと吹いてしまって大顰蹙。(^^;

先週の残響豊かな裾野のホールに比べると、沼津のホールはかなりデッドな響きだ。オケ全体も幾分精気がない様子。

練習が進むにつれてしだいにホールの響きに馴染んで来たものの、本番直前としては80パーセント程度の仕上がりといったところか。

明日の皆の集中力(いつもの火事場の馬鹿力?)に期待しよう。

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2009年5月21日 (木)

アマデウスSQのハイドン

本日県内の組織トップを集めての会議を事務局として主催。大概は旧知の顔ぶれ。議事の終了後には新型インフルエンザの話題で盛り上がる。

マスクはどこも極端な品薄で既に入手難だが、新型インフルエンザのメキシコ発生時に既にマスクの備蓄を開始したという報告もあり、手回しのよさに驚く。

市内の中学校の修学旅行延期の知らせが相次ぐ中、来週関西方面へ出発予定の下の娘は友達と修学旅行に持って行く菓子類を山ほど買い込んできた。見るととても三日で食べきれる量ではない。

P1010650 今日はアマデウスカルテットのモーツァルトの「狩」と「皇帝」の組合わせのグラモフォン盤LPを聴く。

時代の好みが変わってしまい、今ではあまり省みられることがなくなってしまった団体だが、名ヴァイオリニスト、ロスタル門下の4人の弦楽奏者が集まり、39年の長い間同じメンバーで活動した名カルテット。

今日聴いたのは1963年録音のアマデウスSQの3つあるこの2曲の組み合わせの録音の2度目のもの。いわばこの団体が一世を風靡していたころの演奏だ。

出来はハイドンの方が良い。緊密なアンサンブルと重厚な音色。演奏によっては退屈してしまう曲だが、終始変わらぬ緊張感が全曲を支配している名盤だ。

YouTube はアマデウスSQとカーゾンによるシューベルトの「鱒」

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2009年5月19日 (火)

ピノックのラモー

今日は二日しか休めなかったゴールデンウィークの代休取得。仕事は問題山積だし新型インフルエンザも無関係ではないのだが、ここのところ疲労が蓄積し土曜日にはオケの本番も控えているので、ここで体調を整えておくことにする。

バッハと二つ違いのフランスの大作曲家ラモーを聴く。バッハと同時代に生き、偉大な音楽理論家でもあったラモーの鍵盤音楽。

先日はマルセル・メイエルのピアノの演奏を聴いたが、今日はトレヴァー・ピノックのチェンバロで。

P1010651 ピノックのデビューまもない頃ののCRDへの録音。手持ちは国内盤LP3枚組の全曲盤。

ここでピノックは、デュルケン、ダスカン、ブランシュの3種の歴史的銘器のコピーを一枚ずつ使い分けている。

繊細で美しい音色と華麗な技巧。ラモーの音楽の素晴らしさを見事に浮き彫りにしている。
この演奏はナクソス。ミュージック・オンラインで気軽に楽しむことができる。http://ml.naxos.jp/album/AV2056

YouTube はベルリンフィルを指揮するピノック

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2009年5月18日 (月)

アントルモンのリスト

狭い国土のさらに限られた地域に一億三千万人がひしめく日本。人類が免疫を持たないウィルスが一度に広がり、今や完全お手上げのアウトブレイク状態。

今月末に関西方面に修学旅行に行く娘のために、使い捨てマスクを購おうと薬局に行ってみると見事に売り切れていた。あわてて100円ショップに走ったがこちらもだめ。一週間前まではたくさんあったのに。

家中を探し回って、花粉症用に買っておいた未使用のマスク数個を発見。とりあえずこれを持たせよう。

夜のローカルニュースで、関西方面への修学旅行の実施は、学校長の判断とする旨の県の教育委員会のコメントが紹介されていた。娘の通う中学校の校長先生の苦悩する表情と、顔見知りのPTA役員たちの顔が脳裏に浮かんできた。判断を任されても困るだろうなぁ。役員を断っておいてよかった。

