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2010年6月に作成された記事

2010年6月30日 (水)

モントゥーの「ダフニスとクロエ」

岡田ジャパン良く戦いました。テレビを見ていて興奮のあまり結局就寝は3時。起床は6時。
職場では刺激的な出来事連発で眠気に襲われる暇はなし。

今日は、昨日聴いたドビュッシーの歌劇「ペレアスとメリザンド」初演のオケでヴィオラを弾いていたピエール・モントゥーのラヴェルを聴く。

曲は、モントゥーが1912年の初演を振った「ダフニスとクロエ」全曲。翌1913年、モントゥーは音楽史上に残る大スキャンダルとなった「春の祭典」の初演を振っている。

Akanegumo444img600x4501274568231uul 聴いたのはロンドン響を振ったDECCAへのステレオ初期の録音で、先月入手したフランクリン・ミントのLP.

虚飾を排した厳しさの中に官能的な美しさも漂う巨匠の至芸。今まで聴いた国内盤CDよりも大きな広がりと奥行きが感じられるフランクリンミントの音も素晴らしい。

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Youtubeはモントゥー指揮する「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第3幕前奏曲

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2010年6月29日 (火)

デゾルミエールの「ペレアスとメリザンド」

湿気と気温の高さに夜眠れず。

昨日の朝からドビュッシーの歌劇「ペレアスとメリザンド」のLP3枚組を二日間聴いている。

P1010094 演奏はこの名曲の初録音、1941年のナチ占領下のパリでロジェ・デゾルミエール指揮交響楽団、名バリトンのジャック・ジャンセンに、著名なヴァイオリニスト、ヨアヒムの孫のソプラノ、イレーヌ・ジョアキムほか、オールフランスキャストによっておこなわれた歴史的なる演奏。

手持ちはフランスパテの外盤LP3枚組。

当初予定されていたトリュクが死去し、ドビュッシー作品の初演の多くを手掛けたアンゲルブレシュトも都合がつかず、結局当時パリオペラコミックの指揮者だったデゾルミエールにお鉢が回ってきたといういわくつきの録音。

戦時中の録音とは思えない落ち着きと静けさが全曲を支配。
フランスの名歌手たちの饗宴が聴きものだが、デゾルミエールの指揮も控えめながら品格のある見事なもの。

1941年録音とはいえ音の状態は良い。

まもなくワールドカップ決勝トーナメント対パラグアイ戦が始まる。
盛り上げたい気持ちはわかるが、TBSの番組司会者その他がはしゃぎ過ぎなのが興を削ぐ。

51c2bmre0xwl__sl500_aa300_ P1010093 沼響のHPの聴き比べコラム「ベートーヴェンの7番を聴く」にカイルベルトの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

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youtubeはドビュッシーの「ペレアスとメリザンド」1幕3場

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2010年6月27日 (日)

地域のためのLEFAコンサートinみしま

雨の休日湿度が高い。本日午後から隣町の三島でLEFAが主催するコンサート。http://lefa.ninja-web.net/aboutus.html
地元のNPO法人が企画している無料コンサート。

2010062713520000 今回はフルートの垣野内英博、長田恵美子にピアノの今野千春という顔ぶれ。いずれも県内で活躍している音楽家たちだが、長田さん我が沼響のメンバーという縁で足を運ぶ。

会場の中郷文化プラザには早めに着いたので会館内にある図書館で雑誌を読んでいると、小学生の子供二人がカウンターの図書館職員に、「今日のコンサートはどこでやるのですか?」と聞いている。
若い女性図書館員は「???知りません」
目の前にポスターが貼ってあるのに気がつかないようだ。

会場は小学校の体育館のような多目的ホール。
ピアノはアップライトで本格的なコンサート会場ではないが、小さな子供を連れた家族連れが多く、日曜の午後の気軽に聴けるアットホームなコンサートという雰囲気。

2010062713500000 収納式の座席100席余りはほぼ満席で、馴染みの沼響メンバーは二人ほど。

前半は、エルガーの「愛の挨拶」で始まり、ドップラーの「アンダンテとロンド」「3つのアヴェ・マリア(バッハ・グノー、シューベルト、カッチーニ)」

そしてピアノソロでショパンを3曲、「ノクターン第20番」「ワルツ第2番」「バラード第1番」

再びフルート二本とピアノによるモーツァルトの2台のピアノのためのソナタ第一楽章をこの編成にアレンジしたもの。

穏やかで涼しげなフルートの音色は、梅雨の曇り空の中の一服の清涼剤。

イタリアルネッサンス期の作曲家カッチーニの「アヴェ・マリア」として最近になって急に有名になった曲は、1970年代に旧ソ連の音楽家Vladimir Vavilov が作曲した明らな偽作だが、この編成で聴くとあたかもジャズバラードのように響き、曲の正体が露わになっていく。

このようにいろいろな作曲家の作品を続けて聴くと、やはり作曲家の格というものが見えてくる。
その点、アレンジとはいえモーツァルトが一番聴き応えがある。演奏も興に乗った気持ちの良いもの。

