村上春樹とヤナーチェク
比較的平穏な5月が過ぎ、6月に入るや否や仕事で重大な穴が発覚。昨年撒かれた種が原因の根が深いものだが、もう過ぎたことは気にせず腹をくくるしかないだろう。
村上春樹の「1Q84」が異様な売れ行きだ。
「窓際のとっとちゃん」の750万部は無理としても、2巻で100万部達成は時間の問題だという。こうなると社会現象化して村上春樹に馴染みのない人も本屋に走る。
本日、頼みもしないのに馴染みの本屋さんが(気を利かせて?)職場の自分の所に「1Q84」2巻を持って来た。
見開いた最初のページ、いきなりタクシーの中でヤナーチェクの「シンフォニエッタ」が流れているという、意表をついた開始に驚く。
作中で、ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」の冒頭と言い当てる人が「ほとんどいない」と主人公に語らせるほど、ヤナーチェクという作曲家は一般には知られていない。
だが、これをきっかけに20世紀を代表する大作曲家の一人であるヤナーチェクの名は多少広がっていくのかもしれない。
第2巻をパラパラとめくっているうちに、セル指揮クリーヴランド管の演奏のレコードの話まで出てきた。へぇーーこれは読むしかないな。
というわけで、今日はセル&クリーヴランド管による「シンフォニエッタ」を聴く。手持ちはソニーから出ていたLPで、もう30年近く前の学生時代に購入したもの。
嚠喨と響きわたる14本のトランペットやテナーチューバによるファンファーレの輝かしい音に圧倒されたのも懐かしい思い出だ。
この頃はヤナーチェクに凝っていて、前後してアンチェル&チェコフィルのLPも購入している。
多少楽天的なセルに比べ、鬼気迫るような緊張感漂うアンチェル盤。
今の自分には、セルよりもアンチェルの気分。
YouTubeは、ジョン・ウオーレスや日本の田宮堅二ら、世界的なトランペット奏者たちによる「シンフォニエッタ」冒頭
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