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2009年11月に作成された記事

2009年11月29日 (日)

マドレーヌ・マルローとウイリアム・ベネット、二つの幻想曲

11月最後の日曜日は曇り。夜になり雨、少し冷えてきた。
今日は夕方に近所のスーパーに買い物に出たきりで、ほとんど家にこもりきりの休日。

Images 今日の「題名のない音楽会」はマドレーヌ・マルローというフランスのピアニスト。フランスの作家にして文化省の大臣としてパリ管創設の提唱者だったアンドレ・マルロー夫人だったヒト。http://sankei.jp.msn.com/life/trend/081025/trd0810251311008-n1.htm
M.ロンやリストの弟子ザウアーに師事したという。

何度か来日しているらしいが、演奏を聴くのは初めてだ。
曲はサティの「ジェ・トゥ・ヴ」、ストラヴィンスキーの「ロマンス」、そしてモーツアルトのK475の「ファンタジー」というもの。

ラフマニノフやストラヴィンスキーと親交があり、サティやラヴェルの生きていた時代のパリを知る95歳の現役最高齢のピアニスト。

強靭なタッチはとても95歳とは思えない。ロンよりもリスト門下のザウアーの影響が強いようにも思える。

独特の崩しを見せるサティやストラヴィンスキーに、譜面からは伺えない同時代人のみが知る微妙なニュアンスと、明快な自己主張が感じられるのが素晴らしい。

最後のモーツァルトの深い陰影も比類のないものだ。

P1010791 今日は、マルローのファンタジー絡みで日本クラウンが出していたルネ・ラリック・コレクションシリーズのCDから、ロンドン響の首席フルート奏者だったウィリアム・ベネットの演奏で二つのファンタジー。

曲はフォーレの「ファンタジー」に今年没後125年のドップラーの「ハンガリー田園幻想曲」。指揮はブリテンと深いかかわりがあったS.ベッドフォード。元のアルバムタイトルは「モイーズに捧げる」英ASV原盤。
http://www.williambennettflute.com/bio.htm

モイーズやランパルの弟子だが、デユフレーヌの影響を最も強く受けたというベネットのフルート。

美しく芯の強い大きな広がりのある音色でフォーレとドップラーを見事に吹き分けている。

Youtube はウイリアム・ベネットのフルートで「OUT OF THE COOL」

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2009年11月28日 (土)

ラリューのクヴァンツ

穏やかで暖かな一日、この天気も明日からは崩れるようだ。本日一日仕事だが、下の娘の誕生日でもあり早めに帰宅。

Pinkudeko 帰宅後はペルルのデコレーションケーキでささやかな誕生祝い。http://www3.tokai.or.jp/perle/

最近聴きたい音盤がすぐに見つからなくなってきた。
手持ちのLP,CD類は、ジャンル別作曲家国別年代別に並べてあるのだが、量が増え記憶のキャパの限界点を超えてきたようだ。

P1010787 今日はクヴァンツのハ長調のトリオソナタが聴きたくなり、レコード棚のバロック部分を漁ること10分余。
ようやく見つけたのは、キングレコードが70年代初めに出していた「バロック名曲1000シリーズ」中の一枚で、「バロック音楽の終焉編」http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/renka_lp/king_baroque1000.htm

演奏はフルートのラリュー、オーボエのシャンボンらによるラリュー四重奏団によるもの。フランスハルモニア・ムンディ原盤。

オリジナルはブロックフレーテとフルートだが、ここではブロックフレーテパートをフルート。フルートパートをオーボエで演奏している。

冒頭オーボエののびやかな旋律にかぶるフルートの美しさ、続くアレグロの軽快さも心地よい。クヴァンツ屈指の名作の素晴らしい名演。
録音も驚異的に良い。

Youtube はクヴァンツのトリオソナタハ長調冒頭

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2009年11月26日 (木)

ホグウッドの「メサイア」

昨晩は寝ている間に、ちょっとした隙を突かれて足の裏を蚊に刺され、痒みのためにあまり眠れず。
今日も結局帰宅が遅くなり、二週続けてオケの練習を休むことになってしまった。もう来年のチャイコの練習は始まっているはずだ。

昨日は、娘の三者面談その他溜まった家の雑事を片付けるために代休取得。夜は市民文化センターでのディスクコンサートの解説まで入っていて多忙な一日。

2009112511130000 娘の通う高校の街路樹の銀杏は美しく色づき今が見ごろ。

担任の先生との面談を済ませ、昼は娘と清水町の街道ラーメン醤で牛すじラーメン。http://www.shizuoka-navichi.net/shop/shop.shtml?s=219

26bfa6fc29de88b6ee2ec01028ad687b 帰宅後一服していたら職場から緊急の電話が入ってしまったが、夜からのディスクコンサートの解説は他人に任せられないので、それが終わったらということにしていただいた。

そして夜のディスクコンサートは、ヘンデル没後250年に因み「メサイア」全曲。
51qwkjyl5cl__sl500_aa240_ ホグウッド指揮。合唱はウエストミンスター大聖堂聖歌隊で、少年合唱を含めすべて男声による。ソリストはソプラノのエマ・カークビーほか。

