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2009年7月に作成された記事

2009年7月31日 (金)

カラヤン、40代のモーツァルト

昨晩から職場に大きな問題があり、明日も夜までかかる仕事となってしまった。本来ならば上の娘の高校の吹奏楽コンクール東部予選に行きたいところだが、今の状態では絶望的だ。

先日カラヤンのフィルハーモニア管時代のポンキエルリを聴いてから、今更ながらカラヤンという指揮者を真剣に聴きたいと思い始めている。

カラヤンの演奏スタイルは、若い頃から一見不変のようでいて、節目節目で大きく変貌していったように思う。

今日は第二次世界大戦終了後まもない頃の1946年、名プロデユーサー、ワルター・レッゲの尽力で実現したウィーンフィルとの録音を聴く。

P1010725 聴いたのは東芝EMIのLPで、モーツァルトの歌劇「フィガロの結婚」と「魔笛」の二つの序曲に、プッチーニの歌劇「マノンレスコー」間奏曲。そしてシュワルツコップのソプラノで「ジャンニ・スキッキ」から「私のお父さん」の4曲。

「魔笛」序曲と「マノンレスコー」はカラヤンが何度となく好んで録音した曲だが「フィガロの結婚」序曲は単独ではこの録音のみ。「ジャンニスキッキ」もこれが唯一の録音だ。

澱みなく流れる颯爽としたモーツァルトに、音楽への慈しみの心が自然に伝わってくるプッチーニ。いずれも70年代以降のカラヤンからは聴かれなくなった音楽。

YouTube はカラヤンの振るバッハの「マニフィカト」。6本のオーボエのユニゾンが聴きもの。

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2009年7月30日 (木)

選曲会議

本日、所要で一日東京。今日の東京は非常に蒸し暑く、外にいるとじっとしていても汗がダラダラ状態。

いつもならば、帰りにお茶の水ディスクユニオンや渋谷のレコファンあたりを冷やかすのだが、今日はとてもその余裕がなかったのと、なぜかかつてのような音盤漁りのテンションが上がらず、どこにも寄らずに帰宅。

どうも前向きな好奇心とチャレンジ精神の後退を感じる今日このごろ。

夜はオケの練習日なので、夕食を済ませ練習会場に向かう途中に一日空けていた職場に立ち寄ってみる。

決裁待ちの書類の重要なものだけちょいと目を通しておくつもりで寄ってみたが、いろいろと問題があり、10時までかかってしまい結局練習には出れずじまい。

だが今日は、来年の定演の候補曲を皆のアンケート結果から絞り込むパートトップを集めての選曲会議。何とかおっとり刀で駆けつけると、会議は候補の3曲を決めるのに膠着状態となっていた。

候補曲は変わりばえのないいつもの顔ぶれだが、常に候補に上がるブルックナーの扱いで行き詰っているらしい。

昨年はワーグナーチューバの問題でホルンパートが難色を示したので流れたが、今年は希望票数も多く、2年続けてホルンが拒否するのも気が引けたのでホルンとしては意見を保留。
だが、ブルックナーに対しての自分としての意見は述べさせていただいた。

そして残った5曲から3曲を絞るのに最終的に挙手で決定することに。

候補の5曲は、チェイコの5番、シェエラザード、シューマンの「ライン」ブルックナーの第7番にフランクの交響曲というもの。

そして結果は、チャイコ、シューマン、フランクの3曲
ロシアものと独墺ものにフランスが1曲というまぁバランスが取れた組み合わせとなった。

あれだけ意見が出たブルックナーは5曲中最下位。いったい何だったの?
この3曲から団員全員投票で、来年の定演のメインが決まる。

YouTube はヨッフム&コンセルトヘボウ管の来日公演でのブルックナーの第7番。これは実演で聴きました。

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2009年7月29日 (水)

静岡県吹奏楽コンクール東部大会

あい変わらずの曇天模様。昨日は代休を取り、下の娘の出る中学校吹奏楽コンクール東部大会へ。

プログラムを見ると今年でちょうど第50回だという。自分が中学校時代の30年前の吹奏楽コンクールプログラムは、わら半紙にガリ版刷りだったのを覚えている。当時の出場校は10数校ほど。
今ではA編成だけで24校、B、Cの小編成校を加えると県東部だけで50校を超える盛況ぶりだ。

会場の裾野市民文化センターに着くと駐車場は満車で、やむなく近くの商工会議所へ駐車。ホールでは娘の出番の直前の学校の課題曲が始まるところだった。

この学校の自由曲は、ショスタコーヴィチの子供用オペレッタ「モスクワ・チェリョームシキ」からというもの。この曲は今年の流行らしく、プログラムには数校が取り上げている。これがなかなか水準が高い。

