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2009年10月に作成された記事

2009年10月31日 (土)

ブルメンタールのグリーグ

本日お仕事。最近音盤購入はとんとご無沙汰だったが、仕事帰りにふと立ち寄ったリサイクルショップで、埃まみれでゴミのように扱われているLPを見つけ数枚救出。

値札が付いてなく、若い店主さんに「これいくらですか?」と聴くと「400円」というお返事が帰ってきた。
「高いね、じゃ、やめとくよ」とそのまま棚に戻そうとすると、慌てて「一枚100円にしておきます。」とのこと。

P1010774 結局、平凡社のファブリ名曲集から、ブルメンタールの弾くグリーグのピアノコンチェルトとエジーダ・ジョルダーニ・サルトーリのハープシコードによるクープラン。
そして、スターンとオイストラフの共演によるヴィヴァルディの二つのヴァイオリンのための協奏曲集、オーマンデイーの伴奏による日本コロンビア盤の3枚を選んだ。

ファブリは25センチ盤なので一枚50円だった。たぶん誰も手を出さす、店では持てあましていたのだろう。3枚で200円也。

帰宅後に3枚をちょいちょいとつまみ聴き。

P1010775 サルトーリのクープランは音は硬いが確かな技巧の硬派の演奏。「ティクティクショック」など猛スピードで飛ばしている。
二大巨匠によるヴィヴァルディもさすがの貫禄。オーマンディーのサポートも非常に良い。

P1010767 だがポーランドの女流ブルメンタールのグリーグは、テンポを大きく揺らした超個性的な演奏だった。
このヨタヨタ感が、彼女の解釈なのか技巧の限界なのかはよく判らないが、今ではこの程度のテクニックではとても通用しない。
スワロフスキー指揮のウィーン・プロムジカ管の伴奏もかなりまずい。
危うい両者の相乗効果が、聴きようによっては面白い演奏となった。

P1010765 沼響のHPの聴き比べ「ベートーヴェンの7番」を聴くに、クリップス指揮コンセルトヘボウ管のライヴの感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

Youtube はスコット・ロスのハープシコードによるクープランの「神秘の障壁」、ミステリアスなタイトルだ。

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2009年10月30日 (金)

ペトリのグリーグ

ここ数日天気が良いのでバイクで通勤。風を切りながら走行していると気温の変化を肌で感じる。もうすぐ11月なのだ。
仕事の合間にカレンダーを見て、年末年始の休みを確認したりしている自分。

Numazu01701 下の娘は秋の遠足。

我が家の裏山である沼津アルプス縦走なので、冷めた面持ちで出て行った。

P1010771 今日は、デンマークのリコーダー奏者ミカラ・ペトリの吹くグリーグを聴いた。

グリーグのピアノ曲や声楽曲の数々とホルベルク組曲を、リコーダーと室内管弦楽のために編曲したもの。アレンジはイギリスの作曲家ゴードン・ラングフォード。
イギリス室内管をフィンランドの指揮者オッコ・カムが伴奏を振っている。

アレンジ物とはいえ実に良く出来ている。原曲の良さはそのままで、通常の編成にアコーディオンを加えたりしていて、民族的な素朴さを出していた。

曲によって巧みに楽器を変えているペトリの笛も、驚異的な技巧の冴えと美しい音色で楽しく聞かせる。

Youtube はノルウェーの国民的歌手シセルの歌うグリーグ「過ぎた春」

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2009年10月29日 (木)

遠山慶子のドビュッシー

どうも多忙なわりには仕事上の達成感がない日々。

昨日は、東海大学園祭に向けての最終練習日。
通常練習日は、夕食の時間はとれずにそのまま参加するのだが、昨日は5時過ぎから猛烈な空腹感に襲われ、職場の休憩室にあった煎餅をバリンバリン食べる。我ながら浅ましい姿だ。

練習場所は市民文化センター小ホール。いつものように練習開始の19時にはとても間に合わず、練習も半ば過ぎから参加。
既に友の会コンサートの本番を経ているだけに、曲の仕上がりも良い。

P1010763 今日の帰宅後はコルトーの弟子、遠山慶子の弾くドビュッシーを聴く。
カメラータから出ていたCDで、映像その他を収めたアルバム。

艶のある音の中に漂う官能と気品。ベーゼンドルファー・インペリアルの響きがなんとも素晴らしい。

Youtube はスカルラッティを弾くミケランジェリ

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2009年10月27日 (火)

石井眞木、「響きの現在Ⅱ」

天高くよく晴れた一日。遥か箱根方面には真っ白な積乱雲が見えた。
夕方になり一時激しい雨。

今日は石井眞木の室内楽作品を聴く。http://www.technogallery.com/maki-ishii/html/12_03_dokusokyoku.htm

P1010770  1977年の「ブラック・インテンションⅢ~息のためのピアノ・エチュウド」から始まり、1988年のヴァイオリン独奏のための「夜の響き」、マリンバデユオのための「飛天生動Ⅱ」までのほぼ10年間の室内楽作品5曲を収めたFONTECのCD。

演奏は、ピアノの高橋アキ、ヴァイオリンの諏訪内晶子、ハープの篠崎史子ら日本のトッププロたちが集結。

この中の高橋アキのために書かれた「ブラック・インテンションⅢ」が
最初は口当たりの良い透明な響きの美しい曲だと思っていたが、聴いているうちに速度の異なる4声のリズムが同時に鳴り響いているという事実に愕然。