バラードのような大曲になるとアップライトの限界が見えてきてピアニストには気の毒でしたが、ショパンのピアノソロも美しい演奏でした。

後半は久石譲その他親しみやすい曲を並べたもの。

残念ながら、夕方から夜にかけて二つの会合に出席せねばならず、こちらは途中で失礼させていただきました。

帰り間際に主催者のLEFAの人に呼び止められた。なんと高校の吹奏楽部後輩のS君。

しばらく立ち話。無料で借りることができる会場の確保、乏しい予算の中での広報活動などなど・・・・このようなほとんどボランティアの、手作りのコンサートを続けていくには相当な苦労があるようだ。

地域の音楽文化の普及のために健闘を祈る。

夜はお寺の役員会で帰宅は9時近く。

P1010093 そして夜もフルートの音楽。

ランパルの吹くビバルディの作品10のフルート協奏曲を聴く。
仏ディスコフィルフランセ原盤のモノラルLP.伴奏はリステンパルト指揮のザール室内管弦楽団。

すっきりきっちりの驚くほど完璧な演奏。ランパルの後年の録音にはこれに多少の遊びが加わってくる。

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Youtubeはスミジョーの歌うカッチーニの「アヴェ・マリア」

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2010年6月26日 (土)

ドビュッシー自作自演、グラナダの夕べ

鬱陶しい梅雨空の一日。家内は4月から大学に通い始めた上の娘の学生マンションに様子見のため上京しそのまま宿泊。

下の娘は夏に行われる高等学校総合文化祭出演に備えて学校へ。http://www.miyazaki-soubun.jp/
今年の大会は口てい疫で大変なことになっている宮崎だ。

そして自分は仕事。職場OBでかつてお世話になった方から無理難題の依頼が生じ困ったことに。

P1010093 ドビュッシー自身の弾くピアノ演奏を数曲聴く。

ピアニストとして活躍していたドビュッシーは、ピアノロールのために演奏記録を数曲残している。http://www.enokiya.com/Products/pianoroll/pianoroll.html

楽譜にほとんどペダルの指示を書き記さなかったドビュッシー自身のペダリングを聴くことができる極めて貴重な記録。

今日はコンドンコレクションのCDから「沈める寺」と「グラナダの夕べ」。

一緒に聴いていた娘が「凄い雰囲気のある演奏だね」と呟いた。

絶妙のペダリングとテンポ感。特に巨大な音楽が地の底から湧き上がってくる「グラナダの夕べ」は、聴いていて鳥肌の立ってくる凄みのある名演だ。

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Youtubeは「アラベスク第2番」。ドビュッシー自身の弾く自由闊達なピアノ演奏

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2010年6月25日 (金)

レーグナーのブルックナー

W杯日本快勝、職場でも寝不足気味の職員多し。

それにしても大会前の四面楚歌状態から一転絶賛の嵐となった岡田監督。本人はきっと苦々しく思っているだろうなぁ。
一軍を率いる将の孤独と重圧がインタヴューを受ける表情から見えてくる。

昨日の大ホールでのオケ練習は3楽章と4楽章の一部。練習の合間に合唱の練習が漏れ聞こえてくる。今回の第九の合唱は仕上がりが早そうだ。

練習後は、来年の定演内容に一案を出すために技術委員会に顔を出す。帰宅は0時近くとなり結局ワールドカップの試合開始時間に起きることができず生中継は見逃してしまった。

P1010091 今日はハインツ・レーグナー指揮ベルリン放送響(旧東独逸)のブルックナー交響曲第6番を聴く。
手持ちは90年代初めに徳間音工が出した廉価盤CD。

速いテンポで飄々と進めたブルックナー。鳴りを抑えたオケは高性能というわけではないが、旧東独逸のオケが持っていた独特の渋みのある響きがブルックナーの肌合いと良く合っている。

ただこのCDの音は、高音にバランスが寄りがちでドイツシャルプラッテン時のLPの深い音には遠く及ばない。

列島が湧いた一日。 にほんブログ村 クラシックブログへ
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Youtubeはクーベリックのブルックナー、交響曲第6番

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2010年6月23日 (水)

越乃寒梅 乙焼酎古酒

Front_mini 昨日は定例「ボエームの会」。先月はメンバー多忙により開けず一カ月空けての会。
いつもの割烹「はちまき」は、先週の水曜日に他の音楽仲間と痛飲したばかり。

Y330860070 今回のお品は、先週も食した鰹のたたきとカニクリームコロッケに加えてイサキの塩焼きエトセトラ。特にイサキは焼き具合といい塩加減といい絶品。

お酒は「越乃寒梅」で全国に名を轟かせている石本酒造の蔵が大吟醸酒酒粕を原料として世に送り出した「越乃寒梅 乙焼酎古酒」。
年間数百本しか出回らないというまさに幻の銘酒。

2010062219320000 「越乃寒梅」に焼酎があるとはつゆ知らず、その箱と瓶を見て思わず息を呑む。

ロックでいただきましたが、40度の濃厚な10年古酒の深い味わいに「ウーム・・・」と一同しばしの沈黙。

そして牛テールスープでさっぱり仕上げた後の二次会はいつもの和美ちゃんの待つプライベートバー。
メンバーのご子息、息女の結婚話の披露やら海外旅行の話もあり、大いに盛り上がりました。

今日は朝から強い雨と風。出勤時に、駐車場から職場までの狩野川に架かる橋の上の僅かな間にズボンはずぶぬれ。朝からツイテいない一日。

006 帰宅後聴いたのは、ルドルフ・ゼルキンの弾く難曲ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番。オーマンディ指揮フィラデルフィア管によるフランクリンミントのLP.
明るくそして強い意志の感じられる強固なベートーヴェン。

