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2010年5月に作成された記事

2010年5月30日 (日)

定演終わる2010

S_img 昨日は沼響第26回定期演奏会。

沼響の定演は雨の日が多いことになっているが、今回も今にも降り出しそうな曇天。5月末とはいえ気温も低い。

2010052913530000 ゲネプロは2時開始。会場の沼津市民文化センター大ホールに着くと三々五々集まった団員が音出し中。
この本番前のピリッとした緊張感が好きだ。

ゲネプロは3曲をざっと通して先生からは軽い注意のみ。横島先生との関係も10年近いものとなり気心は知れたもの。

楽屋での皆と食する本番前の夕食弁当は、桃中件のハリウッド・ロケ弁お魚コース
http://www.tochuken.co.jp/rokebenpg.html

ホール前を見ると開場一時間前にして長蛇の列。今年は例年よりも多そうだ。結局満席近い1000人を超える入場者。毎回ありがたいことです。

2010052914090000 そして本番。第一曲目は「真夏の夜の夢」序曲。

ホルンは二日前に最後列最上段に場所が変わったので、弦楽器との距離が遠くなった。入りのタイミングを多少早めとする。
この手の古典派に近い初期ロマン派の曲の管楽器は、弦とのバランスが非常に難しい。結局今回の3曲中で最も難曲だった。

鍋倉先生によるコンチェルトに続き、後半はチャイコフスキーの交響曲第5番。

今回チャイコは降り番なので全曲乗りのインペクのF君に変わり自分はにわかインスペクター。

チューニングの開始とともに楽屋まで横島先生を迎えに行くと、赤く上気させた横島先生の顔。そして一点を見つめた厳しい表情の先生をステージに送り出す。

演奏は舞台脇で拝聴。

心配していたチェロも危なげなく、重厚な響きのブラスも良い音だ。若手のホープの第2楽章のホルンソロも完璧に近い出来。フィナーレの先生の即興的な加速にも良く反応している。結局第一楽章が最も良かったと思う。

アンコールはメンデルスゾーンの「結婚行進曲」。

トランペットのファンファーレが始まると客席がざわめいた。
お馴染みの曲に喜ぶお客さんの幸せそうな顔がなんとも嬉しい。

そして打ち上げは、沼津駅前「海人」
http://r.gnavi.co.jp/n166123/

宴の終盤で沼響黎明期の頃のメンバーが一か所に集まり自然と昔話となった。かつて20代だったメンバーも、今や老眼を気にする年代になってしまった。
次の目標は第30回定演だ。

帰宅は0時ちょい過ぎ。そして本日一日お仕事。

Youtube はチェリビダッケ指揮のチャイコフスキー交響曲第5番

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2010年5月28日 (金)

マルセル・メイエのラヴェル

職場の自分の真上に空調の吹き出し口があり、昨日から冷気の直撃を受けのどの具合がおかしい。
明日の本番には体調をベストに保ちたいところだが。

夜は親戚のお通夜。しばらく前から縁遠くなっていた人だが、不治の病となり、亡くなる一週間ほど前に突然病床の本人から電話がかかってきた。
心細くなったのだろうか、しきりに親戚の近況を聞いていた。音楽を聴きたいということで、何曲かダビングしてあげて渡したがそれが最後となってしまった。

お通夜の帰りにオケの練習に顔を出す。今日は降り番のチャイコフスキーなので、客席で第一楽章を聴く。

横島先生の指揮は遅めの巨匠テンポ。響きもだいぶ練れて練習初めの頃に比べればチャイコフスキーらしくなってきた。

先生の求める暗く重厚な響きよりも、幾分醒めた軽さが感じられるのは沼響の個性だろうか。

ヤフオクで落としたCDが届いていた。出品者は旧知の林さん。
http://kechikechiclassi.client.jp/
P1010082 ディスコフィルフランセ音源によるフランスEMIの2枚組CDで、フランスのピアニスト、マルセル・メイエのシャブリエとストラヴィンスキー。

メイエは、今ではEMIから珍しいものも含んだCD17枚組の集成が出ている。
LP,CDいろいろと集めていて大部分は手元にあるが、この中のストラヴィンスキーはまだなかった。

P1010080 そして今日は手持ちの中からフランス、パテのレファランスシリーズのLP2枚組でラヴェルの曲集を聴く。

詩情漂う美しくも格調高き名演。モノラルながら音は非常に良い。

Youtubeはメイエの弾くスカルラッティ

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2010年5月27日 (木)

本日の練習、本番2日前

明後日はオケの本番ということで、今日は仕事を早めに切り上げ夕食をを取らずに練習に参加。

会場の文化センターの駐車場は、第九の合唱練習やら和服を着たご婦人の会合で満車。車が一般道まであふれている。
自分は文化センターの至近距離に、通勤用として月極め駐車場を確保しているので安心だ。ときどき無断駐車されている時もあるが。

2010052719530000 本日はメンデルスゾーンの2曲。
会場ではすでにコンチェルトの練習が始まっている。だいぶまとまってはきたがオケの伴奏が大きい。特に管楽器が入ると顕著だ。

