山中湖畔の夜
荷物を車に積み込み一路東京へ。娘の住む場所は埼玉なので、東名高速から御殿場経由で中央高速の道を選び朝の7時出発。
ところが出発してまもなく沼津駅前で渋滞。JR路線のガードに車高制限を越えた大型車が突っ込み、身動きが取れなくなっているようだ。朝からどうも幸先悪し。
朝から冷え込み、御殿場付近ではチラホラ雪が舞っている。
目的地へは順調に進み2時間半ほどで到着。管理人さんへの挨拶の後、電気ガス水道の手続きも滞りなく進み引越しも問題なし。
それにしても寒い。
一通りの引越しが終わり、あとは4日の日曜日にパソコンの設定その他で再訪することを管理人さんに伝え、現地出発は夕方の5時半。
この時既に静岡県東部には大雪警報が出ていたが、自分は知ることもなく行きと同じ中央高速に乗り沼津に向かう。
途中、大月あたりで見かけた電光掲示板には河口湖ー須走間が事故のため通行止めの表示。
なんとかなるだろう(買ったばかりのカーナビもあるし)と、そのまま直進し、暗くなりつつある中河口湖ICで一般道に下りる。
ところがカーナビは、下りたばかりの中央道に再び乗せようと道案内を繰り返し同じ場所をグルグル周るはめに。カーナビは頼りにならずとにかく籠坂峠を越えようと山中湖方面に向かうと雪がしだいに強く降り始めた。
峠の上り口にはチェーンを装着作業中の大型車が見え始めている中、チェーンなど車に積んでいない普通乗用車の列が暗い山道をだらだらとゆっくり坂を登っていくのが見える。
しだいに不安な気持ちになりながらもその列に加わる。
ところが峠を越えたあたりで列の動きがピタリと止まってしまった。そのまま2時間立ち往生。外は暗く雪が舞っている。
やがて対向車線をレッカー車が登ってくるのが見えた。クレーンには前面を無残に大破してしまった乗用車がぶら下がっている。これが一台だけでなく何台も横を通過していく。
どうやら路面凍結のため下り坂で追突事故が多発しているようだ。
このままでは車中で夜を越すことになりそうなので、山中湖の上り口まで引き返すことに決め、車をUターンさせ坂を下り始める。
ところが既に路面が凍結し車の制御が利かない。
幸い前には車がなく衝突は避けられたもののブレーキを踏んだままズルズルと車は下り坂を自然落下していく。娘は青い顔のまま完全沈黙。
やがて麓のコンビニ付近で車は止まり。とりあえずコンビニで山中湖付近のガイドブックを買い込み、付近の宿に手当たり次第に電話をかけてはみたが、9時を過ぎてお断りばかり。
なんとか山中湖畔の高そうな和風旅館の宿が取れ、たどり着いたのは10時過ぎ。宿の人が外に迎えに出ている。http://
部屋に入り温泉浴場の誰もいない露天風呂に入るとどっと疲れが出てきた。
ふと周囲を見渡すと雲は晴れ、夜空には煌々と輝く満月。周囲の植え込みには雪が積もり良い風情、一時間前とは別天地の世界が広がっていた。
年度末、波乱の一週間の始まり。
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