しかも後半にはプリペアード(変音)された音色によるリズムが同時に演奏されている(らしい)。
このことは一度聴いた時にはよくわからず、作曲者自身の曲目解説を読んでなんとなく気がついたことです。

作曲者自身の解説には「この曲は左手と右手で、速度の異なる複数のリズムを、同時に分離して演奏できるという、高橋アキさんの特異な音感覚と能力を念頭に、彼女のために作曲したものだが・・・」とあり、

高橋アキがヨーロッパ初演した時に、この演奏を聴いていた高名な指揮者が、彼女が弾くプリペアードされた音響のリズム声部を、最後まで別にテープ録音されているもの、と勘違いしていたというエピソードまで紹介している。

凄い曲を凄い演奏で聴いてしまった。

Youtube は高橋アキのピアノで、坂本龍一の「エナジー・フロー」

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2009年10月26日 (月)

ヒンデミット、「前庭に最後のライラックの花が咲いたとき」

台風の影響で一日雨。上の娘が明日から中間試験で、大音響で音楽は鳴らせない。

ひっそりと聴いたのは、ヒンデミットの、「愛する人々へのレクイエム~前庭に最後のライラックの花が咲いたとき」。

P1010736 レクイエムとはいえ、通常の典礼文によるものではなく、ホイットマンの詩による第二次世界大戦の戦没者を悼んで作曲されたカンタータのような曲。

演奏は、作曲者自身の指揮によるウィーン響とウィーン国立歌劇場合唱団その他によるエヴェレスト原盤の国内盤LP。解説には特に書かれていないが、これは明らかにライヴ録音だ。

オケも合唱団もアンサンブルは粗いが、全編に漂う重苦しくも異様なほどの緊張感に心が打ちのめされるようだ。

P1010762 そこでちょっと気分を変えて、レーザーライトレーベルから出ていたアダージョ系のオーケストラ曲を集めた「ロマンティック管弦楽名曲集」というCDを聴く。

この中のケーゲルが指揮するシベリウス「悲しきワルツ」を聴きたくて購入したCDだが、この暗闇で青白き炎がチロチロとゆらめくようなケーゲルの演奏をヒンデミットの曲の後に聴くと、部屋の温度がますます下がっていくような錯覚を覚える。

このCDの最後に収録された、フィッシャー指揮ブタペスト祝祭管による清廉潔白なマーラーの「アダージェット」の演奏でようやく心を癒される思い。

Youtube はラトル指揮ベルリンフィルによるマーラー交響曲第5番の「アダージェット」。ベルリンフィル首席指揮者就任披露演奏会から。
名演です。

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2009年10月25日 (日)

ワルベルクのモーツァルト

曇り朝のうち一時雨。日照時間が少ないためか、夜になって冷えてきた。本日一日お仕事、職場では新型インフルエンザは出ていないが、一人急に入院患者が出てしまい、その穴を埋めるのに四苦八苦。

昨日から始まった国民文化祭。1986年から始まった文化版国体とも言われ、今年は静岡県の持ち回り。http://kokubunsai.pref.shizuoka.jp/index.html

だが、正直なところ自分の周りでは全然盛り上がっていない、どころか知らない人が大部分。開催県でこんななので全国では押して知るべし。

この大不況に新型インフルエンザ蔓延という不運も重なり、今は世の中が文化を楽しむ余裕がなくなってしまっているようだ。
主催者側に知る人が多いだけに複雑な気分。丹念に見ると面白そうなイベントもあるのだが・・・・。

今日は友の会コンサートと東海大学の学園祭でも取り上げた、モーツァルトの交響曲第40番を聴いた。

モーツァルトのト短調交響曲としてあまりにも有名な曲。だが、自分としてはどうも苦手な曲だ。理由は自分でもよく判らない。未だにこの曲で満足できる演奏を聴いたことがない。
同じト短調ならば、もうひとつの25番の激しさがより自分には好ましい。

P1010766_2 今日はN響に何度も客演したハインツ・ワルベルクの演奏で聴いた。
オケはバンベルク響による日本コロンビアの10吋盤。
オケの質朴で渋い響きに身を任せた極めて普通の演奏。

どんな曲でもソツなくこなした、ワルベルクの模範的なモーツァルト。

P1010766 沼響のHPの聴き比べコラム「シベリウスの2番を聴く」にポール・パレーの演奏の感想をアップしました。連載36回目。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

Youtube はピノック指揮ベルリンフィルによる交響曲第25番

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2009年10月24日 (土)

野鳥の囀りの下で。東海大学でのリハーサル

曇りのち雨。
11月3日の東海大学開発工学部の学園祭に沼響が出演することになり、今日はその会場リハーサル。曲目は友の会コンサートと同じもの。

2009102416470000 東海大学開発工学部は、沼津の西のはずれの愛鷹山山麓にあり自宅から車で40分ほどの道のり。雨の中、夕方4時の集合時間に合わせて車を飛ばす。

Canterbury_cathedral11 会場は長方形で天上が非常に高いかまぼこ型の中庭のようなホール。
さながらイギリスのカンタベリー大聖堂のような構造だ。http://www.sekai13.net/list/496/image/
自然と残響時間が異様に長い。これほどの長い残響の中で沼響が演奏するのは初めてだ。

