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2010年7月に作成された記事

2010年7月31日 (土)

ニューヨーク・シンフォニックアンサンブル修善寺公演

朝、今日から宮崎遠征に出発する下の娘を学校まで送る。http://www.miyazaki-soubun.jp/

その後、朝刊のチラシにぎりしめ液晶テレビ購入のため柿田川EIDENへ。

狙いどころは32インチで、ある程度機種は決めていたものの店頭に行くとやはり目移りがしてしまう。
一緒にいった家内は3Dテレビのデモに見入っている。3Dはあのメガネが気になり今のところ興味はない。

かつてビディオディスクでLDとVHDが競っていた頃、ほとんど敗北が決定的となっていたVHD陣営が起死回生の切り札として3Dディスクを売り出したことを思い出した。
結局、迷った末にシャープの32インチLEDアクオスを購入。

22000701_1089_1 ニューヨーク・シンフォニックアンサンブル修善寺公演に行くためにそのまま家内と修善寺へ向かう。

ホールの駐車場に車を止め、ホールから徒歩5分程度の「独鈷そば大戸」で昼食。ここに入るのは久しぶりだが、大きなわさびを擦りながらのざるそばは変わらぬ味だ。

P968_14 そしてニューヨーク・シンフォニックアンサンブル。

指揮は高原守、オケのメンバーは若く、編成は40名弱の2管編成でトロンボーンはなし、打楽器はティンパニ奏者一名。

修善寺総合会館は初めてだが、キャパは1000名ほどでステージは反射板もなくさながら体育館のようだ。

客の入りは7割ほどで、大部分は家族連れと年配の夫婦。安い料金で気軽に楽しむホームコンサートといった趣。

客席で開演を待っていると、後ろの席から「オーケストラは初めて?」
「いいや沼響を3回ほど聴いているよ」というご老人の会話が聞えてきて、思わず家内とダンボの耳となる。
こんな遠くにも沼響の固定客がいるのに嬉しいやら驚くやら。

曲は、グローブの「トミー・ポルカ」に始まりモーツァルトのヴァイオリン協奏曲第5番、休憩の後「のだめカンタービレ」でも使われていたドヴォルジャークのチェコ組曲から「ポルカ」、「白鳥の湖」から「ナポリの踊り」、最後に「カルメン」の2つの組曲というもの。

最初の「トミーポルカ」は、万延元年の遣米使節団に見習い通訳として加わった17歳の少年、立石斧次郎に捧げるために当時のアメリカの作曲家グローヴが作曲した秘曲。本邦初演だという。

聴いてみると、いわゆる「鍛冶屋のポルカ」や「ビヤ樽ポルカ』に類する軽いダンス音楽だが、150年前に無名の日本人のためにアメリカの作曲家が曲を作っていた事実に驚いた。http://www.ny.us.emb-japan.go.jp/150JapanNY/jp/tommy.html

モーツァルトのソリストは団員のようだ。響きの薄いホールのためか、ソロの音が全然聞こえてこない。正直なところ最後まで聴き通すのに忍耐が必要。

後半になってようやく耳が慣れてきた。「カルメン」組曲では管楽器の名技もあり比較的楽しめる出来。

ホルン奏者が今日バースディを迎えたらしく、アンコールの前にハッピバースディトゥーユーの演奏があり、これで会場が和やかになった。

アンコールは「カヴァレリアルスティカーナ間奏曲」と「威風堂々第1番」。このマスカーニが非常に美しく本日最高の出来。

Youtubeは「カヴァレリアルスティカーナ間奏曲」、ムーティの指揮

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2010年7月30日 (金)

ミュンヒンガーのマルタン

昨日中降り続いた雨は止む気配はなく、深夜に至り大雨洪水警報発令。
真夜中に庭の様子が気になり外を見ると、予想通りの洪水状態。排水溝から雨水があふれ、愛犬ポチの小屋は完全に孤立しポチは小屋の中で震えていた。

S_p7300248 明けて今日は、良い天気。庭の百日紅の花も眩しい。

ガレージの天井のツバメの雛もしばらく見ぬうちにずいぶんと大きくなった。巣立つ日も間近い。

S_p7300250 明日から始まる沼津夏祭りの花火桟敷席が流されていた増水状態の狩野川を横目にみつつ出勤すると、職場ではコンピューターシステムに障害が発生していて一騒動となっていた。

昨日作業に入っていた契約先のSEを直ちに呼び、復旧に当たらせたが思いのほか手間取り復旧は21時過ぎ。幸い業務の根幹に係る部分ではなかったものの、二日分のデータに影響が出ていた。

今日は、カール・ミュンヒンガーの指揮する20世紀の弦楽作品からフランク・マルタン、ヒンデミット、バークレイ、バーバーなどを聴く。
英エクリプスのLPで、50年代半ばの録音。

