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2010年1月に作成された記事

2010年1月30日 (土)

渡邊暁雄の「英雄の生涯」

本日お休み。朝早く、新型インフルエンザの予防接種のために下の娘をかつてお世話になった小児科へ連れて行く。
一昨日かかりつけの内科医に予防接種の申し込みをしたところ、中学生は小児科で受けてくださいとの話があり、久しぶりに小児科へ行くことになった。

病院に着くと、予防接種を受ける幼児が10人近く集まりたいそうな賑わい。中学生は娘一人のみ。

幼い子らを見ていると、ウチの娘もこんな時があったっけなどと感慨にふけっているうちに順番が来た。
ここの院長は幼いころから高校まで同級だったりするので、診察室へノコノコと娘に付いていく。

P1010114 このところ、日本フィル創立50周年記念アルバム「渡邉曉雄と日本フィル」CD全集をコツコツと聴いている。
CD26枚組全62曲という大きなセットで、1956年から1987年までのほぼ50年間の日本フィルの公演記録。

古い演奏の中には、今の日本フィルの水準と単純に比較するには多少の無理があるものもあるが、一人の名指揮者が長い間にわたってひとつのオケを育てていったオケの成長記録として貴重なもの。

ベートヴェンの交響曲第4番のティンパニや「運命」のフィナーレのピッコロの扱いなど、非常に個性的な解釈も聴かれて興味深い。

今まで聴いた中では、1964年の「英雄の生涯」に最も大きな感銘を受けた。ロマンティックにして雄大、名コンマス、ルイ・グレラー氏のヴァイオリンソロも見事なもの。
この時代の日本フィルを代表する名演奏だと思う。

Youtube は大指揮者マルケヴィッチ指揮日本フィルによるブラームス、交響曲第4番。1968年の記録

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2010年1月29日 (金)

クーベリックの「真夏の夜の夢」リハーサル

4月に人事異動発令に備え、事業仕分けではないが来年度へ向けての業務の見直しに入っている。
当初の目的が理解されないまま担当が替わり引き継ぎされ、ルーティン化し形骸化してしまった仕事がいかに多いことか。

今日聴いたのもメンデルスゾーン。

P1010030 チェコの名匠クーベリックは「真夏の夜の夢」の劇付随音楽の形で録音を残していて、かつて序曲のリハーサルがLP化されていた。
オケはバイエルン放送交響楽団。
曲のあちらこちらで出てくるロバの鳴き声を交えながら進める、極めて明快で合理的なリハーサル。

続けて序曲から全曲を通して聴く。

質朴にしてロマンティックさの漂う名演。昨日のラインスドルフとはまた異なる魅力的な演奏だ。
序曲冒頭のほれぼれするような美しいフルートは当時既に指揮者として著名だったクルト・レーデル。
リハーサルでもクーベリックはレーデルのフルートに絶大な信頼を寄せているのが良くわかる。

それにしてもこの序曲。メンデルスゾーン17才の時の作品とはとても思えない完成度の高さで、続く楽曲がメンデルスゾーン晩年の作にもかかわらず、並べて聴いても全く違和感がないのがすごい。

沼響のHPの聴き比べコラム「シベリウスの2番を聴く」に、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管の1967年トロントライヴの演奏の感想をアップしました。連載42回目
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

Youtube は、クーベリック指揮するヤナーチェクの「シンフォニエッタ」冒頭

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2010年1月28日 (木)

ラインスドルフの「真夏の夜の夢」

昨日は富士宮で県内同業者を集めての会議。
午後からの会議のため早めに到着し会場近くの浅間大社へお参り。
ここは富士山を祭神とする全国の浅間神社の総本宮だ。

2010012715050000 このところ職場で良からぬ事故や、病気になる職員が頻発しているので職場用にお守りを購入。

昼は大社近くのお宮横丁で富士宮名物「富士宮やきそば」を食す。。
http://www5.ocn.ne.jp/~saromiya/omoya/omiya.html

会議は主催者側事務局だが、部下に全く任せきりだったが滞りなく終わる。

そして夜は、組織トップを含むお偉方を集めての市内ホテルでの新年会。早々に退散するつもりが、そのまま二次会になだれ込み結局帰宅は1時過ぎ。

明けて今日は文化センター地下のリハーサル室でオケの練習日。

仕事を早めに片付け、トレーナーの高橋先生の指揮でチャイコフスキーの交響曲第5番第1、3楽章。

次第に細かな練習になってきた。第3楽章中間部の3拍子の中に2拍子の感覚が混入している箇所など、わかりやすく解説しながら進め、しだいにアンサンブルの精度が上がっていく。

