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2010年4月に作成された記事

2010年4月30日 (金)

ケンペ、ベルリンフィルとの「ドン・キホーテ」

久しぶりによく晴れた。いよいよ大型連休に突入、と言いたいところだが休めるのは昨日と5月2,3日。

A08 昨日は市内の美術館に叔父の個展を見に行く。絵の題材の大部分は厳寒の北海道の自然。
http://www18.ocn.ne.jp/~monmusee/2010/10-05/10-05koike.htm

個展初日だということでセレモニーがあり、県美術協会の会長さんやら表象美術協会の役員さんやら大勢の人が来ていた。皆ピシっとスーツで決めていた中で、そんな場があるとは知らず普段着にスニーカーの自分は妙に浮いている。
夜には東京に出ていた上の娘が一時帰省。

今日は、ルドルフ・ケンペ指揮によるR.シュトラウスの交響詩「ドン・キホーテ」。
ドレスデンとの全集以前のベルリンフィルとの録音。チェロは名手トルトウリエというもの。

E6b81ca0f87dd1ad74e43a6a81b12b891 トルトウリエは作曲者のシュトラウスの指揮で「ドン・キホーテ」の演奏経験があり、録音はビーチャムの指揮による録音に次いで2度目。
ケンペの再録音でもソリストはトルトウリエだった。
このベルリンフィルとの録音は、この曲のステレオ初録音としても有名なもの。

強固なベルリンフィルのアンサンブルと、ケンペのシャープで強靭な指揮。トルトウリエのチェロも雄弁。後のドレスデン・シュターカペレとの録音よりも好きな演奏だ。

ステレオ初期とはいえ録音は良い。チューバやユーフォニウムの響きも実に生々しい。

沼響のHPの聴き比べコラム「チャイコフスキーの5番を聴く」の3回目をアップしました。今回は作曲から初演までの経過と、ブラームスの評価。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi

youtubeはカラヤンの「ドン・キホーテ」でチェロはロストロポーヴィッチ

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2010年4月28日 (水)

メシアン「峡谷から星たちへ」

雨のち晴れ。

Front_mini_2 土日の合宿に引き続き昨日は毎月恒例ボエームの会。 仕事を早めに片づけ、沼津駅へと急ぐ。この会の日はなぜかいつも雨。

Img56319550_2  今回の割烹「はちまき」のメニューは、春を迎え初ガツオの刺身に牛のタタキ。

さわらの西京漬けにタケノコ、カサゴの丸揚げエトセトラ。

Jun_moromi_18 食前酒には芝川町の富士錦酒造の「活性もろみ酒」。 仄かな酸味にピリッとした刺激、安物の濁り酒とは一味もふた味も違った美酒に自然と食は進み、お酒は数々の受賞歴を持つ、黒麹仕立ての熊本の芋焼酎「白金の露 黒」にいつしか変わる。

話題は、桜の話題から世相に音楽から歴史までに及ぶ広いもの。

2010042719500001 続いて、割烹「はちまき」名物、激辛カレー焼きそばにテールスープ素麺。B級グルメ風でありながらこれが実に美味。
今日ははちょいと食べすぎか。

ほろ酔い気分でお店を後にし、二次会はいつものプライベートバーへ。玄関先に出迎えた和美ちゃんの鮮やかなグリーンのスーツ姿に、酔いにトロンとした皆のオメメもぱっちり状態。

Img10543643344_2 ここでは4月に、東京に栄転となりお別れとなったメンバーの一人も電話で加わり、さらにヒートアップ。

されど度を過ぎず、節度を保って日付が変わる前にお開きとなるのがこの会の良いところ。けれども今宵はちょいと飲み過ぎました。

帰りのタクシーで、運転手さんに自宅への行く先を告げたところ「エコ活動で有名なところですね」のひとこと。
「へぇー」と思わず運転手さんの顔をまじまじと見てしまいました。http://www.jccca.org/daisakusen/area4/shizuoka/index.html

今日聴いたのはメシアンの「峡谷から鳥たちへ」。

S_img_0002 冒頭のホルンソロの孤独な響きが、煌々と輝く月光の下に広がる深い峡谷を連想させる名曲。
演奏はサロネン指揮のロンドンシンフォニエッタとピアノのクロスリーによるもの。