S_p7290246 60年代から70年代初めにかけてドイツ系のバロック音楽演奏家として人気のあったミュンヒンガーも今ではすっかり時代遅れになってしまった。
同じLPにカップリングされている「ホルベルク組曲」などゴツゴツした野暮な演奏で楽しめないが、マルタンの「パッサカリア」やヒンデミットの「五つの小品」のようなきっちり厳格な曲だとミュンヒンガーのスクエアな芸風が良い効果をあげるようだ。

最後のバーバーの「アダージョ」は、これまた干し物のような潤いに欠ける演奏でがっくり。

Youtubeはホルベルク組曲からガヴォット

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2010年7月29日 (木)

ルクーのヴァイオリンソナタ

明け方突然の雨で目が覚める。窓を開けたまま寝ていたので、慌てて窓を閉め時計を見ると午前4時。周囲はまだ暗い。
風が強いのでベランダに立てておいた「よしず」をたたみ、もうひと眠りを決め込んだが6時には起床。

今日は職場の健康診断の日で、雨の中娘を学校まで送りながら検査会場に向かう。

到着すると既に順番待ちの職員の長蛇の列で、受付を済ますとちょうど100番目だという。
順番待ちしているうちにウトウトとひと心地よい眠りの中、名前を呼ばれたのに気がつかず、かつての部下に起こされる。

血圧は正常になったが、メタボ腹はあい変らず。
検査が終り、職場に向かう頃は台風並みの風雨となり足回りがずぶぬれ状態に。

今日は弦分奏のためオケの練習は休み。

S_img 帰宅後、ベルギーの作曲家ギヨーム・ルクーのヴァイオリンソナタを同郷のグリュミオーのヴァイオリンで聴く。
http://www.pelleas.info/composers/Lekeu/index.html

フィリップスのCDで、伴奏はディノア・ヴァルシ。

24歳という短い生涯の作品の中でも最も知られている傑作。

艶のある美しくも毅然とした気品漂うグリュミオーのヴァイオリン、ヴァルシのキラキラとした宝石のようなピアノも素晴らしい。

youtubeはグリュミオーの弾くモーツァルトのヴァイオリンソナタK526.神の如きピアノはクララ・ハスキル。

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2010年7月27日 (火)

ボッセのバッハ

本日、溜まった代休取得で一日休み。
8月のお盆と続く法事に備え、雑草を取ったり家の中の片づけやらで忙しい。明日は植木屋が入る予定。

昨日に比べ風があり、多少暑さが和らいだのが救いだ。最後に裏庭の井戸からポンプで汲み上げ庭木の水やりで仕上げとする。
この井戸水が水道水とは比べ物にならない鮮烈な冷たさで心地よい。
うまそうな水で思わずごくりとなりそうになった。

S_p7250244 今日は、ゲルハルト・ボッセ指揮のライプツィヒ・ゲヴァントハウスバッハ管によるブランデンブルク協奏曲全曲。

戦時中はリンツ帝国ブルックナー管の一員としてフルトヴェングラーやクナッパーツブッシュら大指揮者たちの薫陶を受け、戦後はゲヴァントハウス管の第1コンサートマスターであったボッセのバッハ。http://www.youngmusic.or.jp/jap/bosse.html

比較的速いテンポできびきびと進めていく現代楽器による正統派の名演。
素朴で柔らかな音色と暖かで誠実な演奏は忘れていた大切なものを思い起こさせてくれるかのようだ。

ヴィオラ以下の弦楽器のみによる第6番の第二楽章の心温まるカンタービレには聴いていて泣けてくる。

S_p7250243 そしてもう一枚バッハ・。シェリングの弾く無伴奏ヴァイオリンソナタとパルティータ第2番をグラモフォンのバッハ全集のLPで。

美しく冴えた音色、厳しくも純粋なバッハ。この名曲の最良の名演のひとつ。
youtubeは「マタイ受難曲」から神よあわれみたまえ。ヴァイオリンソロはボッセ。泣けます。

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2010年7月25日 (日)

クーセヴィツキーの「ピーターとおおかみ」

梅雨の長雨と連日の猛暑で畑と庭の雑草が元気百倍、作物を押し分け急速に成長、とんでもないことになっている。

414jzgmbkl__sl500_aa300__2 というわけで休日の今日は畑と庭の草むしり。
本日の最高気温33℃。熱中症になってはたまらぬので、午前中のほどほどのところで止めておき、井戸の水をくみ上げて水を撒き仕上げとする。

作業終了後、クーラーの効いた音楽部屋に避難してコーラをがぶがぶ呑みながら聴いたのは、先日そのシュールな短編小説であらためて興味が出てきたセルゲイ・プロコフィエフ。

S_p7250242 プロコフィエフと親交があり名前も同じロシアの指揮者セルゲイ・クーセヴィツキがボストン響を振った一連の録音で、「ピーターと狼」「キージェ中尉」古典交響曲に交響曲第5番というもの。