そしていよいよ娘の出る中学校の登場。自由曲はネリベルの「交響的断章」。吹奏楽の世界では古典的な名曲と言って良いだろう。

舞台に登場した若い女性顧問の先生の表情はさすがに緊張気味。だいじょうぶだろうか?と心配しているうちに課題曲が始まった。

中学生らしい音の不安定さはあるが、先週のホール練習にくらべるとずっと良い。ネリベルも大きな破綻もなく慎重に進んでいく。先生の指揮もきっちり正確に振っていた。よほど研究したのだろう。
キチンとまとまった良い演奏だった。

そして次の学校は、全国大会出場経験もある古豪富士宮第一中。自由曲はコープランドの「エル・サロンメヒコ」。
これはちょっと他校とは次元の違う演奏だった。特にクラリネットセクションはお見事。よほど著名な指導者の個別指導を受けたのだろう。

娘の学校帰着は夜の8時。そして結果を聞くと9位で銀賞だったという。上位7校までが金賞で県大会出場。だが昨年に比べると格段の進歩だ。同時に出ていた姪の学校は県大会出場を決めていた。

P1010726 今日はカラヤンのシャブリエを聴いた。曲は狂詩曲「スペイン」と「楽しい行進曲」。
フィルハーモニア管を振った「プロムナード・コンサート」というアルバム中の収録で、カラヤンは全く同じ曲目でモノラルとステレオの二つのアルバムを残しているが、今日聴いたのは1955年録音のモノラル盤。

冴えたリズム感と颯爽としたテンポ、フィルハーモニア管のアンサンブルも極上だ。「楽しい行進曲」で嚠喨と吹き鳴らされるホルンはデニス・ブレインではなかろうか。

YouTubeはプレートルの振るシャブリエの狂詩曲「スペイン」

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2009年7月27日 (月)

ブリスのチェックメイト

やっかいな梅雨前線が居座り日本中に被害を広げている。今日は朝から強い雨。

昨年からの長期プロジェクトの軌道修正のため、朝から外部業者を呼び細部の打ち合わせで一日を費やす。
お昼に、東京で講習を受けている娘から電話が入ってきた。友人も出来、それなりに充実した時間を過ごしているようだ。

P1010721 今日は20世紀イギリスの作曲家、アーサー・ブリスの作品のLP2枚分を聴く。
ひとつは、バレー組曲「チェックメイト」、パーセルの劇場作品の近代オケ版編曲の組曲、そしてヘンデルの「水上の音楽」をベインズが編曲したものをブリスが振っているもの。

オケはシンフォニア・オブ・ロンドン。

P1010722 もう一枚は、「アメリカの民衆のために」という副題が付いているピアノ協奏曲。演奏はトレヴァー・バーナードのピアノにサージェント指揮のフィルハーモニア管。

2枚とも東芝EMIが出していた国内盤LPで、続き番号なので同時期に出たものだろう。

とても売れそうもないこんな曲のレコードを、良く出したなぁというのが正直なところ。当時のレコード会社の心意気の感じられる音盤。

ブリスの作品は、穏健で親しみやすいが、いまひとつ強烈なインパクトに欠ける。
LP1枚分の大作、ピアノ協奏曲はモロにラフマニノフの影響を受けていて、ラフマニノフの5番目の協奏曲と言われても通用するほどだ。

バーナードというイギリスのピアニストはブリスのスペシャリストだと解説には書いてあったが、今でも演奏活動を続けているのだろうか。

P1010716 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、バルビローリ&南西ドイツ放送響のライヴの感想をアップしました。1970年バルビローリ最後の年の演奏。

http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

YouTube は古楽器による「水上の音楽」

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2009年7月26日 (日)

ペーター=ルーカス・グラーフのフルート

昨日、今日と沼津の夏祭り。昨日は風もあり昼間は時折雨が降ったりしていたが今日は良く晴れた。

今日から四日ほど、上の娘は大学受験のための講習会に参加するために上京する。朝一番の新幹線に乗るために同行する家内と二人を5時前に駅まで送る。宿は世田谷の叔母の家。

久しぶりに晴れた日曜なので、いろいろと家の雑事を片付けるうちに、一日が終わってしまった。休日の一日のなんと短いことか。

Fw0508_01 夜の10時過ぎに、娘を置いて東京から帰って来る家内を沼津駅まで迎えに行くと沼津の繁華街は祭りの後。
露天商は皆片付けの真っ最中で、歩道は一面ゴミの山。
浴衣を着た若いカップルが車道を平気で横切るので、車がなかなか前に進まない。交通整理のお巡りさんが注意するが一向に気にせぬ様子。

今日の「題名のない音楽会」はスイスの名フルーティスト、ペーター=ルーカス・グラーフを招いての巻。http://dogatch.jp/variety_music/daimei/
ゲストは脳科学者の茂木健一郎、能管の福原徹という豪華なもの。

F79b3a5e0f6bbc7d2ab0afccd24045bf グラーフの名がスイスのクラーヴェスレーベルのレコードで一般に知られ始めたのは70年代からだったと思う。
それまでは、ランパルやニコレといった著名フルーティストに比べなじみが薄かったが、レコードが出回り始めるとたちまち大家の扱いになっていった。