休憩時間に定演の前プロの発表があった。曲は中プロのヴァイオリン協奏曲と同じメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」組曲。
第2曲にはホルンの大ソロがある。これは今回の定演ほホルンセクションには試練の演奏会となりそうだ。

P1010029 というわけで今日は「真夏の夜の夢」を聴く。演奏はラインスドルフ指揮のボストン響による演奏。

シェイクスピアの戯曲のナレーションも入る全曲盤だ。
オケのうまさと輝かしさもさることながら、ナレーションのインゲ・スウェンソンの美しい英語がなんとも素晴らしい。

この演奏は密かにこの曲のトップを争う名演だと思っている。


Youtube  はチェリビダッケ指揮の「真夏の夜の夢」序曲

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2010年1月26日 (火)

ロジェストヴェンスキーのプロコフィエフ

2010012613270002_4 庭の梅は白梅とともに紅梅も花を咲かせていた。良く晴れた一日。

  今日はプロコフィエフの交響曲を2曲。第1番の古典交響曲に最後の交響曲となった第7番。

両者には作曲年に30年以上の開きがあるが、曲想の若々しさとシンプルな点で共通する部分多い。

P1010025_2  だが、第7番第3楽章の高度な次元で結晶化された澄み切った叙情は、功なり名を遂げた円熟の音楽だ。

今日聴いたのは、両曲をカップリングしたロジェストヴェンスキー指揮モスクワ放送響によるもの。
プロコフィエフの音楽は、才気煥発なロジェストヴェンスキーにこそふさわしい。第4楽章終結部はオリジナル版を使用。

Youtube は、ゲルギエフ&ロンドン響のプロコフィエフ「ロメオとジュリエット」

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2010年1月24日 (日)

フィラデルフィアのミュンシュ

今日は休み、先週の日曜から休みなしだったのでほっと息つく一日だ。実は親戚の法事が入っていたのだが、ここでまた酒席となるとキツイのと娘の声楽のレッスンも入ったりするので、未だ元気な母が出席。

2010012413190000 ここ数日の暖かさで庭の梅が咲いていた。春は着実に近づいている。

フランスの大指揮者ミュンシュがフィラデルフィア管を振った唯一の録音を聴く。


P1010026_2 ラヴェルの「高雅で感傷的なワルツ」、フォーレの「ペレアスとメリザンド」、そしてベルリオーズの「ファウストの劫罰」から、というもの。1963年CBSへの録音で手持ちは国内盤LP.

常任指揮者だったボストン響を振った時のある種の線のキツさは姿を潜め、デリケートなふくよかさ聴かせる名演。これはあながちオケの性格の違いでもなさそうだ。

P1010028 このラヴェルがミュンシュの他の演奏とあまりにも異なるので、ボストン響との演奏も聴いてみた。

曲は「ラ・ヴァルス」

P1010027 ミュンシュはボストン響とこの曲を3度録音している。聴いたのは2度目の1955年と、3度目の1962年録音。
同じ組み合わせだが聴いた印象は全く異なる。

冒頭のベースをゴリゴリと強調した明快にして豪快な55年盤に対して、62年盤はラヴェルが記した「渦巻く雲の間からワルツを踊る男女がかすかに浮かび上がってくる・・・・」情景そのままの曖昧模糊とした雰囲気で始まる。

柔らかなフィラデルフィア管とのラヴェルはまた異なるタイプだった。

いずれも、その場のインスピレーションで即興的な変化を聴かせたミュンシュならではの名演だ。

Youtube はミュンシュ&ボストン響のラヴェル「ダフニスとクロエ」から、壮大な「夜明け」

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2010年1月23日 (土)