P1010649 今日はフランスのピアニスト、フィリップ・アントルモンの弾くリストのピアノコンチェルトを聴いた。

米コロンビアのモノラルLPで、今や指揮者としての活動が主になったアントルモン若き日の演奏。

おそらく19歳でロン・ティボー国際音楽コンクールで1位なしの2位になった直後あたりの録音だろう。燦然と輝く豪快な音色と華麗なテクニック。前途洋洋たる未来が広がる、怖いもの知らずの若者の音楽が聴ける。伴奏のオーマンディ指揮のフィラデルフィア管も見事なサポートだ。

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2009年5月17日 (日)

サヴァリッシュ、スイス・ロマンドのスメタナ

雨夜になり風強し。新型インフルエンザは急速な広がりを見せてきた。

今までは対岸の火事だったが、今月末に下の娘が修学旅行で関西方面に行くことになってるのが気になる。中止になることはないと思うが、マスク持参を義務付けられそうな予感がする。明日買いに行こうと思う。

外は強い雨。部屋の掃除などをしながら久しぶりにゴロゴロと過ごす無為無策の日曜日。
P1010645_2 今日は、サヴァリッシュ指揮のスイスロマンド管によるスメタナの「わが祖国」全曲を聴いた。RCAへの録音で手持ちは国内盤LP2枚組。

とても売れそうにもない演奏家と曲の組み合わせだが、解説によると、サヴァリッシュがスイス・ロマンド管の首席指揮者となった初録音だという。

サヴァリッシュがスイス・ロマンド管の首席指揮者だった時期は資料によってバラバラではっきりしない。最長は1970年から1980年まで。手持ちのLPの解説には1974に就任と書いてある。

いわば、このコンビがそれだけ注目度が低かった証だったのかもしれない。1976年の来日公演も悪評だらけだったような記憶がある。

来日当時も今もスイス・ロマンド管といえばアンセンルメとの繋がりが強烈で、サヴァリッシュとの来日公演曲目を見ても、http://www003.upp.so-net.ne.jp/orch/page171.html ほとんどアンセルメのレパートリーを中心に組まれされている。いくら仕事とはいえ、「田園」と「幻想交響曲」をこれだけ連日演奏させられては気の毒だ。

長々とこんなことを書いたのは、この演奏が実に見事だからで、これだけ格調高く端正でいながら、オケをしっかり鳴らしきっている演奏も珍しい。アンサンブルの精度もアンセルメ時代よりも明らかに上だ。

サヴァリッシュは、就任の際に名ヴァイオリニスト、ペーター・リバールをコンマスに招いたという。名ホール、ヴィクトリアホールの響きも美しい。

YouTubeはサヴァリッシュ&N響による「わが祖国」から「シャルカ」

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2009年5月16日 (土)

本番一週間前

曇りのち雨。再び気温は下がり気味。

新型インフルエンザウイルスは、ひそかに国内に進入し着実に感染を広げていた。もうこうなると誰も止められない。
江戸時代末期の安政年間に、長崎に上陸したコレラがひたひたと東上し、社会不安がじわりと広がっていったことを思い出した。

P1010646_2 本日は一日仕事だがオケの練習日。夕方に職場を抜け出し練習会場の裾野市民文化センターへ車を飛ばす。
自分の出番のシベリウスは6時練習開始。30分前には会場に到着し余裕でウォーミングアップ。

練習は一番の難所の第3楽章から開始する。既に午後から横島先生の分奏でびっちりしごかれただけあって弦楽器の上達が著しい。
響きの良いホールにも助けられ、非常に充実した響きがホールを満たし実に良い気分。
第四楽章終盤の金管楽器群の壮大なフィナーレも輝かしくも充実した仕上がりだ。

横島先生の指示は、ダイナミックスの細かな変化を詳細に要求する最終段階。

とはいえ練習はあと前日を残すのみ。

9時に練習を終えると外は細かな雨。裾野市は標高が高く、やはり肌寒い。

41mzyq6qm3l__sl500_aa240_ P1010645 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、タウノ・ハンニカイネンの感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

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2009年5月15日 (金)

ケルテスの「ハーリ・ヤーノシュ」

まぁ今週もいろいろあったが、月日は無常に過ぎていく。親に似てノンキな娘たちもようやく受験を意識し始めた様子。

P1010656 イシュトヴァン・ケルテスのコダーイ、音楽劇「ハーリ・ヤーノシュ」を聴く。ケルテスには有名な組曲盤の録音(1964年録音)もあるが、聴いたのは1968年の全曲録音からのハイライツ盤。