Youtube は「峡谷から星たちへ」から砂漠

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2010年4月25日 (日)

春の合宿、天城白雲楼

昨日から沼響恒例春の合宿。自分としては年度変わりの多忙さの中からの、ちょうど良い気分転換の場。

2010042508280000 合宿は必ず雨のジンクスは今年も当たり、土曜日は雨。
朝から仕事となり夕方に直接職場から合宿へ向かう。場所は定宿、天城の白雲楼。
ここ数日の異常気象で冷えることが予想されるので、防寒着は車に積み込み済み。道は空いていて職場からでも40分ほどで到着。

練習会場に着くとちょうど「真夏の夜の夢」序曲の練習が始まるところだった。慌てて楽器を組み立て、いきなり冒頭和音のEの音を吹く羽目に。こんな状態でうまく吹けたら奇跡的。

それにしても寒い。練習会場から一歩外に出ると、吐く息が白くなるほど。

夕食後は、トレーナーの神代先生による金管分奏。
http://www.dolce.co.jp/academy/teacher/tokyo/trumpet/kumashiro.html
レッスンの合間に紹介される、先生が体験されたチェリビダッケやムーティのリハーサルのエピソードが実に面白い。
会場の外からは、カジカカエルの鳴く声が微かに聞こえてくる。http://hitohaku.jp/wave/docs/kajikagaeru.html

そしてしめくくりは先生方を交えて夜の宴会。音楽談義その他に花が咲き、今年は早めに就寝のつもりが、結局1時。もうこんなことを30年近くやっている。

2010042508270000 明けて今日はよく晴れた。練習開始までの短い時間に、宿の真下を流れる清流付近を散策。

練習は、問題点は具体的に浮き彫りになったものの、どうも未だ未消化のまま終わってしまった感有り。このままで大丈夫だろうか?

自分の出番終了後、合宿会場を後にしていつもの「世古の湯」で汗を流し帰路につく。

S_p4250186 途中、前から気になっていた狩野城址に立ち寄った。

北条早雲に攻め滅ぼされるまで、250年にもわたってこの地で反映していた武士団狩野氏発祥の地にある平安末期築城といわれる城址。

S_p4250187 狩野氏の一族から日本絵画の狩野派が出ている。城址の入り口は史跡公園として整備されていたが、自分の他には誰もいない。

往復の車中で聴いたのは「真夏の夜の夢」。
ギュンター・ヘルビッヒ指揮のベルリン国立歌劇場のメンバーによる旧東ドイツの演奏家たちによるもの。

S_img_0001 渋く柔らかなオケの響き、ヘルビッヒの爽やかにして心優しい音楽造りがメンデルスゾーンの美しいメルヘンの世界を見事に描き出した名演だ。木管楽器のしっとりとした音色がなんとも良い。

youtubeは「真夏の夜の夢」からフィナーレ

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2010年4月23日 (金)

J.C.F.フィッシャーのクラブサン曲

未だ気温は上がらず今日も一日雨。このところ朝から夜までオフィスに閉じこもりっきりなので、雨ばかりの窓の外に気は滅入りがち。
明日からの合宿で気分転換といきたいものだが、この様子では天城はさぞや寒かろう。

高校に入った下の娘は吹奏楽は続けず筝曲部に入った。「なにやら新しいものを始めたかった」とのこと。中学時代からのピアノのレッスンにもそのまま通っているので、洋楽と邦楽の二足の草鞋。

それも面白いだろう。

P1010070 帰宅は22時。今日はドイツバロック期の作曲家J.C.F.フィッシャーのクラブサン曲から、ドイツのエディト・ピヒト=アクセンフェルト女史による「バッハ以前のドイツ・クラブサン音楽」というLP収録の曲で、組曲「エウテル」を聴く。
http://www.camerata.co.jp/J/profile/Edith_Picht-Axenfeld.html

このLPは、スヴェーリンク、ブクステフーデ、フローベルガーらのドイツバロック期の作品を集めたもので、いずれもアクセンフェルトの堅実な演奏がふさわしい地味ながら内容の深い曲ばかり。

