クープランの「神秘的な障壁」
春うららの良い天気も今日でおしまい。明日から再び雨のようだ。
昨日、中央高速の立ち寄った談合坂SAで地元の農家の人たちが野菜を売っていた。
その中で目に付いたのがアイスプラントという不思議な野菜。
小さくて葉サボテンのような肉厚の葉の表面に、水滴のような透明な珠がびっしりついている。
日本では雫菜、プッチーナその他いろいろな名前で売り出されているらしい。南アフリカ原産の耐塩性植物だとのこと。http://
よくわからないがとにかく買って生で食べてみた。
微かな甘酸っぱさの中に明確な塩味。今まで経験したことのない味の野菜だ。
どうやら葉の表面にある透明な粒々に吸い上げた塩類を蓄えているらしい。
うまいか?と言われれば、首を傾げたくなる部分もあるがミネラルなどの栄養分はたっぷりあるらしい。
ミステリアスな野菜を食べたので、今日はミステリアスなタイトルの曲。
フランスバロック期の大家、バッハ一族にも比肩する音楽一族クープラン家を代表するフランソワ・クープランの200曲以上あるクラブサン曲から「神秘的な障壁」。
何だが良くわからないタイトルで、いろいろな解説書を読んでも明確なことは書かれていない。おそらく真相を知るのは作曲者のクープランのみだろう。
とめどめもなくあふれる音の綾が複雑に絡み合い、それでいて抒情的な音楽の流れとなっている名曲だ。
今日はフランスのラクロワによる演奏で聴く。手持ちはエラート原盤の国内盤LP.
もう一枚はクープランのクラブサン曲を近代オーケストラ用に編曲したリヒャルト・シュトラウスの「ディヴェルティメント」。
初演者のクレメンス・クラウスの指揮で聴く。オケはバンベルク響によるアマデオ原盤のLP。
蕩けるようなロマンティックさのなかに退廃的なムードが漂う、シュトラウスと同時代を生きたもののみが成しうる演奏だ。
沼響のHPの聴き比べコラム連載、とうとうチャイコフスキーの交響曲第5番の聴き比べを始めてしまいました。
初回は、この曲に関する極めて私的な思ひ出。
http://
Youtube はクープランの「神秘の障壁」、アンジェラ・ヒューイットによるピアノ演奏
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コメント
廉価盤を求めて運賃節約、これぞ我らの世代の思い出であります。若い人には理解できないでしょう。
「バリケード」凄い名曲ですよね。大好きです。
投稿: 林 侘助。 | 2010年4月20日 (火) 23時05分
林さん、コラムを読んでいただき、ありがとうございます。
あの頃のレコードは贅沢品で一枚買うのにも昼食を抜いたりして、真剣に選んだものです。
タダで聴けるFMの存在もありがたく、新たな名曲に出会うたびに新鮮な感動と驚きの連続でありました。
当時買った一枚一枚には、買った時の記憶と初めて聴いた時の印象が未だにはっきりと残っております。
それに比べ今は・・・・
欲しいものは気楽に入手できるようになり、名曲を聴く感動と聴き手の感受性は大きく後退してしまいました。
時は流れました。
投稿: 山本晴望 | 2010年4月20日 (火) 23時49分