ウォーミングアップしていると長い残響が心地よい。。

皆が音出しをはじめると、天上から野鳥の囀りが大きく聞こえてきた。見上げると野鳥が数羽ガラス張りのドーム型の天井を飛び回っている。
大学の先生の話では、鳥が紛れ込むことはよくあることだが、このように鳴いているのは初めてだ、とのこと。

2009102416260000 合奏していても、はじめは皆戸惑いがちだったが、沼響のレベルが一挙に上がったように錯覚するほど。
曲が終わると、音の塊が広い空間を天井へ向かって減衰していく様子がよくわかる。

演奏しているうちに、かつてウィーンの教会で聴いたミサを思い出した。演奏されたハイドンのミサ曲が、長い残響に見事に調和して鳴り響いていた。
さながら天上の音楽を聴くようだった。

Youtubeはバッハのロ短調ミサからグローリア。ブロムシュテットの指揮

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2009年10月23日 (金)

今日はオペレッタ

長い一週間も終わり今日は花金。
先日の沼響友の会で演奏したレハールの「金と銀」でも、とも思ったが、結局聴いたのはレハールの代表作「メリー・ウイドウ」ハイライツ。

P1010767 演奏は、ロンドンのサドラーズウエルズオペラによる英語版で、劇場専属の歌手たちによるもの。
歌手はJune Bronhill, Denis Dowling, Howell Glynne, Marion Lowe, Thomas Round, William McAlpine, John Kentish, Raimund Herincx, John Larsen, William Boothといった顔ぶれで、全然知らない人たち。
指揮もWilliams Reidという初めて聞いた名前。 

英EMIのLPで1958年録音。どうやら当時大当たりした公演と同じキャストによる録音らしくCDでは今でも現役だ。

Photo 甘くて軽いチョコレートボンボンのような演奏だった。英語の軽い響きがその甘さを助長しているが曲が曲だし、このような演奏も楽しいものだ。



P1010768 そしてもう一枚は、ドイツの歌手たちによる正統派?のオペレッタ名曲集。こちらは東芝EMIの国内盤LPで、レハールやオッフェンバック、その他ホイベルガー、アイスラーら群小オペレッタ作曲家の作品を集めたもの。

歌手は、エリカ・ケート、ブリギッテ・ファスベンダー、ローテンベルガーら良く知られた往年の名歌手の中で、マルギット・シュラウムという歌手の可憐で小粋な歌唱が印象に残る。

伴奏は、N響の指揮者だったウィルヘルム・シュヒターやウィルナー・シュミット・ヴェルケといったどちらかといえばB級路線だが、良い味を出している。


Youtube はメラニー・ホリディの歌と踊りで「メリーウィドゥ・カンカン」

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2009年10月22日 (木)

ラローチャのラヴェル

朝から鼻水が止まらない。どうやら昨晩風呂上りにオリオン座流星群を見ようと外にいて、風邪をひいたらしい。結局薄曇りで、流星らしいものは見えなかった。

そんなわけで帰宅は早めで8時には家にいる。

P1010769 今日は先月亡くなった名ピアニスト、ラローチャのラヴェルのト長調のピアノ協奏曲を聴いた。
手持ちは、アメリカのFranklin Mint Record Societyが1978年に出した「The 100 Greatest Recordings of all time」シリーズ中のDECCA原盤のLP.
伴奏はローレンス・フォスター指揮のロンドンフィルというもの。

ノーブルな音と力強い打鍵、ほのかな艶っぽさも漂う名演だ。フォスターの伴奏も非常に良い。

P1010770 当時最高のLP製盤技術を駆使したこのシリーズのLPの音は素晴らしい。発売当時はLP2枚箱入りでなんと一万円だった。

Youtube はミケランジェリの弾くラヴェルのピアノコンチェルト。指揮はチェリビダッケという凄い組み合わせ。

 

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2009年10月20日 (火)

黒船以来 ~日本の吹奏楽150年の歩み~

今日も良く晴れ過ごしやすい一日。昨日の静岡出張では、県内同業多数が集まり、久しぶりに会う人も多くしばしの情報交換。どこの厳しい状況は変わらないことを確認する。

家に帰ると下の娘が不調を訴えている。新型インフルエンザのため、先週はほぼ一週間学年閉鎖で昨日から学校再開なのだが、前の席とその隣の子がインフルエンザで休んでいるとのこと。
今週の金曜日が、延期になった中間テストだというのにこれはマズイ雰囲気になってきた。

今月号のバンドジャーナル誌の記事「日本のスクールバンドの歴史」という記事によれば、わが母校の高校に昭和5年からバンドがあったという。

実は大正生まれの伯父が、旧制中学時代このバンドに入っていて、チューバを吹いていたということを法事の酒の席で聞いたことがあった。その時は半信半疑で、オオボラかと思ったのだが、どうやら本当の話だったらしい。もっとまじめに話を聞いとくのだった。後悔・・・・

Images というわけで、今日聴いたのは「黒船以来 ~日本の吹奏楽150年の歩み~」というCD2枚組。

黒船来航のときにペリーの軍楽隊の演奏した当時のアメリカ国歌「ヘイル・コロンビア」に始まり、初期の軍楽の数々から邦楽、クラシカル作品のアレンジもの。

さらに戦後では、東京オリンピックファンファーレや、代表的な邦人オリジナル作品の数々を経て最後に皇太子ご成婚時にジョン・ウイリアムスが作曲した「雅の鐘」で終わるというもの。