捨て子養育院版による演奏で、一部のアリアでソプラノとアルトが入れ替わったりしている。ソプラノのソロが二人で分担しているのが珍しい。
ヘンデルが眠るウエストミンスター大聖堂で収録。

当初2時間を超える長丁場で人が集まるかとも心配したが、いつもの常連さんに加え初めての方も多く、まずまずの集まり。

解説内容は特に事前に考えていなかったが、ホグウッド著の「ヘンデル伝」を参考に、メサイアの成り立ちその他ヘンデルが慈善事業に熱心だったことや版の異動を簡単に解説。

演奏は大聖堂の長い残響をうまくコントロールした、清潔で隙のない見事なもの、少年合唱を含めた合唱もすばらしい。
ソリストも粒そろいだ。中でもカークビーの澄みきった美しい声が傑出。彼女の出番はわずか3曲。

お客さんも一人も途中で帰ることなく最後まで聴いてくれた。ありがたいことです。

927 最後にアンコールとして、グーセンス版によるビーチャム指揮の「ハレルヤコーラス」を流した。4管の大編成に巨大な合唱団。シンバルも加わるホグウッドとは対照的な演奏。

終演は9時過ぎ、そのまま片付けて職場へ向かう。帰宅はかろうじて23時。

Youtube はマリナー指揮の「メサイア」。オケ部分はモーツァルト版

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2009年11月25日 (水)

チェリビダッケのシューマン

予想外に手間取り日付が回って0時過ぎに帰宅。帰りは雨。

別セクションの同輩が勤務中に脳内出血で倒れ、現在危篤状態という話が入ってきた。自分よりわずかにひとつ上。

特に付き合いはなかったが、自宅から車で40キロの通勤距離に加え、自分とは比べ物にならない過酷な部署なだけにかなり無理をしていただろうという想像はつく。なんとか助かってほしい。

P1_g3118022w 通勤の車中でチェリビダッケのシューマンを聴いていた。曲は交響曲第3番「ライン」と第4番。ミュンヘンフィルとのEMIの33枚組BOX物の一枚。

極限まで彫啄しつくした音響世界。チェリビダッケは出来不出来の差が大きかった人だと思うが、この演奏は両曲とも素晴らしい。

実演でシューマンの第4番を聴いた時は、音楽をあまりにも引き締めすぎていて聴いていて息苦しくなったほどだが、この録音ではのびのびと音楽が飛翔している。

Youtube はケント・ナガノ指揮ベルリン・ドイツ響のシューマンの「ライン」

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2009年11月23日 (月)

ワルターのエロイカ

今週は水曜日に休まなくてはならず、仕事の帳尻合わせのためにも本日出勤し残された仕事を片付けておく。

P1010790 今日、実家が森町にある知人から次郎柿をいただいた。
http://www.hellonavi.jp/mori/kisetsu/090126-3.html
我が家の庭にあるのは富有柿だが、さすがに原木のある本場森町の次郎柿は大きさも味も見事なもの。トロリとした甘さは絶品でした。しかも種無し。

P1010787 今日はブルーノ・ワルターの指揮でベートーヴェンの「英雄」を聴いた。ニューヨークフィル終身音楽監督時代の1949年の録音で、手持ちのSONYのCDと日本コロンビアのLPのうち今日はLPを聴く。

後のステレオ録音にないスピード感と激しさが魅力的な演奏。各所で木管楽器にホルンを重ね、ぐいぐいとひた押しに押してくる迫力が実に見事。名演です。

P1010788 P1010789 沼響のHPの聴き比べコラム「シベリウスの2番を聴く」にジョージ・セル指揮コンセルトヘボウ管のスタジオ録音の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

Youtube は、ワルターとウィーンフィルによるマーラー交響曲第4番。ソプラノはシュワルツコップという豪華なもの

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2009年11月22日 (日)

フルニエのバッハ、チェロソナタ

どんよりとした曇り空。本日お休みだが娘のピアノ発表会などいろいろと多忙な一日。

三島の佐野美術館に行く母を送りながら、ぬましんホールで行われた劇団ひとみ座「ひょっこりひょうたん島」公演に顔を出す。http://www009.upp.so-net.ne.jp/hyoutanjima/project/project_top.html

Top_pic_01 このプロジェクトに関係する方々の中には、元上司、現上司そのほか音楽仲間など実に多くの知り合いの方が参加しているのに加え、今回の公演の共催団体の会長さんが仕事上でもプライベート上でも大変お世話になっている人という偶然が重なっている。

1時30分の開演ぎりぎりに到着すると、ホールには幼い子供たちと親たちでいっぱい。知り合いの関係者に挨拶を済ませ、空いている席に座り早速鑑賞。
やがて懐かしいテーマソングが聞こえてきた。