プロコフィエフ三昧の2時間。

1930年代から40年にかけてのモノラル録音で、フランクリンミントのLP。

いずれも作曲者と同じ時代を共有したクーセヴィツキーならではの重量級の名演だが、アメリカ大統領夫人のエレーナ・ルーズベルトをナレーターに起用した「ピーターと狼」の軽妙さがめっぽう楽しい。

Youtubeはドウダメル指揮ベルリンフィルのプロコフィエフ交響曲第5番

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2010年7月24日 (土)

リンパニーのラフマニノフ

日が暮れても気温は下がらず寝苦しい夜が続く。自分は夜になると目が冴え、11時を過ぎる頃が絶好調。就寝は1時過ぎはザラでこのところの暑さでいささか寝不足気味。
今日も仕事でようやく長く多忙な一週間が終る。

今日はイギリスの女流ピアニスト、モーラ・リンパニーのラフマニノフを聴く。
リンパニーはラフマニノフを得意とし、ラフマニノフ本人が絶賛している。

S_img_0001 聴いたのはコンチェルトの第2番。

1953年EMI録音のLPから直接CD化した英OLUMPIA盤と1960年録音のCD2種の聴き比べ。

テンポを揺らしロマンティックでスケールの大きな旧盤は、スラブ色の濃いニコライ・マルコ指揮のフィルハーモニア管。

S_img_0002 豪快なまでにオケを鳴らした再録音はサージェント指揮のロイヤルフィル。この当時イギリス最高の奏者を集めていたロイヤルフィルが見事な音を出している。

男勝りの打鍵と煌びやかで輝かしい音、それでいて繊細さにも欠けないリンパニーのピアノ。

癌を克服し、90歳まで生きたリンパニーのピアノには強靭な生命力が宿っている。

Youtubeはリンパニーの弾くラフマニノフの作品3の2のプレリュード

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2010年7月22日 (木)

本日の練習、保坂先生との第九二度目

猛暑続く。今朝パソコンが突然立ち上がらなくなった。MSIの格安品とはいえ、今年の一月に買ったばかり。
http://www.msi-computer.co.jp/PC/C/CR500/

セーフモードでもダメで、週末に本格的にリカバリしようかなと思っていたのだが、オケの練習から帰宅後スイッチを入れると普通に起動。

何これ?

ネットで検索すると、このマシンにはいろいろとトラブルがあるようだ。

本日県内同業者を集めての研修会。事務局としての主催だが今年異動でやってきた30代前半のホープに内容だけ指示し、あとはお任せして明日の外部監査の資料作りに専念。

夜は11月の第九公演へ向けてトレーナーの保坂先生との2度目の練習。会場は文化センター大ホール。

若い先生の棒は小泉先生の指示を忠実に守り、きっちり几帳面に進めていく。あい変らずの速いテンポ。

アマオケすれしたうるさい親父たちも多いので、さぞやりにくいだろうが、謙虚でわかりやすい説明、パートを各声部に分けながらの練習もそれなりに筋が通っていて好感が持てる。

先週の練習では、北ドイツ放送響とドホナーニのリハーサルの話がちょいと出てきたが、ドイツで勉強されたのだろうか。


S_p7090214 今日聴いたのは、イタリア弦楽四重奏団によるモーツァルトのディヴェルティメント集。

Youtubeはモーツァルトのホルン五重奏曲。ザイフェルトのホルン。

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2010年7月21日 (水)

ブレンデルのシューベルト

猛暑到来、熱帯夜の就寝時は蚊帳を吊り窓は全開。 蚊帳の中の空間は大きな広がりを感じさせるのが不思議だ。
Af123l 今年からベランダには9尺の「よしず」を立てかけている。
いずれも江戸時代初期からの日本の夏の風物詩。

昨晩は恒例、いつもの割烹「はちまき」でボエームの会。職場を出る間際に長電話に捕まり、予定よりちょいと遅刻。

駅まで走り18時1分発三島行きの電車に飛び乗り、空いている席に座ると、隣の品の良いご婦人が私の方をじっと見ている。
思わず見返すと「○○君でしょ」との一言

「あ!」中学時代の同級生のまさ美ちゃんだった。
多少の面影は残っているが、こんな美人だったかな?と内心びっくり。
僅かな時間の間で近況などを話しているうちに、だんだんと30年以上の年月が縮まってきた思い。

Front_mini 三島駅前で名残惜しみながらも彼女と別れ、猛暑の中、割烹「はちまき」へ急ぐ。
既にメンバーは集まっていて、生ビールをぐっと一杯。「ふぃー」
お通しの茄子の味噌炒めがうまい。

