バルビローリの「巨人」
昨晩から明け方にかけての雷を伴った暴風雨も明け方には雨上がる。
雨戸を開けた目に飛び込んできたのは黄砂で煙った外の景色。これほどひどい黄砂も珍しい。
巷は三連休で本来は休みだが、昨日の泥棒騒ぎのため本日出勤。録画されていた建物内のビデオカメラ映像で犯人の侵入経路を再度チェック。 今朝の地方紙の朝刊には早くも記事が載っている。 今日はイギリスの指揮者ジョン・バルビローリの指揮するマーラーの巨人。
マーラー指揮者として名高いバルビローリだが、正規の交響曲録音は少なく、「巨人」はイギリスのマイナーレーベルPYEへのこの録音のみ。1957年の録音でこの曲初のステレオ録音。
手持ちはティチクから出ていた国内盤LPと、世界初CD化だった英PRTのCD。
CDではダットンラボラトリーのものが出ていたが、PRT盤はダットンラボラトリー創設以前にダットンがリマスタリングしたもの。 久しぶりに聴いたが、全編に漂う甘く切ない歌とバルビローリの熱い思い入れの深さに感動させられる。
ハレ管の力量は十分とは言えず、第一楽章のヴァイオリンに続くミュートを付けたホルンの音がヨレヨレだったりブラスのパワー不足が最初は気になったのだが、そのうちそのような些細なことはどうでも良くなってきた。
ヒューマンな暖かさと情熱の見事な共存。第三楽章の鄙びたコントラバスソロも良い味だ。
音はCD,LPいずれもステレオとしては分離が定かでない曖昧なもの。残響が少なく乾いた音はこの時期のPYEの録音に共通しているが、音の広がりはLPが上回るものの音の鮮明さはCDが上。
第三楽章のコントラバスソロに続く、各楽器がひとつずつ現れては入れ替わっていく遠近感はLPの方が良く出ていた。
youtube は、バルビローリ指揮のマーラー交響曲第9番フィナーレ。
ベルリンフィルによる名高い名演
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