序曲では今日になってホルンの場所が変更となり、ひな壇最上段のトランペットのま横に並ぶことになった。

かつてモーツァルトの交響曲第40番の時に同じ配置で演奏したことがあるが、反射板が真後ろに当たるために自分の嫌な音がまともに直撃。
デッドな響きのホールのために自分の音しか聞こえない。

吹いているうちに冷や汗が出てきた。

確かにトランペットとは合わせやすくなったが、その分木管が聞こえなくなった。
まぁ、そのうちに慣れるだろう。あと二日・・・

P1010080_01 沼響のHPの聴き比べコラム「チャイコフスキーの5番を聴く」に記事をアップしました。今回はこの曲の再評価のきっかけを作った大指揮者ニキシュの登場。

近衛秀麿の「フィルハーモニー雑記」に記されているチャイコフスキー同席の上の交響曲第5番のニキシュのリハーサルの模様や、ニキシュの実演を体験した数少ない日本人、音楽評論家の太田黒元雄の著作から実際にニキシュの棒で演奏したロンドン響の団員の証言を紹介します。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi

Youtubeはムラヴィンスキーのチャイコフスキー、交響曲第5番のリハーサル
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2010年5月26日 (水)

ダンディ、デユカス編曲のラモー

夜から雨、気温も下がり始めた。職場の新体制は順調、今まで抱えていた仕事も任せられるようになってひとまず安心。

P1010078 今日は、近代フランスの作曲家デユカス、ヴァンサン・ダンディや指揮者のデゾルミエールらが編曲したラモーの管弦楽組曲を聴く。

「カストルとポリュクス」「ダルダヌス」「優雅なインド人」といったラモーのオペラからの管弦楽組曲。
編成はクラリネットを除く木管群に弦楽というシンプルなもの。

演奏はアヴィヴァ・エノルン指揮のムジコリエ合奏団。
エノルンはベルギーの女流指揮者でブサンソン国際指揮者コンクールでの入賞経験があるらしい。Arion原盤による国内盤LP.

ロマンティックにして確かな腕の編曲で非常に楽しめる。
無邪気で屈託のない幸福な音楽だ。

エノルンの指揮も繊細でデリケートなもの。

Youtubeはラモーのオペラ「優雅なインド人」

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2010年5月24日 (月)

サン・サーンスの「レクイエム」

昨日から引き続きの雨、一時風強し。

4月から学生生活を送っている上の娘は、大学のサークルではなく市民吹奏楽団に入ったとのこと。当分の間は見習い期間だが、全国的に名の通った団体に入ってしまったようだが大丈夫だろうか?

P1010078 今日聴いたのはサン・サーンスの「レクイエム」。わずか8日で書き上げたという。
この曲を初めて聴いたのは学生時代のことで、FM放送で流れていたフランスのどこかの音楽祭でのライヴだった。
怒りの日の、トロンボーンとオルガンの掛け合いが印象に残っている。

4台のハープとオルガンを含む4管編成だが、トランペットとクラリネット、打楽器が使われていない。代わりに2本のコールアングレが使われている。
レクイエムの性格上刺激的な響きを避けたのかもしれない。

最近は録音が増えたものの、LP時代はガブリエル・ゴザン指揮のフランス国立放送フィルのものが唯一だったと思う。

今日聴いたのもこの演奏で、手持ちはフランスRCAのLP。
国内盤は昭和47年の芸術祭参加アルバムだった。

ゴザンはラヴェルの弟子ロザンタールに師事した指揮者。この録音以外は聴いたことがない。

演奏は隙間だらけのアンサンブルと、がさついた響きであまり良くない。合唱はどうもアマチュアのようだ。 にほんブログ村 クラシックブログへ
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Youtube はサンサーンスの交響曲第3番から

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2010年5月23日 (日)

DUALふたたび

朝から冷たい雨。
高校の文化祭のため登校する娘を送りながらそのまま職場に向かい、結局一日お仕事。
家内は実家の母と一緒に文化祭を見に行き、お昼は沼津港の「丸天」で食事をしてきたという。http://www.uogashi-maruten.co.jp/

家に帰るとお土産ということで「丸天」のマグロテールステーキが夕食で出てきた。
これはマグロの尾の部分をデミグラスソースで煮込んだもの。
真ん中に骨があり、かなりのボリュームだが、やはりこの味付けならば牛肉だよなぁ。

P1010080 ネットオークションに、かつて愛用していた西ドイツのDUALのアナログプレーヤーが格安で出ていたので落札。

おまけにエラックの新品カートリッジも付けてくれた。

状態は比較的良かったが、なにせ製造中止となってから30年近く経ったものだけに左右の音のバランスが悪い。
DUALのプレーヤーは、カートリッジの取り付け部分が細いピンとスプリングの組み合わせの特殊なもので、この部分が接触不良を起こしているようだ。