Nc_gpf07photo0520090501074808 2008_0217_a4c8a4f3a4c7a4f3a1a7c3e3c 今日は、鰹のたたきに始まり、鮎の塩焼き、あさりの冷製茶碗蒸し、三島コロッケ、牛のたたきなどなど、さりげない内容でどれがメインディシュか判らぬほどだが、それぞれが料理人の確かな腕で見事な味わい。鮎の焼き具合など絶品。

異業種4人の海外旅行の話、家族の話その他とりとめもない会話もまた楽しい。二次会は和美ちゃんの待つプライベートバーへ。今回の彼女は黒くシックな装い。

明けて今日は厳しい現実に直面。明日の県内同業者を集めての研修会の準備やら急遽決まった組織トップとのヒアリングエトセトラ。この連休中に事前資料を作成しておいたのが大きな救いとなった一日。

416f6sv8dxl__sl500_aa300_ 帰宅後聴いたのが、ブレンデルの弾くシューベルトの即興曲集。

D.899の1番冒頭の衝撃の1音に続く柔らかな歌。美しい音色と深い表現が感動を呼ぶ素晴らしい名演だ。

Youtubeはブレンデルの弾くシューベルトの即興曲D.899-3

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2010年7月18日 (日)

グリンカの「悲愴三重奏曲」

巷は三連休で今日は見事な行楽日和だが私はお仕事。昼食用に寄ったセブンイレブンでは、行楽客を当て込んだおにぎり100円セール実施中。

上の娘がパスポートを受け取るために昨日から帰って来ていて、家の中が騒がしくなっている。
来月半ばに大学の先生その他とイタリアへ行き、聖マルコ大聖堂やローマの聖ペテロ大聖堂などでルネッサンス期の合唱曲を歌うのだという。

S_p7090217 近代ロシア音楽の父、グリンカの「悲愴三重奏曲」を聴く。
オリジナルの編成はクラリネットとファゴットとピアノというもので、今出ている音源は圧倒的にこちらの方が多いが、今日はオイストラフトリオのピアノトリオ版の演奏。

メロディア原盤のビクターから出ていた古いモノラルLP.

悲愴というタイトルだが、チャイコフスキーやベートーヴェンの作品のような重苦しさはない。明快な歌とロシア的なメランコリーの見事な融合。オリジナル編成で聴くとまた異なった一面が見えてくるのかもしれない。

Youtubeはグリンカの「ルスランとリュドミラ」序曲、クリヴィヌの指揮

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2010年7月17日 (土)

ロス・タンゲーロス/ピアソラ作品集

梅雨明けとなり夏らしい青空の休日。庭先の蝉の鳴き声も本格的になってきた。

本格的な暑さに備え、よしずと蚊帳を用意した後は、家内と近所のラーメン屋で昼食の後沼津御用邸記念公園へ。娘は家でお留守番。

2010050313160000 御用邸記念公園のお目当ては、戸田で今年の5月に食べた戸田塩ジェラート。
沼津市内では御用邸記念公園と沼津港のJAにしかないという。http://numazu-kousya.jp/goyoutei/kissa/index.htm

公園の駐車場には、観光バスと県外ナンバーの車が20台ほど。
そして中の喫茶「主馬」で戸田塩ジェラートを食す。
さっぱり上品、マリンブルーのジェラートはやはり絶品でした。
母と娘にも土産として3個ほど購い帰宅。

夜はピアノのレッスンに行く下の娘を連れ函南へ。

S_img_0001 待つ間に近くのブックオフを物色して見つけたのが、ピアソラの五重奏団でピアノを弾いていたパブロ・シーグレルとクラシックのピアニスト、アマニュエル・アックスによるピアソラ作品集。特価250円也。

シーグレル自身が2台のピアノのためにアレンジしたおなじみの「リベルタンゴ」「天使のミロンガ」などピアソラの名曲12曲。

これは素晴らしいアルバムだ。車の中で軽く聞き流すつもりが、二人のピアニストの個性が火花を散らす真剣勝負に思わず息を呑む。

S_img_0002 沼響のHPの聴き比べコラム「チャイコフスキーの5番を聴く」にメンゲルベルクの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi

Youtubeはシーグレルの弾く「リベルタンゴ」

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2010年7月16日 (金)

本日の練習、保坂先生との第九とディスクコンサートのトラブル

朝からの青空は久しぶり、雲は多いが良く晴れた一日。

昨日は会場は市民文化センター大ホールで二週間ぶりのオケ練習。
今回はチェロとベースはロビーで特訓。残りのパートはお初のお目見えとなるトレーナの保坂先生の棒。

第一楽章から順に通し、いわば初顔合わせの探り合いといった趣だ。
若い保坂先生は、今まで沼響が演奏した第九の中では最速のテンポで通していく。本番の小泉先生の第九はかなり速いのだという。