ミュンシュ&パリ管、お披露目演奏会ライヴ

音楽部屋の雨漏りの原因判明。

どうも後から付けた明かり取り用の天窓の隙間から水が入り、それが天井の隙間を伝わって落ちてきていたらしい。壁にも染み込んでいるようだという。困った。大工事になりそうだ。

今日も出勤。仕事をしていたら奥歯の詰め物が取れてしまった。全くツイていない。

夕方、行きつけの歯医者である高校時代の友人宅へ電話したところ月曜日の朝一番で診てくれることになった。

昨日職場の一人が尿管結石で急遽お休み。電話の声は相当痛そうだった。ちょうど一週間前にも女性職員が胆石で倒れている。

お祓いでもしようかな、などと真剣に考える。

帰宅後HMVからCDが届いていた。

788 1967年11月7日、大指揮者ミュンシュ指揮するパリ管によるライヴで、幻想交響曲とドビュッシーの「海」というもの。
これはフランスの威信を掛けて創設されたパリ管弦楽団の披露演奏会の歴史的なライヴ。

録音の存在は知られながら今まで日の目を見ることがなかった、長い間鶴首していた待望の演奏だ。

4547366017526 沼響のHPの聴き比べコラム「シベリウスの2番を聴く」にセルの東京ライヴの感想をアップしました。連載41回目。

http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

Youtube はミュンシュ&ボストン響のブラ1

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2010年1月22日 (金)

アバドとグリモーのラフマニノフ

昨日は大ホールでオケの練習。指揮はトレーナーの高橋先生によるチャイコフスキーの交響曲第5番。
オケはほぼ全員そろったフル編成だが、どうしても皆の音は高橋先生の棒から大きく遅れがち。響きが時間差を持って聞こえ、しかもピッチも揃わず吹いていて気持ちが悪い。

とはいえ自分の音も人には言えない出来だ。

この曲は沼響としては2度目だがかつて演奏した人は5指に足らず、当時を知る自分も見事に音の記憶が頭から消えている。

今日は朝から来客、会議、外部業者さんとの対応に追われ一日の終わるのが実に早い。気が付いたら夜の8時を回っている。

1185 Ucbg1282abbado160 今日行く予定だった長岡京室内アンサンブルのコンサートチケットをまた流してしまった。これだったら職場の女の子に譲っておくんだった。

帰宅後聴いたのは、2008年ルツェルン音楽祭の「ロシアンナイト」からラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。ピアノはフランスの女流グリモーに、アバド指揮ルツェルン祝祭管弦楽団。2009年レコードアカデミー賞特別部門受賞盤

http://www.ongakunotomo.co.jp/ex/record_academy_total/index.html


しっとりとしたグリモーのピアノは、豪快にバリバリと弾き抜けるロシアのタイプの演奏とは対照的。さりとて力強さと躍動感にも不足しない素晴らしい演奏だ。名人揃いのルツェルンのオケの伴奏も見事。

コンサート会場にはポリーニとブーレーズの姿も見える。

Youtube はグリモーの弾く、ペルトの「クレド」。
バッハの平均律をベースにした感動的な作品

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2010年1月20日 (水)

ズスケのヴィオラで、ドビュッシーのフルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ

4月並みの暖かな一日。朝からの強い風が夜には湿った生温い風になってきた。どうやら夜遅くから雨になりそうだ。

今日は外部監査が入る重要な日だが、下の娘から二日前から咳が止まらず、今朝はかなり重症。受験直前でもあり、大事を取って休ませ朝一番にかかりつけの病院へ連れて行く。職場に電話をかけたりと仕事を気にかけながら待合室で待つ。

熱はなく普通の風邪とのこと。娘を家に連れ帰り、息つく間もなく職場へ直行。監査は事前の準備が完璧に近かったのでさしたる問題もなく通過。

さて、昨日は妙な縁で集まったオヤジ5人、今年初めてのボエームの会。場所はいつもの割烹「はちまき」。

Kandaramain 料理は昨年暮れに好評だった「どんがら汁」再び。タラのぶつ切りにトロリとした肝、そしてプリプリの白子もたっぷりの濃厚な庄内の郷土料理だ。

Kyounoryouma720 お酒は今やブームの坂本龍馬にちなんだ神聖「京の龍馬」に 始まり前回の残りの広島の銘酒「竹鶴」純米。

おりしも「競技かるた56期名人戦」西郷直樹名人の12連覇のうれしいニュースも重なり、さながら祝勝会の雰囲気だ。
いつも以上に盛り上がりながら二次会のプライベートバーへ進むいつものコース。
101502l_1_3 下ネタから格調の高い?話の中、食べ、飲み、大いに笑いながら楽しい一日が暮れていく。