これは非常に面白い。

ほぼ最古の洋楽録音として、「越後獅子」(1903年録音)のほか三越少年音楽隊の「カルメン抜粋」(1920年録音)などの貴重な音源満載。

しかも戊辰戦争に従軍した、京都の山奥の農兵部隊「山国隊」が演奏した鼓笛隊の音楽が、現在でも当地で伝承されているのには驚いた。

Youtube は、京都時代祭りの山国隊の行進

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2009年10月18日 (日)

テバルディの「すみれ」

本日お休み。良く晴れて爽やかな一日。
こんな日は畑で汗を流し、ついでに庭の柿を収穫。

Pa180076 昨年不作だったので今年は期待したのだが、病気にやられ実の大部分は早くに落ちてしまった。残った柿もカラスの襲撃を受け風前の灯火。
まだ採るには早いようだったが植木用の脚立を立て全て収穫。

さっそく食べてみると非常に美味。実った数が少ない分栄養が一個一個に凝縮したようだ。

Pa180081 一方畑の蜜柑は、たわわに実りこちらは豊作。未だ青いが、ちょっと成り過ぎだ。こちらはそのうち摘果しないと。

夜は修善寺まで上の娘を声楽のレッスンに連れて行く。レッスンの間、練習場の片隅で邪魔にならぬようにイタリア古典歌曲の数々にそっと耳を傾ける。

P1010764 帰宅後聴いたのは、そのイタリア古典歌曲の名作からアレンサンドロ・スカルラッティの「ガンジス川に日はのぼり」と「すみれ」の入ったキングレコードが出していたLP。

テバルディ、パヴァロッティ、サザーランド、プライなどの20世紀を代表する歌手たちの名唱を集めたオムニバス。

トランペットの輝かしいオブリガードソロに乗って晴れやかに歌うパヴァロッティの「ガンジス川・・・」、テバルディの格調の高い歌唱の聴ける「すみれ」。チェンバロの効果的なオケ編はD.ギャムリー。

Youtube はテバルディの「すみれ」。こちらはピアノ伴奏の別録音。

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2009年10月17日 (土)

沼響友の会コンサート終了

くもり一時雨。
今日は沼響の後援組織である沼響友の会の皆様方への感謝の気持ちをこめたコンサート。

一日仕事をし、職場で着替えを済ませ会場へ向かう。職場を後にする時、いつもとは違う姿に守衛さんから「お通夜ですか?」と聞かれた。
今日は黒っぽいネクタイだった。蝶ネクタイではちょっと街中を歩けない。

2009101717520000  団員集合から本番までの時間が少なく本番直前の練習は全曲の要点のみ。

友の会対象とはいえ、一般のお客様も入場可能なコンサート。今回は積極的な宣伝活動も行っていなかったが、会場30分前から長蛇の列。
当日券売りも上々だ。

沼響の存在が、この地にすっかり根付いたことを実感する。
いつもながらありがたいことです。

前半は降り番なので、会場ロビーでお客様を向かえる。顔見知りの常連さんに挨拶をしていると、ふとロビーで親戚筋の長老を見つけて驚いた。

祖父の従兄弟にあたる人で齢93歳。いまだ矍鑠として市内の連合自治会会長などもしていた。
声をかけると、知り合いの人から薦められて来たとのこと。自分が団員であることも知っていた。この衰えを知らない好奇心が、若さを保つ秘訣なのだろう。

そして開演。降り番の前半は会場で観戦する。指揮は初期の段階から沼響を牽引して来たインスペクターのF君。
曲は「王宮の花火の音楽」序曲、モーツァルトの交響曲第40番。
団員の目が彼の指揮棒の一点に集中するのが良くわかる。きっちりまとまった良い演奏だ。

休憩時間はロビーでドリンクサービスも有り、お客様としばし歓談。
どうも今回は、演奏よりもこんなことをしている時間が長い。

後半は、プロコの「ロメオとジュリエット」、「時の踊り」、「金と銀」「天国と地獄」。F君の軽妙なトークを入れながら進めていく。
沼響最古参として突然インタビューを求められたのには驚きました。もう少し気の効いたコメントをすれば良かったが。

アンコールは、「常動曲」。F君は山本直純の衣装を着て登場。30数年前の音楽番組「オーケストラがやってきた」の再現だ。
いつもながら沼響を盛り立てようとする彼の献身的な努力には頭が下がる。

お客様も楽しんで帰られたようだ。・・・よかった。

Youtube は1978年ウィーンフィルのニューイヤーコンサートから「常動曲」、ボスコフスキーの指揮。

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2009年10月16日 (金)

ルモールテルのプロコフィエフ

10月も半ばを過ぎ、バイクで通勤していると肌寒く感じる今日この頃。今朝、職場到着直後に突然足が攣ってしまった。足が冷えたのか知らん。おかげで足を引き摺りながらオフィスに入る。

昨年度進めていた大きなプロジェクトの上半期の結果が今日出来上がり、当初予想を大きく上回る結果にホクホク。
完結がこれから十数年後という気の長い事業だが、これで目処がつきひとまず安心だ。

昨日は明日に迫った「沼響友の会コンサート」の最後の練習日。

今回はホルンセクションの出席率が悪く不安が残るため、練習前に急遽ホルンだけのパート練習をおこなうことになった。時間もないので要点だけをチェックして30分程度でおしまい。