オケは組曲盤と同じロンドン響だが歌手はブタペスト歌劇場の歌手たちが歌っている。

曲は、ほぼ組曲に収められている曲を中心にセレクトされたもの。

聴き進むうちに、これは全曲を聴くべきだという思いが非常に強くなってきた。、
ハンガリー民謡に基づいたユーモアとペーソスに溢れた聴き慣れた旋律も、歌が入ると俄然印象が異なってくる。組曲は、この傑作の魅力の半分も伝えていない。随所で響くハンガリーの民族楽器ツィンバロンの音も楽しい。

ケルテスの演奏はダイナミックで、ときおりホロリとさせるような哀愁に満ちた優れもの。組曲以上の名演だ。

YouTube はブタペスト歌劇場による「ハーリ・ヤーノシュ」。
ソプラノは名歌手エヴァ・マルトン。マジャール語でしみじみと歌われている。

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2009年5月14日 (木)

本番いよいよ近し

定演までの練習はいよいよ残り少なくなった。自分の出番のシベリウスは前日を含めてあと3回。
今日は絶対休めないと思っていたが、こんなときに限って大きなトラブル発生。結局お昼過ぎから夜の8時まで完全に忙殺されてしまった。 食事を摂る時間はなかったが、全然空腹感はなし。

とにかく練習会場へ急ぐと、大ホールのステージではシベリウスの2楽章の終盤。ブラスの巨大な響きが客席一杯に響いている。やはり本番が迫ると皆の集中力も違ってくるようだ。

短い休憩の後はフィナーレ。横島先生は北欧特有の暗い響きのイメージを求めているが、気候温暖な沼津の住民には、北欧の自然の厳しさと暗さはいまいちピンと来ないようだ。

Images フィンランドへ出張で行ったことのある団員のの話によると、夕暮れ時に訪れた、シベリウス公園にある巨大なシベリウスの顔の像の恐ろしさは、強烈だったとのこと。


練習も終盤を迎えやっとシベリウスらしくなってきた。吹いているうちにしだいに楽しくなり仕事上のストレスも薄らいてくる。そして練習終了時は猛烈な空腹感。これで盛大に食べてしまうからメタボになるのだ。

P1010655 今日はストコフスキーの珍しいモーツァルト。 アメリカ響のメンバーを振った「グラン・パルティータ」を聴く。 米ヴァンガード原盤による国内盤LP.
ストコフスキーはオーボエ一人とコントラバス二人を増員して16人で演奏させている。

艶やかで重心の低い音はモーツァルトとしては異質だが、音色以外はきわめてまともな演奏だ。ファゴットのメンバー表には、中川良平さんの名も見える。

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2009年5月12日 (火)

クリップスのハイドン

晴れのち曇り夜から風強し。70を半ばを超えた母が4月から英会話教室に通い始めている。

たまたま友人の絵の発表会を見に行った会場で英会話教室のチラシを見かけ、そのままフラフラと申し込んだのだという。とうとうボケてしまったのか、と心配したほど唐突だったのだが、本人は真剣。

地元の大学で教鞭をとられている英会話教室の先生が、偶然にも職場のかつての上司だったりしたので、電話で教室での様子を聞くと、最高齢ながらそれなりに付いていってる、という微妙な返事が返ってきた。

毎晩、孫に教わりながらテキストに真剣に向き合っている姿を見ると、なんとも微笑ましく、もうしばらく様子を見ようと思う今日この頃。

今日はウィーンの指揮者ヨーゼフ・クリップスの指揮するハイドンを聴いた。

P1010653 今年没後200年の記念の年となるハイドンだが、あまり騒がれていないのがハイドンらしいとは言える。

100曲を超える交響曲と、80曲を超える弦楽四重奏曲、他に各種のソナタや宗教曲などの膨大な作品の数々。

それらが皆、きわめて高い水準なのには恐れ入る。ハイドンが居なければモーツァルトやベートーヴェンがあれだけの傑作を作曲できたかどうか疑問に思うほど、同時代の作曲家への影響力も大きかった。

失われてしまった作品も多く、作品の全貌の解明もこれからだろう。

クリップスはウィーンフィルを振った99番と「驚愕」のウィーン情緒たっぷりの名演もあるが、今日聴いたのは104番「ロンドン」。オケはクリップスとしては珍しくロイヤルフィルを振っている。
手持ちはイタリアRCAのLP.

