« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »

2009年6月に作成された記事

2009年6月30日 (火)

スタインバーグの「春の祭典」

6月も最後の日だが梅雨は上がる気配もなく、今日は一日おきの雨。

昨日は朝早く起きて枯れてしまった庭の白樺を切った。高原の代表的な樹木なだけに温暖な沼津で育つのか心配していたのだが、苗から育てて20年目にして枯れてしまった。ここ数年葉の数が減り、衰弱ぶりが目立っていたが、枯れた原因はわからない。平均気温が上昇したからかもしれない。

ある会報に投稿されていた「虚心坦懐力」という言葉が気になった。

「虚心坦懐」(心にわだかまりを持たず、素直でさっぱりした気持ち。無心で平静な心境。偏見がなく、心を開いていること。 )

虚心坦懐力を身につけるべき時期は四十代。人は四十代くらいから厄介な人間になってくる人が増えてくる。五十、六十と共に厄介度も加速。ターニングポイントは、四十五歳くらい。五十代くらいまでに虚心坦懐力を身につけるようにしておかないと、人から相手にされない老年を迎えることになる。という趣旨だった。

自分を含め、身の回りを見渡す時、あまりにも的を得た言葉に深く考えさせられました。

P1010690 今日は、林さんのHP「Kechikechi Classics」http://kechikechiclassi.client.jp/
で絶賛されていたスタインバーグの「春の祭典」。

何年か前に聴いたはずだが、どんな演奏だったのか思い出せなかったので聴いてみた。米キャピトルのLPで、オケはピッツバーグ響。
50年代半ばのモノラル録音。

50年代といえば「春の祭典」の録音はさほど多くはない時代だが、高性能のオケをフル回転させたドスの効いた重量級の名演だ。

モノラルながら録音は生々しいくらいに鮮明。充分な奥行きを保ちながら怒涛の如く響くオケの音が素晴らしい。

YouTube はブーレーズの「春の祭典」

| | コメント (2)

2009年6月28日 (日)

マゼールのヴァイオリン

久しぶりの日曜休みは一日雨。娘二人が期末試験を控え、家で大音量で音楽が聴くことが出来ない。

P1010689 とはいえ貴重な休日だし雨振りで畑作業もできず、そーっと小音量で聴いたのは、ロリン・マゼールの弾き振りでモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3、5番。オケはイギリス室内管のEMIのLP、1970年録音。

10代でアメリカのメジャーオケの大部分の指揮をしたという天才少年だったマゼールはヴァイオリンも達者で、ピッツバーグ大学の学生時代にピッツバーグ響でヴァイオリンも弾いている。

1970年頃までのマゼールの指揮は、有り余る才能が生のまま迸り出るような過激な演奏をすることがあった。

ヴァイオリニストとしてのマゼールは、ロマンティックな動きと意外な所で装飾音を掛けたりしているが、線が細く借りてきた猫のように大人しい。

指揮者の時とは異なるマゼールの意外な一面を垣間見た一枚。

YouTube は1999年ニューイヤーコンサートでヴァイオリンを弾くマゼール

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月27日 (土)

RZレーベルのクセナキス

梅雨の切れ目の快晴日和。各地で真夏日を記録したそうだが、本日一日冷房の効いた職場にこもりきりで日中の様子は判らずじまい。

今日は、最近疲れ気味の脳を撹拌するかのような、ギリシャの現代作曲家クセナキスの音楽を聴く。

P1010686 手持ちは60年代から70年代前半までのクセナキスの代表作を集めたRZレーベルから出ていたCD2枚組。
演奏は、タバシェク、コンスタン、ブリュックらがケルン放送響やフランス国立放送フィルなどを振っているライヴ録音が中心だ。

昨年静岡で聴いた「ノモス・ガンマ」を始めとして「テルレテクトール」「シルモス」「アコリプシス」その他オーケストラ作品6曲に、「クリュニのポリトープ」「ペルセポリス」などの電子音楽がずらりと並ぶ。

いずれも気軽に聴き流すような曲ではないが、虚心にこの壮大な音響に身を委ねると、一定の法則で変化していく音の流れが見えるような気がするから不思議なものだ。
だが50分を超える「ペルセポリス」のような曲は、正直なところ苦痛です。

P1010644 お口直しに、ラヴェルの弟子ロザンタールが同じパリのオケ、オペラ座管を振ったラヴェルの「クープランの墓」「道化師の朝の歌」を聴く。聴いたのは手元に何種類かあるうちのVEGAのLP。