 

 

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Youtubeはゼルキンの弾くベートーヴェンの31番のソナタ

 

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2010年6月21日 (月)

シュナーベルのモーツァルト

昨晩足の裏を蚊に刺され、持続的なかゆみに眠れず寝不足の一日。

今日はアルトゥール・シュナーベルのモーツァルトを聴く。

シュナーベルはベートーヴェン直系のピアニストにして、少年時にブラームスにその演奏を絶賛されたという20世紀初頭を代表する大ピアニスト。
シュナーベルのベートーヴェンのピアノソナタ全集録音は、今でも圧倒的な存在を誇る演奏だ。

Akanegumo444img600x4501274572250bhw ここ数日聴き続けているフランクリンミントの名曲シリーズの選者は、モーツァルトのピアノ協奏曲の演奏にシュナーベルの古い録音を選んでいる。

曲は21番の協奏曲。1937年録音で伴奏はサージェント指揮のロンドン響。当然モノラルだが音は良い。

いわゆるテクニックで聴かせるタイプではないが、透明で清らかなタッチと柔らかい響きでモーツァルトの純な世界を描き出していく。
サージェントの伴奏は古めかしさを感じさせるが、銘器ベヒシュタインを弾くシュナーベルのピアノは、明晰さと精神的な深さを感じさせる時代を超越した見事なものだ。

ドイツにこのシュナーベルの名を冠した音楽コンクールがある。

過去に田部京子や岡田将らの実力派ピアニスト達も入賞しているコンクールだが、2005年日本音楽コンクールで一位となり、現在ベルリン留学中の海瀬京子さんが先月見事一位となった。
娘達と同門で同郷のピアニストとして、着実にキャリアを積み上げているのが嬉しい。 にほんブログ村 クラシックブログへ
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Youtubeはシュナーベルの弾くベートーヴェンのバガテルWo59。いわゆる「エリーゼのために」です。

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2010年6月20日 (日)

オーマンディのロイ・ハリス

曇り一時雨。昨日の突発アクシデントの影響もあり今日も出勤。

どうも昨日から寝違えたのか首のあたりに鈍痛しきりで肩も凝り、帰宅後湿布薬をベタベタと貼る。

今日もフランクリンミントのLPで、20世紀アメリカの作曲家ロイ・ハリスの交響曲第3番。

ロイ・ハリスの曲で初めて聴いたのは、南北戦争時のアメリカ「ジョニーが凱旋する時」に主題を採った「アメリカ序曲」だった。

Akanegumo444img600x4501269477713lh0 親しみやすさの中にシリアスな雰囲気も感じられ、より演奏されることの多い同じ主題によるモートン・グールド作曲の「アメリカン・サリュート」よりもよほど音楽的だっだ。

交響曲第3番はハリスの18曲ある交響曲の中では、比較的演奏される曲だろう。バーンスタインが2度録音しているし、トスカニーニの録音も出ている。

フランクリンミントはその中でオーマンディ指揮フィラデルフィア管の演奏を取り上げている。
バーンスタインの旧盤ほどの鮮烈さはないが、ほどよい緊張感とオケをち密に鳴らしたよい演奏だ。

カップリングは同じ演奏者によるヒンデミットの交響曲「画家マチス」。
どちらもアナログの良さを十二分に引き出した素晴らしい再生音。

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Youtubeは、オペラ「画家マチス」のオープニング。この部分が交響曲の第一楽章にそのまま使用されている。

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2010年6月19日 (土)

フランクリン・ミントの「The 100 Greatest Recordings of all time」

昨晩からの強風と雨も朝には上がる。風でダメージを受けていた庭の白樺と畑のイチジクを立て直した後、ツールドフランスのテレビ中継を観る。

美しいフランスの田園風景の中にひた走る自転車の一群。変化に富んだ景色と整然と走る選手の姿が実に美しい。

今日はノンビリできそうだと、くつろいでいると携帯に緊急電。
突然のトラブル発生で急遽出勤することに・・・
日のあるうちに帰宅はできたが、休日気分は吹っ飛んでしまった。

Akanegumo444img600x4501274568231uul 帰宅したらフランクリンミントのLPが届いていた。

1980年にアメリカのフランクリンミント社が当時のアナログ製盤技術の粋を集めて作られた高級クラシックセット物LP。

一巻に2枚のLPが入っていて、当時の価格は1巻1万円。全50巻で50万円というベラボーなセットだった。

当時レコード芸術の広告を見た時に、こんなもん一体誰が買うのかいな?
と全然興味がなかったのだが、数年前にこのセット中のラローチャの弾くラヴェルのピアノ協奏曲を中古で見つけ購入。

聴いてみるとオリジナルLPにも匹敵する見事な音に感嘆。以来見つけ次第購入することにしていた。

Akanegumo444img600x4501274568231oea 曲と演奏のセレクトは、アンドレ・プレヴィンや作曲家のウイリアム・シューマンのほか、コロンビア大学の音楽部長、ロンドンタイムズの主任音楽評論家、パリ音楽院やウィーン音楽大学の教授など世界の碩学10名。