2009112213520000 内容は、単純な人形劇の公演に収まらず、ひとみ座の方の解説を交えながら子供だけではなく大人にも十分楽しめるもの。
なにげないセリフのひとことひとことに、人への優しさと思いやりがあふれている。

しばし見とれているうちに、娘のピアノの発表の時間が近づいてきた。

発表会会場は三島市民文化センター小ホール。沼津からは車で通常30分ほどの距離。娘の出番はたぶん3時半頃と予想して公演の途中だが2時ちょっと過ぎに会場を後にする。

ところが旧国道一号線が意外にも大渋滞。これほどの渋滞は珍しい。時間は刻一刻と過ぎ3時を過ぎても行程の半分の黄瀬川付近。

さすがに焦ってきた。すると家内から「いつもより進行が早くて、もうすぐ始まる」というメールが入ってきた。
ガーン! もう絶対に間に合わない。(T^T)

延々と10キロ以上の渋滞の原因は,スポーツ用品店のオープニングセールだった。orz http://www.spopia-shiratori.co.jp/campeign/20091121kisegawa.html


結局会場に着いたのは、娘の演奏が終わった30分後。
遅れて会場に着いた自分を見る家内と娘の目が冷たい。

P1010785 今日聴いたのは、フルニエの弾くバッハのチェロソナタ集。ハープシコードはスザンナ・ルージィチコヴァのエラート盤CD.

柔らかで品格のあるフルニエの音色。暖かで聞き手を包み込むようなすばらしい名演だ。

Youtube は、ペレーニのチェロでバッハのソナタBWV1027

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ペドロッティのハイドン

巷の三連休をよそに土曜日は仕事。夕べよく眠れず集中力を欠き、懸案事項数件を仕上げて早めにに切り上げ帰宅。

今家の近くで、国道414号線のバイパス建設というトンネル掘削を含む大規模な工事が始まっている。八場ダムほどではないが、計画から着工まで20年という気の長いもの。

もともと国道414の渋滞解消策として始まったものだが、今年東駿河湾環状道路の一部が開通したことにより、関東方面からの車の多くはそちらに流れて交通量は減少し、存在意義は薄れてきた。http://www.cbr.mlit.go.jp/numazu/road/izu_jukan/suruga/index.html

このバイパスのためにわが町内はまっぷたつに分断される。完成の暁には周囲の様相は一変するだろう。

P1010778 帰宅後聴いたのは、レスピーギの弟子だったイタリアの指揮者ペドロッティ指揮のハイドンの交響曲1,13,28番の3曲の初期の交響曲。

オケはペドロッティの組織したハイドン管弦楽団によるターナバウトのLP。

師匠のレスピーギのローマ三部作やラヴェルでは、ロマンティックで濃厚な演奏を聴かせたペドロッティ。

この演奏はおおらかな歌心あふれる中で、アンサンブルを堅実にまとめた硬くてカチリとしたハイドンだった。ハイドンは、古典的なフォルムのしっかりとしたこのような演奏が好ましいと思う。

Youtube はマリス・ヤンソンス指揮のハイドンの交響曲第104番

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2009年11月20日 (金)

チェリビダッケのシューベルト

今年の我が家は娘たちがダブル受験なのだが、どうも緊張感に欠ける娘たち。二人ともどうやら楽勝で入れると思っているらしい。
さほど簡単に入れるとも思えないのだが・・・・心配しているのは親ばかり。

939 今日も昨日に続きシューベルト。
聴いたのはチェリビダッケ指揮ミュンヘンフィルの1994年ライヴEMI正規発売盤で、数年前に購入して未聴なままの巨大なBOXセットの一枚。

曲は天国的な長さと言われる交響曲第9番。新全集版では第8番だがどうしても第9番のイメージが強い。このチェリビダッケの演奏は旧版使用で、ディミヌエンドの扱いなど、昨今の演奏とは細部で異なる。

この演奏は、チェリビダッケの他の演奏同様、ユックリズム横溢の肥大化したシューベルトと思いきや、意外と長大さは感じない。

リピートなしで演奏時間ほぼ一時間という長さは、この曲では長い方だが、細部まで入念に磨き上げられた響きと、停滞感のない音楽の流れで冗長さを感じさせないのはチェリビダッケの偉大さだろう。


Youtube はホロヴィッツの弾くシューベルト、「楽興の時第3番」

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2009年11月19日 (木)

フリッツ・ブッシュのシューベルト

曇り時々雨。だいぶ冷えてきた。朝、薄手のジャンパーをはおりバイクに乗り家を出たものの、予想外の寒さにバイクで出たことを後悔。
引き返すのも億劫だったのでそのまま出勤。

今日はオケの練習日だったはずだが、職場を出たのが9時近くとなり、家に楽器を取りに行く時間もなくそのまま練習をサボってしまった。

パソコン絶不調で、電源を入れてもカーソルが点滅したまま一時間が経過しても全く状態は変わらず。やむをえず電源そのままプッツン。

ところが風呂上りに再度電源を入れたところ、順調に立ち上がってきた。・・・・・  なんだこれ?

