グランシップ「音楽の広場」
朝から雨。今日は静岡グランシップでおこなわれた県内のアマオケのメンバーを中心とした300人のオーケストラによる「音楽の広場」に行って来た。
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午前中は職場に顔を出し仕事を済ませ、昼食も摂らぬまま激しい雨の中沼津駅に向かう。コンサートの開演は午後3時。 指揮は広上淳一に、ゲストとして佐藤しのぶに福田進一といった超メジャーな顔ぶれ。
昨年は「ボレロ」と「惑星」に加え「ノモスガンマ」のような革新的な現代曲が入った過激な演目だったが、今年は親しみやすくバラエティに富んだ名曲特集といった趣。巨大なグランシップ大ホールの客席3,000席も完売状態。
なんといってもアマチュアとはいえ300人のオケ。その威力はめったに聴かれないもの。我が沼響の団員や元団員、エキストラで来てくれる他のオケの面々など知った顔ぶれを見出すのも楽しいものだ。
曲は「ツァラトウストラはかく語りき」の冒頭に始まり、そのまま「美しき青きドナウ」につなげるのは、S.キューブリックの名作「2001年宇宙の旅」のアイディアそのまま。
そしてバッハの「アリア」、「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲のあと、佐藤しのぶの登場でシューベルトの「アヴェマリア」が歌われた。ここでは静岡児童合唱団と青葉会スペリオル合唱団が共演。
佐藤しのぶの退場後、この二つの合唱団によりグレゴリオ聖歌とおぼしきアカペラ宗教曲とモーツァルトの「アヴェ・ヴェルムコルプス」が歌われた。
これが非常に良かった。このモーツァルト最晩年の名作は、著名な演奏家の演奏でも、不思議と名演にお目にかかれないが、今日の演奏は技術的にも非常に水準が高く、真摯に音楽に対峙する姿勢と児童合唱の純な歌声が、自然に深い感動を誘っていた。
「威風堂々」で前半を締めくくった後に、後半は組曲「火の鳥」の後半3曲で始まりに、福田進一を迎えてのギター曲など実に盛りだくさん。
後半のメインは佐藤しのぶが再び登場して「カルメン」組曲抜粋に歌つき「ハバネラ」などなど。最後は「フィンランディア」で壮大なフィナーレ。
途中でインタビューが入ったとはいえ実に3時間になんなんとする演奏者も曲目もボリューム満点なコンサート。
豪華なゲストに加え、アマチュア音楽家たちの熱い演奏を充分に堪能した内容でした。来年もまたやってください。
YouTube はウィリアム・バードの「アヴェヴェルム・コルプス」。こちらも名作です。
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