解説は日本語訳付き。

録音の新旧に係らず演奏内容中心で、エルガーの自演やトスカニーニ指揮ニューヨークフィルなどの古い演奏も選ばれている。
曲もドホナーニの「童謡の主題による変奏曲」など、日本人の感覚とはまた違った選曲がユニークだ。

今月の初めにヤフオクに数セットが出ていて、ためらわず入札したところ競合したのはフルトヴェングラー指揮バイロイト祝祭管の第九のみ、後は簡単に落札できた。

その後出品者からまとまった量のフランクリンミントを譲りたいという直接の申し出があり、30セットほどをヤフオクの価格よりもかなり格安で譲ってもらうことができた。

その中から今日は、カラヤン指揮ウィーンフィルのブラームスの交響曲第1番を聴いた。

DECCAの1959年録音の演奏で、国内盤のLPは既に手元にあるが、音はさすがにフランクリンミントが素晴らしい。音の伸び、奥行は実演で聴くウィーンフィルの音に近い音がする。

解説や写真も録音に立ち会った人の思い出話など初めて見るようなものばかり。

ワールドカップサッカーはオランダに惜敗はしたが大健闘。

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Youtubeはカラヤンのブラ1第一楽章冒頭

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2010年6月17日 (木)

本日の練習、第九 1,2楽章

気温は上昇、夏も近い。

Front_mini 昨日は、地元吹奏楽で指導者として活躍している3人との飲み会。場所は希望の多かった割烹「はちまき」。

この中のお二人は、娘二人が学校の吹奏楽部でお世話になったフルート吹きとホルン吹き。ホルン吹きは沼響の舞台にも一緒に乗った旧知の仲で、初めて会うもう一人はうら若き女性トランペッター。

Imagescalzttr3  職場を早めに抜け出し(とはいえ6時は回っていたが)三島への電車を沼津駅のホームで待っていると、いつものボエームの会の仲間と邂逅。

車中で談笑した後、来週「はちまき」での定例ボエームの会があるのでそのまま到着した三島駅で別れる。

今回はエビスの生ビールを飲みながら「鰹のたたき」「三島コロッケ」「カニクリームコロッケ」、「北海道チキンのからあげ」などなどを次々に注文。

Kanikoro_2 特にカニ肉びっしりのクリームコロッケと、から揚げは大好評でありました。

自分以外は皆音楽の専門家であるので、ディープな音楽談義に花が咲く。そして仕上げは「はちまき」特製、激辛カレーやきそば。

明けて今日は「第九」の練習日。先週に引き続き団内指揮者のF君の指揮で小ホールでの練習。
響きの良いホール練習で吹いていてなかなか気持ちが良い。昨日のアルコールの影響もないようだ。

第九は4年ぶりだが、それまでほぼ2年おきに3人の指揮者で演奏しているので団員の記憶の中に、それぞれの第九の記憶が未だ鮮明に残っているようだ。さして破綻もなく練習は進む。 にほんブログ村 クラシックブログへ
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YoutubeはM.ヤンソンスの第九

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2010年6月15日 (火)

デ・ブルゴスの「春の祭典」

曇り夕方から雨、今日は典型的な梅雨空。 本日久しぶりに「春の祭典」。

数多の名盤中から取り出したのは、ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス指揮ニューフィルハーモニア管による国内盤LP。1963年の録音なのでデ・ブルゴス30歳の演奏だ。

P1010089 ブルゴスのハルサイは1989年のスペイン国立管との来日時に実演を聴いた。この時は、前プロにラローチャの弾くベートーヴェンの3番のピアノコンチェルトが有り、非常に印象深いものとなった。

後半のメインのハルサイ冒頭では、ブルゴスが指揮棒を振り下ろした時に、ファゴットソロの音がしばらく出ず、ブルゴスの顔が段々とうつむき加減になっていったのを懐かしく思い出した。

席はサントリーホールの指揮者がまともに見える舞台正面のP席最前列。
一番廉い席だが、普段自分がオケで吹いているポジションに近く、あたかも自分が一緒に演奏しているような気持ちになれるので好きな席。

この時のハルサイはオケを豪快に鳴らしきった爽快な演奏だったと記憶している。アンコールもスペイン物を中心に3曲以上演奏してくれた。

さてこのブルゴス30代のハルサイだが、じっくり腰を据えた意外なほど老成した演奏。オケの鳴りっぷりもよいし、聴き応えのある名演と言ってよいだろう。

沼響のHPの聴き比べ「チャイコフスキーの5番を聴く」に録音史をアップしました。http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi

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Youtubeはガッティ指揮フランス国立管のハルサイ。

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2010年6月14日 (月)

サン・フランシスコのMiss Ann Montgomery

曇り時々雨。小惑星探査機「はやぶさ」の帰還が朝から何度もニュースで紹介されていた。

Photo 何度も故障に見舞われながらもスタッフの超人的な努力で復活し、予定されたミッションを達成しながら故郷の地球に到達して最後に燃え尽きる姿はなんとも儚くも美しい。

テレビでは「宇宙戦艦ヤマト」のテーマとともに今までの道程が紹介されていた。その道のりはあたかもミニヤマト。

今日はトスカニーニ時代のニューヨークフィルの首席チェリストから指揮者に転向し、ロスアンゼルスフィルの常任指揮者になったアルフレッド・ウォーレンシュタインの指揮するブラームスの交響曲第2番。