Photo 今日は、名指揮者フリッツ・ブッシュの指揮でシューベルトの交響曲第5番。
米コンサートホールのLPで、今はなき銀座ハンターで見つけたもの。

シューベルト10代の作品を、ブッシュは繊細にして爽やかに演奏している。オケはウィンタートゥール交響楽団。

Youtube はそのブッシュのシューベルト

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2009年11月18日 (水)

エネスコのヘンデル、ルーマニア・エレクト盤

一昨日、足を痛めた母を病院に連れて行ったりしたが、本日職場の女の子が階段を踏み外してコケてしまった。
本人は「大丈夫です」とか言いつつ、そのまま仕事を続けていたのだが、足の腫れが尋常でないので近くの病院にすぐに行かせた。

小一時間ほど経った頃に、「骨折してました。明日手術だそうです・・」などとまるで他人事のような本人からの電話。
「ガーン!」明日からしばらく仕事に穴が開いてしまった。

P1010785 P1010786 帰宅後聴いたのは先日御茶ノ水ディスクユニオンで購入したエネスコの演奏。
この中のヘンデルのソナタは、自分にとって別格の存在で既に何種類かの音盤が手元にあるが、今回見つけたのはエネスコの故国ルーマニアのレーベル、エレクトレコードのもの。

ステレオ表記とあり、1929年録音でステレオ録音があろうはずもなく、これはおそらく擬似ステレオだと思いあまり期待せずに聴いてみた。

ところが意外と音が良い。どうやらSP盤を再生してステレオマイクで収録したものらしい。お店ではバーゲンコーナー格安で売られていたが、これは拾い物のLP。

P1010784 沼響のHPの聴き比べ「ベートーヴェンの7番を聴くに、リステンパルトの演奏の感想をアップしました。http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

連載56回目。

Youtube はヘンデルのヴァイオリンソナタ第4番

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2009年11月17日 (火)

嶺貞子とアンリェット・ピウィグ=ロジェのローザ

一日冷たい雨。昨日母が転倒し足を打った。本人は大丈夫だと言っていたがかなり腫れていたので病院に連れて行く。検査の結果は、やっぱり足の指の骨にヒビが入っていた。昨年足の手術をしたので心配したが、まぁこの程度で済んだのでよしとしよう。

今、上の娘がイタリア古典歌曲の名作「Star vicino(君のそばで)」を練習している。
220pxspsalvatorrosa 作曲者のナポリ生まれのサルヴァトーレ・ローザは、イタリアバロック期のオペラ作曲家チェスティの友人だった人だが、本業は画家で詩人、俳優でもあったという大変な人。自画像を見るとなかなかのイケ面だ。

この曲もシンプルなメロディーの中に毅然とした格調の高さの感じられる名作。
51hsqxartsl__sl500_aa240_ 今日は嶺貞子の歌うイタリア古典歌曲集から「Star vicino」。
明快な発音と美しい声の名唱。
この演奏の価値を高めているのはピアノ伴奏のアンリェット・ピウィグ=ロジェ。
1933年ローマ大賞を受賞し、クリュイタンス指揮のフォーレの「レクイエム」でもオルガンを弾いていたフランス音楽界の至宝。
手持ちはフォンテックから出ていたLP

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2009年11月16日 (月)

フレモーのフォーレ

今日は仕事を早めに切り上げ、娘を歌のレッスンのために天城まで連れて行く。このところほぼ毎週だが、道路が整備され片道一時間もかからないのがありがたい。

レッスン中は、部屋の中で聞き耳を立てながら本を読んでいるふり。この一ヶ月で多少は上達したようだ。
外に出ると標高の高い天城はさすがに冷える。
帰宅は9時過ぎ。

自分は完全に夜型で、23時を過ぎるあたりから目が冴えてきて日付を回った頃が絶好調。時として2時を過ぎてしまうことがよくある。

昼間も眠くならないが、さすがに最近は体のどこかに無理が来るのではないかと心配になってきた。早めに床につくことを心がけているが、なかなか眠れない。
バッハの故事に習って「ゴールドベルク変奏曲」をかけたりしてもだめ。

Xat1245237969 いろいろ試行錯誤の結果見つけたのが、フォーレ作曲の「ラシーヌの雅歌」。
それもフレモー指揮のモンテカルロ国立歌劇場のエラート盤でないとだめなのだ。

5分に満たない小品だが、天国的な美しさに満ちたこの演奏を聴くと、最後まで聴き通すことなく気持ちよく熟睡だ。

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2009年11月15日 (日)

プラハ・スピリット・クインテット

本日、天気晴朗なれども風強し。
昨日は職場で大きな行事があり、一日出勤。疲労困憊の状態で帰宅し、パソコンもほとんど正常に起動せず更新休止状態。

今朝、頼んでおいた液晶テレビが到着。我が家もようやく地デジ対応となったが、一番テレビを見る時間の多いおばあちゃんの部屋に設置し、他の部屋は当分アナログのまま。

F0052986_1854229 エコポイントの書類を書いていると、魚市場に勤めている親戚が、20センチほどのテンジクイサキを6尾持ってきてくれ、外の流しで手慣れた包丁さばきで調理までしてくれた。
畑から未だ小ぶりの大根を収穫し、今宵の夕餉はイサキの塩焼きを大根おろしで。