ベートーヴェンの交響曲にも匹敵するハイドン最後の交響曲作品となった名曲を、クリップスはシャープにして壮大な交響曲に仕上げている。

41jjnbcs00l__sl500_aa240_ 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、エールリンクの指揮する世界初のシベリウス交響曲全集からの感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

YouTubeは マリス・ヤンソンス指揮の「ロンドン」

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2009年5月11日 (月)

メイエルのラモー

今日も気温は高いが湿度が低いので意外なほど過ごしやすい。

今日はフランスの女流、マルセル・メイエルの弾くラモーを聴く。

P1010654 フランス六人組と深い親交があり、レパートリーもフランス物が中心であったメイエルも最近CD化が進み、主だった録音はほとんど聴けるようになった。

繊細にして格調の高い音。モノラルながらディスコフィル・フランセの録音がメイエルの粒立ちの美しい音を見事に捉えている。

ピアノで弾くことでラモーの偉大さが明確に浮き彫りにされているようだ。

YouTubeは メイエルの弾くラヴェル

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2009年5月10日 (日)

フォイアマンのドヴォルジャーク

夏のような暑さ。気温が上昇するにつれ蚊も出てきた。先週までストーヴの厄介になっていたことを思うと嘘のような一日。仕事は予想外のトラブル続きで今日も休めず。

P1010650 今日は今回ドヴォルジャークで競演する林峰男先生の師、斎藤秀雄がベルリン留学中に師事したエマヌエル・フォイアマンのチェロを聴く。

フォイアマンはカザルスの次の世代のチェリストで、16才でケルン音楽院の教授となった天才チェリストだが、活動の最盛期に腹膜炎で急逝してしまった。まだ39歳の若さだった。

今日聴いたのは、ドヴォルジャークのチェロ協奏曲。亡くなる半年前のカーネギーホールでのライヴで、レオン・バージン指揮のナショナル・オーケストラル・アソシエーションの伴奏。
20年前にニューヨークのリンカーンセンター・ライブラリーに保管されていたアセテートディスクからCD化されたもの。

速いテンポで駆け抜ける演奏に、貧弱な録音からもファイアマンの驚異的なテクニックの片鱗が十分垣間見える。この美しく張りのある伸びやかな音は、金曜日に聴いたファイアマンの孫弟子にあたる林先生の音に似ていると思う。

P1010651 ドヴォルジャークのチェロ協奏曲を良い録音でもう一枚。ハンガリーの偉大なチェリスト、ミクロシュ・ペレーニの演奏で。
こちらは15年ほど前に日本コロンビアが出したレーザーライト社原盤のCDから。伴奏はイヴァン・フィッシャー指揮のブタペスト祝祭管。

ペレーニは、70年代半ばにFMでラロとハイドンのチェロ協奏曲を聴いて感動して以来のお付き合い。こちらも凄い演奏だ。

P1010652 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、ストコフスキーのBBC響とのライヴの感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

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2009年5月 8日 (金)

ドヴォルジャーク、ソリスト合わせ

雨のち曇り。いろいろな意味で長かった一週間が終わる。

今日は今回の定演で演奏するドヴォルジャークのチェロ協奏曲のソリスト、林峰男先生との初顔合わせの日。http://orchestra.musicinfo.co.jp/~kyukyo/kyukyoFiles/profile/2004solist.profile/04hayashi.html

自分は今回ドボルジャークは降り番だが、練習終了時の21時までに間に合わせようと、何とか仕事の目処をつけ練習会場の市民文化センター大ホールへ急ぐ。
こんな時に、職場と練習場が至近距離なのがありがたい。

Photo 会場に着くと第3楽章の後半が始まっていた。林先生は客席に背を向け、オケに向いながら弾いている。

朗々たる音色、飴色の美しい音。トッププロの音とはこういうものだ。

オケの面々も目前に展開する本物のチェロの音に圧倒されている。林先生の音に触発され、いつもより数段グレードの高い音をホール一杯に響かせているのが嬉しい。

第3楽章の終盤でソロが弱音から大きなふくらみを持ってクレシェンドする中、オケの楽器が次々と加わり壮大なエンディングを迎える部分を聴いているうちに鳥肌が立ってきた。これはいける!