P1010084 アメリカの本の頒布会社「ブック・オブ・ザ・マンス」が独自に出していた「Music Appreciation Records」のモノラルLP.オケはロスフィル。

ウオーレンシュタインは今やピアニストのルービンシュタインの伴奏録音のいくつかに名を残すのみで、今やほとんど忘れられた存在だろう。

軽く明るいネアカなブラームス。第2楽章の甘い弦楽器のヴィヴラートが印象的な演奏だ。

このシリーズには10インチLPの曲目解説が付録でついていて。駆け出しの頃のバーンスタインも、このシリーズの中で解説の録音を残している。

P1010085 このブラームスの解説演奏はバーンスタインでなく、「ブック・オブ・ザ・マンス」社の創業者の息子、トーマス・シャーマンが指揮している。
これがセクション毎に演奏させたりハイドンの交響曲と対比させたりと、本編以上に面白い。

トーマス・シャーマン(1917~1979)はベルリンフィルも振ったこともある本格派。
DENONから出ていたオイロディスク・ヴィンテージコレクションシリーズのCDで、レオポルド・ルードウィヒ指揮のチャイコフスキー交響曲第5番にカップリングされた「イタリア奇想曲」の演奏が印象深い。
http://columbia.jp/prod-info/COCQ-84442/

ウォーレンシュタインのレコードをジャケットに収めようとしたら、中からレシートが出てきた。

そこにはサン・フランシスコのMiss Ann Montgomeryという女性の名前と住所が書かれていた。そして1956年PAIDの文字。

このLPの最初の所有者だろう。

Google Earthで書かれた住所を検索してみたら、海岸近くの住宅密集地が出てきたが、この番地の場所だけがぽっかりと空き地となっている。

50年の歳月の重み。そしてこのレコードがサンフランシスコから海を渡り、今自分の手元にある不思議。

ワールド・カップの中継が始まっている。日本1点先制し後半へ。
解説実況は、幼なじみの畏友、山本昌邦。 にほんブログ村 クラシックブログへ
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Youtubeはムーティ指揮のブラームス交響曲第2番

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2010年6月13日 (日)

R.シュトラウスのファンファーレ集

晴れのち曇り、夜から雨。いよいよ梅雨到来。

音楽部屋の雨漏りは、大工さんに診てもらったものの原因個所がはっきりしないうちに自然に止まってしまった。
だが不安なので雨漏りした個所は何も置かないことにしている。

Img_0001_2 休みの今日は、何かをするでもなく漠然とドナルド・キーンの「日本との出会い」などを読みながら静かに過ごしていた。

自分の母校の高校吹奏楽部が、今年創部50周年(実際は80周年)ということで、例年8月におこなっているOBバンドコンサートは特別なものになりそうだ。

その中でR.シュトラウスのウィーン市のためのファンファーレを演奏することになった。

R.シュトラウスはさまざまな機会のたびにブラスアンサンブルのための曲を書いていて、ウィーン市のためには、1924年のファンファーレと1943年の祝典曲の2曲を作曲している。

S_p6130209 最近は録音が増えてきたが、もともと未出版の作品なので、LP時代は音源は少なかった。

1943年の祝典曲はオリジナルは10分ちょいの曲で、フィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブル(PJBE)が2種の録音を残している。

ひとつは1973年録音で、J.エマーソン編曲の当時のPJBEに合わせたもので冒頭の2分程度の部分のみ。
もうひとつは、1979年録音の「ウィーン市祝典曲」としての全曲録音で、こちらはオリジナルの30人を超える編成で演奏している。
ジェイムズ・ストバートの監修による版を使用。

このジェイムズ・ストバートは「ウィーン市祝典曲」の世界初録音を残している指揮者で、ロック・ブラスコンソートを振って英シャンドスからR.シュトラウスのブラス作品集をLP時代に出していた。
このLPのメンバー表を見ると、J.ワトソン、J.アイブソンといったPJBEのメンバーも何人か加わっている。

ということで今日はこの3つの録音を聴いてみた。

S_p6130207 まずストバート盤は、R.シュトラウスの未出版のブラス作品を多く集めていた貴重なもの。1924年のファンファーレも入っている。編成は30名ほどの1979年録音。

中でもホルンのアンサンブルで始まる1924年のウィーン市のためのファンファーレが非常に美しい。
1943年の祝典曲も明快な出来だが、初録音であるだけに、R.シュトラウスのオリジナルの譜面に忠実であろうとする学究的な姿勢が感じられる。

S_p6130210_2 1979年のPJBEの全曲盤は、おそらくストバート盤とほぼ同じ譜面を使用しているのだろう。さほど大きな違いは感じられない。

同じPJBEでもエマーソン編の短縮版による1973年録音は、かなりブリリアントな演奏。調性も異なるようだ。 にほんブログ村 クラシックブログへ
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Youtube は、R.シュトラウスのブラスとオルガンのための「ヨハネ騎士団の騎士の荘重な入場」

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2010年6月12日 (土)