一昨日は、チケットをいただいた三島信用金庫主催のプラハ・スピリット・クインテットの演奏会に行ってきた。昨年に続き2度目の公演。

Psqmain2 スメタナの「モルダウ」や「新世界より」のラルゴなどのアレンジものが中心なのは昨年同様だが、ドヴォルジャークのコンサートワルツやハンガリの作曲家ヴァイナルのデヴェルティメントのような珍しい曲もやってくれた。
ドヴォルジャークの「アメリカ」の弦楽五重奏版というのも珍しい。

先日聴いたチェコフィル八重奏団とダブル曲もあり、どうしても比べてしまうが、アンサンブルとしての合奏の練れ具合はこちらが上だった。

チェコフィルは確かに一人一人の技術は高かったが、旅の疲れが出たのか音楽に集中度を欠いていた。
「モルダウ」の編曲もエッセンスだけでなく、プラハスピリットクインテットはほぼ全曲を真面目に取り組んでいたのがよかった。

ピアソラやポーターらの作品が並んだ後半も聴きたかったのだが、遣り残した仕事もあり、こちらは失礼させていただいた。

Youtube はスメタナの「わが祖国から」「ターボル」。クーベリック指揮チェコフィルの演奏で。

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2009年11月13日 (金)

チャイコフスキー、交響曲第五番練習開始

朝夕しだいに冷えてきた。
昨日のオケの練習は、いよいよ来年の第26回定演に向けての練習開始。

P1010784 来年はチャイコフスキーの交響曲第5番にメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲その他。

この二曲はいずれも沼響が取り上げたことのある曲だが、チャイコは第7回定演、メンデルスゾーンは実に第2回定演にやった曲。

いずれもほぼ20年ぶりに取り上げる曲ということで、団員の大部分は沼響初体験だが、創立当時のメンバーであるホルントップのWさんと自分は2回目。

第7回定演同様、自分は2番でWさんは1番で吹いてみたが、20年の歳月の重みを思い知りました。
久しぶりのチャイコは実にシンドカッタ。

ひとつの演奏会が終わるとアマオケの宿命としてよくあるのが団員の入れ代わり。今回も古株の団員3人が転勤、結婚などで去っていく。

宿命とはいえやはり寂しい。皆さん新天地で新たな境地で活躍して欲しいものだ。

その代わり創立当時の超古株の団員二人の復活があった。ということでこれはうれしいニュース。

21cap78yvwl__sl500_aa130_ 沼響のHPの聴き比べ「シベリウスの2番を聴くに、イギリスの指揮者アレキサンダー・ギブソンの全集録音からの演奏をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

Youtube は ムラヴィンスキーのチャイコフスキー交響曲第5番

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2009年11月11日 (水)

薬草茶あれこれ

雨、時々風強し。

祖父の代から畑の片隅で通称ハブ草と呼ばれる恵比寿草をそだてていた。http://home.q00.itscom.net/med/yakuso/habu.htm
Images 収穫の時期になると、細長い鞘から細かな実を採り、乾燥する手伝いをさせられたものだ。
その実は決明子(ケツメイシ)と呼ぶことを知ったのは最近のこと。

いわゆる民間の漢方薬で、お腹に良いということで祖父は毎日欠かさず飲んでいたが、細かな実を鞘から取り出すのがかなり辛くて10年ほど前から栽培を止めてしまっていた。

Img_13 ところが最近自分が飲みたくなり、近所の薬局からティーバックになったのを買ってきて飲んでいる。こちらの方が安いし手頃に飲めるのが良い。

一昨日、そろそろ買い置きが終わりそうなので、薬局に買いに行ったら同じコーナーにあったセンナ茶というのが目に入った。
なにやら美しい黄色い花をつけるアフリカ由来の薬草だという。
なんとなく良さそうだったので、深く考えずに購入し、家で煎じて飲んでみた。

Images_2 ほのかな甘さもあり上品な味で、なかなかおいしい。

これは良いとガブガブ飲みながら効能書きを読んでいると、初回は最小量を用い、少しずつ様子を見てくださいと書いてある。http://home.q00.itscom.net/med/yakuso/senna.htm
そのうち強烈に腹が痛み始めた。脂汗も出てきた。

どうやら強力な便秘薬だということが判ってきた。これはかなり強烈。

下の娘が「マンガに罰ゲームとしてセンナ茶を飲ませるシーン出てくるよ」なんて側でニヤニヤしながら言っている。
「知っているなら早く言えよ!」
これではとても音楽を聴ける状態ではない。

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2009年11月10日 (火)