続くゲネプロは大きな破綻もなく過ぎていく。自分は前半が降り番なのでしばし客席で観戦する。

モーツァルトの交響曲第40番は、沼響第一回定演に取り上げた思い出の曲。当たり前のことだが25年前のレベルよりもはるかに上だ。
多少の安心感と仕事の疲れもあり、第2楽章途中で眠り込んでしまった。

続く後半はプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」からモンタギュー家とキャピレット家に始まり、「時の踊り」「金と銀」「天国と地獄」といった軽い曲が続く。

しばらく練習に来ない間に、皆かなり水準を上げていた。
気になったホルンセクションもそれなりの経験者ばかりなので、しだいにまとまっていくのが良くわかる。これで本番は楽しめそうだ。

P1010768 P1010769 そして今日はプロコフィエフ。
「ロメオとジュリエット」をラインスドルフの2種の演奏で聴く。


一枚はロスアンゼルスフィルを振ったシェフィールドのダイレクトカッティングLPで、もう一枚はボストン響とのLP.

両曲ともラインスドルフは組曲ではなく、全曲から抜粋してほぼ筋書き順に演奏している。

ロスアンゼルスフィルの練れた壮大な演奏も良いが、ボストン響との演奏により完成度の高さを感じた。

P1010767  そしてもう一枚は、ベルギーの指揮者ルモールテルがセントルイス響を振ったプロコフィエフの「スキタイ組曲」。

手持ちは日本コロンビアのLP.4管編成に8本のホルン、アルトトランペット、ソプラニーノトランペット(どんな楽器だろう?)などの楽器指定のある巨大編成の大曲。

こちらはシャープで切れの良いスピード感と、クールな叙情を秘めた大変な名演だ。
「春の祭典」を彷彿させる「魔神チェルノボクと悪鬼の踊り」の迫真の演奏には興奮させられた。


Youtube はヒラリー・ハーンの弾くプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第一番。沼響でもやった思い出の名曲だ。

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2009年10月13日 (火)

ミネアポリス時代のオーマンディ

今日から自宅待機となった下の娘。再び学校の連絡網が入り19日まで自宅待機延長とのこと。中間テストも延期となった。

新型インフルエンザの影響で、5月に予定されていた修学旅行が8月に延期となり、ここでまた学年閉鎖。

本人は休みが増えて喜んでいるが、学校現場では相当深刻なのだろう。
インフルエンザでこのような状態になったのは今まで記憶にない。
これから本格的な冬に突入だというのに。

P1010764_2 今日は、ミネソタ響の自主制作アルバムからオーマンディの演奏を聴いた。曲はオーマンディと同郷のハンガリーの作曲家コダーイの「ハーリ・ヤーノシュ」。1934年録音。
フィラデルフィア管の常任指揮者になる前のオーマンディ。

ヴァイオリニストとして一本立ちした直後にマネージャに騙され、見知らぬアメリカで無一文で放り出され、苦労を重ねてようやく掴んだメジャーオケの指揮者の地位。

P1010765_2 ためらいがちに歌う独特の第3曲「歌」など、オーマンディの故郷を思う郷愁が素のまま出ているような演奏だ。
なお民族楽器ツィンバロンの代わりにピアノを使用している。

実は自分が生まれて初めて聴いたクラシックの演奏が、オーマンディ&ミネアポリス響(ミネソタ響)の「聖母の宝石」間奏曲だった。
亡き父が、自分が生まれたときに買ってきたというSPレコードで、生まれたばかりの自分の傍らで毎日のように聴いていたという。

今はSP盤を聴ける環境はないが、フルートの序奏もきちんと付けた美しい演奏だったと記憶している。

P1010767 沼響のHPの聴き比べコラム「ベートーヴェンの7番を聴く」に、クリップスの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

Youtube はオーマンディのホルスト。

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2009年10月12日 (月)

ウィンダムヒル 心の美術館

ここ数年カレンダーとは無縁の生活を送っていて今日もお仕事。

このところ夜になると冷え始めた。インフルエンザの流行も深刻になり始めたらしい。

先日市内のある高校の先生から聞いたお話。柔道部の生徒が他の高校との試合でうつされ、学校に持ち込みたちまち柔道部員の間で蔓延、そのまま学校内に広がってしまったとのこと。
どうやら寝技でうつされたらしい。

本日、下の娘の通う中学からの連絡網で、明日3年生は自宅待機。

今日は軽い音楽が聴きたくなった。

P1010764 レコード棚から取り出したのは、ウィンダムヒル・レーベルのレコード、「心の美術館」Vol.2。

70年代終わり登場し、ヒーリングミュージックの走りとして、80年代に入るとたちまち世の中に浸透していったウィンダムヒルレーベル。
http://www.sky.sannet.ne.jp/k-shimizu/WH/

このアルバムは、ウィンダムヒルレーベルの初期のアーティストたちの作品をオムニバス的に集めたもの。

P1010765 ピアノ、ギター、オーボエ、シンセサイザーなどなど。確かな腕のミュージシャンたちによる音による風景画だ。

Youtube はウィンダムヒルの代表的アーティスト、ジョージ・ウィンストンの演奏。

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2009年10月11日 (日)

デュリュフレのレクイエム

本日は地区の吉田神社のお祭りの日。だが、仕事上でどうしても出勤しなくてはならず、お祭りの模擬店その他は家内に任せて出勤。
今日は余計な電話もなく、仕事は順調に捗り来年度の予算案はほぼ完成。