今日の番組では、指揮者の佐渡裕の憧れの存在としての扱いで、ドビュッシーの「シリンクス」、「精霊の踊り」、モーツァルトのフルート協奏曲第一番の終楽章を演奏した。

とても80歳とは思えない矍鑠とした姿、キリッとした姿勢のよさと端正なスタイル。そのフルート演奏は、テレビの音声を通じても次元を超えた凄さが伝わってくる。

グラーフが若い頃に接したフルトヴェングラーのリハーサルの話は、実際に体験したものでなければ語ることができない話で非常に興味深かった。

福原徹の能管もグラーフの笛に負けていない。

YouTube はエマニュエル・パユの吹くモーツァルト

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2009年7月24日 (金)

ケックランのフルート作品集

曇りのち雨、夜から時々強し。 今朝は高校野球の応援に行く娘を駅まで送るために4時半起床。結局雨で順延となり明日もまた早起きを強いられそうだ。

昨年の大きなプロジェクトの最初の結果が出る日だったが、予想外によくない。というよりも結果は良いのだが、当初設定されていた比較の対象の数字が高すぎて目標値に達していない。
これは大きな軌道修正が必要だ。どうも今年最大のピンチになる予感。

あまり気にしてもしょうがないので、夕方から吹奏楽コンクールに向けて職場近くのホールで練習している下の娘の様子を覗いてみる。

娘の通う中学の吹奏楽部は、自分の頃から最近まで県大会出場の常連の古豪だったが、ここ数年不振が続いている。
今年新たに顧問となった若い女性教師は、吹奏楽に関しては全くのシロート。
指導のため来ている外部講師は古くからの顔見知り合いだが、コンクール本番は顧問が振らなければならない。

今日も指導は講師に任せきりで顧問は客席でスコアを眺めているのみ。練習の最後にようやく課題曲を振り始めたのだが、指揮は子供たちの演奏の後から付いていくような棒。しかも三拍目の振りが長すぎて、だんだんとテンポが落ちてきた。

うーむ。慣れない吹奏楽を指導しなければならなくなった立場は同情するが、このままでは今まで練習していた子供たちがかわいそうだ。

帰宅後ヤフオクで落としたCDが届いていた。いずれも業者さんの出品だったので新品。

P1010723 一枚はアメリカの作曲家、ロイ・ハリスの交響曲第8、9番。
ダビッド・アラン・ミラー指揮のアルバニー響という米アルバニーのCD。

アルバニーはマーラー版のベートーヴェンの交響曲録音など、他のレーベルが手を出さないような曲の録音が多いがこの2曲も世界初録音。今までの経験上、曲はともかくこのレーベルの演奏者にはあまり期待していない。

P1010720 もう一枚はフランスのシャルル・ケックランのフルート作品集。
演奏はボストン響の二人の奏者、F.SmithとL.Buyseによるもので、こちらは独ヘリオスのCD.

この中から「フルートとピアノのための14の小品」を聴いてみたが、アルカイックで神秘的な気品のある旋律に満ちた素晴らしい曲の数々に時の経つのを忘れてしまった。演奏も非常に良い。

YouTube はケックランのピアノための16の小品

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2009年7月23日 (木)

カラヤンのポンキエルリ

今週の水曜は一ヶ月ぶりの4人の仲間のボエームの会。
金曜の晩が定例となっていたが、メンバーの一人が金曜が都合がつかぬことになり、今Front_mini 回は水曜の開催となった。場所はいつもの割烹「はちまき」。

今回のお楽しみ料理は、アサリの冷製茶碗蒸しに、金目鯛丸ごとの煮付けというもの。いつもながらさりげない一品に料理人の腕が冴える逸品だ。

E98791e79baee381aee785aee4bb98e3819 9cag04oi6camlr6ducau5jv17ca1tbdt2ca あいにくの天気の観測だったようだが、皆既日食に引っ掛け、お酒は種子島の芋焼酎「久耀」。ほどよく脂の乗った金目によく合う熟成されたまろやかなお酒。

そして二次会はいつものプライベートバーで、前回自分が持参したグラッパ「マァジ」を今回はソーダ割る。あいかわKuyou1 らず個性の強いアルコール度の高い酒に、お馴染みのクレバーな女性を交えての会話も楽しくほどよく酔いは周る。

明けて木曜は昨年度事業の監査の日。特に問題もなく無事終了し、8時には三週間ぶりにオケの練習に参加する。

今は秋におこなう友の会コンサートのための練習が始まっている。
曲は、プロコフィエフの「ロメオとジュリエット」に続き、ポンキエルリの「時の踊り」。

9分前後の短い曲でありながら、いつも異常に長く感じて退屈してしまう正直なところ苦手な曲だ。自分で演奏していても、やはり奇跡が起きる訳でもない。

帰宅後、とりあえず好きになるために聴いてみた。

古くはトスカニーニから、ケンペ、サヴァリッシュ、ホルスト・シュタインなどなど、なぜか手持ちは独墺系の名指揮者の演奏が多いのが不思議。

P1010719 だが、この手の曲となるとやはりカラヤンだろう。カラヤンは「時の踊り」を実に3回も録音している。
取り出したのは、一回目録音のフィルハーモニア管を振った日本コロンビア製モノラルLP。