グールド、リトルバッハ・ブック

職場で大きなイベントがあり本日出勤。直接自分が係るわけではないのだが何かと気苦労な一日。

夜、娘をピアノレッスンに送り、終わるのを待つ間に立ち寄ったBOOK OFFで、NHKのテキスト「こだわり人物伝 グレン・グールド」を見つけた。

P1010090 昨年の8月から9月にかけて教育テレビ放送された番組だが、完全に見逃していた。
宮澤淳一氏の詳細にして判りやすいテキストの内容が非常に面白く、夢中で立ち読みしている間に娘のレッスンの時間を超過してしまい顰蹙を買う。

帰宅後、自然とグールドのバッハが聴きたくなった。

CD棚から取り出したのは、1980年にグールドがレコード・デビューしてから25年となったのを記念して編集された「リトルバッハ・ブック」。

P1010091 グールド自身がこれまで録音したアルバムから、バッハの作品のみをセレクトしたもの。
25年の間のグールドのバッハ演奏を俯瞰しながらも、バッハ入門にも最適なアルバムとなっている。

どの曲を聴いても新鮮な感動を呼ぶ、いつものグールドのバッハだが、録音によってピアノの音色が微妙に異なるのが面白い。

グールドの演奏のアクセサリーのようなハミングの入り方も年代によって微妙に異なる。

第一曲はあまりにも有名な1955年録音「ゴールドベルク変奏曲」のアリアから始まる。 にほんブログ村 クラシックブログへ
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Youtubeは、グールドの弾く「ゴールドベルク変奏曲」から26番の変奏

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2010年6月10日 (木)

第九、練習開始

仕事はまず一区切りだが、雑務に追われ何やら達成感のない一日。
夜は定演終了後の初練習。
沼響4度目の第九公演に向けていよいよ始動。

本日の沼津市民文化センターは、第九の合唱団と沼響に加え市内の吹奏楽団の練習もあり、音楽一色だ。

大ホール前には、今夜で行われる予定だった生命保険会社主催の「野村克也講演会」の中止の張り紙が。

今日の練習は小ホール。自分はいつもながらの遅刻の常連で、既に第一楽章終盤に差し掛かっていた。
舞台袖で準備をしながら聴き耳を立てると、初見大会のはずだが、きっちりまとまり、とても初練習とは思えない。

もっともこの状態から伸び悩むのがいつもの沼響だが。

ホルンセクションは既に4人集まっていたので、ファーストアシストの席に付き、ウォーミングアップを兼ねながらしばらく様子を見ることにした。

Img_2 吹きながら全体を聴いてみると、やはり第九は何度やっても巨大にして孤高の大傑作。今回もベーレンライター新版を使用。

これから半年近くをじっくりと楽しめそうだ。

定演のDVDが出来上がってきた。いつもながら自分の出ている演奏はあまり聴く気にならない。

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Youtubeはクレンペラーの第九

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2010年6月 9日 (水)

レヴィーン&バレーシアター管のチャイコフスキー

今日も曇天、時々雨。昨日で一応の決着が着いたはずの案件が今日になって情勢が急展開。
無い知恵を絞って作り上げた文書は、最終的には当初の姿と似ても似つかぬ姿となってしまった。

気疲れした一日が終わる。

P1010086 こんな日は、ニューヨークのバレーシアター管によるチャイコフスキー、バレエ「眠りの森の美女」抜粋。
指揮はヨゼフ・レヴィーン指揮の米ペーパーバッククラシクスのLP.

モノラルだが、同じ組み合わせの「白鳥の湖」がステレオ初期に米キャピトルから出ていた。この演奏もキャピトルがオリジナルだろう。ステレオ録音もあるかもしれない。

有名な「ワルツ」は何度かアンコールで演奏したことがあるものの、チャイコスキーの三大バレエとはいえ「白鳥の湖」「くるみ割り人形」ほどは馴染みが薄い。

だが、あらためて聴いてみると三曲中最も完成度が高く、あたかも一曲の交響曲を聴くような充足感が味わえる名作だ。

P1010628 ついでに同じ演奏者の「白鳥の湖」をキャピトルのステレオLPで聴いてみた。

レヴィーンの演奏は2曲とも、パリッと冴えたリズム感とオケを鳴らす確かな腕で非常に楽しめる。オケもベラボーにうまい。

これほどの演奏を聴かせる指揮者レヴィーンだが、バレエ音楽と大ヴァイオリニスト、シゲティの伴奏ピアニストとしての録音しかないようだ。http://www.lib.umd.edu/PAL/IPAM/IPAMlevine.html

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youtubeはゲルギエフ指揮の「眠りの森の美女」ワルツ

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2010年6月 8日 (火)

ハンニカイネンのシベリウス、交響曲第4番

曇り時々雨。チェック部門である組織外部からのありがたい質問がわが部署に入り、日曜から入念な準備。本日は質問を発した当人から話を聞く。

場合によっては今日のうちに帰れないかもしれない、と覚悟を決めていたのだが、ほぼ想定内の質問内容で準備していた範囲内で収まり安堵。

P1050722 今日はフィンランドの指揮者、タウノ・ハンニカイネンのシベリウスの交響曲第4番。手持ちはメロディアの旧ソ連内用仕様のモノラルLP.
オケはソビエト国立響。