この中では、フランス風の典雅さの香るフィッシャーの曲が異色の作品だ。

フィッシャーが作曲した、19の異なる調性から成る前奏曲とフーガ集「アリアドネ・ムジカ」は、バッハの平均律クラヴィア曲集の先駆的な作品として注目され、バッハに大きな影響を与えたと言われている作曲家。
この組曲の最初の曲を聴いただけで、バッハがいかにフィッシャーの影響を受けていたかがよくわかる。

沼響のHPの聴き比べコラム連載、「チャイコフスキーの第5番を聴く」2回目の内容の一部を改訂しました。

http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi


Youtube はフィッシャーのパルティータ

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2010年4月22日 (木)

本日の練習、チャイコフスキーとメンデルスゾーン

今日も一日雨。大幅な人員の入れ替えに合わせて業務全般の見直し中。残留組と新規参入組との意識の差が表面化しつつある今日この頃。さまざまな意見に虚心坦懐に耳を傾けるのも必要だが、時としてズバリと断を下すのも必要だろう。自分は間に挟まれちょいと辛い立場。

今日はオケの練習。今回のメインのチャイコは降り番とさせていただいたので、前半のチャイコフスキーの一部は客席で観戦し、後半の練習のメンデルスゾーンのみの参加。

横島先生の指導は技術的な部分よりも、音楽的な表現に重きを置くものだが、パートによって完成度の差があり過ぎて、未だ合奏の型が出来ていないのが辛いところ。

明後日の合宿で、遅れているパートをどこまで引き上げるかが課題だろう。当のパートがどこまで自覚しているかが問題だが。

メンデルスゾーンは、自分の音がどのようなバランスで響いているかが未だに掴めない。トンデモナイ音程で突出しているのではなかろうか?

古典派からロマン派への受け渡しの時期の音楽だけに、合奏全体としては、クラシカルにして端正な造形とロマンティックな抒情性の共存をいかにバランス良く表現するかがポイントだが、そこまでの道は遠し。
この曲もすべて合宿頼み。

Mengelberg1 沼響のHPの聴き比べコラム連載、「チャイコフスキーの第5番を聴く」2回目をアップしました。今回はチャイコフスキーの第5番終楽章の一部のカットが、チャイコフスキーの意図したものであったという事実について、メンゲルベルクの演奏から探ります。

http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi

Youtubeは作曲者が高く評価したメンゲルベルクのマーラー、交響曲第4番

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2010年4月19日 (月)

クープランの「神秘的な障壁」

春うららの良い天気も今日でおしまい。明日から再び雨のようだ。

昨日、中央高速の立ち寄った談合坂SAで地元の農家の人たちが野菜を売っていた。
その中で目に付いたのがアイスプラントという不思議な野菜。

2010041912200000 小さくて葉サボテンのような肉厚の葉の表面に、水滴のような透明な珠がびっしりついている。
日本では雫菜、プッチーナその他いろいろな名前で売り出されているらしい。南アフリカ原産の耐塩性植物だとのこと。http://ascii.jp/elem/000/000/140/140735/

よくわからないがとにかく買って生で食べてみた。

微かな甘酸っぱさの中に明確な塩味。今まで経験したことのない味の野菜だ。
どうやら葉の表面にある透明な粒々に吸い上げた塩類を蓄えているらしい。

うまいか?と言われれば、首を傾げたくなる部分もあるがミネラルなどの栄養分はたっぷりあるらしい。

ミステリアスな野菜を食べたので、今日はミステリアスなタイトルの曲。

S_p4190186 フランスバロック期の大家、バッハ一族にも比肩する音楽一族クープラン家を代表するフランソワ・クープランの200曲以上あるクラブサン曲から「神秘的な障壁」。

何だが良くわからないタイトルで、いろいろな解説書を読んでも明確なことは書かれていない。おそらく真相を知るのは作曲者のクープランのみだろう。

とめどめもなくあふれる音の綾が複雑に絡み合い、それでいて抒情的な音楽の流れとなっている名曲だ。

今日はフランスのラクロワによる演奏で聴く。手持ちはエラート原盤の国内盤LP.