出品者に連絡したところ、すぐに電話連絡が入り懇切丁寧に教えてくれた。どうやら年季の入ったオーディオマニアらしい。
引き取りますとまで言ってくれたが、ターンテーブルは正常に回転しているし、かつて使用し構造は判っているのでそのまま使うことにする。

そしておまけのエラックのカートリッジで、ビバルディの「四季」を聴く。

P1010081 演奏はかつての超ベストセラー、イ・ムジチ合奏団によるもの。アーヨ独奏の1959年録音国産LP.
「冬」のラルゴの雨音の描写の美しさは、何種かあるイムジチの「四季」の中でこのアーヨ盤が最高だ。

外は雨。

滑らかに回転するターンテーブルを眺めながらアナログの良さを満喫。良い音だ。

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にほんブログ村 youtube は、イ・ムジチ、アーヨの独奏で、ビバルディのホ長調のヴァイオリン協奏曲「恋人」

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2010年5月22日 (土)

スメターチェクのシベリウス

本日お休み。天気は良いが来週から崩れる気配。
午前中は先日やり残した物置の片づけと、庭の植木に寄生した貝殻虫の駆除。

2010052217080000 午後からはオケの練習で市民文化センター。本番までちょうど一週間となり、練習も佳境に入る。
メンデルスゾーンを弾く鍋倉さんのヴァイオリンもホールの遠くの席までよく鳴っている。

夜は娘のピアノのレッスンの送迎で函南まで行き、終わるまでの間は近くのブックオフで時間つぶし。CD棚を見てもあい変らずの不可解な販売価格で全く食指が動かない。

P1010071 今日は、スメターチェクの指揮でシベリウスの「トゥオネラの白鳥」と「悲しきワルツ」の2曲を聴く。
シトコヴェツキーの弾くシベリウスのヴァイオリン協奏曲の余白に入っているもので、オケはプラハ交響楽団。スプラフォン原盤の米パーラメントのLP.

オケの鄙びた響きと、スメターチェクの冷たいまでの無機質な音楽運びが独特の魅力の演奏。特に「悲しきワルツ」が良い。

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にほんブログ村youtube はラハティ響によるシベリウス「レミンカイネン」組曲

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2010年5月21日 (金)

イタリア弦楽四重奏団の「ボロディン」

夏を予感させる蒸し暑い一日。気疲れの多忙な一週間も今日で終わり。
一昨年立ち上げた長期プロジェクトの一年の成果が数字として出てきた。一年目の目標値はクリアできて、自分の役割は果たしたということだろうか。

仕事も区切りがついたので、昨日のオケの練習は早めに参加してみたものの、自分の出番の曲は弦楽器の分奏となってしまった。

やむなくホールロビーで黙々と個人練習。
家では練習時間の確保が難しいだけに貴重な時間だ。忘れかけていたカンが多少戻ってきた感触。

Cteien26 休憩時間に出来てきた定演プログラムのゲラ刷りから、自分の書いた曲目解説にざっと目を通す。

初心者にも判りやすいような平易な表現をできるだけ心がけているが、その中にちょっぴり意外な内容のマニアックな記事も忍ばせることにしている。

そして今晩は市主催のディスクコンサートで、ヴェルディの「アイーダ」を中心にオペラのことを解説。

以前、あまり下調べもせずヴェルディのオペラを取り上げた時、終了後に日本ヴェルディ協会http://www.verdi.or.jp/index.htmlの会員の方に挨拶され冷や汗をかいたことがあってから、かなり予習はしておくことにしている。

地方都市とはいえ誰が聴きに来ているのかわからない。特にオペラはコアなファンが多いだけに怖い。

P1010079 帰宅後は、ボロディンの弦楽四重奏曲第2番をイタリア弦楽四重奏団の甘く暖かな演奏で聴く。
第3楽章に美しいノクターンがあることで有名な曲。

もう30年以上も前に購入したフィリップスの国内盤LP。柔らかで実に良い音だ。

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にほんブログ村 Youtube はボロディンのノクターン

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2010年5月19日 (水)

コルトレーンの「インプレッションズ」

曇り時々雨。本日午後、県東部同業お偉方を集めての会議。

事務局として有る程度の準備は進めていたものの、午前中に外部業者との会議が急遽入り、内部の打ち合わせ不十分のまま突入。
一部想定外の場面もあったなんとかアドリヴで乗り切った。

P1010075 今日聴いたのはジョン・コルトレーンの「インプレッションズ」

1961年3月のヴィレッジヴァンガードのライヴ2曲にスタジオ録音2曲を加えた著名アルバム。
手持ちはペナペナの薄手国内盤LP.