帰宅すると夕餉の食卓は予想通りのお祭りの模擬店で売っていたフランク、つくね、焼き鳥、焼きソバのオンパレード。天気も良く売り上げは上々だったとのこと。

今日は20世紀フランスのオルガニストにして作曲家、モーリス・デュリュフレの代表作「レクイエム」を聴く。http://homepage3.nifty.com/eugenio/galerie/durufleessaie.html

600x4502009051900062 聴いたのは3つある版のうち、フルオーケストラヴァージョンの演奏で、アンドリュー・デーヴィス指揮のニューフィルハーモニア管による演奏。この素晴らしい曲の魅力を初めて知った思い出の盤だ。
手持ちは初出のLPもあるが、今日はCDで聴いた。

Cd_ad グレゴリオ聖歌をベースとし、フォーレの「レクイエム」の影響も大きいが、出来上がった音楽は清楚な中にも敬虔な祈りに満ちた傑作となった。

曲本来のひそやかな美しさは、オルガン伴奏版によりよく出ているとも思う。が、フルオーケストラバージョンの壮大さも捨て難い。

曲の冒頭からこの美しさには陶然となる思い。デーヴィスの指揮もよけいなことをせず、淡々と作品自体に語らせているのが良い。

Youtube はデュリュフレの「レクイエム」からキリエ

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2009年10月10日 (土)

ターリッヒのドボルジャーク、交響曲第8番

朝のうち雨のち晴れ。本日お休み。今日から明日にかけて秋祭りの神社が多く、近隣のあちらこちらでお祭りの準備の風景。

夜、ピアノのレッスンのため娘を送っていったところ、先生の家の近くの神社の境内でも、賑やかにカラオケ大会がおこなわれていた。

鬱蒼とした神社の森の中にともされた灯りの周りに群がる人々。おそらくこの神社が出来た頃から、内容は変わってもこのような集まりは連綿と続いているのだろう。
21世紀となり時代は変わっていても、古き日本の姿は未だ残っている。

明日はわが町内もお祭りだが、仕事が入ってしまい当初予定の焼き鳥2,500本焼きはご近所さんにお願いすることになった。

P1010764 今日もチェコの大指揮者ターリヒの演奏を聴く。聴いたのは歴史的名演とも言えるドボルジャークの交響曲第8番。
ターリヒはこの曲を2度録音しているが、今日は2度目の1952年録音全曲と、1938年の最初の録音をつまみ聴き。
1952年録音は日本コロンビアのLPで、旧盤はKOCHから出ていたCD.

P1010766 旧盤の方がテンポが遅めだが、フィナーレのみ旧盤が演奏時間が1分ほど短い。いずれも幾分古風で、毅然とした気品と田園風の暖かさが絶妙にブレンドされた名演。

野性的な迫力とは無縁な演奏だが、フィナーレ中間部で冒頭のトランペットのファンファーレが再現される部分までの盛り上げ方は感動的だ。

そして、ターリッヒのドヴォルジャークでもう一曲。

P1010767 1940年録音の「弦楽器のためのセレナーデ」。

こちらのオケはプラハ合奏団。

1938年からチェコスロヴァキアは、ナチスドイツに段階的に併合されていく。やがて第二次世界大戦が始まり、ナチスに占領されドイツ語の使用まで強要されていた時代のチェコで、ドボルジャークの曲が録音されたのは奇跡に近い。

プラハの音楽家たちは、どのような気持ちでこのドボルジャークを演奏したのだろう。ゴツゴツした肌触りの中に慈愛の心と暖かな温もりが感じられ、こちらも泣けてくる演奏だ。

Youtube は、ヴァルハル指揮スロヴァキアフィルによる「弦楽セレナーデ」

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2009年10月 9日 (金)

ターリッヒのモーツァルト

晴れのち曇り、夜一時雨。

今日に持ち越された外部委員のチェックは、午後からいよいよ開始。予想通りわが部署には厳しい指摘だが、次第に理不尽な指摘の様相を呈してきた。

どうもこちらが提供した資料を読み違えていたらしい。そしてとうとう相手方の明らかな勘違いも発覚。
だが、そのミスをやんわり指摘しても一向に気づかず混迷の度合いはますます加速。八方塞がりとなったところで第三者の裁定が入り時間切れ終結という後味の悪い結果に。

結局、夜に入っていたオケの練習にも参加できずに帰宅は10時近くとなる。
嫌なことはさっさと忘れることに限る。

昨晩聴くことができたチェコフィルのエッセンスを、今日は追体験。

P1010765 取り出したのはチェコフィルの育ての親ともいうべきヴァーツラフ・ターリヒがチェコフィルを振ったモーツァルト。

曲は「グランパルティータ」から5曲と交響曲第33番、第38番「プラハ」というもの。チェコ、マルチソニックのCDで、1954年のライヴ。

羽毛のような弦楽器と独特のまっすぐな響きの木管楽器、チェコフィルの魅力の満載のモーツァルトだ。

ターリッヒの格調の高い指揮ぶりも見事なもの。

「プラハ」第一楽章の序奏から主部アレグロへ移行するときの、微妙なテンポを揺らしかたなど凄いものだ。

Youtube はホーネック指揮チェコフィルの「プラハ」

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2009年10月 8日 (木)