S_p4190186_01 もう一枚はクープランのクラブサン曲を近代オーケストラ用に編曲したリヒャルト・シュトラウスの「ディヴェルティメント」。

初演者のクレメンス・クラウスの指揮で聴く。オケはバンベルク響によるアマデオ原盤のLP。

蕩けるようなロマンティックさのなかに退廃的なムードが漂う、シュトラウスと同時代を生きたもののみが成しうる演奏だ。

沼響のHPの聴き比べコラム連載、とうとうチャイコフスキーの交響曲第5番の聴き比べを始めてしまいました。
初回は、この曲に関する極めて私的な思ひ出。

http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi

Youtube はクープランの「神秘の障壁」、アンジェラ・ヒューイットによるピアノ演奏

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2010年4月18日 (日)

久石譲の「CURVED MUSIC」

このところの異常低温も一休み。ようやく春らしい暖かな一日となったが、アイスランドの火山噴火の影響で再び気温が下がるかもしれない。

昨日は仕事となり、職場に10年ほど前に2年ほど一緒に仕事をした高校時代の同級生が訪ねてきた。
この10年ほどの間に仕事はますます厳しくなり、お互いの立場も周囲の環境も大きく変わっっていった。話題となるのは健康のこと共通の友人の近況などなど。

そして本日お休み。東京で学生生活を始めた上の娘のアパートまで、衣類その他を車に積み込み家内と一緒に出かける。

中央高速の路肩には先日降った雪が未だ溶けずに残っていた。渋滞もなく2時間チョイで到着。

ドライヴの車中で聴くために持参したCDは軽いものばかり。

S_img_0002 最初は、久石譲の1985年までのCMミュージックを集めた「CURVED MUSIC」。1984年の「風の谷のナウシカ」の音楽を担当し一躍著名となった直後の作品集。

CMを見ながら聴けば印象は変わるのだろうが、音楽のみだと面白く聴けるものと、そうでないものの落差が大きい。

ミニマルミュージックの影響の濃い作品が多いようだ。

S_img_0001 S_img_0004 そしてベルリンフィルの12人のチェリスト達による「ビートルズ作品集」。70年代末に意表を突く編成と驚異的なテクニックで話題となったアンサンブルの比較的初期の作品集。

もう一枚はフィードラー&ボストンポップスによる「Pops Around the Beatles」
運転しながらボストン・ポップスのゴージャスな響きに浸るのも良いものだ。

Youtube はベルリンフィルの12人のチェリスト

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2010年4月16日 (金)

ミュンシュのブラームス

四月も半ばを過ぎたが真冬並みの寒さが続く。今日も一日雨。職場から望む愛鷹山も雪景色。

今年度は自分の仕事をできるだけ部下に振り分けることにした。自分でやってしまうのは簡単だが、このままでは後継者が育たない。安心して任せられそうな人材が集まったことも大きいが。

とはいえ今日も帰りは10時過ぎ。

P1010068_2 帰宅後はシャルル・ミュンシュのブラームスを聴く。1968年、創設間もないパリ管との交響曲第1番。

この曲最高の演奏とまで言われる名演中の名演。
手持ちは国内初出のLPと国内盤CDがあるが、音は圧倒的にLPの方がよい。

冒頭ティンパニのずしりとした重厚な音も素晴らしく、火を噴くような情熱の奔流と即興的な音の揺れでとてもスタジオ録音とは思えない。

かなり個性的なブラームスだが、有無を言わせぬ説得力のある大演奏。

Youtube はミュンシュ指揮の「ダフニスとクロエ」から圧倒的な夜明け

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2010年4月15日 (木)

市河彦太郎とシベリウス

気温が下がり各地で雪、再び冬に逆戻り。先日冬物のコート類をクリーニングに出したばかりだ。
昨日はこの年度初めの最後の歓送迎会。組織トップも含むお偉方ばかりなので一次会で失礼させていただいた。

そして今日はオケの練習日。シンシンと冷える夜道を練習会場の市民文化センター小ホールへと急ぐ。
ホールロビーでは、この11月に演奏予定のベートーヴェンの第九公演のために合唱団が練習中。

そしてホールではメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」序曲。

 

初期のロマン派の息吹漂う古典的な格調の高さの感じられる名品だ。

とてもメンデルスゾーン17歳の作品とは思えない完成度の高さに、はるか年上の沼響のメンバーが翻弄され悪戦苦闘の様子。 音程その他まだまだ道のりは遠し。

このところ縁あって昭和初期の外交官、市河彦太郎の足跡を調べている。

市河家は江戸期からの沼津の豪商で、油も商っていたこともあり油彦とも呼ばれていた。

20数年ほど前に家の近くの地蔵堂を建て直す際、古い御堂の天井裏から古ぼけた和太鼓が見つかった。
皮は破れていたが見るからに古そうな趣。その胴の内側には墨の色も鮮やかに市河油彦の文字が書かれていた。

どうやら江戸期に市河家から伝わったもので、一緒に見つかった古文書から類推すると当時の青年たちの集まりの合図に使ったものらしい。

市河彦太郎は昭和初期の市河家の当主。小説家芹沢光治良の旧制沼津中学の一級上で、若き日の芹沢に文学の世界で大きな影響を与えたという。

外交官となりフィンランドとイランの公使を務めている。

このフィンランド公使時代(1933-37)にシベリウスと深い親交があり、市河の影響でシベリウスは大の親日家になった。というということを知ったのはつい最近のことだ。

市河彦太郎を調べていくうちに、シベリウスについて何か新しい事柄が掴めるかもしれない。

Youtubeはシベリウスの「アンダンテ・フェスティーボ」

 

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2010年4月13日 (火)

ジャンヌ=マリー・ダルレのショパン

曇り一時雨。暖かになったので今日はバイクで通勤。夜には風が非常に強くなり帰りの橋の上では直進できずヨロリとなるほど。
年度替わりの新体制は半数の人員が入れ替わり優秀な新人たちもやる気十分。職場が活性化しリフレッシュされた趣。

S_img 今日はフランスの女流ピアニスト、ジャンヌ=マリー・ダルレのショパンを聴く。

手持ちはヴァンガードのCDで、ワルツが14曲に作品49の幻想曲、そして最後に子守唄が収録されている。

サン・サーンスやフォーレ、ラヴェルら錚々たる大作曲家たちに学んだダルレの清楚にして端正なショパン。

淡々と弾いた子守唄の優しさは絶品。

Youtube はグルダの弾くショパン「子守唄」

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2010年4月11日 (日)

幽霊指揮者ヘンリー・アドルフのドヴォルジャーク

今日の朝は町内会の側溝清掃日。スコップをかつぎ8時半に集合し組の人たちとどぶさらいを開始する。

幼い頃遊んだ清流も宅地化が進み、今や水の流れの澱んだドブ川と化している。道端に上げた黒い泥に混じり、時おり泥鰌やザリガニの幼生が跳ねているが年ごとに数が減っている。

清掃終了後職場へ向かい、結局一日仕事となる。

S_img_0001 今日はかつてドイツのCDレーベルPILZが出していた2枚組CDシリーズからヘンリー・アドルフ指揮フィルハーモニカ・スラヴォニカによるドヴォルジャークの交響曲第8番を聴く。

いわゆるバッタもんCDとして、かつてはデパートや駅売りCDのワゴンの中で格安で売られていたもの。http://www.h3.dion.ne.jp/~yasuda/bqcla/nanut/cd_1.html

この指揮者とオケは実在しない架空のもので、このシリーズはPILZの社長が放送音源を安く買い取って、自分の名や架空の名で売り出したといういわくつきの録音だ。

だが、この中には掃き溜めに鶴ではないが、驚きの名演が隠れているので油断できない。
このアドルフのドヴォッパチもそのひとつ。

熱くオケを歌わせながら豪快に鳴らし込んだ名演。第3楽章のノスタルジックな歌もソツなく聴かせ、他の楽章のクライマックスもスケール大きく盛り上がる。

第2楽章最終部のオルガンのような奥行のある重厚な響きは、他の演奏では聴けないもの。手に汗握るフィナーレの熱き盛り上がりには、いつ聴いても興奮させられる。

この演奏の実態はミラン・ホルヴァート指揮のオーストリア放送響だと言われている。http://www.geocities.co.jp/MusicHall-Horn/6617/maestro/horvat/horvat2.html