300pxvanguard_01 針を落とすと名門ジャズクラブ、ヴィレッジヴァンガードに集まるお客のざわめきが聞こえてくる。ジャズのライヴ録音でのこの雰囲気が何とも好きだ。

第一曲「インディア」の強烈なコルトレーンのソロ、エリック・ドルフィーのブリブリのバスクラソロも凄まじい。

だが、ちょいと疲れた今日の気分としては、B面2曲目の「アフター・ザ・レイン」の美しい抒情の世界。

強烈なライヴ録音2曲の「動」と静謐なスタジオ録音の「静」との対比がこのアルバムの印象を忘れ難いものにしている。

ジャズ専門誌「スイングジャーナル」休刊。良質の老舗雑誌の休刊が相次ぐ今日この頃。

Youtubeはコルトレーンの「アフター・ザ・レイン」

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2010年5月18日 (火)

ヘンデル、「陽気な人、ふさぎの人、中庸な人」

どうも先週あたりから腰が痛い。かつてぎっくり腰にしばし苦しんだもののここ二年くらいは何ともなかったのだが・・・・
今日の午後の会議では後半がかなり辛いものとなってしまった。

こりゃ完全に運動不足だな。

P1010069 帰宅後聴いたのは、ヘンデルのオラトリオ「陽気な人、ふさぎの人、中庸な人」

不思議なタイトルだが、ミルトンの詩、「陽気な人、ふさぎの人」に基づいた曲に、強引に「中庸な人」を加えたものらしい。

要するに、ネアカな人(男声)とネクラな人(女声)のアリアによる歌合戦といった趣で、オラトリオと言っても、ほぼ同時期に書かれた「エジプトのイスラエル人」や「メサイア」の合唱中心の壮大さはほとんど感じられない。

これら2曲に比べると全く地味な曲だが、さすがにヘンデルの円熟期の作品なだけに一曲一曲の完成度は高い。

演奏はウイルコックス指揮のフィロムジカ・オブ・ロンドンによる英オワゾリールの外盤LP.で音は非常に良い。
チェンバロはガーディナーやホグウッドの師、音楽学者のサーストン・ダートが弾いている。

言葉が判れば哲学的な深い内容の曲なのだろうが、音楽だけでも十分楽しめる。

沼響のHPの聴き比べコラム「シベリウスの2番を聴く」に、番外編として「市河彦太郎とシベリウス」をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

Youtube は「メサイア」から 。マリナーの指揮

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2010年5月16日 (日)

オーディオ的な一日

本日お休み、天気も良いので暖房器具類を片づけながら物置の中を整理する。

これから使うであろう扇風機類を出しながら、古いコタツやらストーヴのいくつかは思い切って処分。
娘達が幼い頃に使っていたおもちゃ類も出てきたが、なんとなく処分する気にならずそのままに。
ニッカンのメロフォン、トロンボーンその他のガラクタ同然の楽器もやはり捨てられない。

S_p5160201 片づけているうちに、20年ほど前に使っていたアナログプレーヤーが出てきた。
トリオのKP800というシロモノで、この後DUALのプレーヤーを使用したのち現在のトーレンスTD320に落ち着いている。
http://www.audio-heritage.jp/TRIO-KENWOOD/player/kp-800.html

20年近く電源を入れてなかったが、試しにコンセントをつなぎスイッチを入れてみたらターンテーブルが回転しはじめた。

ここまで来ると音が聴きたくなり、音楽部屋に運び込みDENONのDL103を取り付けて聴いてみる。http://denon.jp/museum/dl103series.html

P1010064 はじめに聴いたのはエリック・エリクソン指揮スウェーデン放送合唱団によるメシアン「5つのルシャン」のドイツ盤LP。

明快な音で奥行も出ている。これなら合格点だ。

S_p5160203 続けてクーベリック指揮バイエルン放送響による、モーツァルトの「プラハ」。CBSソニーの国内盤LPで1980年のデジタル録音。

ところが、これは良くない。音像全体が狭くなり音が平板。
コンデンサー類の劣化が進んでいるのかもしれない。

念のためトーレンスのTD302に変えてみた。

S_p5160197 ところが動かない・・・・・・
スイッチを押してもターンテーブルは静止したまま。

まるで浮気を責められているような複雑な気持ちになってきた。

そしてKP800よりさらに古い、もう一台のアナログプレーヤーのビクターのQL-7Rに切り替えてみた。http://www.audio-heritage.jp/VICTOR/player/ql-7r.html
S_p5160198 数年前に近所のお年寄りにレコードを多量にいただいた際、レコードと一緒に譲られたプレーヤー。

こちらはすっきりとした音でSN比も良い。第2楽章の弦楽器の奥に絡む木管もはっきり分離して聞こえてくる。

ひととおり聴いた後、気になるトーレンスに再トライ。

すると今度はスルスルとターンテーブルが回り始めた。
トーレンスにはシュアーのTypeⅣのカートリッジを付けているが、やはり完成度の差は歴然。
弦楽器のトレモロも塊にならず、はっきり分かれて聞こえてくる。
何よりも、実演や自分が演奏している時に感じる演奏者の存在感がはっきり感じられるのが良い。

こんなことに夢中になっているうちに、物置のことをすっかり忘れ、気がついたときは日が暮れかけていた。

慌てて外に出ていたガラクタ類を物置の中に押し込むように元に戻す。

片づけは来週に再トライになってしまった。

そんなことで、今日はクーベリックのモーツァルトの交響曲第38番「プラハ」と第39番。

柔らかくしっとりとした演奏、クーベリックの他の曲の演奏と比べると意外な気がする。リピートもほぼ全部励行。オケの編成も大きいようだ。
Youtubeはクーベリックの「プラハ」ライヴ
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2010年5月15日 (土)