P1010023 今日はドイツのヴァイオリニスト、カール・ズスケのバッハ。「無伴奏ヴァイオリンソナタ第一番」を聴く。

渋くて地味、だがバッハの音楽に誠実に対峙した長く愛聴に耐え得る名演だ。

Youtube はズスケのヴィオラで、ドビュッシーのフルート、ヴィオラ、ハープのためのソナタ

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2010年1月18日 (月)

ブランフォード・マルサリス「クラシカル・ロマンス」

今日はマルサリス一家の長男、ブランフォード・マルサリスのソプラノサックス。

P1010021 20代前半からアート・ブレーキー&ジャズ・メッセンジャーズに参加していたブランフォード・マルサリスのクラシックのアレンジものばかりを集めたアルバム。
全てソプラノ・サックスとオーケストラのための作品で、アレンジは、多くの映画音楽で知られるフランスの作曲家ミッシェル・コロンビエ。

伴奏はアンドリュー・リットン指揮のイギリス室内管というもの。

曲は、ドビュッシーの「喜びの島」で始まり、ラヴェル、サティ、フォーレなどのフランスものが中心。他にストラヴィスキーの「プルチネルラ」「パストラーレ」など、いわゆるおなじみの名曲ではなく、ソプラノ・サックスの特性を生かしたフランス系のちょっと凝った選曲が嬉しい。

マルサリスのサックスは正統派のクラシカルな演奏で、透明な音色と着実な技巧で聴かせるもの。コロンビエのアレンジも非常に美しい。

そしてコロンビエの作品でもう一曲。

P1010022 金管五重奏とオルガンのための「六重奏曲」。演奏はトランペットのピエール・ティボー、ホルンのバルバトゥーなど、フランスの超一流奏者によるアルス・ノヴァ金管五重奏団とオルガンのクサヴィエ・ダラッセによるもの。こちらはエラートのLP。

シリアスな中にもポップなティスト漂うクラシカル作品。

Youtube  はコロンビエの名作「Wings」

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2010年1月17日 (日)

アンドレ・プレヴィンの「ウエスト・サイド・ストーリー」

朝、仕事に出ようと車を出すとどうもハンドルが重い。嫌な予感がして車を止めてみると、左側の前輪がパンク。 とにかく凍てつく寒さの中、応急用のスペアタイアに交換する。
長いこと車を運転しているが、パンクすることなどまずなかったのに昨年の秋以来2度目だ。釘でも拾ったのだろうか?

そのまま応急タイヤのまま職場に行き、仕事帰りになじみの修理工場に車を預け、代車で帰宅。

金曜の夜に、80歳になったアンドレ・プレヴィンの特集番組をNHK教育で放送していた。曲はプレヴィンが最も好んでいるモーツァルトの作品が中心。

N響を弾き振りしていたピアノ協奏曲第24番は、早熟の天才プレヴィンが子供の頃に初めて学んだモーツァルトのピアノ協奏曲だという。

P1010015_01 今日は1973年の録音でその24番のコンチェルトを聴いた。伴奏はボールト指揮のロンドンフィル、EMI音源のロイヤルクラシクスのCD.

N響との共演で聴かせた純化した高みにまでは未だ達していないが、爽やかにして軽快、愉悦感あふれるモーツァルトが聴ける。 ボールトのバックも見事なものだ。

P1010016 P1010017 そしてクラシック界にデビューする前、ジャズピアニストとしての名声を確立していた時期の録音で、コンテンポラリー原盤の「ウエスト・サイド・ストリー」を聴く。
シェリー・マンのドラムスにレッド・ミッチェルのピアノ。

ここでの主役は完全にプレヴィンだ。おなじみの名曲の数々を端正にして華麗に弾きあげた名盤中の名盤.