ボールトのスメタナ

本日は、昨年始まった長期プロジェクト関連で川崎出張。昨日からの暖かさは今日も続き、歩くと汗ばむほど。

帰りに久しぶりに御茶ノ水ディスクユニオンへ寄ってみた。
このところ音盤購入意欲が失せ、購入する場合もネットが大部分なので中古音盤屋はほぼ一年ぶり。
店内はあまり変わらぬ雰囲気だが、自分が変わってしまったのか以前お店に入ると自然に生じた高揚感は全くなし。

P1010779 それでもLPコーナーから取り出したのは、桐朋学園オーケストラによるチャイコフスキーの弦楽セレナーデ、モーツァルトのディヴェルティメントK.136、東芝盤。
斎藤秀雄のモーツァルトはCD化されていたが、秋山和慶のチャイコフスキーは未CD化だったと思う。沼響草創期に客演していただいた小泉ひろし先生指揮の小山清茂もカップリングされている。

P1010778 P1010782 そしてレスピーギの弟子のイタリアの指揮者ペドロティのハイドンの交響曲、ターナバウト盤と他にヘンデルを数枚。

エネスコの弾くヘンデルその他のルーマニアエレクト盤。

ウイルコックス指揮オラトリオ「快活の人、沈思の人、温和の人」オワゾリール盤。これはサーストン・ダートがハープシコードとオルガンで加わっている。
P1010781 P1010783 ボールトがコヴェントガーデンのオケを振っているK.Mckellerによるヘンデル・オペラアリア集DECCA盤

500円以下コーナーを漁っていると、すぐそばで年配の男性が店員に「高価なLPは入ったかね」と聴いている。世の中にはいろいろな人がいるものだ。

P1010774 P1010773 CDではグリーンドアレーベルのCDのセールをやっていて、アンゲルブレシュトの指揮でフォーレの「レクイエム」新品で500円。
レジにそれらを持っていくとJ.ドワイアンの弾くショパンのディスクユニオン製CDがおまけて付いてきた。

多少調子が出てきたので、明治大学方面の坂を下りマーブルディスクを冷やかす。

相変わらず狭い店内、奥のクラシックコーナーで中腰で音盤漁りをしているうちに腰が痛くなってきた。視力が落ちてレコードの背表紙が立った位置から見えなくなっているのだ。
以前は背表紙のレーベル番号をざーと見てほぼ概略は掴めたのだが。

P1010775 ここでは、ボールトの指揮するスメタナその他のワールドレコードクラブ盤を見つけた。
この中の「モルダウ」だけが東芝セラフィムの廉価盤で出ていて、これが大名演であったので、オリジナルカップリングのLPをずっと探していたのだが、こんなところで出会うとは思わなかった。


「モルダウ」のほかには「売られた花嫁」の序曲その他数曲とグリンカの「イワンスサーニン」、リムスキー・コルサコフの「軽業師の踊り」。

Youtube はメニューインの指揮でK.136

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2009年11月 8日 (日)

バルワーザーのフルート

昨日は調子が良かったパソコンが今日は不調。苦労して書いていた「聴き比べ」の記事が突然の電源断でオシャカとなってしまった。orz

本日仕事だが、合間に国民文化祭の関連イベント「彦いち師匠のこども落語道場」の発表会を覗く。http://blogs.yahoo.co.jp/kodomorakugo

これは小学校4年生から高校生までのこどもたちが、林家彦いち師匠の指導の下で落語を学んだ成果を発表するというもの。

時間の関係で最初の数人しか見れなかったが、着物を着た子供たちがのびのびと演じる小噺がほほえましくも可笑しくもあり、なんともホノボノした気持ちにさせられた。

お客は百人あまりだったが、もっと多くの人に見てもらいたいと思わせる良い内容だった。
P1010774 今日はオランダのフルート奏者、バルワーザーのモーツァルトから
「フルートとハープのための協奏曲K.299」と「フルート協奏曲第一番K.313」を聴く。
いずれもフィリップス原盤の国内盤LPで、K.299はベイヌム指揮のコンセルトヘボウ管でハープはP.ベルゴー。一方のK.313の伴奏はコリン・デーヴィス指揮のロンドン響。

P1010773 1935年から名門コンセルトヘボウ管の首席奏者だった木製のフルートを使用していたことで知られる名手バルワーザー。

いずれも名演ひしめく名曲だが、フランス系のフルーティストたちとはまた異なるしっとりとした太い音と明快な音楽作りでじっくり聞かせてくれる。

P8160521 K.313はパウムガルトナー伴奏の別録音もあるが、再録音はステレオ録音なのがありがたい。温もりのある暖かな音色深く沈潜していく第2楽章は感動的だ。

Youtube はメンゲルベルク指揮コンセルトヘボウ管によるマーラーの交響曲第4番終楽章。バルワーザー首席時代の記録

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2009年11月 7日 (土)

チェリビダッケのブルックナー、ミサ曲第3番

本日お休み。午前中は娘を連れて季節性インフルエンザの予防接種。
かかりつけの医者への予約が遅れ、ご近所の医者数件に今週始めに予約を入れたところ全て締め切ったあと。かろうじて隣町の清水町の医院で受けることができた。