モノラルながら録音は鮮明、多少俗っぽいこのような小品を振らせるとカラヤンは実に良い。オケも極上の出来。これならば楽しめる。

YouTube はポンキエルリの歌劇「ラ・ジョコンダ」全曲から時の踊りの部分。

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2009年7月21日 (火)

ハヴィコーヴァのショスタコーヴィチ

曇り時々雨。山口県の土砂災害に衆議院の解散といった大きなニュースのあった一日。せめて明日の皆既日食は晴れて欲しいものだ。

P1010669 スロヴァキアのピアニスト、クララ・ハヴィコーヴァの弾くショスタコーヴィチの24の前奏曲を聴く。

チェコ スプラフォン原盤の米クロスロードLP。

ピアニストについては1931年生まれという他はよくわからない。地元では比較的多くの録音があるようだ。

ショスタコーヴィチのこの曲は好きな曲で、ある程度のピアニストの演奏ならば大概満足する。 ハヴィコーヴァの演奏は音色の変化が乏しく多少単調だが、確かなテクニックを持つピアニストのようだ。

P1010717 もう一枚は、今年生誕150年の記念の年となった、イッポリトフ・イワーノフの組曲「コーカサスの風景」。
演奏はアブラヴァネル指揮のユタ響によるヴァンガード盤CD.

いわば素朴でシンプルな標題音楽。民謡的な素材をそのままオーケストレーションしたような曲だが、第2曲「村にて」が黒澤明の「夢」で非常に効果的に使われていた。 アブラヴァネルの演奏は、通俗的でないところが非常に良い。

YouTube は、キース・ジャレットの弾くショスタコーヴィチ

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2009年7月20日 (月)

シドン&ダウンズのガーシュイン

西日本では大雨が降ったり突風が吹いたりして被害が出ているが、こちらは比較的穏やかな一日。

この三連休で結局三日休めたのは我が家では家内のみ。娘たちは数日後に迫った吹奏楽コンクールの練習に忙しく。特に上の娘は一、二回戦と勝ち進んでいる高校野球の応援にも駆り出され、日焼けがますます進行。自分は今日も仕事でした。

イギリスの指揮者ダウンズが、末期がんの奥さんとともにスイスで亡くなった。このニュースはイギリスでかなり大きな事件として取り上げられている。http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090715-00000094-jij-int
http://www.gramophone.net/Page/View/257/Obituary%3A%20Sir%20Edward%20Downes

P1010719 ダウンズの音盤はあまり手元にないが、アルゲリッチと同年生まれのブラジルのピアニスト、ロベルト・シドンのピアノでガーシュインのへ調のピアノ協奏曲を聴く。

鋼鉄のような硬質な音のシドンのピアノに、ダウンズは良い伴奏を付けていた。

YouTube はダウンズ指揮のヴェルディの歌劇「ステッフェリオ」序曲

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2009年7月19日 (日)

スヴェトラーノフのバラキレフ

巷の三連休をよそに丸一日職場にこもりきりの不健康な一日。

2catwjvcaca71pwz5caxf2x1ecag1mrucca 今日は土用の丑の日ということで昨日から近くの鰻屋「うなよし」は、かなりの混雑。http://r.tabelog.com/shizuoka/A2205/A220501/22000869/
ご近所でいつでも行けるし、あえて混む日に行くことはないな と思いながらも書いているうちに鰻がたべたくなってきた。

今日はロシア五人組の中で、唯一職業音楽家として出発したバラキレフの管弦楽曲を聴く。

P1010713 五人組の中では指導的な存在だったというバラキレフだが、ボロディン、リムスキー・コルサコフ、ムソルグスキーの3人に比べると、もう一人のキュイほどではないが影が薄い。

比較的知られているのは、難曲で知られるピアノ曲「イスメライ」がある程度。

今日はスヴェトラーノフがソビエト国立響を振ったLPから、交響詩「タマール」、交響詩「古代ロシア」、3つのロシアの歌による序曲の3曲を聴いた。

いずれもバラキレフが採取したロシア民謡を素材にしたもの。特に序曲は、チャイコフスキーの交響曲第4番のフィナーレとストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」で使われていた素材と同じものだ。
正直なところスヴェトラーノフを持ってしても曲のつまらなさを充分にカバーしきれていないようだ。

この3曲では、リムスキー・コルサコフの「シェエラザード」に影響を与えたと言われる「タマール」は楽しめた。

P1010715 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、バルビローリ&ボストン響のライヴの感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

YouTube はスヴェトラーノフ指揮のバラキレフの交響曲第2番

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2009年7月18日 (土)