今回第九を振っていただく小泉ひろし先生は、沼響黎明期の第2回と第3回の定演を振っていただいている。当時のメンバーで今も残るのは6人ほど。

弟子の保坂先生の棒を見ているうちに、小泉先生の振り方を思い出した。23年の歳月を経ての再開が、楽しみのような恐ろしいような複雑な気持ち。

51uxsjarxl__sl500_aa300_ そして今日は同じ市民文化センターでのディスクコンサート。
就職してまもなく、この市民文化センターが出来た当初から企画と解説を続けて今年で28年ほど。
この日ばかりは仕事を早めに片づけ、オーディオの置かれている第三練習室に到着し、さっそく持参のディスクを再生、調整に入る。

ところが音がおかしい。どうやらアンプがいかれているようだ。
時は開演一時間前。

文化センターの職員を呼び状況を尋ねるが要領を得ない。「詳しい人を呼んできます。」というので待っていると、来たのは施設管理をしている委託先の業者さんだというお年寄り二人。

外見だけで判断するのは禁物だが、とてもオーディオとは縁のなさそうな雰囲気だ。二人の様子を見ていると、アンプのスイッチを適当に入れたり切ったりジャックを外したりしながら「うーん」と唸るのみ。

そのうちに刻一刻と開場時間の18時に近づいていく。

これはとても無理なので、二人にはお引き取りを願い、文化センターの職員さんに「かつて使用していたアキュフェーズの古いアンプがあるはずだから出してください。そしてドライバーもお願いします」

「????」職員さんは私の言っていることが理解できないらしい。

やむなく会場の隣室の備品庫を指差し「その中にあるはずです。速く出して!」

替わりのアンプを見つけ出し、アンプの切り替えを自力でおこなう。
手をこまねいて私を見ている職員二人を見ているうちに。だんだんと腹が立ってきた。

なんとか開演までにはセーフ、おかげで解説の内容を練る時間がとれず、ほとんどぶっつけ本番となってしまった。

Ovad_10007 今日は、「作家の愛したクラシック」と題して、ヤナーチェクの「シンフォニエッタ」から始まり、島崎藤村からみでシューベルトの「白鳥の歌」、宮沢賢治を紹介しながらドヴォルジャークの「新世界より」
堀辰雄関係のバッハなどなど。

こんな時に限って解説をするにはヘビーな内容だが、お馴染みの名曲をセレクトしたのでお客さんの反応が良いのが救い。

会場を見渡すと、現在東京で声楽家として活躍している小学生時代の同級生が来ていて吃驚。
彼女曰く、お盆のため一時帰省していて、昨日の新聞記事を見て来たのだという。

なんとなく今日の苦労が報われた気分。

youtubeはメータ指揮ロスアンゼルスフィルのドヴォルジャークの交響曲第8番

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2010年7月14日 (水)

トマス・タリスの主題による幻想曲

日本列島、水浸しの一週間。西日本は大変なことに。

S_p7140226 3年前、巣と卵が落下し、それ以後寄りつかなくなっていたツバメが再び帰ってきた。

明け方どうも賑やかなだと思い、車庫の天井を見上げると二羽の雛が首を長くして親鳥を待っていた。
無事成長し、巣立って、また来年元気な姿を見せて欲しいものだ。

本日所用で娘の通う高校に行くことになり仕事は早退。

S_p7140227 今日は、ヴォーン・ウィリアムスの「タリスの主題による幻想曲」とディーリアスの「ブリックの定期市」のイギリス音楽を2曲。

フランクリンミントのLPで、V.Wはボールト、ディーリアスはビーチャムといったいずれも作曲家と親交のあった本家本元の演奏。

透明で爽やかな抒情漂う2曲。

S_p7140228 二群の弦楽オーケストラと挟まれた弦楽四重奏の編成による16世紀イングランドの作曲家、トマス・タリスの宗教曲に基づくV.Wの曲は、教会内に響く厳かなオルガンの響きを弦楽器のみによって見事に再現している。

スコアを見ると、あたかも芸術的な美術作品のような精緻な音符の並びに思わず目を瞠る。

Youtubeはタリスの感動的なモテット「世の救い主よ」

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2010年7月13日 (火)

ホルヴァートのドビュッシー

曇り時々雨。年に一度はやってきたぎっくり腰はここ二年ほどご無沙汰だが、このところ腰が重く痛い。どうも今まで経験したことがない痛さだ。

本日外部委員の面接に加えて、来月に向けての大きな会議の開催準備に取り掛かる。

来週は県内同業を集めての研修会。
昨年まで任せていた手練れは人事異動で去り、入れ替わりとなった担当は真面目で優秀だが不慣れな感は否めず、しばし自分がフォローに回る。

S_p7110222 今日はクロアチアの長老指揮者ミラン・ホルヴァートのドビュッシーを聴く。

「海」「イベリア」「牧神の午後への前奏曲」のカップリングのPOINT CLASSICSのCD.