ギブソンのスコットランドにちなんだ序曲集

本日、来週の大きな会議の下準備のために出勤。朝夕の空気はまだ冷たい。
昨年の今頃は新型インフルエンザの流行で、お店からすっかり姿を消したマスクを探しまわったりしていたのだが、一年経った今はニュースにもならなくなった。

今年は花粉症もほとんど症状が出なかったので、買い溜めしたマスクが家でダブついている。マスクメーカーも今年はさぞや多量の在庫を抱えているだろうな。

夜のNHKニュースで雀が急激に減ったことが取り上げられていた。

このことは自分も半年ほど前から気になっていた。

2年ほど前までは雀の群れがうるさいほど畑の周囲を飛び回っていたのだが、最近は群れの規模が小さくなっている。数も減った。
カラスの多さは相変わらずだが、雀の代わりにいろいろな渡り鳥の数が増えている。

ニュースでは、最近の家の造りが機密性が増したために、屋根瓦の隙間に雀が巣を作りにくくなったからだという専門家のコメントが紹介されていたが、それは違うだろう。
自分の家の回りでは、家の数は増えたものの古い家も相変わらず多い。


P1010076 今日は、スコットランドの指揮者、サー・アレクサンダー・ギブソンの指揮でスコットランドにちなんだ序曲を集めたアルバムを聴く。

英シャンドスのLPで、メンデルスゾーンの「フィンガルの洞窟」、ベルリオーズの「ウエヴァリー」、アーノルドの「タモシャンター」の各序曲にヴェルディの「マクベス」から第3幕のバレー音楽にスコットランドの作曲家ターミッシュ・マッカンの「山とあふれる泉の土地」という曲を集めたもの。

メンデルスゾーン以外はあまり馴染みのない実にシブイ曲がそろっている。演奏の良さもあるがいずれも非常に楽しめた。

オケはギブソンが手塩にかけて育て上げたスコティシュナショナル管。

アーノルドの曲などイギリス版「ティルオイレンシュピーゲル」。華やかで豪壮なフルオーケストラの魅力が楽しめる逸品だ。ローカル色丸出しのバグパイプを真似た響きも面白い。

Youtubeは、アーノルドのソロホルンのためのファンタジー

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2010年5月14日 (金)

バルビローリのドヴォルジャーク

朝、夕一時雨。昼間は良く晴れた。
新規採用、中堅、ロートルと、バランス良くセクション半分が入れ替わった職場の新体制もようやく落ち着いてきた。
皆が慣れるまで自分が抱えていた仕事を徐々に振り分け、次第に身軽となる。今日は久しぶりに定時帰宅。明るいうちに帰れるのは数ヵ月ぶり。

ここ数日レコードプレーヤーの調子が悪い。
トーレンスのTD320にSMEの3009というさほど珍しくもない組み合わせだが、長年の酷使?が祟り演奏の途中で急に止まってしまう減少が頻発。

P1010074_2 今日もバルビローリのドヴォルジャークの交響曲第8番を聴いている途中フィナーレ冒頭のトランペットのファンファーレで突然の失速。
再度スイッチを入れたら再び回り始めた。

なにせコレクションの半分以上はLPなのでなんとかせねば。

このドヴォルジャークは、テイチクの古いLPで、音はあまり良くないが、こんなにセンチメンタルに歌わせた演歌調のドヴォッパチも珍しい。

バルビローリが育て上げたハレ管は、大きく揺れる棒に良く付いていっている。

第三楽章終結部の動から静への転換など鮮やかなものだ。

カップリングの「スケルツォ・カプリチオーソ」が非常によく、これほど面白い曲だとは思わなかった。

Youtubeはバルビローリ指揮の「エリザベス朝」組曲からパヴァーヌ

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2010年5月13日 (木)

コミッショーナの「宗教改革」

ここ数日バイクで通勤。今日も良い天気だが風は冷たい。
今日の練習は降り番のチャイコフスキーなので、お休みさせていただく。

最近今回の定演の前半の曲にとりあげるメンデルスゾーンの音楽ばかりを聴いている。

古典的な格調の高さの中に仄かに漂うロマン派への香り。爽やかで屈託のない音楽は、幼いころからゲーテに可愛がられたりした高い教養と育ちの良さからくるものだろう。

P1010074 今日は交響曲第5番「宗教改革」をセルジュ・コミッショーナ指揮のボルティモア響の演奏で聴く。米ターナバウトのLPで1974年録音。
今まで聴いたコミッショーナの指揮で、はずれの演奏にお目にかかったことがない。

ルターのコラールを散りばめた、宗教的でアルカイックな雰囲気漂う曲を壮大に描き上げた名演。

Youtubeはコープマン指揮の「宗教改革」第4楽章

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2010年5月12日 (水)

