プロコフィエフ短編集
本日休み。朝食用のミニトマトを採りに畑に行くと、熟したトマトは見事なまでにカラスに食べられていた。「くっっそう!・・・」
残りのトマトには網をかぶせておく。 午後から雨が降り始めた。今日は、ロシアの作曲家プロコフィエフが書いた短編集を読む。http://
プロコフィエフが小説を書いていたとは知らなかった。
2003年のプロコフィエフ没後50年の年にモスクワで出版され、初めて存在が明るみに出たのだという。
多くはロシア革命の混乱から逃れるためにアメリカに渡る前後に書かれている。
いわば作曲の合間の気分転換のような気分で書かれたようだが、エッフェル塔が突然歩き出し、バベルの塔に会いに行く「彷徨える塔」、星新一のショートショートにも似た「死んでしまった時計屋は・・・」など、プロコフィエフの音楽そのものの、モダーンでシュールなストーリー展開でこれは楽しめる。
この本の価値を高めているのが「日本滞在日記」。
南米行きの船に乗り遅れ、図らずも二カ月の長期滞在となったプロコフィエフの日本滞在の詳細がこれで明らかになった。
銀座ライオンでの飲食、京都のお茶屋でのお遊び。金欠のため急遽開くことになったピアノリサイタルは予想外の不入りだった。
大阪の床屋の耳掃除を知り、「我が国の耳の遠い音楽家連中を、こちらに送ってはいかがなものか」などなどこれがめっぽう面白い。
「美しく洒落た日本」20代のプロコフィエフが日本を見る目は温かい。これでプロコフィエフの存在がぐっと身近になった。 今日は日本滞在前後に作曲された「古典交響曲」と「三つのオレンジへの恋」組曲をオーマンディの演奏で聴く。
おそらく編成を4管に拡大し、多少オーケストレーションに手を加えているようだ。まるで後期の交響曲のように壮大に響く。
Youtubeはヒラリー・ハーンの弾くプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番。
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