LP期には、フィリプスからショスタコーヴィチの録音などが出ていたホルヴァートだが、CD時代に入り、出所不明なホルヴァートの録音の多くが、実在せぬ幽霊指揮者の名で出回っていた。
このドビュッシーもその中のひとつ。 オケはオーストリア放送響でこの表記が真の姿なのだろう。

いわゆるアンセルメなどの演奏とは対極にあるドライでクールなドビュッシー。

オケのアンサンブルが多少粗く、同じタイプのポンマーやブーレーズほどの完成度はない。おそらく実演に近い放送録音音源だからかもしれない。

S_p7120223 もうひとつドビュッシーで、ラヴェルと親交のあったジャック・フェブリエの弾く「版画」。フランス・ソフラソン原盤の国内盤LP.

こちらはさすがに大家の至芸。明晰でいて格調の高い、フランス本家の説得力の有る演奏。

Youtubeはドビュッシー晩年の傑作、少年合唱のための「もう家のない子たちのクリスマス」

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2010年7月12日 (月)

フライシャーのグリーグ

今年の梅雨は長い。西日本では大雨を降らせ、静岡県も大雨注意報発令中とはいえ今日一日ほとんど雨は降らず、生温かな強風が吹く。

参議院選挙も終わり政局ますます混迷。日本の将来は未だ定まらず先行きの不安が増すのみ。

久しぶりにヤフオクを眺めてみる。CD,LPの出品数の多さに比べ入札数は少なく動きは緩慢でかつての盛況は薄れた。
LPなど稀少盤が意外な安値で多少お買い得感はあるものの、ここ数年収納スペースの問題もあり購入は自粛気味。

S_p7120224 今日はシュナーベル門下のアメリカのピアニスト、レオン・フライシャーの弾くグリーグのピアノ協奏曲を聴く。

フライシャーは第1回エリザベートコンクール優勝者。第2回はアシュケナージが優勝している。

師シュナーベル譲りの粒立ちのはっきりとした、クリスタルガラスのような美しい音はグリーグにこそふさわしい。テクニックも万全だ。

セル指揮のクリーヴランド管伴奏は、ぞっとするような冷たさの中に抒情的な優しさも聴かせる見事なもの。

フライシャーはこの録音の後まもなく難病のため右手が不自由となり、キャリアの絶頂期でピアニストの路を断たれた。

その後左手のためのピアノ作品の録音をいくつか残している。

Youtubeはラヴェルの「左手のための協奏曲」を弾くフライシャー

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2010年7月11日 (日)

プロコフィエフ短編集

2010071116520000 本日休み。朝食用のミニトマトを採りに畑に行くと、熟したトマトは見事なまでにカラスに食べられていた。「くっっそう!・・・」

残りのトマトには網をかぶせておく。

Bks1001240834011n1 午後から雨が降り始めた。今日は、ロシアの作曲家プロコフィエフが書いた短編集を読む。http://www.gunzosha.com/books/ISBN4-903619-16-3.html

プロコフィエフが小説を書いていたとは知らなかった。

2003年のプロコフィエフ没後50年の年にモスクワで出版され、初めて存在が明るみに出たのだという。
多くはロシア革命の混乱から逃れるためにアメリカに渡る前後に書かれている。

いわば作曲の合間の気分転換のような気分で書かれたようだが、エッフェル塔が突然歩き出し、バベルの塔に会いに行く「彷徨える塔」、星新一のショートショートにも似た「死んでしまった時計屋は・・・」など、プロコフィエフの音楽そのものの、モダーンでシュールなストーリー展開でこれは楽しめる。

この本の価値を高めているのが「日本滞在日記」。

南米行きの船に乗り遅れ、図らずも二カ月の長期滞在となったプロコフィエフの日本滞在の詳細がこれで明らかになった。
銀座ライオンでの飲食、京都のお茶屋でのお遊び。金欠のため急遽開くことになったピアノリサイタルは予想外の不入りだった。
大阪の床屋の耳掃除を知り、「我が国の耳の遠い音楽家連中を、こちらに送ってはいかがなものか」などなどこれがめっぽう面白い。

「美しく洒落た日本」20代のプロコフィエフが日本を見る目は温かい。これでプロコフィエフの存在がぐっと身近になった。

S_p7110218 今日は日本滞在前後に作曲された「古典交響曲」と「三つのオレンジへの恋」組曲をオーマンディの演奏で聴く。

おそらく編成を4管に拡大し、多少オーケストレーションに手を加えているようだ。まるで後期の交響曲のように壮大に響く。

Youtubeはヒラリー・ハーンの弾くプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番。

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2010年7月10日 (土)

デボストのフルート四重奏曲集

朝涼しく、比較的過ごしやすい一日。昨日発覚した大穴のフォローのため本日出勤。長い間の信頼関係が些細な事で危機に瀕するのが辛い。 なんとか目処が立ち明るいうちに帰宅。

S_p7100218 今日は、昨日聴いたJ.C.バッハの五重奏曲からオーボエが抜けた
モーツァルトの名作フルート四重奏曲集。

演奏は同じフランス三重奏団に、フルートはパリ管の首席だった名手ミッシェル・デボストに交代。
デボストにはもうひとつ、仏ヴェガにパレナン弦楽四重奏団との録音もあるがこちらはEMIへの再録音。 手持ちは国内盤LP.