あぁ、やはりこちらの方が日常の音楽。

P1010685 P1010684 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、コリンズ&ロンドン響
の演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

YouTube はクセナキスの「シナファイ」。指揮は昨年静岡でノモス・ガンマを振った井上道義

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月25日 (木)

プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」、

今日は今月のひとつの山場、外部委員を招いての会合だった。内容は事前の根回しが効き、こちらのペースで進み無難な出来。午後に別件でひと波乱があっったがまずは充実した一日。

そんなわけで、比較的軽い気分でオケの練習に参加する。先週休んでしまい楽器に触れるのが二週間ぶりのため、前半のモーツァルトは敬遠して別室でたっぷりウォーミングアップ。

参加した後半の合奏は、プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」から「モンタギュー家とキャピュレット家」の初見大会。プロコフィエフのこの手の曲は練習していて実に面白い。

P1010682 このプロコフィエフの「ロミオとジュリエット」は、世界初演をおこなったバレエ団を沼津に招いたことがある。
演奏はチェコ国立ブルノ歌劇場バレエ団と管弦楽団で2001年7月18日公演。

大編成のオケが、沼津のホールの狭いオケピットにびっしり並んだ風景は壮観だった。

このチェコ国立ブルノ歌劇場は、プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」の世界初演が行われた由緒あるオペラハウスで、確か初演当時の独特の版だったような気がする。オケもバレエも荒削りながら気合の入った名舞台だった。

というわけで今日は、プロコフィエフの「ロミオとジュリエット」を聴いた。

P1010681 最初は、プロコフィエフとペテルブルク音楽院で机を並べて共に学んだエフレム・クルツ指揮のフィルハーモニア管。

来日時に、在京オケのメンバーから練習の厳しさで「鬼のクルツ」と恐れられたバレエ音楽の権威のプロコフィエフ。リズムのキレはさすがだが、いささか無国籍な演奏でクルツとしてはいまひとつ。

もう一枚は、アンチェル指揮のチェコフォルのスプラフォン盤。これはもう購入してから30年になる国内盤LP。

P1010680 全盛期のチェコフィルの威力に圧倒される一枚。

巨大な音塊が鳴り響く「モンタギュー家とキャピュレット家」の凄絶な演奏は一度聴いたら忘れられない。未だにこれ以上の演奏を聴いたことがない。

YouTubeはパリ・ナショナルオペラの「モンタギュー家とキャピュレット家」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月24日 (水)

プリンツのモーツァルト

朝から激しい雨。明日からの外部識者の会議の準備に追われる一日。

今日も引き続きモーツァルト。

P1010674 15才の時からウィーン国立歌劇場で吹いていたというウィーンフィルの首席奏者プリンツの吹くクラリネット協奏曲を聴く。英デッカのエースオブダイアモンドのLPで、伴奏はミュンヒンガー指揮のウィーンフィル。

今や伝説的となった1975年のベーム&ウィーンフィルの来日公演でも首席奏者としてクラリネットを吹いていたプリンツのモーツァルト。

そのベームとの再録音もあるが、このミュンヒンガー盤は、比較的遅めのテンポで、ウィーンの仲間たちの名バックアップを得てごく自然に吹き抜けている。ここでミュンヒンガーが完全に黒子に徹し、ウィーンフィルの自発性に身を任せているのが良い。

プリンツは、ウィーンフィルを定年で退団後アメリカへ渡り、現在音信不通だという。この名クラリネット奏者に何があったのだろう。

YouTube はクラリネット協奏曲第2楽章

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月23日 (火)

リステンパルト、二つのモーツァルト

梅雨の合間の晴れた一日。今日はバッハや古典派の曲で良い演奏を聴かせたカール・リステンパルトのモーツァルトを聴く。

リステンパルトのモーツァルト録音は数多いが、今日はヴァイオリン協奏曲第3番を二人の異なる独奏者で振リ分けた演奏。オケは両方ともリステンパルトの主兵ザール放送管弦楽団。

P1010673 一枚目は、ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデルのヴァイオリンのエラート盤。がっしりとした構成の、いかにも独逸風のいかつい四角四面のモーツァルトだ。
リステンパルトも硬質で質朴な伴奏を付けている。このLPにはK373のロンドと、ハフナーセレナーデの第2、3,4楽章を取り出しヴァイオリン協奏曲ト長調とした曲のカップリング。

リステンパルトには「ハフナーセレナーデ」の全曲録音もあるが、こちらは別録音で、オーボエをフルートに変えトランペットを編成から除いている。

P1010679 もう一枚は、ストックホルム生まれのロシア系のヴァイオリニスト、Paul Makanowitzky のヴァイオリン演奏で、クラブ・フランス・ドゥ・ディスク原盤のノンサッチ盤LP.