Youtube はN響客演時のラフマニノフの交響曲第2番第3楽章

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2010年1月16日 (土)

スイトナーのハイドン、「軍隊」

今週初めから腰に鈍い痛みがあり、木曜はとうとう仕事を休むことに。その夜のオケの練習も欠席。金曜は午後から出勤したが結局帰宅は10時。

結局この二日間は音楽とは無縁の生活だったが、本日お休み。

N響名誉指揮者のスイトナーが亡くなった。87歳。

東西ドイツの統合とほぼ同じ時期に指揮活動を停止し引退状態となってしまっていたが、昨年3月にBSで放送された息子のイゴール・ハイツマン監督によるドキュメンタリー映画(2007年制作)では意外なほど元気な様子の近況が紹介されていた。
http://harumochi.cocolog-nifty.com/horn/2009/03/post-9c15.html

P1010014 今日はスイトナーをしのび、ゲヴァントハウス管を振ったモーツァルトとハイドンを聴く。ETERNAのLPで、モーツァルトは25番、ハイドンは「軍隊」の二つの交響曲。

爽やかなテンポ運びの中に、ずしりとした重みの感じられる名演。コンヴィチュニー時代のゲヴァントハウス管の渋い響きが何とも心地よい。特にハイドンが見事な演奏だ。

スイトナーのハイドンの録音は意外なほど少ない。

Youtube は、スイトナーのブラ1

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2010年1月13日 (水)

モントルーⅡ、ビル・エヴァンス

寒波襲来。昨晩から家が揺らぐほどの風が吹き荒れ、職場まで歩く僅かな時間には耳が痛くなるほどの寒風にさらされる。

職場で新型インフルエンザが発生。半年前ならば大騒ぎだが、今では皆の反応も通常のインフルエンザと変わらぬ冷静さ。

P1010011 今日もビル・エヴァンスを聴いた。

1970年、スイスのモントルージャズフェスティバルでのビル・エヴァンストリオの演奏。

ライヴらしいテンションの高さは聴きものだが、選曲が幾分単調なのと、トリオとしてのアンサンブルが幾分粗いように思う。

P1010012 そしてもう一枚は、レコード整理の途中で散らかった室内でふと目に付いたイタリアのオルガニスト、フェルナンド・ジェルマーニの弾くバッハのオルガン曲集。
米セラフィムのLPで、ロンドンのロイヤルフェスティバルホールの巨大オルガンを弾いたもの。

ヘルムート・リリングの師にしてレスピーギの教えを受けたイタリアの重鎮ジェルマーニは今では忘れ去られた存在だろう。

以前聴いた時は、いくぶん癖のあるヴィルトオーゾタイプの派手さが強調された演奏だったような印象だったが、あらためて聴いてみると、極めて正当的な音楽造りをする人だったように思う。

有名な「トッカータとフーガニ短調」の豪壮さには幻惑されるが、ひとつひとつの音を堅実に積み上げた「パッサカリア」は曲の威容を自然な形で引き出している演奏だ。

YouTube はストコフスキー指揮する「パッサカリア」

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2010年1月11日 (月)

ビル・エヴァンス/エクスプロレイションズ

本日早朝、裏山に祭られている「山の神講」がありお参りに行く。

もともと五穀豊穣を願うものだったが、学問の神「天神さん」も合祀されていて今年受験の娘は絵馬を奉納。

休日の今日は、先日の雨漏りの緊急避難のため足の踏み場のない状態だった音楽部屋の片付けと、オーディオを聴ける状態にするためのセッティング。

屋根の工事が済むまでの応急措置として、今までの反対の壁面にスピーカーをセットしていく。
部屋の天井の高さが床面と平行でないために、今回のセッティングでスピーカ上の空間が今までの倍以上となり、音が大きく変わってしまった。

Bcii_01  スペンドールのBCⅡからの音がストレートに聞こえてくる。良く言えばクリアになったが、音の柔らかみはだいぶ薄れた。

だが、ディスクによっては今まで気が付かなかった魅力を感じさせるものもあり、しばらくこの状態で様子を見ようと思う。

P1010013 この音で、はっとするほどよくなったのがジャズ関係のディスク。
そんな中で、今日はビル・エヴァンストリオの名盤「エクスプロレイションズ」を聴く。
手持ちはビクターが出していた国内盤LP.