S_img_0002 沼響のHPの聴き比べ「ベートーヴェンの7番を聴く」にカラヤンの1978年ライヴの演奏の感想をアップしました。連載62回目
http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

Youtubeはメータ指揮ロスアンゼルスフィルのドヴォルジャーク、交響曲第8番

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2010年4月10日 (土)

晴耕雨聴

本日休み、寒くもなく春らしいうららかな一日。

午前中はゴロゴロと無為無策のうちに過ぎてしまったが、明日から天気が崩れることでもあり、午後からは畑作業。

先祖代々のお百姓のDNAが残っているのかしらん、農作業は苦にならない。
我が家で消費するための畑で、余り物は人に無償で差し上げているので気楽なものだが、ちょいと手を抜くと荒れてしまうから油断はできない。
今日はとりあえず、次の作物の下準備のために土を掘り起こしておく。

シーズンを過ぎ、チョロチョロと部分的に残っているブロッコリーや菜っ葉類を引き抜いて耕運機で耕作開始。

土中に隠れていた虫が掘り起こされるらしく、耕運機で耕す自分の後ろにはいつしか多くの野鳥が群れてきて、全く逃げる気配もなくすぐ足元で盛んに啄んでいる。野鳥の好物のミミズは土竜に食べ尽くさされたらしく見当たらない。

黄昏時には終了、早めの風呂に入り汗を流した後は冷たいビールを一杯。まさに至福の瞬間。

夜はマックス・ポンマー指揮ライプツィヒの新バッハ・コレギウムのブランデンブルク協奏曲集から1番と2番。トランペットのギュトラーをはじめとした旧東ドイツの音楽家たちを集めた演奏。ETERNAのCD.

速めのテンポと鋭角的なアクセント、少数精鋭の演奏家たちの名人芸を味わう一枚。ギュットラーの吹くコルノ・ダ・カッチャの爽やかな響きも聴きものだ。

P1010066 そしてもう一枚は、爽やか系でメンデルスゾーンの「真夏の夜の夢」全曲。スペインの指揮者フリューベック・デ・ブルゴス指揮ニューフィルハーモニア管と合唱団によるもの。英DECCA原盤の国内盤LP.

ブルゴスの若いころの録音で、颯爽としとしてロマンティックな名演。一曲ごとの性格の描き分けも見事なものだ。

Youtube は新バッハ・コレギウムのバッハの「マニフィカト」。
冒頭の見事なピッコロトランペットはギュットラー。

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2010年4月 9日 (金)

ネグリのガブリエリ

昨日は職場の歓送迎会。60人を超える人数のため市内のホテルの一室での宴会。http://www.numazu-castle.co.jp/
二次会は新旧ボスと一緒に部下の美人姉がやっているスナックへ行き、帰宅は0時ちょっと過ぎ。

ここ二週間は私事で休みがちでもあり年度初めとも重なり、仕事はハードな状況となっている。この週末はなんとか体を休めたいもの。
帰宅は10時過ぎ。

P1010064 今日は、16世紀イタリアの作曲家、ガブリエリの音楽を聴く。演奏はネグリ指揮トランペットのエドアード・タールのアンサンブルにオルガンのパワー・ビッグスによるCBSのLP。

70年代はじめのいわゆる古楽器以前のスタイルによる演奏だ。録音はガブリエリが活躍した聖サンマルコ大聖堂での録音。

音楽が左右交互にエコーのように聞こえてくるガブリエリ特有の音楽は見事に音になっている。

ガブリエリの曲の演奏には、どれも同じような曲に聞こえてくるものが多いが、ネグリの演奏は楽器の種類を巧みに変化させ、聴き手を飽きさせないのがよい。

Youtubeは古楽器によるガブリエリ、ピアノ・フォルテのソナタ

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ミュンシュのブラームス

四月も半ばを過ぎたが真冬並みの寒さが続く。今日も一日雨。職場から望む愛鷹山も雪景色。

今年度は自分の仕事をできるだけ部下に振り分けることにした。自分でやってしまうのは簡単だが、このままでは後継者が育たない。安心して任せられそうな人材が集まったことも大きいが。