ノイマンの「シンフォニエッタ」

昨日は近所に突然の不幸がありお通夜の受付。大きなお通夜で受付前は長蛇の列。ようやく落ち着き、夕食を摂ったのは9時過ぎ。
今日は今日で3つの会議のはしごで疲れ気味。

本日は村上春樹の「1Q84」で一躍有名曲に躍り出た?ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」

P1010075 演奏はヴァツラフ・ノイマン指揮の南西ドイツ放送交響楽団のArteNovaのCD.
同じヤナーチェクのヴァイオリン協奏曲「魂の彷徨」と組曲「利口な女狐の物語』組曲のカップリングに惹かれて購ったもの。

ノイマンには本場チェコフィルとの名演もあるが、この演奏はそのチェコフィル盤よりも8年ほどあとの再録音。

冒頭目の覚めるような9本のトランペットのファンファーレ、曲を十分に知り尽くした余裕の棒にオケが安心して付いていっているのがよくわかる。

冒頭が回帰される終曲など感動的な盛り上がりを聴かせるノイマン入魂の名演。
youtubeはブーレーズ、BBC響による「シンフォニエッタ」フィナーレ

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2010年5月10日 (月)

ジョニー・グリフィン 「ア・ブローイング・セッション」

曇りときどき雨。

今晩、職場OBにして、現在音楽三昧の生活を送られている先輩の家に遊びにいく。

かつてジェンセンのスピーカが鎮座していた位置には、ウエスタンエレクトリック社製の巨大スピーカーのマルチアンプシステムに化けていました。http://www.stereosound.co.jp/spi/wesl.php

音はソースを選ぶようで現在発展途上の趣。

5万円のガラスCDの音やらいろいろと聴かせていただいたが、最も良かったのはアナログLPの音。

Ablowingsession EMTのレコードプレーヤーで再生されたのは、テナー・サックスのジョニー・グリフィ」その他による 「ア・ブローイング・セッション」。

グリフィンのほかにコルトレーン、モブレイのサックスにリー・モーガンのトランペット、ほかにアート・ブレーキー、ウイントン・ケリー、ポール・チェンバース・・・・

よくぞこれだけ集めましたというばかりの凄いメンバー。

選び抜かれた個性が火花を散らすスリリングな演奏の数々にただただ圧倒されるばかり。

しかも聴いたのは、名盤揃いで知られるブルーノートの1500番台のNo.1559純正オリジナル盤LP。

凄い音だ。とても50年前の録音とは思えない演奏者の飛び散る汗が目に見えるような実在の響き。

Youtube はリー・モーガン

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2010年5月 9日 (日)

日曜日はオーケストラ

爽やかなる日曜日。本日はオケの練習日、会場は市民文化センター大ホールでトレーナーの高橋先生の指揮。

沼津の大ホールは、残響少なめのうえにステージ上では周りの音が聞こえにくい合わせにくいホール。
メンデルスゾーンではトランペットとホルンの距離が遠く、微妙な時間差が生じているらしい。指揮の打点よりも早めに出ることを心がける。

今日は適度なウォーミングアップができたので比較的快調。いつもこうならばよいのだが。

午後のチャイコは降り番なので、メンデルスゾーンの終了後練習場を後にし帰宅。
昼食後は、畑作業で汗を流した充実の日曜日。

S_img_0003 今日聴いたのは、アンドレ・プレヴィンのジャズアルバム「ガーシュイン・ソングブック」。
ベースのディビッド・フィンクとの共演。

おなじみのスタンダードナンバーを集めたゴキゲンなアルバム

Youtubeは映画「地下街の住人」(1960)でのプレヴィン

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2010年5月 8日 (土)

オボーリンの「展覧会の絵」

曇りのち晴れ、本日も一日出勤。天気がよさそうなのでバイクで職場へ向かう。
昨日ちょいと夜更かししたために午後から猛烈な睡魔に襲われた。今日は早めに帰宅。

P1010070 今日はロシアのピアニスト、レフ・オボーリンの弾く「展覧会の絵」を聴く。メロディア原盤の国内盤LP。

オボーリンは戦後まもなく来日し、ロシアのピアニストとしては比較的早い時期から知られていたが、ギレリスやリヒテルが登場してからは影が薄くなり、オイストラフの伴奏ピアニストみたいな扱いになってしまった。

オボーリンのソロピアノの録音は非常に少ない。

アシュケナージの師にして、第1回ショパン国際ピアノコンクールの優勝者。この時、後に20世紀を代表する作曲家となるショスタコーヴィチも参加しているが盲腸炎になり予選で落ちている。

確かな技巧と力強い打鍵、華やかさはないが端正にして正統派の名演だ。

ぼてっとした独特の響きは、チェコのペトロフのピアノを使用しているからだろう。モノラルながら録音は非常に良い。

youtubeはゲルギエフ&N響による展覧会の絵

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2010年5月 7日 (金)