エヴァンスの繊細なタッチのピアノとスコット・ラファロの雄弁なベース。ドラムスのポール・モチアンのブラシさばきも絶妙だ。

部屋の中に清潔で落ち着いた静謐さが漂う名盤。

YouTube は、ビル・エヴァンスの「 Waltz For Debby」

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2010年1月10日 (日)

競技かるた第56期名人戦、西郷直樹名人12連覇!

昨日、近江神宮でおこなわれた競技かるた名人戦で、西郷直樹名人が12連覇を達成した。http://mainichi.jp/area/shiga/news/20100110ddlk25040265000c.html

明治以来の競技かるたの歴史において、前人未到の快挙だ。

西郷名人には一度お会いする機会があったり、身内の方がごく親しい仲なので、昨年からこの名人戦は気になっていた。

昨日は昼間は仕事が入り、夜は沼響の新年会が入ったりしたので、結果は帰宅後にネットで知った。

今日は休みだったので、録画しておいた2連敗の後の3連勝という大接線の模様を観る。

競技かるたは知的な格闘技。

残念ながら第4戦は放送されなかったが、解説の方が言っていた20年に一度あるかないかの歴史に残る手に汗握る大勝負を堪能。

結果が判っていなければ、さぞやドキドキしただろうな。

西郷名人、優勝おめでとうございます。

今日も若き日の小沢征爾の演奏を聴く。

P1010011_2 1967年にシカゴ響を振った「展覧会の絵」と「青少年のための管弦楽入門」。

シカゴ響の能力を最大に引き出しながら、強靭な迫力で描き上げた壮大な名演だ。
カップリングのブリテンは、シカゴ響の名人芸の一大デモンストレーション。

全ての楽器が一つの頂点を目指して収束していく終曲のフーガなど、これ以上の見事な演奏は他で聴けない。

Youtube は、BBC放送が制作した映画「オーケストラの楽器」から、サージェントが振る「青少年のための管弦楽入門」。

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2010年1月 8日 (金)

小沢征爾、若き日のモーツァルト

昨日はオケの初練習。仕事を早めに片付け、沼津市民文化センターに到着すると、チャイコフスキーの音が廊下に響いている。

「まずい、また遅刻だ」と思いながら文化センター地下の狭いリハーサル室の扉を開けると、いつもと反対向きの部屋の入り口横に指揮台を置いた練習。
自然と団員皆の視線を正面からまともに浴び、思わず息を詰め扉を閉める。

「しまった、今日はトレーナーの高橋先生の初登場の日だった。」
再び扉を開け、ホルンの位置を目で探し、曲の切れ目を見計らいながらソロリソロリと皆の間をすり抜け配置に付く。

高橋先生の練習は曲を一通り通し、今の仕上がり具合を探りながら要所要所を返していくもの。
曲は未だ彫刻の石を山から切り出した状態。トルソーすらにもなっていない。チィコフスキーへの道は未だ通し。

小沢征爾に癌治療のためしばらく休業するというニュースがかなり大きく流れていた。

岩城宏之は既に亡く、ドレスデン国立歌劇場総監督やケルン放送響の常任指揮者を歴任した若杉弘も昨年逝ってしまった。

ここでゆっくり休養して再び元気な姿を見せて欲しいものだ。

P1010012 今日は、音楽部屋の壁に飾ってある20年近く前に沼津に来た時に書いていただいた小沢征爾のサインを眺めながら小沢征爾30代のモーツァルトを聴く。

曲は交響曲第28番でニューフィルハーモニア管を振ったRCAへの録音。カップリングは「ハフナー」。

モーツァルトを取り上げるのに慎重だった小沢征爾の若き日のモーツァルト。「ハフナー」では重さと硬さが気になるが、28番では爽やかで明快、颯爽とした演奏が聴ける。


Youtube は、1963年、アメリカで指揮活動を始めた頃にTV番組に出演した小沢征爾。指揮者としてはほとんど無名だった。

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2010年1月 5日 (火)

音楽部屋冠水す Orz

大事件発生!

