リステンパルト、二つのモーツァルト
梅雨の合間の晴れた一日。今日はバッハや古典派の曲で良い演奏を聴かせたカール・リステンパルトのモーツァルトを聴く。
リステンパルトのモーツァルト録音は数多いが、今日はヴァイオリン協奏曲第3番を二人の異なる独奏者で振リ分けた演奏。オケは両方ともリステンパルトの主兵ザール放送管弦楽団。 一枚目は、ゲオルグ・フリードリヒ・ヘンデルのヴァイオリンのエラート盤。がっしりとした構成の、いかにも独逸風のいかつい四角四面のモーツァルトだ。
リステンパルトも硬質で質朴な伴奏を付けている。このLPにはK373のロンドと、ハフナーセレナーデの第2、3,4楽章を取り出しヴァイオリン協奏曲ト長調とした曲のカップリング。
リステンパルトには「ハフナーセレナーデ」の全曲録音もあるが、こちらは別録音で、オーボエをフルートに変えトランペットを編成から除いている。 もう一枚は、ストックホルム生まれのロシア系のヴァイオリニスト、Paul Makanowitzky のヴァイオリン演奏で、クラブ・フランス・ドゥ・ディスク原盤のノンサッチ盤LP.
Makanowitzky は、パールマンやチョンキョンファを育てた名教師ガラミアンに4才の時から師事し、最初はフランスを中心に活躍していたらしい。第二次世界大戦中にはB24の機関銃手として従軍し、ルーマニアで撃墜され捕虜になったりしている。
戦後はソリストに復帰しその後ジュリアードやカーチス音楽院で教師となっていた。桐朋音楽大学にも招かれている。
ところでMakanowitzkyのモーツァルト。これが艶やかな音と自由にテンポを動かした天駆けるような演奏で非常な感銘を受けた。
リステンパルトもソロと完全に同化した天衣無縫のモーツァルトを聞かせてくれる。
YouTube は、ローマ法王の80歳バースディコンサートのヒラリー・ハーンのヴァイオリンによるモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第3番。
伴奏指揮はドウダメルという豪華なもの
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