ブーニンのこと

1985年のショパンコンクールでの鮮烈な印象が未だに強いブーニンも既に四十半ば。やはり年相応の容貌になっていた。妻は日本人で日本に居を構えているという。
ピアノ協奏曲を含むショパンを数曲弾いたが、甘く穏やかで幸福そのもののショパン。
幸福な日常生活の中に、若い頃聴かれた新鮮な自由奔放さは姿を消し、牙を抜かれた狼のような演奏だ。
ここでブーニンはイタリアのFAZIOLIのフルコンサートグランドピアノを弾いていた。
世界最長、高級外車のような外観そのものの華麗で硬質でメタリックな音色。http://
番組が終わってまもなく緊急津波警報のテロップが流れた。チリ大地震による津波発生。 3メートル近い津波が到達する可能性があるとのこと。
幸い大きな被害もなく、我が家も海から3キロほど内陸にあるので直接の脅威は感じなかったが、落ち着かぬ一日となった。
そして夜はブーニンのショパンコンクールでの本選ライヴを聴く。
曲は、番組でも弾いていたピアノ協奏曲第1番。
華麗なタッチと瑞々しい音楽、自由な遊びのある個性的な演奏で、無限の将来性を感じさせる素晴らしい演奏だった。
youtubeはリヒテルやギレリスの師、ブーニンの祖父ゲンリヒ・ネイガウスの弾くバッハ
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