オークレールのメンデルスゾーンとチャイコフスキー

連休も終わり、通勤時に走る車の数がGW中よりも格段に増えた。今日は一日雨。

2010050620150000 昨日のオケの練習は、ソリストの鍋倉さんとの初合わせの日。ソリストとオケとの間でピッチに微妙の違い気にはなったが、初めてにしては、しっくりといっている雰囲気だ。

今日はその定演の曲目であるメンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を聴こう。

いろいろと迷った末に選んだのは、フランスの女流ミッシェル・オークレールの再録音。

オークレールは、ロン・ティボー国際コンクールに13歳で優勝し、天才少女と騒がれ、その後のジュネーヴ国際コンクールでも優勝した名手。左手の故障で30代で引退してしまったので録音は少ない。

P1010072 手持ちの音盤はフォンタナのグロリアシリーズの廉価盤LP。なにせ30年以上前に購入したものなので、バランスウォッシャーでクリーニングしてからの視聴。ロベルト・ワーグナー指揮のインスブルック響の伴奏。

艶やかな美音と、しなやかで身を摺り寄せてくるような独特の色気の漂う演奏だ。今もオークレールに熱烈なファンがいるのがよくわかる。
http://www.hmv.co.jp/news/article/509210119/

伴奏は指揮もオケも二流どころだが健闘している。特にチャイコフスキーは気合十分の好サポートだ。

沼響のHPの聴き比べコラム「チャイコフスキーの5番を聴く」に『初演時の評判と当時のロシアのオケ事情』の記事をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi

youtubeはそのオークレールのメンデルスゾーン

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2010年5月 5日 (水)

グローヴスの「惑星」

今年のGWは例年になく天気に恵まれていた。今日の日中は汗ばむほど。これでストーヴをようやく片づけられそうだ。
帰省していた娘も早朝の高速バスで帰って行った。

昨日から仕事に出ているので連休の実感はとくになし。
とはいえ昨日も今日も早めに帰宅。

S_img_0002 今日もイギリス物で、ホルストの「惑星」と「セントポール組曲」。
演奏は、サー・チャールズ・グローヴス指揮のロイヤルフィルハーモニック。ASVから出ていたCD.

名盤ひしめく有名曲中ほとんど話題にもならない演奏だが、これは大変な演奏だ。

609950 その風貌そのままの中庸でいてどこかほっとするような温かみが感じられる演奏が多いグローヴスだが、この「惑星」はそのグローヴスの美点に、オケを豪快に鳴らしきった壮大さが加わり雄大なる名演となった。

有名なジュピターの崇高な演奏には、聴いていて涙が出そうになってきた。
録音も極上。火星や冥王星ではオルガンの重低音が部屋を揺るがす。

カップリングの「セントポール組曲」も軽妙な出来だが、第3曲と4曲目が入れ替わっていた。これは編集ミスだろう。

Youtubeは、ロストロポーヴィッチとドヴォルジャークで共演するグローヴス。

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2010年5月 3日 (月)

絶品、戸田塩ジェラート

昨日に続き本日もお休み。

昨日は上の娘が会場アナウンスを頼まれている、この3月卒業した高校の吹奏楽部の定期演奏会。会場は三島のゆうゆうホール。
昨年はフルート界の大物、小出信也さんをゲストに招いていた。
http://harumochi.cocolog-nifty.com/horn/2009/04/post-6e4c.html

コンサートは、第一部クラシカル、第二部ステージドリル、第三部ポップスステージというもの。

舞台には二、三年生のみとはいえ60人を超える大編成。今年の新入部員も30名を超え100名近い大所帯だという。

第一部では、個人の技量と合奏の精度に課題は残るものの、低音セクションの充実でダイナミックな吹奏楽ならではの響きを堪能。

休憩の合間に、懇意にしている指揮者のOさんを楽屋に訪ねる。

続くステージドリルは、練習の成果を十二分に発揮した見応えのあるステージ。
高校生らしい、爽やかで純なひたむきさに会場も大いに沸いていた。

気持のよい後味の良いコンサートでした。

2010050216160000 終演後は、家内とホール近くの公園を散策。雨が続いたためか池の水量も多く、湧水の街三島の風景を楽しむ。近くの有名鰻屋「うなよし」は観光客で長蛇の列。


そして本日。天気も良く休みも今日までなので、戸田地区にある、擬洋風建築で住宅としては日本最古の国指定重要文化財「松城邸」見学のために家族でドライヴ。

ところが国道414号の渋滞に巻き込まれ、戸田についたのは公開受付締め切りの11時30分ちょうど。GWの混雑のため駐車スペースも見つからない。

結局見学はあきらめ、港周辺で食事場所を探してブラブラしていると、かつて同じ職場にいた戸田地区に住む女性職員に遭遇。

彼女の紹介のお店で食事となり、メニューにないものまで出してもらう豪華な昼食になりました。http://www.koutokumaru.com/kaniya-index.html