ハンニカイネンには2番と5番のステレオ録音もあるが、そちらはオケが弱体でもあり、この第4番がハンニカイネンの代表盤としても良いと思う。

憂鬱な雰囲気漂う、冒頭低音弦の重く暗い響きからして余人に真似のできない音。巨大な音の塊がうねりとなって聴き手に迫る素晴らしい名演だ。

P1010087 先月から使い始めたDUALのアナログプレーヤーとエラックのカートリッジとの相性が非常に良く、古い録音でありながら細部も明快。

第3楽章ホルンのゲシュトップによるピアニシモのアンサンブルも見事に再生。雷が直撃したかのような黒光りするようなフォルテシモも申し分なし。      にほんブログ村 クラシックブログへ
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Youtube はシベリウスの交響曲第4番第2楽章、サロネンの指揮

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2010年6月 6日 (日)

ボールトのスコットランド

本日日曜ながら、来週から仕事上の大きな山場を迎えることになり一日お仕事。過去五年の実績の洗い出しやら報告書の作成やらで結局帰宅は9時過ぎ。

帰宅後市民吹奏楽団に入っている娘から電話があり、コンクールの自由曲が「バッカズとアリアーヌ」になったからCDとミュートを送って欲しいとのこと。

どうやらレギュラーとして演奏させていただいているらしい。親としては学業に専念してほしいところだが、吹奏楽コンクールの全国大会での金賞受賞常連団体なだけに、ちょっぴり楽しみ。

P1010081 帰宅後聴いたのはイギリスの名指揮者、サー・エードリアン・ボールト指揮によるメンデルスゾーンの交響曲「スコットランド」と「イタリア」の2曲。英ニクサのオリジナルLP.

速いテンポで駆け抜けた「スコットランド」は、もう少しじっくり聴かせて欲しい気もするが、同じアプローチの「イタリア」は非常な名演となった。

いずれも聴き慣れない音ヤフレーズが聞こえてくる。どうやら独自の版を使っているようだ。いずれスコア片手にじっくりと聴きたいもの。

P1010083 「スコットランド」は英EMIからCDでも出ていた。こちらは「真夏の夜の夢」組曲と序曲「フィンガルの洞窟」とのカップリング。
この「フィンガルの洞窟」の清涼感あふれる演奏が見事。

音はLPの方が良い。

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youtubeは「フィンガルの洞窟」序曲、カザルスの指揮

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2010年6月 5日 (土)

蜂に肩を叩かれる

本日お休み。家内は仕事に出かけ、娘は図書館。
自分は天気も良いので、火曜にやり残した庭のサツキの余分な枝の剪定をおこなうことにした。

CDウォークマンを腰にぶら下げ、先日買ったマッケラスの初期モーツァルト交響曲集をイヤフォンで聴きながら、植木用の脚立に乗ってバシャバシャと剪定鋏で切っていく。♪~

快調に飛ばしながら作業を進めていると、なにやら肩の辺ににコツコツと当たっている。
脚立の上だし誰かに肩を叩かれるのも変だな、とふと振り返ると目の前に巨大なスズメバチ! (゚ o゚;)

07111117 小学6年の遠足の時に耳の中に蜂が侵入して刺されて以来、蜂は最も苦手な虫。その時以来自分の耳は左右の大きさが違ってしまっている。

思わず鋏を取り落とし転落しそうになるのを踏みとどまり、よく見ると5匹ほどのスズメバチが上空を乱舞している。

どうやら剪定したサツキのあたりに、スズメバチの巣なのか関係した何かがあるらしい。

蜂は明らかに怒っている。しかも飛び方に一定の法則があり、襲う計画を練っているようにも見えてきた。

明らかに、蜂にも人間と同じようような感情と思考があるようだ。
http://www.athome-academy.jp/archive/biology/0000001032_01.html

恐ろしくなって、脚立から降りて作業は中止。畑に行って梅を収穫することにした。

午後はノンビリとして、ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。

P1010080 フランスのヴァイオリニスト、クリスチャン・フェラスにベーム指揮のベルリンフィルの伴奏。1951年11月のライヴ録音。
イタリア・ラウディス原盤のLP。CDではターラから出ていた。

フェラスはこの51年にベームがウィーンフィルの演奏会に起用したことで国際的なキャリアが開けて行った。
60年代半ばにカラヤンと主要なコンチェルトの多くを録音し華々しい活躍をしていたが、過度の飲酒から第一線から姿を消してしまった。

このベートーヴェンはフェラス18歳の記録。およそドイツ的なものとは対極にある演奏。触れれば壊れるような繊細なベートーヴェン。

過度のプレッシャーに押し潰されてしまった不幸な未来を予見させるようなか弱い演奏だ。音は非常に美しい。

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Youtube はフェラスの弾くフランクのヴァイオリンソナタ

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2010年6月 3日 (木)

チャイコフスキーの交響曲第7番

今日は珍曲、チャイコフスキーの交響曲第7番。

チャイコフスキーはマンフレッド交響曲を含めると7曲の交響曲を残しているが、第5番と第6番「悲愴」の間にもう一曲交響曲の作曲を試みている。

チャイコフスキーの日記によると、1892年5月20日に作曲を始めている。

ところが交響曲のプランは結局放棄され、その素材はピアノ協奏曲第3番として生まれ変わることになった。が、結局第一楽章のオーケストレーションを終えたところでチャイコフスキーは作曲を止めてしまい、そのうちに亡くなってしまった。

その後弟子のタネーエフが放棄されていたスケッチを元にピアノとオーケストラのための「アンダンテとフィナーレ」を完成。先に完成されていた第一楽章と続けて全3楽章のピアノ協奏曲第3番と称して発表した。

交響曲第7番は、旧ソ連の作曲家ボガチレフがそのタネーエフの手が入ったピアノ協奏曲第3番を交響曲に編曲し、第3楽章にチャイコフスキーのピアノ曲「18の小品」のオケ編曲を第3楽章のスケルツォ楽章として全4楽章の交響曲としたもの。

いわばチャイコフスキーの未完の作品の編曲を、そのまた別人が編曲したという作曲者の意図から大きく逸脱したキワモノだ。

こんな作品だが意外と録音は何種類が出ている。

P1010080 今日はその中の初録音、オーマンディー指揮のフィラデルフィア管による演奏で聴く。米コロンビアの外盤LP.