昨夜遅くに降り始めた雨は、時間がたつにつれて次第に激しい降りとなったらしい。

昨晩自分はいつもよりも多少早めの零時半頃に就寝。外の雨音もなんとなく心地よく深い眠りに落ちていったところ娘に突然起こされた。

「大変!!、音楽室が雨漏りしている!」
「えぇ!!!」
急いで音楽部屋に入ると天井から三状ほどの水滴が、ぽたぽたと床を揺らしている。
見るとオーディオ装置の上の天井からも落ちているではないか!

幸いにして雨粒はアンプ類を逸れて、ラックと壁面の隙間に吸い込まれている。
急いで雨粒の落ちている箇所に洗面器やらバケツを置きながら、アンプ、レコードプレーヤー類を緊急避難。外の物置からビニールシートを取り出て周辺を養生していく。

時計を見ると午前2時を回っている。

明けて本日は部屋に除湿機を置いて一日フル稼働させて出勤。

仕事は定時に帰れず帰宅は9時過ぎ。とにかくすぐにアンプ類に電源を入れCDプレーヤその他の稼動確認。

幸いにして音は出たのでほっとする。

何も考えずにセッティングした上に電源の極性も合わせなかったのでヒドイ音だ。

我が家は築80年の陋屋だが、今回雨漏りした部屋は20年ほど前に増築した部分。知り合いの建築業者に連絡はしたが、これは新年早々痛い出費になりそうだ。

P1010004 沼響のHP「ベートーヴェンの7番を聴く」にカラヤンがウィーン響を振った1957年のライヴの感想をアップしました。

http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

Youtube  はポリーニの弾くショパンの「雨だれ」

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2010年1月 4日 (月)

マッケラスのモーツァルト、初期の交響曲

今日から仕事始め。新年の挨拶すませ、今日から新しく勤務となったパートさんを皆に紹介し、普段とかわらぬ日常の世界に戻る。
午後からの会議では重要な案件を飛ばしてしまった。正月気分が未だ抜け切れてないようだ。

今日は定時帰宅。
帰りに寄ったマックスヴァリューではついつい中にあるBookOffに立ち寄ってしまう。半額セールはまだやっていて、250円コーナーで4枚ほど今年の初買い。

P1010007 P1010005 モーツァルトの初期の作品から、No.10,12,13とK.75,111bの4つの交響曲をマッケラス指揮プラハ室内管のテラーク盤。

「Der junge Mozart」というタイトルでK.1から5までの幼児期のモーツァルトの作品と初期の4手の作品を集めたもの。
J.PalovicovaとG.Wallishという二十歳前後の若いピアニストが弾いているオーストリアMusica classio盤。

P1010006 P1010008 デユトア指揮モントリオール響によるビゼーの交響曲、「美しきパースの娘」のDECCA盤。これに1972年出版の序曲イ長調と序曲「祖国」も収録。

そしてバーンスタイン指揮ニューヨークフィルのファリアの作品集。
「三角帽子」「恋は魔術師」歌劇「はかなき人生」間奏曲といったお馴染みのファリアの代表作に加え、未出版の「祭りのためのファンファーレ」をカップリング。おまけにシャブリエの狂詩曲「スペイン」。

Youtube はカルロス・クライバー指揮のカルメン前奏曲

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2010年1月 3日 (日)

ザンデルリングのベートーヴェン

今年の年末年始休みも今日で終わり。晴れの日が続いたものの冷たい風が吹き荒れた一週間。

2010010213500000 比較的穏やかだった昨日は、午前中に娘たちがお世話になっているピアノのお先生宅へ年始の挨拶に行った後に、三島大社へ初詣。

150x150_857370 大社近くの駐車場から歩いて行く途中の有名な「うなよし」では、ちょうど昼時でもあり長蛇の列。

大社は例年よりも人出が少ないようだ。受験を控えた下の娘は神妙な表情でおみくじを引き、合格を決めた上の娘は余裕の表情。

帰りにPcDepoに寄り、かねてから購入予定のパソコンを物色。
特に機種は決めていなかったが、結局MSI のCD500という格安のノートブックパソコンにする。http://www.msi-computer.co.jp/PC/C/CR500/