2010050313160000 最後に出たのは、戸田の旅館協会の女将さんたちが考案したという戸田塩を使ったというジェラート。

薄いブルーのミルクベースのジェラート。これが絶品。http://www.jalan.net/jalan/doc/theme/yadolog/omiyage/omiyage_0000445639.html
戸田塩使用とはいえ塩味はあまり感じられず爽やかでフルーティな味わい。娘たちも大感激。

食事を済ませた後、さっそくお店の売店で探したが、見つからなかった。(その後、家の近所の沼津御用邸で購えることが判明)

積極的に売り出せばかなり売れるのではなかろうか。

S_img_0001 今日はイギリスの吹奏楽作品を聴く。

ノルウェー国防軍軍楽隊による演奏で、ホルストの第1組曲と第2組曲の二つの組曲に、グレンジャーの「リンカンシャーの花束」「岸辺のモリー」、そのほかにフローラン・シュミットの「デユオニソスの祭り」という吹奏楽の古典的なオリジナル作品を集めたもの。

ノルウェーのSIMAX CLASSICによるCD.

指揮はEivind Aadlandという人で、元はヴァイオリン奏者でベルゲンフィルのコンマスだったらしい。

個々の曲ではさらに優れた演奏もあるが、各楽器をバランス良く鳴らしソロも極上。細部まで心を通わせた非常に高い水準の名演だ。

第2組曲第2曲はオーボエソロで始まるバージョンではなく、クラリネットで開始するもの。

NAXOSのNMLでも視聴可能だが、指揮者の名前が誤っている。
http://ml.naxos.jp/album/PSC1208

Youtube は、ホルストの第1組曲から「シャコンヌ」
下野竜也指揮東京佼成ウィンドオーケストラ

 

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2010年5月 1日 (土)

市河彦太郎、シベリウスに会う

5月に入りよく晴れ爽やかな一日。
娘も一時帰省し家の中は賑やかになった。結局一日仕事。

午後からの「イーラde」のGWのスペシャルイベントhttp://www.e-ra-de.com/にわが沼響の選抜レディースカルテットが出演するので、その時間は顔を出すつもりだったが、ちょいとしたトラブルに捕まり結局行けず。

夜に娘たちをピアノのレッスンに連れて行き、帰宅後テレビを点けるとテレビ東京「出没!アド街ック天国」で沼津の特集をやっていた。
http://www.tv-tokyo.co.jp/adomachi/

さまざまな観光資源グルメスポットの紹介。やはり海の幸が中心となっていたが、自分の知らないところや意外なお店が紹介されたりしてなかなか面白い。
ゲストの中尾彬が沼津で思い浮かぶものとして、「沼津兵学校」を紹介していたのには驚きました。http://daigikan.daa.jp/hegakou.html

沼津生まれの外交官市河彦太郎。調べれば調べるほど面白い。

ちょっと長くなりますが・・・

2010050117170000 市河彦太郎は、1933年4月にフィンランド公使としてヘルシンキに赴任。

当時のフィンランドでは日本人としては日本公使館の人くらいで、在留邦人は皆無。その公使館もスウェーデンにある日本公使館の出張所で、職員は彦太郎たった一人という状態だった。

公使館は、ヘルシンキの南のフィンランド湾を見下ろす住宅地の、6階建てのアパートの最上階の半分を占めたところにあった。

目の前は「カイボ」公園。その景色とフィンランド湾の美しい風景に見入っていると、同じ六階に住む隣の家から美しいピアノの音が聞こえてくる。
とても素人のすさび程度ではなく、あまりにも見事な演奏なので、彦太郎は知人に尋ねてみた。

そして日本公使館の隣に住む人がシベリウスの次女「イルヴェス夫人」であったことを知り仰天する。

Imagescadmtp2w 市河彦太郎の「文化と外交(岡倉書房 昭和14年発行)」には、彦太郎がシベリウスと初めて出会ったときのことが書かれている。


以下引用

・・・・・ある春の日、外出しようとして「エレヴェーター」にのって下に行かうとすると、そこに立派な老人が先に乗っていた。それが「シベリウス」であることはその顔付ですぐわかった。
「失禮ですがシベリウスさんですか?」
「さうです」
それ以上の話をする前にもう別れなければならなかった。しかし別れ際に「シベリウス」は又一度私の方に歩みよってきて言った。
「日本はいま丁度秋ですかね?」
「いいえ、そんなことはありません。やはり春です。」
「あぁ、さうですか」
こんな会話を交したあとで彼はすたこら歩いて行ってしまった。
私はあとで一人でその会話を思ひうかべながら何度も何度も微笑んだ。
そこには芸術家らしい、のんびりしたところがある。
しかし考へて見れば一般の「フィンランド」人でさへも「日本はいま丁度秋ですか?」
程度の理解を日本について持っているのに過ぎないかもしれないぞと思ってだんだん寂しくなっていった。・・・・・・・・・・

その後彦太郎は、長く住む間にシベリウス本人やその家族とも親しくなっていく。

S_img_0009 聴いた音楽はハーゲンカルテットのハイドン、初期の弦楽四重奏曲

Youtube はハイドンの作品77の1、演奏はシュカンパカルテット

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