岩城宏之のベルリオーズ

はっきりしない雨模様の休日。このところの高温多雨のため庭の雑草の生長が早く、今日はつかの間の晴れ間に草むしり。

娘二人は受験を控えているものの、間近に迫った吹奏楽コンクールに勉強どころではない様子。親としては困ったものだが、コンクールへの仕上がり具合も気になってしまう。特に今年顧問が変わった下の娘の学校が心配だ。

P1010714 今日は岩城宏之の「幻想交響曲」を聴く。

聴いたのは、札幌交響楽団創立20周年の1981年の定演のライヴで、最近タワーレコードから復活した山田一雄の未完のベートーヴェン交響曲全集などを出していた札幌のマイナーレーベルのFANDANGOのCD。

この頃の岩城弘之は札幌交響楽団の音楽監督で、ファゴットの戸沢宗雄、ホルンの窪田克己、トランペットの杉木峰夫ら日本を代表する奏者を擁した札響も黄金時代を迎えていた。

そのころ北海道で学生生活を送っていた自分は、このコンビの実演に何度か接することができた。 この「幻想交響曲」を最初に聴いた時、透明で爽やかな札響独特の音に当時の事が自然に頭に浮かんできて懐かしくなった。
音や匂いは彼方の記憶を呼び戻す作用があるようだ。

この演奏は、幻想を得意としていた岩城宏之らしいパンチの効いたもので、当時上り調子にあった札響の最良の姿を記録した貴重な名演。

YouTube は、ジュリアードの学生オケを振ったコリン・デーヴィスの幻想交響曲

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2009年7月17日 (金)

アーノンクールの「フィデリオ」

曇り時々雨。巷は3連休だが、休めそうなのは一日だけだ。

もう少し仕事を振り分けたいところだが、手持ちの駒はそれぞれ仕事を抱え手一杯といったところ。

本日部下の一人から仕事の相談を受ける。最近飛ばしすぎで気にはなっていたのだが、いささかオーバーーヒート気味となり手詰まりとなってしまったようだ。とにかく自分ひとりで抱え込む愚を諭し、暫定的に彼の仕事の一部を見てやることにする。

049 今日はベートーヴェン唯一のオペラ、「フィデリオ」のDVDを視た。アーノンクール率いるチューリヒ歌劇場のメンバーによる2004年の公演の記録。

鋭角的なアーノンクールの指揮に対してユルゲン・フリムの演出は簡素でいてオーソドクス、ヒューマンな人間ドラマとして構成した現代的なもの。

実力派揃いの歌手達は、リアリティのある真摯な演技で非常に水準が高い。ベートーヴェンの生真面目な音楽をがっちりと構成豊かに楽しませてくれる。

YouTubeはそのアーノンクール&チューリヒ歌劇場の「フィデリオ」序曲

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2009年7月15日 (水)

カセイ&トウルノフスキーのラヴェル

自分のパソコンは、購入後5年を超えるNECのデスクトップXPマシンだが、ここ三年ほど夏になると突然落ちたりする現象が頻発している。
本体に触れるとかなり熱いので、過熱による熱暴走だと思うのだがよくわからない。

昨年はとうとう電源も入らなくなってしまい大修理を敢行。結局安いパソコンが買えるほどの金額がかかったが、メモリーも増設してそれなりに快適に使っていた。
まぁVista は使わずに次はウィンドウズ7かな、と思っていた矢先、今日になって突然また落ちた。

下の娘がYouTube を見ている時だったが、彼女は先月キーボードにスープをこぼしてオシャカにした前歴があるので、また壊したと思いディスプレイの前で固まっていた。

このパソコンもそろそろ変え時なのだろう。

P1010711 今日はメトで活躍したアメリカのメゾソプラノ、ネッダ・カセイの歌うラヴェルの歌曲集「シェエラザーデ」聴く。

伴奏はマルティン・トウルノフスキ指揮のプラハ室内管で、カップリングはショーソンの「愛と海の詩」。チェコスプラフォンのLP。

395x347124736 この演奏は、VAIから「ネッダ・カセイの肖像」としてCDでも出ている。

購入のお目当ては名匠トウルノフスキーの指揮だったが、可憐で気品のあるカセイの歌声が素晴らしい。

色彩豊かでありながら適度に控えめな伴奏もさすがだ。

YouTube はM.ホーンの歌う「シェエラザーデ」第3曲。
伴奏はバーンスタイン

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2009年7月14日 (火)

スヴェトラーノフのラフマニノフ

梅雨も明けとにかく蒸し暑い。外にでると体が溶けるようだ。
混迷する永田町ももはや完全メルトダウン状態。

この暑さついでに、今日はスヴェトラーノフの重量級のラフマニノフを聴く。

P1010712 P1010714 聴いたのはロシアメロディア原盤の国内LPで、スクリヤービンの「法悦の詩」とのカップリングとなった交響詩「死の島」。
そして「ロスティスラフ王」、「岩」、有名な「ヴォカリーズ」のオーケストラ版という三曲が収録されたロシアメロディアの外盤LP。