Makanowitzky は、パールマンやチョンキョンファを育てた名教師ガラミアンに4才の時から師事し、最初はフランスを中心に活躍していたらしい。第二次世界大戦中にはB24の機関銃手として従軍し、ルーマニアで撃墜され捕虜になったりしている。

戦後はソリストに復帰しその後ジュリアードやカーチス音楽院で教師となっていた。桐朋音楽大学にも招かれている。

ところでMakanowitzkyのモーツァルト。これが艶やかな音と自由にテンポを動かした天駆けるような演奏で非常な感銘を受けた。
リステンパルトもソロと完全に同化した天衣無縫のモーツァルトを聞かせてくれる。

YouTube は、ローマ法王の80歳バースディコンサートのヒラリー・ハーンのヴァイオリンによるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番。
伴奏指揮はドウダメルという豪華なもの

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月21日 (日)

ヴィットリオ・グイのロッシーニとマスネ

今日は朝から雨。予定されていた町内の奉仕作業は中止となり、その代わり午前中から職場に顔を出す。うーん、ここしばらく日曜日をまともに休んだ記憶がない。
夕食はおばぁちゃんの誕生日祝いを兼ねて皆で外食することになっていたので6時前には帰宅。

食事は近所にある和食処「弥次喜多」。
http://r.tabelog.com/shizuoka/A2205/A220501/22000083/dtlrvwlst/740909/
地元では有名な店で、伊豆観光帰りの県外ナンバーの車も多数止まっている。食事時はいつも店の外まで行列のできる人気店だ。

P1010675 充分満足したところで、今日はイタリアオペラの名指揮者、ヴィットリオ・グイの指揮するロッシーニその他を聴く。

グイはその実力の割りに録音が非常に少なく、純粋器楽曲となると数えるほどしかない。

今日聴いたのはイギリスの会員制レコードクラブ「ワールドレコードクラブ」のLPで、「ウイリアムテル」序曲、マスネの「菩提樹の下で」、グリンカの「カマリンスカヤ」、そして「ペール・ギュント」から第一組曲
というもの。オケはグイが育て上げたフィレンツェ五月祭管弦楽団。

どの演奏も古典的な節度を保ち、生き生きとして気品のある音楽造りが素晴らしい。これほど立派な「ウイリアムテル」序曲も類を見ない。
マスネも慈愛に満ちた演奏で、しみじみと聴かせてくれる。

P1010666 P1010667 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、ビーチャム&BBC響によるシベリウス89歳の誕生日のライヴの感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

YouTube はフランスの女流Marina Chicheの弾く「タイスの瞑想曲」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月20日 (土)

マタチッチのヤナーチェク

本日お休み。日中は天気も良く多少は暑いが比較的快適。
夜になって、何をしたか思い出せないほど何もしなかった一日。 こんな日もあってよいだろう。

今日は、村上春樹の「1Q84]で紹介され、一躍注目されているヤナーチェクの「シンフォニエッタ」を再び聴く。

P1010671 演奏はN響の名誉指揮者だった巨匠マタチッチ指揮するザグレブフィル。
マタチッチはN響でも「シンフォニエッタ」を振っていて、かつてテレビで見た名演は未だ印象に残っている。

聴いたのはザグレブフィルの自主制作CDで、同じヤナーチェクの「グラゴルミサ」とのカップリング。1979年12月のライヴ。

「シンフォニエッタ」は冒頭のファンファ-レが大きな見せ場だが、この演奏はトランペット奏者の技術の差が大きくかなり苦しい。2曲目以降もオケがガタピシ悲鳴を上げている。

「シンフォニエッタ」があまりの出来なので、次の「グラゴルミサ」は聴くのを止めようと思った。

ところが、この曲も冒頭はトランペットのファンファーレで始まるが、とても同じ日の演奏とは思えない壮大なファンファーレに思わず姿勢を正してしまった。

合唱が入ると、スラブ風の旋律による壮大な音のドラマが展開していく。オケは所々に綻びはあるが「シンフォニエッタ」ほどは気にならない。 大曲になるほど本領を発揮していった巨匠マタチッチ入魂の名演だ。