例年は予約もすんなり取れていたのだが、新型を含めた今年の大流行で関心も高くワクチンが品薄ということだろう。

家に帰ると、父の従兄弟の家族が畑の蜜柑を採りに来ていた。まだ幼いお孫さんが楽しそうに採っている。摘果しようとしていたのでちょうどよかった。

861 今日は比較的余裕があるので大曲。
聴いたのはブルックナーのミサ曲第3番ヘ短調で、演奏はチェリビダッケ指揮ミュンヘンフィルと合唱団。ソリストはM.プライス、D.ゾッフェルその他による1990年のライヴ。

この演奏のリハーサル映像も残されていて、かつてBSで放送されたのを見た記憶もある。

通常一時間弱の曲だが、チェリビダッケが振ると70分を超える大作と化す。予想どおりのゆったり雄大な大演奏となっているが、このテンポではオケはともかく歌はさぞや大変だったろう。

手元にあるもう一枚の、フォルスター指揮ベルリン聖ヘドウィッヒ聖歌隊の古い録音とは別の曲を聴くようだ。

とても休日でなければ聴けない演奏。

410s30zyrcl__sl500_aa240_ 沼響HPの聴き比べコラム「シベリウスの2番を聴く」にアンセルメの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

Youtube はチェリビダッケのブルックナー、交響曲第9番第ニ楽章。イタリアの放送オケを振った比較的若い頃の記録

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2009年11月 5日 (木)

セルジュ・コミッシオーナのラヴェル

本日お偉方との会議二連発でいささか疲れ気味だが、まずまずの出来だったので心地良い疲労感。

Front_mini 昨晩は久しぶりの中年五人組の「ボエームの会」。メンバーも一人増えてますます盛況。場所はいつもの三島菰池近くの「割烹はちまき」。

これからは鍋の季節で、今回は白菜大根おろし鍋(というのかな?)
たっぷり雪のようなふんわりとした大根おろしと白菜、そして豚のバラ肉とImages8 いうきわめてシンプルな鍋だが、家で同じことをやってもこの味は全然出ない。

おさしみにサワラの西京焼きエトセトラ、最後は三島コロッケというかなりのボリューム。
Imo_ph06 お酒は芋焼酎「さつま木挽」。さっぱりほのかな甘口の飲みやすいお酒でした。


0f98b7e362c0bfc374b51385e89dbf2f1 続いて二次会はK美ちゃんの明るい笑顔で迎えられ、いつものマンション一室のプライベートバー。ここでは宮崎の焼酎から、ガルシア・マルケスの小説から採られた「百年の孤独」をロックで。奇しくも今宵は薩摩と日向の芋と麦の焼酎揃い踏み。

不思議な縁で知り合った他愛もない会話でいつものように盛り上がる。

今日はこの部屋の壁に前から飾られていた「裸婦」の素描が話題に。
K美ちゃんから加山又造らしいという話を聞いて一同騒然。
思わずまじまじと見つめる皆の目。「やはり前からどこか違うと思っていた」などと皆適当なことをつぶやいている。

半信半疑でネットで調べてみると。同じような絵がいくつか出てきた。http://okiyoyo.cocolog-nifty.com/blog/2009/02/post-e77b.html
モデルは違うが確かに同じ画家によるものだ。

P1010774 今日は、ルーマニアの指揮者セルジュ・コミッショナー指揮ヒューストン響のラヴェル。
ヴァンガード原盤の国内盤CDで、「ラヴェルのある部屋」というタイトルが付いている。

いわゆる入門者向けに作られたようなCDだが、この種のアルバムにありがちな名曲を細切れにしてさまざまな演奏家の寄せ集めとしたたものでなく。一人の演奏家で統一、曲も筋の通ったものであるのが良い。
曲は「ボレロ」「ダフニスとクロエ第2組曲」、「ラ・ヴァルス」「亡き王女のためのパヴァーヌ」というもの。

Gold_main_html_txt_bacon_shades そもそも数々のメジャーオケの首席ホルン奏者としてアメリカとヨーロッパを渡り歩いた名手トーマス・ベーコンhttp://www.hornplanet.com/tbinfo/bio.htmlの「亡き王女」が聞けるということで購入したCDだが、コミッショーナの指揮が意外によく、「ダフニス」はきちんと合唱をつけているし、怒涛の如くひた押しに押してくる「ボレロ」も興奮を誘う見事なもの。これは拾い物のCDだった。

Youtube はフランスのノートルダムで演奏される「亡き王女のためのパヴァーヌ」。フレンチタイプのバソンが使用されているのが見える。

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2009年11月 3日 (火)

東海大学開発工学部学園祭コンサート

文化の日の今日は、東海大開発工学部の学園祭にゲストとして沼響が出演。
http://www.ncc.u-tokai.ac.jp/festaashitaka2009/top.html

夕方から本番なので、午前中は畑の蜜柑を摘果の後、瀕死のパソコンからせっせとデーターを退避。

作業をしているうちにパソコンはますますおかしくなり、突然「Warning!CPU has been changed」なんてメッセージが出てギョッとしたが、どうやらBIOSの設定が何らかの原因で変わってしまったらしい。
なんとか12月までもってくれい!