YouTube はヨーヨーマの弾くドヴォルジャーク

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2009年5月 7日 (木)

プレヴィンのトゥーランガリラ交響曲

雨は続く。課題難問は山積みだが、やるべきことは済ませ一応の区切りと踏ん切りはついたが、連休明けとなり今日は電話の嵐。
体調すぐれず早退しようかと思ったほどだが、気がつくと日が暮れていた。

ヤフオクで落としたCDが3点到着。今回は近現代フランス音楽を3点。

P1010646 P1010645 ドイツwergoのCDで、「展覧会の絵」やフォーレの「レクイエム」の独自のアレンジなど特異なレパートリーを持つエミール・ナウモフの弾くフォーレ、ドビュッシー、プーランクなど。

ちゃんと自作も入っている。

CalleClassics のCDから19,20世紀のフランスオルガン曲集。
昨日聴いた北ドイツのオルガン音楽とは全く別世界の、甘くロマンティックなオルガンの世界が広がるはずだ。
エリー・カテドラルのオルガンをGraham Griggsという人が弾いている。

P1010647 そしてプレヴィン指揮の「トゥーランガリラ交響曲」にプーランクの二つの協奏曲がカップリングされたEMIのダブルフォルテシリーズ2枚組。

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2009年5月 6日 (水)

北ドイツ楽派のオルガン音楽

終日雨の一日。巷は今日まで連休だが、自分は既に昨日から通常出勤モード、どころか想定外の問題噴出で四苦八苦。
本日夕方に驚愕の事件発生。誠に嫌な事で、直ぐには帰れない状況になってしまった。

課題を残しつつ9時前にはなんとか帰宅。

P1010656 今日は渋く17,18世紀のドイツのオルガン音楽を聴く。コペンハーゲンの聖アンドレ教会のオルガンを、J.E.ハンセンが弾いているCynus原盤の国内盤LP4枚組から「スウェーリンクとその弟子たち」の一枚。

スヴェーリンク、ブクステフーデらを経て偉大なるバッハに至る北ドイツ・オルガン音楽の流れを俯瞰するアルバム。

P1010659 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、ストコフスキーの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

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2009年5月 5日 (火)

バルビエのセヴラック

良い天気が続いたGWも今日は朝から一日雨。
昨日仕事上でトラブルが発生し今日はその対応に追われる。
明日も出勤せねばならず、結局休めたのは3,4日の二日のみ。どこかで代休が取得できれば良いのだが。

というわけで、本日いささか疲れ気味。こんなときは、スペイン系のフランスの作曲家セヴラックのピアノ曲集。http://www.geocities.co.jp/MusicHall/6119/museum/severac/index.html
P1010660 曲は「セルダーニャ」と「ラングドック地方」からの2曲に「日向で水浴する娘たち」というもの。

演奏は、J.J.バルビエの弾くフランス・アコールのCD.

スペインの晴れた明るい日差しと広い大地。素朴な農村風景を彷彿させる美しい小品の数々。思わず頬の揺るむような優しさの漂う素晴らしい作品だ。

バルビゼのピアノもフランスのエスプリに満ちた見事なもの。気品のあるベーゼンドルファーの響きが美しい。

YouTube はセヴラックの合唱曲「タントウルム・エルゴ」

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2009年5月 4日 (月)

ケンプのモーツァルト、ナットのベートーヴェン

今年の連休はお出かけなしだが、今日のお昼は家族で外食。
娘たちが肉料理が食べたい、というのでステーキのお店「住吉」へ。http://www2.izu-kankou.or.jp/izu/info/info0040.asp?id=&d=4&yid=B341007342

混むことを予想して、多少早めに行ったのだがやはり満席。なんとかカウンター席にバラバラに座り、定番のガーリックステーキにレバー添えを注文。絶妙な焼き具合の柔らかでジューシーな肉に娘たちも満足の様子。

今日は20世紀の巨匠ピアニスト二人の演奏を聴いた。

P1010657 まずは、ベートーヴェン弾きとして知られたケンプの弾くモーツァルトのピアノ協奏曲第23番と24番。ドイツ・グラモフォンのLPで、伴奏はライトナー指揮のバンベルク響。 これは非常な名演。