とはいえ今日も帰りは10時過ぎ。

P1010068 帰宅後はシャルル・ミュンシュのブラームスを聴く。1968年、創設間もないパリ管との交響曲第1番。

この曲最高の演奏とまで言われる名演中の名演。
手持ちは国内初出のLPと国内盤CDがあるが、音は圧倒的にLPの方がよい。

冒頭ティンパニのずしりとした重厚な音も素晴らしく、火を噴くような情熱の奔流と即興的な音の揺れでとてもスタジオ録音とは思えない。

かなり個性的なブラームスだが、有無を言わせぬ説得力のある大演奏。

Youtube はミュンシュ指揮の「ダフニスとクロエ」から圧倒的な夜明け

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2010年4月 7日 (水)

カントロフのモーツァルト、シュナイトのラヴェル

曇りのち雨。今日は下の娘の高校入学式。仕事は火の車状態だが人生のひとつの節目なので一日休暇を取り家内と参加する。

私学だった上の娘の時とはまた異なる雰囲気。元は女子高で、数年前に男女共学となったために同窓会の役員さんは全員女性。和服姿の同窓会長さんも独特の雰囲気。

体育館の壇上に立った教職員紹介では、高校の部活の先輩の姿を見つけ吃驚。式後廊下で会いご挨拶したところ今年度から赴任したとのこと。
そしてその後の保護者会では、なりゆきでPTAの役員となってしまった。

S_img_0001 今日はフランス生まれのロシア人ヴァイオリニスト、カントロフのモーツァルトのヴァイオリンとオーケストラのための作品全集から第5番の協奏曲。

80年代半ばにDENONが制作したCDで、ハーガー指揮のオランダ室内管の伴奏。

柔らかでしなやかな美しい音、丁寧に歌いあげた上質のモーツァルトが聴ける。ハーガーの伴奏も非常に良い。

S_img_0002 そしてもうひとつは、日本にもゆかりの深いハンス・マルティン・シュナイトが珍しくラヴェルを振った録音。http://www.musicscape.net/schneidt.html
LaserLightレーベルのCDで歌曲集「シェエラザーデ」。メゾソプラノはGisella Pasinoというもの。

艶やかにして明快なPasinoの歌に付けるシュナイトの伴奏が絶妙だ。

Youtube はギリシャの名歌手トロヤノスの歌う「シェエラザーデ」

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2010年4月 6日 (火)

聴き比べ「チャイコフスキーの5番を聴く」

春らしい暖かな一日。先週の疲れが未だ体内に沈殿したまま新しい週に突入。今年は花粉症が比較的軽いのがせめてもの救いだ。
上の娘の東京での一人暮らしが始まったことを、洗濯物の量が減ったことで実感。

ここ数年記憶力の減退が著しく、文章を書いていても的確な言葉がなかなか浮かんでこなくなった。物事に対する観察力と感受性が鈍りつつあるようだ。

沼響のホームページ連載の「聴き比べコラム」も遅々として進まず。ブラ4、ラフ2、ベト7、シベ2の4年分が未完のまま進行中。

そして、今年の定演のメインはチャイコフスキーの交響曲第5番。

曲についていろいろな資料に当たったり、定評のあるムラヴィンスキーや往年の名指揮者、最近の演奏などをスコア片手にざっと聴いてみると興味深いことやさまざまな疑問点が次々と浮かんでくる。

聴き比べの連載は、非常に迷った末に始めることにした。
やはり新たな刺激と知的な好奇心を持ち続けることが必要だろう。

P1010063 今日は、交響曲第5番への布石として作曲されたと最近思いつつあるチャイコフスキーの弦楽セレナードを聴く。手持ちは蘭フィリップスの外盤LPの演奏はストコフスキー指揮ロンドン響による演奏。