YouTubeは「グラゴルミサ」冒頭

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月19日 (金)

リヒテルの「悲愴」

今日も帰宅は遅かった。夕食を摂るのが毎晩10時過ぎなので、メタボはますます進行。
帰宅後は、NHK総合で放送された「ご近所の底力」のビデオを見る。
http://www.nhk.or.jp/gokinjo/backnumber/090619.html#sono2

昨年から地域ぐるみで省エネに取り組んでいる我が町内。
自治会長さんの孤軍奮闘がようやく実を結び、昨年この番組で紹介されたその後を和田アキ子が来て省エネチェックをするというもの。

昨年は日曜の午前中だったが、今回は金曜夜7時半のゴールデンタイムの全国放送ということで、3日ほど前から、放送されることが町内放送のスピーカーから何回も流れている。土曜日には再放送もあるという。

紹介された人たちは、隣近所の毎日顔を合わせている人たちばかりだ。我が家もちょいと写っていた。
だがテレビ用の演出のためか、現実以上に田舎に紹介されていて吃驚。

富士山もずいぶん大きく写っていた。海岸まで2キロ以上あるのに自治会長さんの立つ位置は海を背景にしたものばかり。

外から見た沼津というとやはり海のイメージが強いのだろう。

P1010672 帰宅後聴いたのはベートーヴェンの「悲愴」ソナタ。娘が今必死に練習していてお付き合いで一緒に聴く。
メロディアの古いLPでリヒテルの演奏。モノラルながら録音は良い。

鋼鉄のようなタッチと物凄い速さで駆け抜けるアレグロ・コン・ブリオの圧倒的な技巧。久しぶりに聴いたがこれは凄い演奏だ。
娘は譜面を見ながら「全部の音が聞こえる」、と当たり前のことを呟いていた。

この黒光りするような深い音色は、実演で聴いたヤマハを弾く晩年のリヒテルの音とは異なるものだ。若い頃のリヒテルは、どこのピアノを使っていたのだろう?

YouTube はリヒテルの弾くバッハ「平均率」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月18日 (木)

モッフォの「椿姫」

今日はオケの練習日だったのだが、二日分の仕事をしているうちにダラダラと時間が過ぎてしまい参加の機を逃してしまった。

その気になれば集中して一気に処理できぬ量でもなかったが、またも突然の大きなアクシデントのため半日忙殺されたのが痛かった。

P1010668 ここ数日通勤の車中で、アンナ・モッフォの歌う「椿姫」を聴いている。

RCAリビングステレオのCDで、メリル、タッカー、モッフォのアメリカ人歌手をキャストとした全曲盤。プレヴィターリがローマ歌劇場を振ったもの。

ここで聴くモッフォは美貌だけではなく、実力も兼ね備えた歌手であることがわかる。プレヴィターリの雄弁な指揮も嬉しい。

カーステレオで聴いていたのだが、音場豊かなリアルなレコーディングに、第3幕など隣の助手席にモッフォが座っているかのようだ。

YouTubeはモッフォの歌うラフマニノフの「ヴォカリーズ」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月17日 (水)

故障の連鎖

昨日、給湯器が突然故障。昨年から瓦斯屋さんに「そろそろ限界ですね」と言われていたので、とうとう来たかという感じだが、この時期風呂に入れないのは痛い。

今日は母の通院やらなにやら所用も立て込んでいるので、本日仕事は休みをいただく。先週も水曜に休んだところ翌日は大変なことになっていたが背に腹は変えられぬ。

早速ガス屋に見てもらいなんとか応急処理を済ませたが、「いつ止まってもおかしくありません」と言われたので交換を決意。
・・だが、来月購入すると国の補助金が出るというので、それまで待つことにした。
なんとかあと2週間持ちこたえてくれぃ!

そして今日の午後シャワートイレが壊れた。
こちらも寿命のようだ。orz

音楽部屋で何か聴こうと思い、今練習中の「ウイリアムテル」序曲を聴こうとLPレコードをかけたところ、なんと左側のスピーカーから音が出ない! 慌ててCDに変えても結果は同じ。
C280 左側に耳を付けてみると微かにノイズが聞こえるので、プリアンプが原因のようだ、プリアンプはアキュフェーズのC-280。1982年発売だからこれも古い。
蕭然としてラックから取り出そうと後ろへ回ってみたら左側のジャックが外れてました。(^^;

P1010664 気分も新たに聴いたのは、スイスの名指揮者ペーター・マーク指揮のロッシーニ序曲集。オケはパリ音楽院管の国内ロンドン盤LP.

