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2010年3月19日 (金)

ワイセンベルクのドビュッシー

今日は下の娘の中学校の卒業式。

卒業式は午後なので昼から休みをとり帰宅。すると卒業式に出る本人が家にいて、「アボガドを食べたら気持ち悪くなった」と青い顔をしていた。
今日の式典ではウチの娘は最後の卒業生全員合唱でピアノ伴奏をすることになっている。
これはたぶん緊張からくるものだろう。とりあえず自分がだいぶ前に処方された胃薬(たぶん)を与え「これを飲めばダイジョウブ」と暗示を与えておいた。

式典は家内と参加。会場となっているかつて自分が学んだ当時のままのオンボロ体育館は今年中の取り壊しが決まっているという。

この学年はいろいろとツイていない学年で、小学校の時から大きな行事の度に雨、台風、大雪に見舞われていた。
極めつきは新型インフルエンザのために予定された修学旅行が一時実施が危ぶまれ、結局夏休み中に変則的に実施したという学年。

だが今日の卒業式は良く晴れた。

適度な緊張の中粛々と式は進む。長い式辞の中で途中で気分が悪くなって退場する生徒が数人。なぜか皆男子。
一昨年突然の難病となり、一年の大部分を病院で過ごしていた娘の親しい友達が車椅子から立ち上がって卒業証書授与を受ける姿を見たときはホロリとしました。

そして最後は卒業生全員合唱「旅立ちの日」。娘のピアノ伴奏も危なげのないまずまずの出来でよかった。

三年の先生方ご苦労さま、そしてありがとうございました。

今日は最近娘が練習しているドビュッシーの「版画」をブルガリアのピアニスト、ワイセンベルクのピアノで聴く。

S_img_0003 ワイセンベルクはカラヤンとのいくつかの録音もあり、テレビCMにも出ていたこともあるピアニストだが、正直なところカラヤンとのチャイコフスキーやラフマニノフは感心しなかった。
テクニックも申し分ないしピアノも良く鳴っているのだが、人工的な造り物めいた音楽。

ところがこのドビュッシーは非常に良い。ゆったりとして青白くも美しい響きで歌い上げた版画の第一曲「パゴダ」。
カップリングされている「組み合わされたアルペジオ」では宝石がキラキラと零れ落ちるような風景が目前に広がっていく。

ドビュッシーの思い描いた音を見事なまでにビジュアル化した素晴らしい演奏だ。

ワイセンベルクは今どうしているのだろう。

youtube は、ワイセンベルクの弾く「ペトルーシュカ」

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