スイスの画家ベックリンの同名の絵画に触発されて作曲された「死の島」は、暗く澱んだ波の音を表す8分の5拍240pxarnold_bc3b6cklin_006 子の不安な響きに乗り、ホルン6本3管の大編成の厚いオーケストラの響きがひたひたと押し寄せては引いていく。

一転して「ヴォカリーズ」は甘く哀愁漂うラフマニノフの世界。

P1010706 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、バルビローリ&ロイヤルフィルの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

YouTube はギーレン指揮するラフマニノフの「死の島」

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2009年7月13日 (月)

イワーノフの「アンタール」

未だ梅雨は明けないが週の始まりも暑かった。

Win_franc_s 北海道の親戚から函館カール・レイモンのソーセージをいただいた。
http://www.raymon.co.jp/carlraymon/index.html

私が学生時代はレイモンさんはまだご存命で、なかなか手に入らなかったがドイツ仕込みの本物のソーセージの味は今でも忘れられない。
大メーカーのソーセージとは、次元の違う味を家族で堪能。

P1010709 リムスキー・コルサコフの交響組曲「アンタール」を聴く。
演奏はコンスタンチン・イワーノフのモスクワ放送響。メロディア原盤の東芝から出ていたLP。

一時交響曲第2番として発表されたが、何度か改訂されて、結局交響組曲となった曲。いわば「シェヘラザード」の姉妹曲みたいなものだ。

イワーノフは、ムラヴィンスキーと指揮者コンクールで一位を分け合ったというものの、ほんまかいな、というのが正直なところ。

この演奏は、軍楽隊調の野暮ったいくらいのロシア色丸出しの演奏だ。このようなタイプがもてはやされた時期もあったのだろう。誠実さには共感を抱くものの時代は変わった。

YouTube はゲルギエフの「シェヘラザード」

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2009年7月12日 (日)

マリオ・ロッシの「シェヘラザード」

今日は早朝4時半に起こされ、高校野球の応援に行く上の娘を駅まで送る。
通常ならば帰宅後そのまま再び寝るところだが、本日町内の地蔵尊のお祭り日。今年は役員でもあり、そのまま準備に入る。幸い天気も良い。

自分の担当は焼き鳥。祭りの開始は13時半だが、仲間四人と10時頃から本格的な準備開始。今回のノルマは千本。

Photo 最初は炭火が強すぎ、串の根元が焼け落ちて商品にならぬものが続出。 焼け落ちた出来損ないは、試食と称して自然と皆の腹の中。

缶ビール片手に、日頃話す機会の少ないご近所の同輩とバカ話しをしながら焼き鳥を焼くのもよいものだ。やがて次第に慣れてそれなりに量産体制となる。

だが、千本ともなるとさすがに多い。時間が経つにつれて皆無口になってきた。そして炎天下に汗をかきながら炭火の前に立つこと3時間余。

全て焼き終わったのはお祭り開始の13時30分ちょうど。くたくたに疲れビールの酔いも全身に回り、テント内にしゃがみこんでいるうちに1本80円の焼き鳥は飛ぶように売れ、一時間も経たないうちに完売状態。

そのうち評判のよさに気を良くした町内幹部その他女性達の発案で、秋のお祭りは倍の2千本にすることが決まってしまった。orz

P1010707 帰宅後ほろ酔い気分で聴いたのは、イタリアの名匠マリオ・ロッシの指揮するリムスキー・コルサコフの交響組曲「シェエラザード」。
ヴァンガードへの録音で、手持ちはキングの国内盤LP.
オケはウィーン国立歌劇場管弦楽団。

いわゆる絢爛豪華なアラビアンナイトの世界ではなく、端正で知的に仕上げ、リムスキー・コルサコフのオーケストレーションを冷静な目で音化した大人の演奏だ。 ウィーン風のやわらかなオケの音色も適度な色気があって良い。
コンマスのソロはボスコフスキーだろうか。

P1010708 もう一枚、マリオ・ロッシが同じオケを振ったヴィヴァルディの「調和の霊感」全曲からお気に入りの第8番を聴く。
こちらのLPにはソリストとして、トマソウとボスコフスキーの名がクレジットされている。

YouTube は、ギリシャの名歌手タチアナ・トロヤヌスが歌うラヴェルの歌曲集「シェヘラザーデ」から

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2009年7月11日 (土)

マウエルスベルガー兄弟の「マタイ受難曲」

今日も一日出勤だが、冷房が効いて過ごしやすいのが唯一の救い。明日は町内のお祭りがあり、役員として焼き鳥を焼くことになっている。

帰宅後聴いたのはバッハの「マタイ受難曲」。一年に一度聴くかどうかの大曲だが、なぜか冒頭の「来たれ、娘たちよ、われとともに嘆け」が聴きたくなった。

「マタイ」では1939年のメンゲルベルクの聴衆のすすり泣き入りのライヴが有名だが、今日取り出したのは1970年録音のオイロディスク盤LP4枚組。

P1010527 ドレスデンの聖十字架教会合唱団のカントール(音楽監督)だったルドルフ・マウエルベルガーが総指揮を取り、「マタイ」が初演されたライプツィヒ聖トーマス教会のカントールである弟のエルンスト・マウエルスベルガーも加わる。
オケは、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管。ソロはペーター・シュライヤー、テオ・アダムそのほかの旧東ドイツ音楽陣の総力をあげた名盤。