余計なことをせず譜面に忠実、スケールの大きな非常な名演。

Youtubeはベネズエラのテレサカレーニョユースオケの弦楽セレナーデ。
ベネズエラの国をあげての音楽教育プロジェクト「エル・システマ」の成果で非常な高水準のオケです。

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2010年4月 5日 (月)

疾風怒濤の一週間

年度替りで公私共にがたがたしております。職場ではボスを含むセクション半分以上の入れ替わりがあり、娘二人はそろって大学、高校へ進学。

F0182513_1743723   一週間前の今日は上の娘の引っ越しで東京に行き、帰りに大雪に遭遇。結局、山中湖で足止めとなり翌日帰宅した直後に、着替えもそこそこにかねて計画してあった家内の両親を含む家族旅行のため1泊2日の伊豆高原へ。

連日の寒さのため伊豆高原駅近くの桜並木は満開には程遠い。

翌水曜はそのまま職場へ直行し結局帰宅は深夜となり、空けた4月1日は新メンバーでの年度初め。 その晩はしばらく休んでいたオケの練習を再開。

大嵐となった金曜と、翌土曜も出勤しております。

そして昨日日曜は、再び引っ越し第2弾で東京へ。車に寝具、パソコンその他を積み込み家内と娘3人で出発は早朝6時半。

日曜早朝の高速は空いている。割引目当てで設置したETCも調子が良い。 引っ越しのピークらしく運送屋のトラックが数多く走っている。 現地到着は9時。

無線LAN常設のマンションなので、設定を管理人さんにお願いすると、管理人夫婦のご主人は前日食べたイカに当たったとかで寝込んでいた。
やむなくインターネット接続は翌日以降にお願いして、前日搬入したピアノの調子を見て、新生活の雑貨類を近所のニトリで買い出し。
マンションに戻ると、新たに入居する女子大生たちのピアノ引っ越しの大型トラック2台が駐車場を占拠。

マンションの玄関前には、顔合わせとかで娘を含む同じマンションの女子大生20名あまりが集まり管理人のおばさんが記念撮影をしていた。

新生活にルンルンに舞い上がっている娘を残し、現地出発は夕方の5時。大きなトラブルもなく途中で食事をとり、わが家に帰着は9時近く。

さすがに疲れて就寝は10時となりました。

S_img_2 車中で聴くために、DOCUMENTSから出ていたモーツァルトの名作オペラ4作を集めたCD10枚組を持参。
往復で聴けたのは、この中のフリッチャイ指揮ベルリンRIAS響の「魔笛」とエーリッヒ・クライバー指揮の「フィガロの結婚」の全曲2作。

軽快にして爽やかな音楽。適度な刺激もあり、モーツァルトのオペラは長距離運転に最適な音楽でした。

youtubeはグルベローヴァの歌う「夜の女王のアリア」

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2010年4月 1日 (木)

真夏の夜の夢

今日から新年度の開始。いろいろと問題となった人事の件は白紙撤回となり他の職員の転入が急遽決定。彼の人物のいた部署の管理職は厳重注意。

今回は職場の半数が入れ替わるという大異動となり、しばらく多忙となるが、今日は一ヶ月休んだオケの練習を再開。

会場は文化センター小ホールで横島先生の指揮となり、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲と「真夏の夜の夢」の序曲と組曲から夜想曲と結婚行進曲。

久しぶりの練習参加だが、ウォーミングアップの時間が十分取れたので2オクターヴの跳躍が多い序曲はさほど苦にはならなかったものの、最後に通した「結婚行進曲」は、ハイトーンの連続でバテバテの悲惨なことに。

「真夏の夜の夢」はほとんどオケ全体が初見状態。ホルンは序曲と夜想曲はE管、結婚行進曲はG管、その他はA管、D管。いろいろと読み替えが忙しい。

シンプルなオーケストレーションに清々しいメルヘンの世界を織り込んだ名曲。

851_2 今日はアンセルメ指揮の「真夏の夜の夢」。オケは鈍いがパステル画風の軽く淡い響きが美しい。

Youtubeはメンデルスゾーンと縁の深いゲヴァントハウス管による「真夏の夜の夢」序曲

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