ランパルのような華やかさはないが、しっとり清楚に聴かせるデボストも捨て難い。
第2番、第一楽章アンダンテのフルートと弦の絡み合いが実に美しい。

Youtubeはパトリック・ガロワのフルート

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2010年7月 9日 (金)

ランパル、ピエルロのクリスチャン・バッハ

このところ仕事は順調だったのだが、ここで思わぬところで落とし穴。

本日終日対応に追われ、外部に迷惑をかけ、しばらくはお詫び行脚となりそうだ。
夕方から激しい雨。

S_p7090216 今日は軽い曲しか聴く気にならず、レコード棚から取り出したのはバッハの末息子(第11子!)ヨハン・クリスチャン・バッハの「六つの五重奏曲集」。
フルートとオーボエにヴァイオリン、ヴィオラ、チェロという変則的な編成。

若き日のモーツァルトに大きな影響を与えただけに、シンプルな旋律線の中に深い陰影も見せる名作。

演奏は、フルートのランパルにオーボエのピエルロ、そしてフランス弦楽三重奏団によるエラート原盤の国内盤LP.
格調高きフランスの香り漂う上品な演奏だ。

YoutubeはJ.C.バッハのへ長の五重奏曲

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2010年7月 8日 (木)

火事に遭遇

昨日は路線バスで通勤。 狭い田舎道を走っていると路上にクラクションを鳴らしたままのワンボックス車が駐車している。

2010070708010001 はて??・・と不審げに見ていると突然もくもくと煙が出てきた。
バスはその車の10メートル手前で急停車。

見る間に車は大きな炎を上げて燃え始めた。バスは走れず、路上は通勤の車でたちまち大渋滞。野次馬も集まり始めた。

2010070708060000_2 結局鎮火するまで小一時間余りその場で立ち往生となってしまった。 幸い人は乗っていなかった。

夜は職場の暑気払い。50人を超える人数で女性も多く、一次会の場所は全国チェーンの大衆居酒屋。http://r.gnavi.co.jp/n062412/

今年人事異動で転入してきた中年男がアルコールのペースを誤り酩酊状態で大荒れ。早々にタクシーを呼び彼は強制送還となった。
普段は物静かな男なのだが。・・・・

今回自分は二次会に参加せず。22時前には帰宅。

S_p7060210 今日は、サンディエゴ州立大学のバンドによる吹奏楽の演奏から、O・リード作曲の「メキシコの祭り」全曲を聴く。同大学が出していたプライベートLP2枚組。http://bands.sdsu.edu/index.php

アメリカの大学バンドによるこの類のプライヴェート盤には当たり外れが大きいが、これは当たりの一枚。

やる気十分の若者のパワーが絶妙にコントロールされ巨大な響きとなって目の前に立ち上がってくるのが壮観だ。
終楽章はさながら吹奏楽版「ペトルーシュカ」。

Youtubeは「メキシコの祭り」からカーニバル

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2010年7月 6日 (火)

パーシケッティ、合唱作品集

曇りのち晴れ、時々雨のパラつく一日。

昨日から上の娘が帰って来ている。夏休みにはまだ早い、試験も終わり数日講義がなく、合間を見ての一時帰郷だとのこと。
娘は、この夏にイタリアに行くことになり、パスポート申請やらなにやらと忙しそう。

S_p7060213  今日はアメリカの作曲家、ヴィンセント・パーシケッティの合唱音楽を聴く。米ニューワールドレコードのLPで「冬のカンタータ」、「愛」「ミサ曲」の3曲。
演奏はタマラ・ブルックス指揮フィラデルフィア・メンデルスゾーン・クラブというもの。CDでも入手可能。

パーシケッティは9曲の交響曲を残しているが、吹奏楽曲の作品は日本ではともかく国際的には演奏されている方だと思う。http://persichetti.org/index.html

無機質で低体温。それでいてある種の親しみやすさのあるパーシケッティの音楽。
中でもマリンバとフルート伴奏による「冬のカンタータ」は、氷の表面を撫でるようなヒヤリとした冷たさで、蒸し暑い外の暑さと対照的だ。

S_p7060212 パーシケッティでもう一曲。作曲者指揮のオハイオ大学のバンドによる「吹奏楽のための詩篇」。米コロネットのLPのパーシケッティ作品集。
バッハの音楽にも似た宗教的な静かさの感じられる芸術性の高い作品。