明るいオケの音色に爽やかなマークの指揮は、ロッシーニの音楽にぴったりだ。
P1010663 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、ベルグルンド4回目の録音、ロンドンフィルとのライヴの感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年6月15日 (月)

タイムスクープハンター

いろいろと予期せぬトラブルが生じ、ここしばらく土日のない日が続く。

今日は録画しておいた「タイムスクープハンター」数編を観る。
http://www.nhk.or.jp/eyes/timescoop/
4,5月にNHK総合の深夜の0時過ぎに放送されていたので、あまり知られることがなかった番組だが、最近総合やBSで再放送されている。

いわば歴史の表舞台に現れない市井の人々が遭遇した事件を、過去にタイムスリップした未来人がスクープするという設定だが、リアリズムに徹した姿勢が、自分がその場で居合わせているかのような生々しさで迫ってくる。

今までの歴史番組の中では出色の出来だ。

おそらく低予算で作られた番組らしく、大部分は山野を使った野外ロケ。出てくる俳優さんたちも、ご近所で見かけるような見事なほど無名な人たちばかり。それがまた実にリアル。

江戸時代の既婚の女性はちゃんとお歯黒になっているし、戦国時代の合戦を駆け巡る医僧を描いた「戦国救急救命士」での傷ついた武者たちの凄惨な描写は、大河ドラマの描写とは桁違いのリアルさだ。

これは是非続編が見てみたい。

41b7qsfmdxl__sl500_aa240_ 今日はアルトゥール・ローター続きで、ローラーのドイツオペラ合唱曲集を聴いた。
ベルリン・ドイツオペラのオケと合唱団によるワーグナー、ウェーバー、ニコライ、フンパーディンクなどのドイツオペラの名作合唱曲を集めたもの。
吹奏楽でよく演奏される「ローエングリン」から「エルザの大聖堂への入場」が収録されているのが珍しい。

独逸テレフンケン原盤で手持ちは国内盤LPだが、最近CDでも復活している。

本場の演奏といえば聞こえは良いが、ここにはクナッパーツブッシュやフルトヴェングラーたちのようなデモーニッシュな巨大さは聴かれない。

この野暮ったいほどの朴訥さはドイツ、オーストリアのオペラハウスで日常演奏されている姿そのままの演奏なのだろう。

P1010665 同じテレフンケンにローターは、ドイツオペラの序曲集も録音している。
この中からグルックの「アウリスのイフィゲニア」序曲を聴いた。オケはベルリン市立歌劇場管の独逸テレフンケンのLP。ロマンティクでいて威風堂々たる名演だ。

YouTubeは「タンホイザー」から巡礼の合唱

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月13日 (土)

ローターの「エロイカ」

昨晩は現在地元の大学で教鞭を取られている、かつての上司と軽く一杯やりながらの食事。
定年後の人生を非常に有意義に生きられていて、今でも常に新しい分野に挑戦している姿勢に頭が下がる。今回は先方から誘っていただきました。いろいろと気にかけていただきアドバイスもいただいた。感謝。

今年は、昨年撒いた種が少しずつ実を結び始める大切な年だが、なかなか思うとおりにいかないものだ。今日は一日仕事となり帰宅は8時過ぎ。明日も出なければならぬ。

P1010661 今日は久しぶりにベートーヴェンを聴いた。取り出したのはドイツの指揮者、アルトゥール・ローターの「エロイカ」。

ドイツのオペラハウスを主な活躍の場としていたローターの名は、今では最古のステレオ録音の指揮者http://www.geocities.jp/shumijinn/germanstereo.html
でくらいしか語られることがなくなってしまった。

この「エロイカ」60年代に出た日本コロンビアのLPで、オケはベルリン交響楽団となっている。Europaiser phonoklub原盤の、おそらく低予算で録音された家庭名曲集の類の録音だろう。

ローターのベートーヴェンでは第九の録音もあり、手堅いようでいて楽譜の細部に手を加えた、面白い演奏だったのが印象に残っている。

この「エロイカ」の演奏は速いテンポの緊張感に満ちたもの。第1楽章後半で段階的にぐいぐいとテンポを上げていく小気味よさ。第2楽章のクライマックスのホルンの雄大な響きには「おぉ!」と思わず声を上げてしまった。