チェコフィル八重奏団

台風18号は上陸後日本列島を縫うように北上、夜には三陸沖を抜けていった。

午後からは台風一過、爽やかに晴れ上がったが、今日は組織外部お偉方の厳しいチェックに晒される嫌な一日。

当初わが部署は午後開始予定だったのだが、前の前の部署が大ブレーキ。夕方の5時に経っても目処が立たず、このままでは深夜に及ぶこと必至だったのだが、結局明日の朝に再開ということになった。

2008 というわけで、今日のチェコフィル八重奏団演奏会は何とか行けることになった。怪我の功名

これは沼津法人会が無料で開催している税を知る週間の入場無料のチャリティコンサート。http://www3.ocn.ne.jp/~n.houjin/2008s.html
毎年ありがたいことです。

会場は満席、市長さんをはじめ沼津の経済界のお偉方集合の沼響の演奏会とはちょっと異なる雰囲気だ。

演奏会の前に挨拶やら目録贈呈やらのセレモニーがあり、続いて「楽章の合間に拍手をしないように」という会場アナウンス。

曲はアイネクライネに始まり、ユモレスク、モルダウ、新世界から、カルメン、花のワルツなどクラシックの超有名曲のアレンジ物が中心。

その中にR.シュトラウス(ハーゼネール編)「もう一人のティルオイレンシュピーゲル」、ロッシーニのチェロとコントラバスのための二重奏曲といった曲があるのがありがたい。

クラシック入門者向けの親しみやすい曲ばかりだが、このような曲をチェコフィルの首席奏者たちのような名手で聞けるのは、贅沢な楽しみなのかもしれない。

演奏はさすがにうまい。

最初の「アイネクライネ」が意外と不調でアレ?と思ったが旅の疲れが出たのだろうか。直前まで北海道の地方都市を巡回していたようだ。

次のR.シュトラウスからは立ち直り、ロッシーニでは見事な名人芸を披露。特にチェロのフランティシェク・ホストは傑出。

お国物のユモレスクではホロリと来ましたね。

「亡き王女のためのパヴァーヌ」ではチェコフィル独特の黒く濡れたような響きのホルンとクラリネットの音色を堪能。

アンコールは、「浜辺の歌」と「フニクラ・フニクラ」。

しばし仕事の疲れを忘れました。

また来年もお願いします。沼津法人会様。

Youtube は、パールマンとヨーヨーマによる「ユモレスク」

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2009年10月 7日 (水)

レッパードとマンロウのブランデンブルク

台風は着実に接近中。明け方から出勤時にかけて直撃の気配。奇しくも仕事上の大きな山と台風が重なってしまった。
夜にはチェコフィルのメンバーによる室内楽演奏会の予定が入っているが、行けるかどうかは微妙だ。

P1010763 ここ数日レッパードの演奏ばかり聴いている。今の時代から取り残されたような扱いだが、端正で奇を衒わない正統派の音楽造りには好感が持てる。

今日はブランデンブルク協奏曲。フィリップスの国内盤LPの、オケはお馴染みのイギリス室内管。
ソリストはブロックフレーテのマンロウ、トランペットのウイブラハム、ホルンのハルステッドなど、他の同曲の名盤群に引けを取らぬ豪華な顔ぶれ。

この中ではやはりマンロウの加わった2,4番が感銘深い。
第4番終楽章のヴァイオリンソロと二本の笛が絡み合って進行していく中間部など、マンロウの幾分哀愁を帯びた音色と合間って感動的に高揚していく。

Youtube は名手アンドレの吹くブランデンブルク協奏曲第2番

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2009年10月 6日 (火)

ギュトラーのヴィヴィアーニ

朝から雨、大型台風が接近中。このペースでは8日に直撃となりそうだ。
8日は外部委員による重要なチェックがあり、既にわが職場が大きなターゲットとなる予告があり、嵐の中の修羅場となりそうな気配。
今日の職場は、既に8日のための準備も終わり嵐の前の静けさ。

P1010769 今日もレッパードで取り出したのはハイドンの交響曲第98番。

先日のメンデルスゾーンと同じくジャケット写真に盆栽の写真をあしらった仏蘭西エラートのボンサイシリーズのCD。ここでレッパードはスコットランド室内管を振っている。

レッパードのハイドン演奏をネット検索すると2006年に書いた自分の記事が出てきた。
http://harumochi.cocolog-nifty.com/horn/2006/09/post_0145.html

どうもここ数年同じような音盤を繰り返し聴いているようだ。

P1010767 そしてもうひとつは、旧東ドイツの名トランペット奏者ギュトラーの演奏。旧東ドイツのETERNAのLPで、ヴィヴィアーニやバッハのコラールプレリュード、ヘンデルのソナタを集めたもの。

ギュトラーは20年近く前に沼津に来た。聴き手を包み込むような柔らかで暖かな音色のトランペットが今でも忘れられない。

ここでもマクデブルクの教会のオルガン伴奏に乗り、深く慈愛に満ちた演奏を聴かせてくれ、素晴らしい。

Youtube もギュトラーのトランペット

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2009年10月 4日 (日)

レッパードのメンデルスゾーン

2009100414590000 今日は休日、天気も良い。このような日は近くの牛臥山公園に良く出かける。http://dekowalker.at.webry.info/200804/article_22.html

近くに旧御用邸もあり、海水浴場として幼い頃からの遊び場だが、数年前に整備され美しい公園に生まれ変わった。
今日も幼い子供を連れた家族連れやスケッチをする老人、マリンスポーツを楽しむ東京方面からの若者など、平和な風景が広がっている。

2009100415090000 大山巌別荘跡地からはススキの穂越しに美しい海が良く見えた。

こんな日は穏やかなメンデルスゾーンの音楽。

P1010766 レイモンド・レッパード指揮のイギリス室内管による、交響曲第4番「イタリア」と第5番「宗教改革」。
仏エラートから出ていたボンサイシリーズのCD.