神への敬虔な祈りとバッハへの深い畏敬の念が、素朴で純な響きから自然に立ち上ってくる。

心洗われる名演に感動しているうちに、LP2枚目の途中で深い眠りに落ちてしまいました。

Youtubeはカール・リヒターの「マタイ受難曲」

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2009年7月 9日 (木)

シュワルツコップのモーツァルト・オペラアリア集

相変わらず曇ったはっきりせぬ一日。仕事は週のうち二日休めることはめったにないけれど、昨年に比べれば天国みたいなもの。

今日はオケの練習日だが、行ってみて弦楽器中心の分奏日だということに気が付いた。しばらく次の友の会コンサートの話し合いに加わった後、文化センターを後にする。

P1010701 P1010705 今日は20世紀を代表する名ソプラノシュワルツコップの歌うモーツァルト・オペラアリア集を聴く。手持ちは米エンジェルのLPと国内盤LP。

1952年録音の、シュワルツコップ37歳の録音。個別のアリアではもっと優れた全曲盤もあるが、やはり気品のある凛とした歌唱は他の追随を許さぬものだ。

モノラル録音ながらも市場で常に現役であった名盤。
プリッチャード&フィルハーモニア管の伴奏も穏健ながら良い出来だ。

P1010703 P1010704 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、バルビローリ&ハレ管
によるステレオの再録音の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

YouTubeは「ドンジョバンニ」から。シュワルツコップが歌う「ぶってよマゼット」

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2009年7月 8日 (水)

水野信行の「ロマンティッシュ・ホルンムジーク」

今年も健康診断の季節がやってきた。

昨年は一日平均睡眠時間4時間の日が半年近く続いた不規則な生活が祟り、コレステロールに加え血糖値も危険信号という惨憺たる結果。

再受診したかかりつけのお医者さんには「このままでは大変なことになりますよ」脅され、暮れにはダイエットに挑戦し、8キロの減量に成功したものの(外観はほとんど変わらなかったのが悲しい) 結局長続きはせず、4月以降はリバウンドのため全てがパァとなり逆戻り。
ここ数日仕事も落ち着き始めたので、再びダイエットに挑戦することにする。

先週、娘のピアノのレッスン合間に立ち寄ったブックオフで久しぶりにCDを購入。大不況の影響というわけでもないが、最近音盤購入の意欲が萎え実に二ヶ月ぶり。

P1010697 買ったのはバンベルク響で24年間首席ホルン奏者だった水野信行さんの「ロマンティッシュ・ホルンムジーク」。

ブラームスのホルントリオを中心に、シューマンの「アダージョとアレグロ」、デユカスの「ヴィラネル」などのホルン吹きには定番ともいえる名曲に加え、ビュッセルの「カントゥコール」やフランツ・シュトラススの「ノクターン」などの珍しい曲も入っている。

以前から欲しかったアルバムだが3千円を超える定価だったので、中古CDを気長に探していた。

P1010708 今日聴いたのはスペインのソプラノ、ビクトリア・ロス・アンヘレスの歌う、メンデルスゾーンやグリーグ、アイルランドの子守唄やお国もののスペインの歌を集めたアルバム。70年代に出ていた国内盤LPから。

美しくも心温まる穏やかな歌声に、澱んだ疲労がふっと消えていくかのようだ。フリューベック・デ・ブルゴスの振るオケも肩の力の抜けた良い伴奏を付けている。

YouTube はロスアンヘレス1989年のバルセロナリサイタルから

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2009年7月 6日 (月)

ノヴァエスのショパン

雨の一日、湿度は高いがさほど暑さは感じない。

P7060060 今日はブラジルの女流ピアニスト、ギヨマール・ノヴァエスのショパンを聴く。

米VOXの3枚組LPで、ソナタ第2番、前奏曲、ワルツ、練習曲を集めたもの。1959年プレスのモノラルLP.

この頃のアメリカのセット物LPによくあるオートチェンジャー対応のLPで、連続再生するために第一面の裏が第6面になっていたりしている。

ウィキペディアにはノヴァエスについて詳細な解説があるものの、自分の感想はこの記述には必ずしも同意しない。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AE%E3%82%AA%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%83%BB%E3%83%8E%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%82%A8%E3%82%B9

確かな技巧、男性的な力強いタッチと黒光りするような艶やかな音色。歌い方はかなり個性的でアクの強いショパン。

この中では、小品よりもソナタのような曲にノヴァエスの本領が伺われるようだ。

YouTube は、ノヴァエスの思い出を語るブラジルのピアニスト、ネルソン・フレイレ。
演奏はノヴァエスの弾くグルック「精霊の踊り」、名演です。

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2009年7月 5日 (日)