さらにこの「エロイカ」は第九以上に譜面に手を加えていて、特にホルンが木管と重なる部分が多く、終楽章の終結部の木管の細かな音型をそのままホルンに吹かせていて、聴いていて思わずのけぞってしまった。

50年近く昔の演奏だが、音は立派なステレオ録音。

Be9eaf6fl 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、ベルグルンドの3回目の全集録音。ヨーロッパ室内管との演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月11日 (木)

本日の練習、「ウイリアムテル」

休んだ翌日はロクなことはない。決済待ちの書類の山は覚悟していたが、机上のパソコンには上司からのメールが入っている。不吉な予感がして開いてみると大きなミスが発覚。午前中はその対応に追われる。

他にもいろいろな問題が起きていて、一段落した時は夜の7時。
木曜はオケの練習日。定演も終わり秋の友の会へ向けての練習が始まっている。

夕食も摂らぬまま練習会場に着いたのは8時ちょっと前。すでにモーツァルトの40番の練習は始まっていたが、狭いリハーサル室の練習でもありどうも集中力に欠ける。これはどうやら自分だけではないようだ。

口内炎ができたらしく高音域のあたりで痛みが走る。高音連発のモーツァルトでこれは辛い。

練習後半は「ウイリアムテル」序曲初見。冒頭のチェロ五重奏は予想のとおりの悪戦苦闘の様子。自分が吹いたのは2番ホルン。この曲の美味しいところは3、4番ホルンに取られ、1番ホルンともども報われないパートだ。

P1010664 今日聴いたのは、イスラエルの指揮者ウリエル・セガルの指揮するストラヴィンスキー。交響曲ハ長調と「火の鳥」のカップリングでセガルのデビュー録音。オケはスイスロマンド管の国内盤LP。

「火の鳥」はキレの良い爽やかな演奏だが、交響曲は曲の魅力を充分に引き出していないようだ。録音は非常に良い。

YouTubeは、ムーティ&スカラ座の公演から「ウイリアムテル」

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月10日 (水)

ガラグリーのシベリウス

曇り、夜から雨。 昨晩帰宅後パソコンの前に座ると、どうもキーボードの特定のキーが反応しない。始めは一つだったのが次第に他のキーに波及していった。これは変だ。と思っていると、下の娘がなにやら自分の顔を伺っている。

「何かしたの?」と聞くと、「スープをこぼした」との返事。

そういえば、キーボードに油が付着しているような感触だ。 「バカヤロー!、何かを食べながらパソコンに触るな!」 と怒っても"It's no use crying over spilt milk."(覆水盆に返らず) 完全にキーボードはオシャカになってしまった。

明けて今日は、その娘の学校開放日と学級懇談会が有り、当初から溜まった代休取得予定日だったので、一日お休み。
とにかくキーボードを探しに開店早々の「ハードオフ」に走る。

自分の使っているパソコンは、4年ほど前に購入したNECのVALUESTAR でキーボードとマウスが一体となったものだが、ジャンクコーナーに積まれたキーボードを漁っても都合よく純正品があろうはずもない。

2951_1_0 とりあえず目に付いたLogitechのワイヤレスキーボードを買うことにした。ジャンク品だが状態も良く取説はないが2千円ならば安いだろう。
キーの山が小さめで多少使いづらいのと、本体とマウスに電池が必要なのが気になるが。

午後は娘の学校の授業参観と懇談会。新型インフルエンザの影響で延期になった修学旅行の説明があるということで、家内が仕事を休めず、やむなく自分が出るはめに。平日の午後ということで父親の姿は学校全体でも数えるほど。学級懇談会では父親は寂しくも自分ひとり。

クラス担任の先生の話では、修学旅行は8月に実施、新幹線の団体席が確保できずバスで行くとのこと。夏の京都はさぞや暑かろう。運の悪い学年もあるものだ。

P1010665 今日聴いたのは、シベリウスの交響曲第2番の聴き比べ記事を書いたガラグリーのシベリウス。

交響曲第1番と7番のカップリングで、フィリップスの古い国内盤LP。オケはドレスデンフィルで独逸ETERNAがオリジナル。

2番も良かったが、演奏はこちらの方がさらに素晴らしい。張り詰めたような緊張感。雄大にして多少の荒っぽさは1番の曲想に合っている。

2番のCDでは音が潰れていたが、このLPは鮮明な音。

Youtubeはサロネン指揮のシベリウスの交響曲第一番

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月 7日 (日)