スリムでストレートな解釈の中にパンチの効いた「イタリア」、ロマンティックにして雄大に歌い上げた「宗教改革」。あまり評判にならぬ演奏だが、密かに隠れた名盤だと思っている。

Youtube はブリュッヘン指揮18世紀オーケストラによるメンデルスゾーンの序曲「フィンガルの洞窟」

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2009年10月 3日 (土)

オーマンディのシベリウス、「エン・サガ」

朝からの雨は午後には上がり気温も上昇。今日は出勤、急ピッチで仕事を進め、来年度予算の骨子を組み立て、ここ一週間の遅れを取り戻す。

帰宅後は英会話教室に通う母の英語の面倒を見る。
齢70半ばを過ぎ、4月から突然始めた英会話教室だが未だ挫折せずに通っている。最初は酷いものだったが、最近では英会話らしくなってきたから不思議なものだ。

今日聴いたのはオーマンディーのシベリウス。

P1010763 米コロンビアのモノラルLPから「伝説」と「ポヒョラの娘」の二つの交響詩を聴く。
シベリウス円熟期の精緻なオーケストレーションを完璧なまでに音化した見事な演奏だ。オーマンディーの職人技に驚嘆する一枚。

いずれもステレオの再録音もあるが、燃焼度の高さではこちらが上だ。

P1010117 沼響のHPの聴き比べコラム「シベリウスの2番を聴く」に、モントゥ&ボストン響のライヴの感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi


Youtube は、レーピン&ゲルギエフによるシベリウスのヴァイオリン協奏曲

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2009年10月 2日 (金)

ザルツブルクのリヒテル、1977

一日雨。
今週はじめから他の仕事に優先してかかりきりだったひとつの仕事は、トップの鶴の一声で他のセクションに渡り、ようやく形となった一週間の成果を全て引き渡す破目に。

朝、職場の女性職員から家族に新型シンフルエンザが出たとの報告有り。状況を聞くと、どうやら彼女にも感染の疑いが濃厚なので、直ぐに帰宅させる。職場に蔓延しなければ良いが。

P1010765 今日は、ロシアの大ピアニスト、リヒテルの1977年ザルツブルクでのライヴを聞く。
Orfeo Dorから出ているCDで、ベートーヴェンの「アンダンテ・ファヴォリ」から始まり、ショパン、ドビュッシーで終わる一夜のリサイタルを収めたもの。

この演奏はかつてNHKFMで放送され、当時のエアチェックテープは
今でも手元にある。

ゆったりロマンティックに歌い上げたショパンの「舟歌」や、ペダルを踏むトーン・トーンという音がピアノの音と一体となったドビュッシーの美しさは今でも忘れられない。
あらためて聴いてみると、サトイモの葉の上をコロコロ転がる丸い水滴のような最初のベートーヴェンの美しさが印象に残る。

このCDの音の状態は良好なステレオだが、慣れ親しんだFMエアチェックテープの音に比べかなり硬い音だ。ペダルを踏む音は、リマスタリングの際に飛んでしまったらしくほとんど聞こえない。

Youtube はリヒテルの弾くドビュッシー「沈める寺」。1984年、東京での貴重な記録。

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2009年10月 1日 (木)

ジュリーニ、ボストン響とのヒンデミット

今日から10月、昨日来の雨は明け方には上がり良い天気の一日。長袖ワイシャツで過ごすにはまだ暑い。

仕事はここ数日緊張感漂う非常にタイトな日々。今日は朝から今まで遅れた分を取り戻そうと、昨晩練ったプログラム通りにハイペースで進める。
午前中は外野からの急な雑務もなく順調な仕上がりで、これならば早く帰れそうだと思っていた矢先、携帯に上の娘から電話が入る。

娘は三日前くらい頭痛が治まらず気にはなっていたが、学校で気分が悪くなったというSOS。

家内とは連絡が取れず、やむなく休暇を取り、娘を迎えに行きながらそのまま病院へ直行。熱はないので内科ではなく脳神経外科へ直行。
医者の診断ではストレス性の片頭痛だとのこと。
ノンキな娘だが、ここ数ヶ月いろいろあったのでストレスを溜め込んでいたのだろう。

帰宅は夕方5時。まだひと仕事できそうだと職場へ向かうつもりになるが、その前にちょいといっぷくと居間のソファに横になったのがまずかった。

知らず知らずに爆睡し目が覚めたのが9時過ぎ。家族たちによると、気持ち良さそうに熟睡していたので起こさなかったとのこと。
またまた仕事が溜まりこの土日はまた出勤になりそうだ。

P1010764 今日はボストン響の自主制作アルバムを聴く。この中からジュリーニ指揮するヒンデミットの交響曲「画家マチス」。1974年のライヴ。

オケを極限にまで鳴らし切った壮大なヒンデミット。ジュリーニの唸り声まで聞こえてくるボストン響の能力を最大限に引き出した大変な名演だ。

カップリングされているシッパーズ指揮の歌劇「運命の力」序曲の強烈な演奏も印象的。

YouTube はヒンデミットの「ウェーバーの主題による交響的変容」

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