2009110316440000 午後は本番のため東海大学へ。愛鷹山の中腹にある校舎は下界よりもはるかに寒い。練習開始直前に模擬店をチョイと冷やかし、いただいた食券で焼きソバとタコヤキを購入。だが本番までに食べている暇はない。
野外ステージでは沖縄から来たというロックバンドが物凄い音でがなりたてていて閉口。

2009110315540000 そしてリハーサルの後本番は5時開演。リハーサル時には見かけなかった小鳥がまたどこからかホールに侵入してきて囀り始めた。

どうやら夕方になるとこの場所に帰ってくるらしい。ガラス張りのドームの天井を見上げると。すごい数のカラスの群れが通過していく。

曲は沼響友の会と同じものだがモーツァルトは第一楽章のみ。用意された椅子はほぼ満席で立ち見も出ている。4階までのバルコニーにも学生たちが集まっている。

2009110316330000 残響豊かな会場に助けられ、吹いていてすこぶる気分が良い。客席が近く、お客さんたちが楽しんでる様子がストレートに伝わり、皆も自然と気合が入るというもの。丁寧な中に適度な遊び心も加わり良い出来だ。

一時間あまりの充実したコンサートは6時過ぎに終了。
会場を出ると外は真っ暗。素晴らしい夜景が眼下に広がっていた。

2009110317170000 模擬店で買った焼きそばとタコヤキは、帰宅後娘たちに食べられてしまった。

Youtube はアンドレ・リュウの「金と銀」

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2009年11月 2日 (月)

50年代のカラヤン

曇り時々雨。ここ数日パソコンの具合がおかしい。突然電源が落ちてしまうかと思えば、立ち上がりにフリーズしてしまう。

最初は一日に一度ぐらいだったのが次第に回数が増えてきた。5年選手のXPマシンだが、そろそろ買い変え時か。

P1010773 今日はカラヤンの最初のベートーヴェン交響曲全集から数曲、第1、3,4番の3曲。
カラヤンがベルリンフィルの終身音楽監督となる直前、1951年から55年までにフィルハーモニア管を振って録音した全集。

弦楽器の刻みの最初の音にアクセントを付けながら上り詰めていく1番の終楽章後半、ロマンティックにして雄渾に盛り上がる「エロイカ」第二楽章中間部など、後のベルリンフィルとの全集からは聴けなくなったしなやかで颯爽としたベートーヴェンが聴ける。
ただ第4番はいろいろと小細工が裏目に出た様子。カラヤン独特のレガートが不自然な所で現れ、時として音楽の流れに停滞感が感じられる。

P1010727 もう一枚は、カラヤンがウィーンフィルを振ったウィンナワルツのライヴ。

ソプラノのヒルデ・ギューデンを迎え、歌劇「こうもり」序曲ほかに皇帝円舞曲、ピチカートポルカなど、1958年ブリュッセルでの記録。伊モヴメント・ムジカのモノラルLP。こちらも美しい。

Youtube はクライバーの「ばらの騎士」

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2009年11月 1日 (日)

南極の氷

晴れ夕方から雨。本日お休み。

 

午後から、南極観測隊の越冬隊長を3回務めた国立極地研究所星合孝男名誉教授の講演を聞き行く。

実は星合先生の話を聞くのは2回目で、1回目は40年以上も前の小学校2年生の時。
たまたま当時の自分のクラス担任が星合先生のご母堂で、その縁で学校が招いた講演会だった。
講演の内容は覚えていようもないが、そのとき先生が持参された真っ白な南極の氷の印象は強烈だった。

288370716_3d4a00609d 実は今回の講演には、そんな縁もあり自分も深く関わっていたのだが、
今回も会場受付には南極の氷を置くことが出来、妙に懐かしかった。

細かな気泡が入った真っ白な氷。

オンザロックにしたら面白いだろうな、などと考えていたら、南極の氷は海水が何層にも氷結したもので、層と層との間にはバクテリアが住み着いているという話を星合先生から聞き、純粋なようでいていろいろ混じり物があるらしいということが判明。

氷の表面に触れ、手についた水を舐めるとちょっぴり薄い塩味がした。

600x4502008092400019 というわけで、今日はヴォーン・ウィリアムスの南極交響曲。
サー・エードリアン・ボールト指揮ロンドンフィルの演奏。 手持ちは東芝EMIのセラフィムエクセレントシリーズの国内盤LP。

南極点到達競争にアムンゼンに敗れ、帰途に悲劇的な最期を遂げたロバート・スコットを題材とした映画音楽を交響曲として再構成したもの。

 

交響曲とはいえ、ウィンドマシーンや女声合唱、オルガンも加わるR.シュトラウスのアルプス交響曲にも似た壮大な音の叙事詩だ。

Youtube はヴァンゲリス作曲、映画「南極物語」のテーマ

 

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