アンサンブルコンテストの須川展也

今日は一日良い天気となった。自分と家内は仕事となり、下の娘は市内の福祉施設のイベントにボランティアとして参加。

家内の帰りが遅くなりそうなので、夕食は外食にしようと娘二人を誘ったのだが、着替えるのがメンドクサイとのことで却下される。
さりとて今更夕食を作る気にもならず、近くのスーパーで寿司を買って軽く済ますことにした。

P1010666 夕食後は、1979年のアンサンブルコンテスト全国大会の実況録音を聴いていた。高校、一般、職場の部の団体の演奏を収録したもので、曲はクラシカルなものばかり。今から30年前の学生時代に購入したLP。

この中の旭川青少年吹奏楽団のメンバーによる木管八重奏のヴィヴァルディの「合奏協奏曲作品6の8」の演奏が非常に気に入っている。

サックス四重奏の編成にバスクラを含むクラリネット4人が加わるアレンジだが、これが非常に良い。演奏もまろやかに溶け合った芳醇な響きが美しく、何度聴いても素晴らしい。勿論金賞受賞。

聴いているうちに、一緒に聴いていた上の娘が「あ!須川さんだ」と声を上げた。驚いてレコードジャケットに印刷された出場メンバー表を見ると、高校の部の金賞団体、浜松北高吹奏楽部サックス四重奏のメンバー表に、なんと日本を代表するサックス奏者須川展也氏の名が見えるではないか!

今まで全く気が付かなかった。

曲はボザの「アンダンテとスケルツォ」からアンダンテ。さっそく聴いてみる。ゆっくりとした曲をじっくり緊張感を持って聴かせていて、とても高校生とは思えない見事さだ。須川さんのソプラノサックスだけでなく他の3人の技量も均質なのが凄い。

P1010662 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、ベルグルンド指揮ヘルシンキフィルの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年6月 6日 (土)

トウモロコシのひげを食す

今日は朝から雨。昨日はいつもの4人での飲み会だったので多少頭が重い。

Front_mini ほぼ毎月恒例となっていたのだが、4月、5月は皆の日程が合わずニヶ月空いてしまった。

場所はいつもの割烹「はちまき」に集合。

Toumasa  このお店は、相変わらず意表を付く料理が毎回出てくるのだが、今回のお通しは「とうもろこしのひげ」を薄味の「だし」に浸したもの。
薄黄緑で蕗のような外観に始めは誰も正体がわからなかった。

野趣ある独特の風味に繊細な食感。これはなかなかいける。鰹のたたきや、小玉葱丸ごとの天麩羅などなど、次々と出てくる料理は厳選された食材と確かな料理人の腕でいつもながら楽しませてくれる。

Admin_1207283065_img1 Draopa21img450x6001226847984pxqtn41 一次会のお酒は、岩手盛岡の銘酒「あさ開き」。すっきり軽い飲み口のうまい酒だ。

二次会はいつものマンション一室のプライベートバーで、お酒は今回自分が持参した「マアジ・グラッパ・レチョート」。

職場近くのイタリア料理店で飲んだグラッパが良かったので、手頃なものを持参したのだが、50度の高アルコールと芳醇な香りで始めの一杯でガツンと酔いが回る。

帰りに乗ったタクシーの運転手さんがたいそうな話し好きで、バイオエタノールやら地球温暖化のお話を長々とご拝聴。
ぐるぐる回る頭の中でありがたい話を聞きながら、今日飲んだグラッパで車を走らせたらブドーの匂いの排気ガスが出るだろうな。などとバカなことを考えておりました。

Cteien25 今日は出来上がったばかりの沼響定演のDVDを見ていた。

自分の出ているシベリウスは、どうしてもアラばかりが見えてしまう。オケの情熱で最後まで押し切った演奏と言うべきだろうか。

一方のドヴォルジャークのチェロ協奏曲は、繰り返しの鑑賞に堪えうる良い演奏だった。
オケの要所要所に気を配り、素晴らしい自分の音楽を展開していきながらもオケを暖かく見守ってくれているチェロの林先生の姿。
見ていて、ありがたい気持ちで胸が一杯になってきた。

P1010652 そしてもう一曲はモーツァルト晩年の名作、クラリネット五重奏曲をド・ペイエのクラリネット、アマデウス弦楽四重奏団による演奏で聴く。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月 4日 (木)