演奏も落ち着いてじっくり聴かせる本格派。

Youtubeは、パーシケッティのホルンのためのparable

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2010年7月 4日 (日)

イーラde 七夕コンサート

昨晩からの強い雨は明け方には上がり午後から猛烈な蒸し暑さとなった。もう7月なのだ。本日お仕事。

20100625event2tanabata 難しい案件を処理しているうちに、今日の昼に駅前の再開発ビル「イーラde」で我が沼響選抜レディースクァルテットのコンサートがあることを思い出し。お昼のついでにちょいと顔を出す。http://www.e-ra-de.com/

会場はイーラde1階の特設会場。

駅やデパートでのコンサートは、三越その他、首都圏では聴いたことはあるものの地方都市では珍しい。
人が集まるかな?との危惧は、開演直前には立ち見も出るにぎわいとなり取り越し苦労。

メンバーは沼響のコンミスをはじめとした、女性主要メンバーによる弦楽四重奏。このメンバーでもういくつかの同じようなコンサートを経験しているので手慣れたものだ。

音が天井と左手方向に拡散していくのは特設会場ならではの現象だが、パネルの設置など、多少の工夫で改善されるだろう。

曲は純粋クラシックはあえて避け、「星に願いを」や「ジュピター」など七夕にちなみ星に関係した作品や、久石譲作品、映画音楽などの誰もが知っている親しみやすい曲が中心。
アレンジはバロック調ありポップス調ありと、弦楽四重奏ならではの格調高さで仕上げていく。

お客の反応も上々だ。

アンコールの「世界で一つだけの花」が始まった時に、前の席に座っていたおばぁさんとお孫さんらしき6歳ぐらいの女の子が嬉しそうに顔を見合わせ、満面の笑顔で演奏を聴いていた。些細なことのようだが、このような瞬間が非常に大切なのだ。

201007041754000 この二人を見ていてちょっぴり幸福な気分になった後、猛烈な暑さの中を職場に戻る。

夕方に帰宅する途中、東の空に大きな虹が出ていた。

youtubeは槇原敬之の「世界で一つだけの花」オケ伴バージョン

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2010年7月 3日 (土)

ギーゼキングの「版画」

雨の休日、特に予定もなく家の中でだらだらと時間が過ぎていく。

沼響HPの聴き比べコラムが完全に滞っているので、3時間ほどスコアを見ながらシンフォニーを集中して聴いたらさすがに疲れた。

Atelier_mottainaiimg450x60012462419 音楽部屋でゴロリと横になり、司馬遼太郎の「街道をゆく」をパラパラと斜め読み。

この長大な紀行を初めて読んだのは高校の図書室だった。大学時代には和紙のようなカバーの朝日文庫に親しみ、その頃買った10数冊ほどが今も書架に並んでいる。
シリーズの最初の文は1970年代の初めに書かれている。40年近くの歳月が過ぎ、この時書かれた風景は今ではだいぶ変わっているだろう。

S_p7030209 読みながら聴いたのはワルター・ギーゼキングの弾くドビュッシーの「版画」。手持ちは、この紀行文が書かれた頃に東芝EMIから発売された国内盤LP。

ギーゼキングが好んで弾いたグロトリアンのピアノの渋く黒光りのするような響きが印象的だ。

ギーゼキングは、ペダルをあまり使わずタッチだけで玄妙なる響きを生み出したとされる。

Youtubeはギーゼキングの弾く「版画」から第1曲「パゴダ」

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2010年7月 2日 (金)

ブライロフスキーのラフマニノフ

ワールドカップ、日本は敗退してしまったが競合チームが激突し、いよいよ佳境。

昨日は沼響年に一度の定期総会。昨年度の活動報告や会計報告エトセトラ、役員もほぼ同じ顔ぶれだで大過なく決まる。

今回は数年後に控えた創立30周年が話題になった。
未だ模索状態。その頃まで元気に現役でありたいもの。

S_img 今日はホロヴィッツと同じキエフ生まれのピアニスト、アレクサンダー・ブライロフスキーの弾くラフマニノフの2番のコンチェルト。

ショパン弾きとして、かつてルービンシュタインと双璧とまで言われたブライロフスキーも今では、あまり話題にされなくなってしまった。

そのブライロフスキーが、少年時代にラフマニノフにその才能を見出され、世に出たことは意外に知られていないと思う。

ブライロフスキーのラフマニノフの録音は、このコンチェルト以外は見当たらない。

冒頭の和音の取り方からして超個性的。ゆっくりとした開始からの突然の加速、第2楽章のルバートたっぷりの歌など、今はこのような弾き方をするピアニストはいないだろう。

黒光りするような音色と、ダイナミックにして繊細な中に独特の味わいがある演奏だ。
ホルダ指揮のサンフランシスコ響の伴奏は普通の出来。

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Youtubeは、アンナ・モッフォの歌うラフマニノフのヴォカリーズ

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