暖かで慈愛に満ちたモーツァルト。しばし指摘される技巧の弱さはモーツァルトでは気にならない。ライトナーのサポートも見事なものだ。質朴なオケの響きもモーツァルトにはふさわしい。

P1010658 そしてもう一枚は、大好きなピアニスト、イーヴ・ナットの弾くベートーヴェンのピアノソナタ全集から第20番のソナタ。

ソナチネアルバムにも入っているベートーヴェンのピアノソナタ中もっとも易しい曲だが、格調の高い端正なナットのベートーヴェンはここでも健在。久しぶりに聴いてみて、意外なほどの速いテンポに驚いた。

P1010654 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、ヘルマン・アーベントロートの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

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2009年5月 3日 (日)

ラーンキのバルトーク

天気も良く家族が皆揃っているのでどこか近場へドライヴでも、と思ったが、下の娘は友達数人を家に招いてDVDの鑑賞会を開くのだという。

上の娘もやることが決まっているとのこと。子供の成長とともに家族で一緒に行動することが次第に少なくなってきた。
やむなく音楽部屋その他の部屋の掃除の後、畑に行きピーマンとイチジクの苗を植えたりして過ごす。

P1010655 ハンガリーのピアニスト、ラーンキの弾くバルトークの「子供のために」を聴く。手持ちはテレフンケン原盤の国内LP2枚組。

バルトークが教育用に作曲した演奏時間1分少々の平易な曲を85曲ほど集めた練習曲集。
ハンガリー民謡を素材にしたものも多く、素朴で暖かな曲の数々をラーンキは愛情を込めて弾いている。

YouTube はバルトークの「ルーマニア民族舞曲」から

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2009年5月 2日 (土)

プレヴィンのR.シュトラウス ワルツ「ミュンヘン」

GW初日、天気も良く高速は大渋滞。自分は一日仕事となり娘たちも学校。一人残された家内は一日伸び伸びと過ごした様子。早めに仕事を切り上げ6時前には帰宅。

P1010653 今日は、今や巨匠の域に至ったアンドレ・プレヴィンのR.シュトラウスを聴く。

ロンドン響音楽監督時代の録音で、「ばらの騎士」組曲、「ドン・ファン」ワルツ「ミュンヘン」の3曲が入ったRCAのLPだ。

ワルツ「ミュンヘン」はこの演奏が世界初録音だという。

この曲は完成されなかった映画のために書かれた曲で、自身の故郷の名を冠しただけに愛着があったのだろう。R.シュトラウスは最後の年に改訂している。映画音楽とはいえ演奏時間10分弱の充実した作品。

プレヴィンは、このアルバムの録音に際して通常の倍の8本のホルンを使用。確かに「ばらの騎士」の冒頭や「ドン・ファン」のホルンは今まで聞いたことがないような凄い音がしている。

プレヴィンの演奏は、輝かしくも充実した響きの衒いのない正統派の名演。

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2009年5月 1日 (金)

ソノシート二題

明日からいよいよGW突入とはいえ、休めるのは二日程度。
娘二人は部活もあり遠出もままならず、家でゴロゴロしながら終わりそうな予感。

今日は古いソノシートから、シューベルトの「未完成」を聴く。

レコードの代用品のような存在だったソノシートは、もう完全に死語となってしまったが、時々忘れられた面白い演奏が残っていたりする。

P1010651  一枚は朝日ソノラマから出ていたシートで、1966年に岩城宏之がN響を振った日本コロンビア録音から。

この演奏は、「運命」とのカップリングで発売されCDでも出ていた。「運命」は1968年のN響との全集録音とは別録音。

このシートには「未完成」のリハーサル風景と岩城宏之の解説が収録されている。両方ともおそらくこのシート以外では聴けぬものだろう。音はモノラルながら良い。

P1010652 もうひとつは、アルヴィド・ヤンソンス指揮の東京交響楽団による1960年11月11日の日比谷公会堂でのライヴ。
東京エンジェル社というところが1961年に発売したソノシート二枚組

東京放送の収録音源だが、こちらも10年ほど前にCDで出ていた。
来日当時のヤンソンスの細かな解説と写真が興味深い。

演奏はロマンティックで雄大、ほの暗い深い音色は、とてもこの時期の日本のオケとは思えない。

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