オーケストラがやってきた

定演終了後一週間ぶりのオケの練習日。今日は仕事上の難問二つが解決し明るい気分で練習に参加。
そして曲はモーツァルトの交響曲第40番。これは第一回定演のメインだった曲で、実に25年ぶりの再会だ。

P1010661 当時のメンバーは今や3人を残すのみだが、練習会場は今も変わらぬ沼津市民文化センター地下の手狭なリハーサル室。しばし25年前にタイムスリップしたかのような感傷的な気分に浸る。

しかし時は流れ、吹いていてかつて演奏したという実感が全くない。完全に忘れちまっているという厳しい現実に愕然。

Vtso そして今日練習したもう一曲はシュトラウスの「常動曲」。

この曲を聴いて70年代の山本直純出演の音楽番組「オーケストラがやって来た」のテーマが自然と頭に浮かぶのはおじさんの証拠だ。
練習の合間にこの番組の話題で盛り上がるが、団員の半分ほどは知らない様子。時は流れた。

Vtsyu Vts_hgh 帰宅後「オーケストラがやって来た」の再放送時の録画があったことを思い出し、古いビデオの山を探すこと30分。

ようやく見つけたのは中川良平をゲストに迎えた「ファゴット特集」の回。今から30年前の1977年放送分の再放送だ。番組のテーマとなっていた「常動曲」に合わせて元気に飛び回る山本直純氏も今はない。

YouTubeは若き日のジュリーニ指揮するモーツァルトの40番

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年6月 2日 (火)

村上春樹とヤナーチェク

比較的平穏な5月が過ぎ、6月に入るや否や仕事で重大な穴が発覚。昨年撒かれた種が原因の根が深いものだが、もう過ぎたことは気にせず腹をくくるしかないだろう。

51y0i8mcool__sl500_aa240_ 村上春樹の「1Q84」が異様な売れ行きだ。

「窓際のとっとちゃん」の750万部は無理としても、2巻で100万部達成は時間の問題だという。こうなると社会現象化して村上春樹に馴染みのない人も本屋に走る。

本日、頼みもしないのに馴染みの本屋さんが(気を利かせて?)職場の自分の所に「1Q84」2巻を持って来た。
見開いた最初のページ、いきなりタクシーの中でヤナーチェクの「シンフォニエッタ」が流れているという、意表をついた開始に驚く。

作中で、ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」の冒頭と言い当てる人が「ほとんどいない」と主人公に語らせるほど、ヤナーチェクという作曲家は一般には知られていない。
だが、これをきっかけに20世紀を代表する大作曲家の一人であるヤナーチェクの名は多少広がっていくのかもしれない。

第2巻をパラパラとめくっているうちに、セル指揮クリーヴランド管の演奏のレコードの話まで出てきた。へぇーーこれは読むしかないな。

P1010661 というわけで、今日はセル&クリーヴランド管による「シンフォニエッタ」を聴く。手持ちはソニーから出ていたLPで、もう30年近く前の学生時代に購入したもの。

嚠喨と響きわたる14本のトランペットやテナーチューバによるファンファーレの輝かしい音に圧倒されたのも懐かしい思い出だ。

この頃はヤナーチェクに凝っていて、前後してアンチェル&チェコフィルのLPも購入している。
P1010663 多少楽天的なセルに比べ、鬼気迫るような緊張感漂うアンチェル盤。
今の自分には、セルよりもアンチェルの気分。



YouTubeは、ジョン・ウオーレスや日本の田宮堅二ら、世界的なトランペット奏者たちによる「シンフォニエッタ」冒頭

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年6月 1日 (月)

スーザン・ボイル

Talent 5月30日におこなわれた英ITVのオーディション番組「Britain's Got Talent」http://talent.itv.com/の決勝で、話題のスーザン・ボイルが大方の予想に反し二位となった。

48歳の普通のおばさんの外見と驚異的な美声とのアンバランスに全世界が驚愕した予選の模様を収めたYouTubeは、全世界で一億を超えるアクセスがあったという。

この予選の模様は何度見ても感動させられる純粋さがあった。http://www.youtube.com/watch?v=1t8m7CkpIK0&feature=PlayList&p=8D33993014D5486C&index=26

だが、朝のワイドショーでちょっと放送されたボイルの決勝の歌唱は、天性の美声はそのままだが、ちょっと練りすぎたうまさが前面に出すぎているように思う。
このところが視聴者の投票に微妙に影響したのかもしれない。難しいものだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年5月 | トップページ | 2009年7月 »