確かな腕の職人オーマンディーと名人揃いのオケにしても、奇跡は起こるべくもなく曲はつまらない。

散漫な第1楽章を聴くと、チャイコフスキーがここで作曲を止めてしまった理由が判るような気がする。
木管合奏の美しい歌が断片的に聴ける第2楽章が多少は聴ける。 にほんブログ村 クラシックブログへ
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Youtubeはオーマンディー指揮の「シェヘラザード」

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2010年6月 2日 (水)

マッケラスのモーツァルト、初期交響曲集

休んだ翌日はいろいろな難題が待っていたりするので、今日は早めに家を出る。
出勤すると、未だ誰もいないオフィスの自分の机上にはメモや付箋が数枚と決裁待ちの書類の山。
さほどの問題もなく一日が終わり、さて帰ろうと机上を整理していると同業他社からの厄介な電話で長時間捕まってしまった。

やっと解放され、帰る途中でブックオフに立ち寄るとCDの半額セールをやっていた。
ここしばらく購買意欲が失せ、4月の音盤購入はゼロで5月はヤフオクで落とした2枚組CDのみ。生演奏も最近はとんと御無沙汰だが、やはりフラフラとCD棚に向かってしまう。

S_img_0002 あまり期待はしていなかったが、マッケラスがプラハ室内管を振ったモーツァルトの初期の交響曲集2枚が目に止まった。テラークへの交響曲全集中の録音。
結局一枚250円という安値に釣られて購入。

帰りの車中でさっそく交響曲第1番を聴いてみた。

この交響曲が作曲された時、モーツァルトは僅か8歳だった。颯爽とした序奏に続くのびやかな主題がなんとも心地よい。
シンプルな中に純で明るい希望に満ちた音楽だ。

第2楽章に最後の交響曲「ジュピター」のフィナーレ主題が登場する。

マッケラスの演奏は曲を実際以上に立派に聴かせる見事なもの。

P1010084 そして帰宅後にモーツァルトの最後の交響曲「ジュピター」をブルーノ・ワルター指揮コロンビア響によるステレオ録音で聴く。
独CBSの後期交響曲集3枚組LP。

フィナーレの終盤でチェロにホルンを重ね壮麗な効果を上げている。問答無用の名演中の名演

Youtubeは山田一雄さんの指揮で「ジュピター」のフィナーレ。
名演です。

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2010年6月 1日 (火)

「ウォッチミー!」ベトナム交響楽団のチャイコの5番

今日から6月。本日このところ度重なる休日出勤で、溜まってしまった代休取得。
お休みとはいえ、畑でさつま芋の苗を植えたり、咲き終わったサツキの枝を切ったりとなかなか忙しい。

きょうはかなり以前に録画しておいた音楽番組を観た。

エアチェックしたビデオのケースには1993年放送とのメモがある。
フジテレビが放送した音楽ドキュメンタリーで「ウォッチミー!」というタイトルの、指揮者の福村芳一氏がベトナム国立交響楽団に客演した時のドキュメントだ。

ベトナム戦争終結後の南北統一、そして経済の疲弊によりカンボジアから撤兵した直後の20年近く前のベトナムの姿。
国立とはいえオケだけでは食えず、バイクや自転車の修理や祭のバンドでクラリネットを吹いたりと副業に忙しい団員たち。

そして一ヶ月後に迫ったハノイのオペラ座での公演のために練習は始まる。

曲は先日沼響が取り上げたチャイコフスキーの交響曲第5番。

オケのライブラリーに保管されていた譜面は全パートが揃っておらず、練習会場も廃屋のような会場。画面からも蒸し暑さが伝わってくる。

練習には遅刻し全然さらってこない団員たち。譜面を追いかけるのが精一杯のオケの面々に福村が「ウォッチミー!」としきりに怒鳴りつける。

まるで初期の沼響のようだ。

今までマトモな指導を受けたことがなく、自分たちが何故怒られているのか理解できず「キョトン」とした表情で指揮者を見上げている団員達。
やがて福村氏の厳しくも妥協のない指導に、ようやく自分たちが本当は下手なのだという自覚が初めて芽生える。

福村氏に熱意に動かされ、必死になって応え始める団員の姿。これは感動的です。

P1010083 本日聴いたのは、ボールト指揮ロンドンフィルによるブリテンの歌劇「ピーターグライムズ」から4つの海の間奏曲とパッサカリア。

手持ちはパイ原盤のティチクのLP.

Youtube は、シモンボリバルユースオケのチャイコフスキーの交響曲第5番

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