パツァークの「冬の旅」

本日は一日出勤し明日の大きな会議の資料作りに追われる。
帰宅後聴いたのはシューベルトの「冬の旅」。

「冬の旅」は苦手な作品で、ホッターやフィッシャー・ディースカウらの名バリトン勢の演奏を聴いてもいまいちピンと来ない。
名盤の誉れ高いホッターの東京ライヴなど、そのあまりの暗さに聴いていて気が滅入るほど。

P1010693 今日聴いたのは、ワルターの歴史的名演「大地の歌」で知られるテノールのユリウス・パツァークにデムスのピアノというウィーンの音楽家によるもの。
手持ちはプライザー原盤の日本コロンビアのLP盤。1964年録音。
パツァークの演奏は、バリトン歌手が通常半音下げて歌っているこの曲を原調通りに歌っている。

この時のパツァークは66歳だったとはいえ高音域はかなり苦しい。
最初に聴いたときは、ある種投げやりの素人のようなヘタクソな歌いっぷりに愕然。

ところが聴いているうちに、このうらぶれた歌唱が「冬の旅」の楽想にぴったりと合っているような気がしてきた。
最後の「辻音楽師」など、凄い。
デムスの伴奏もよい出来だ。

しばらくは他の「冬の旅」は聴けなくなった。

P1010699 P1010700 沼響HPの聴き比べコラム「シベ2を聴く」に、バルビローリ&ハレ管の第1回録音の演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

YouTube は、フィッシャー・ディースカウの「冬の旅」から春のおとずれ

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2009年7月 4日 (土)

ストコフスキーの「ペトルーシュカ」

本日仕事は休みだが、法事に行く母や塾に行く娘を送ったり、明日の県知事選挙の期日前投票に行ったりとなかなか忙しい。夜はピアノのレッスンに通う娘二人を乗せ函南までニ往復。

P1010694 今日はストコフスキーが珍しくベルリンフィルを振った録音を聴く。曲はストラヴィンスキーの「ペトルーシュカ」と「火の鳥」の二つの組曲。

1955年のベルリンフィル初のステレオ録音だという。 米キャピトル原盤の国内のセラフィムの廉価盤LPで、もう30年ほど前に発売されたLPだ。

音は非常に鮮明、「ペトルーシュカ」は、第1部のロシアの踊りから始まり、第3部の「ムーア人の部屋」はごっそりカット。第4部も仮装した人々の所で終結という、はなはだ不可解な抜粋版。
だがベルリンフィルの完璧で重厚なアンサンブルはやはり見事なもの。各所に手を加えたストコフスキーの指揮に十二分に応えている。       

P1010695_3 似たような抜粋は、ストコフスキーの後任としてフィラデルフィア管指揮者になったオーマンディの旧録音もそうだった。

ただしこちらは第1部は全て演奏している。
オーマンディーの再録音は1911年版のオリジナル全曲。こちらは4管の大編成にさらにオーマンディーが手を加えたゴージャスな演奏。

P1010696_2 実演では、フェドセーエフが全盛期のモスクワ放送響を率いて来日した時の凄演が思い出深い。

YouTube は、ゲルギエフ&ロンドン響による「ペトルーシュカ」第4部

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2009年7月 2日 (木)

マッケラスのミヒャエル・ハイドン

N_photo2 昨日は、場所は職場近くの「九十厨」でちょっと早めの暑気払い。http://www.kujyuukuri.jp/index.html
メニューも豊富で比較的リーズナブルな人気店だ。

女性の参加が多かったのでそれなりに華やかに盛り上がり、そのまま近くの居酒屋へ二次会へ突入。三次会まで付き合う内に参加の年齢層はしだいに高くなり、帰宅は1時過ぎ。久しぶりに午前様となってしまった。

明けて今日は朝から雨。遅くなったわりには酒量はさほどではなかったので二日酔いにならず。普段と変わらぬ時間に目が覚め出勤。
職場ではいつもと変わらぬ日常の業務が粛々と進む。

本日のオケの練習は、年に一度の役員改選と会計報告のある総会だが、夕方あたりから仕事が怪しげな気配となってきたので、欠席の可能性有りとの連絡をしておく。結局帰宅は9時近くで参加デキズ。

P1010691 今日は没後200年のヨゼフ・ハイドンの弟、ミヒャエル・ハイドンの交響曲を聴く。
演奏はチャールズ・マッケラス指揮のイギリス室内管による独アルヒーフのLP。

モーツァルトが序奏を書き加えて発表したために、一時モーツァルトの交響曲第37番とされていたト長調交響曲や、トルコ風の趣の交響曲など、古典派のキチンとした様式の中に兄のヨーゼフとは違った個性の光る名品の数々。

40曲前後の交響曲を書いたと言われるミヒャエル・ハイドンの作品には、未だ知られざる名曲が眠っているようだ。

YouTube はモーツァルトの交響曲第37番の序奏と、モーツァルトの遺作「レクイエム」から断片として残されていたアーメン がモンダーが補筆したもの

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