スペックとしてはWINDOWS7使用ではぎりぎりの線だろう。メモリーは4Gに増設しておいた。

ソフトは必要最小限、日本語マニュアルも付いていない。Windouws7は、全く初めてだが、いろいろといじりながらネット環境を整え手持ちのOfficeなどをインストール。

使っていた5年選手のXPマシンからのデーター移行作業は、この古いマシンが電源投入後20分ほどで電源がプッツンしてしまうので遅々として進まず。まるでウルトラマンのカラータイマーだ。

そのうち新しいマシンが突然インターネットが繋がらなくなった!

原因が全くわからず。やむなくXPマシンからネットで検索。

すると出てきた。

セキュリティソフトのファイアーウォールと競合してネットが突然繋がらなくなることがWindows7にはあるという。

試しに一時的に使用していたNortonのセキュリティを一時的に外してみると復旧。どうやらWindows7には未だいろいろと不具合があるようだ。

こんなことをしているうちに、時間は過ぎ就寝は2時近く。

今日も続きでパソコンで遊ぶ。

古いマシンは、余計なソフトとデーターをそぎ落としたら今日は極めて調子が良い。この調子ならば買い換える必要がなかった。

新しいノートパソコンは、今までのマシンに比べてキーボードの間隔が微妙に小さいので慣れるまでに時間がかかりそうだ。


Sanderling_beethoven_complete_t 昨日は音楽は聴いていない。今日はザンデルリング指揮フィルハーモニア管のベートーヴェン交響曲全集から第九を聴く。
1980年から翌年にかけてのデジタル録音で、DISKYのセット物CD.

もともとはEMIへの録音。LPのちょうど末期の、確かデジタル録音による初のベートーヴェンの交響曲全集として話題になった演奏だった。

演奏は、重厚にして堂々たる正統派の名演だ。その頃のベートーヴェンの研究成果を各所に取り入れながらも、20世紀初頭の巨匠のスタイルも垣間見える興味深い演奏。

そのあたりの詳しいところは沼響の聴き比べコラムに書きます。

Youtube は、今年のニューイヤーコンサートからプレートルの「美しく青きドナウ」

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2010年1月 1日 (金)

晴れたる青空、2010年元旦。シューリヒトのブラームスとワーグナー

昨日からの強風吹き止まず。2010年元旦の朝は晴れた爽やかな冬空が広がる。

昨日は一日庭と家の大掃除。午後から洗車を始めたところ強風のため水しぶきが体にかかりずぶ濡れというお間抜けなことに。

家族そろって年越しそばをいただき、60回を迎えた紅白は最初だけ見て、あとは音楽部屋で今年最後の聴き納め。

P1010800 P1010002 さて、と。最初に聴いたのは、最近気になっている作曲家ラモーのクラヴラン曲集をピノックの演奏で数曲。

そしてシューリヒト指揮するウィーンフィルのDECCA録音からブラームスの交響曲第2番。キングレコードから出ていた国内盤LPで。

久しぶりの視聴だが、飄々とした音楽運びに全曲に漂うロマンの香り。
ウィーンフィルも全力を出しているのが良くわかる。第2楽章中間部からの悲劇的な盛り上がりは感動的だ。

2009年のしめくくりにふさわしい大名演。

明けて元日。朝は弟家族とそろって記念撮影に朝食。

その後お墓参りを済ませて家内の実家に行き、三島大社へと初詣に行く予定だったが、叔父の家と岳父の家で盛り上がり、しかも外はますます冷え込み寒風吹き止まず。

初詣は取りやめそのまま帰宅。

P1010003 今年の初聴きは、昨日大きな感銘を受けたシューリヒトの演奏でワーグナーの「パルシファル」前奏曲。

シュトウットガルト放送響との1966年3月の記録。カップリングはブラームスの交響曲第2番。

これまた巨峰を仰ぎ見るような神々しいばかりの名演奏だ。しかも良好なステレオ録音がありがたい。Archiphonから出ていたCD。

Youtube は、バイロイト音楽祭で「パルシファル」を指揮するクナッパーツブッシュ。人間業とは思えぬ凄演

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