« 2010年9月 | トップページ | 2010年11月 »

2010年10月に作成された記事

2010年10月31日 (日)

マルティノンのルーセル

明日から11月、曇り、夜から雨。

Main_i_04 今日は、先日東京のリサイタルを成功させた海瀬京子さんのサンクスコンサートが伊豆長岡のヒノキホールであるのだが、http://www.hinoki.co.jp/factory/
来年度に実施予定の事業が急遽今年中に実施の可能性が高まり、その準備のため出勤。一日対応に追われる。

コンサートは家内と下の娘が行ってきたが、家内が京子さんの短期間の上達ぶりに驚いていた。
お楽しみ抽選会もあり、くじ運の強い娘はここでも一等を引き当てていた。

先日、松山での吹奏楽コンクールに参加した上の娘も学校が休みとやらで一時帰省。にわかに賑やかになった。

S_pa300602 今日はその娘のバンドが自由曲として選んだルーセルの「バッカスとアリアーヌ」第2組曲を、ルーセルの直弟子、ジャン・マルティノンによる演奏で聴く。

マルティノンのルーセルの曲の録音は多く、「バッカスとアリアーヌ」第2組曲は、ラムルー管(エピック)、シカゴ響(RCA)、フランス国立放送管(エラート)の実に3種のスタジオ録音がある。

S_pa300604 今日はその3種の聴き比べ。

まず、しなやかで柔軟な動きのラムルー管とのモノラル録音。フランス独特の明度の高いオケの音色が特徴的、そして2度目のシカゴ響との剛毅でストレートな迫力を全面に押し出した演奏。

フランス国立管との録音は、練れた表現の中に細やかな表情が魅力的だ。

S_pa300603 オケのうまさではシカゴ響との演奏突出しているが、仄かなフランスの香りには欠けるので、今日の視聴ではフランス国立管がベスト。
Youtubeはルーセルの「フルートを吹く人たち」

| | コメント (0)

2010年10月30日 (土)

チッコリーニのドビュッシー

台風の接近で朝から風雨強し、先週の松山行きからはや一週間、仕事はタイトになり今日は朝から一日仕事で、駐車場から職場の間に強風で傘がおちょこになる。
ここ数日睡眠不如意で集中力に欠ける一日。昼食後激しい睡魔に襲われる。

心配された台風は午後に駿河湾沖を通過していき今は星空。東の空にはオリオン座が見えている。来週はもう11月だ。

S_pa170622 今日はチッコリーニのドビュッシー。米セラフィムのLPで、ベルガマスク組曲や2つのアラベスクや「ピアノのために」などを集めた名曲集。

全集録音よりもだいぶ前に録音されたチッコリーニ30代後半の別演奏。

これは自分がひところ好んで聴いたドビュッシー演奏で、「ピアノのために」終曲の目の覚めるような輝かしさと「スティリー風タランティラ」の軽妙な演奏が忘れ難い。

Youtubeは、チッコリーニの弾くサティ、「ジムノペディ第1番」

| | コメント (0)

2010年10月28日 (木)

早くも冬の到来、ジンギスカンの一夜

ここ二日ほどで急に寒くなってきた。11月中旬の気温だという。あの猛暑の記憶が冷めやらぬうちに冬の到来か。
この夏に活躍した扇風機をしまわぬまま電気ストーヴの登場。

Front_mini_2 そして今日は朝から強い雨。台風も接近中。

この一週間は非常に密度の濃い毎日で、松山から帰還した翌日の火曜日は恒例のボエームの会。

場所はいつもの割烹はちまき。
103604 今回はいつもより早い時間に全員集合し、北海道からお取り寄せの極上ラム肉によるジンギスカン鍋を4人でつつく。

お酒は九州の芋焼酎「古秘」。

Img_0093 一般に出回っているのは薩摩「古秘」だが、今回は会員持参の宮崎でしか入手できない日向木挽「古秘」を加えて、二つの「古秘」の飲み比べという贅沢な一夜。

ピリリとした辛口の日向木挽「古秘」に比べ、薩摩「古秘」はぐっと甘口の趣。
日向木挽「古秘」は肉料理にもほど良い加減でベストマッチ。

そして秋刀魚の塩焼、はちまき特製クリームコロッケが続き、仕上げはこらからが旬の生ガキというもの。

Kanikoro 冷たい風に冬を間近に感じながら「はちまき」を後にした4人は和美ちゃんの待つプライベートバーへ。
たあいのない会話を楽しみながら短い秋の夜は更けていく。

そして今日は沼響の練習日。

先週休んでしまったので2週間ぶり。
今日は第九の1,3楽章だが、来年の定演で共演する海瀬京子ちゃんが打ち合わせに来ることになっているので、ホール楽屋口で待ち合わせ、インペクのF君と曲目、練習スケジュールの打ち合わせをおこなう。

以前よりも落ち着いた大人の雰囲気が感じられるようになった彼女を見て、親元を離れたベルリン留学で得た自信のようなものが感じられる。
ひとつひとつのチャンスを物にして、着実にステップアップして行って欲しいものだ。
Youtubeはモーツァルトのピアノ協奏曲第17番第3楽章

| | コメント (0)

2010年10月27日 (水)

吹奏楽コンクール全国大会 職場・一般の部

S_pa230596 道後温泉の商店街をブラついて宿に着くと娘から電話が入った。
どうやら娘の宿は道後温泉から少し奥に入ったあたりらしい。

翌日曜日、早めにチェックアウトして温泉街の喫茶店に入ると、吹奏楽コンクールの出演者らしい女性4人が朝食を取っていた。

コンクール会場のひめぎんホールは道後温泉から路面電車で10分ほどの至近距離。
大ホールのキャパは3000人ほど。
S_2010102409120000  吹奏楽コンクールの全国大会に来たのは、中学時代に顧問の先生と一緒に名古屋大会を聴いて以来、もう40年近くも前のことだ。

職場・一般の部はお昼をはさんで前半、後半13団体ずつの全国から予選を勝ち抜いた計26団体。午前の部が終わったところで一旦結果発表。
指定席は1階前から3列目左隅であまり良くない。最初の団体の演奏が始まっても空席がチラホラあるのが意外だ。さすがに最初から最後まで聴き通す客は少ないと見える。

何団体か聴いているうちに全体の水準が見えてきた。

S_2010102413430000 課題曲「スケルツォ第2番」の鮮烈な演奏で印象に残った須川展也氏に率いられたヤマハ浜松は7番目の出場。娘の団体は前半の10番目の出場。

いよいよ出番となったが前の団体が使用したピアノが目の前に鎮座し、娘の姿は全く見えない。
演奏は西関東大会の出来を上回る出来だ。

S_img 休憩時間にロビーに出ると演奏の終わった団体が記念撮影中。たった今演奏が終わった団体のCDがもう発売されていて吃驚。

そして前半の結果発表。

前半の金賞は予想とおりのヤマハ浜松。http://www.asahi.com/edu/suisogaku/contest/OSK201010240059.html
そして娘の所属する川越奏和奏友会吹奏楽団

これではるばる松山まで来た甲斐があったというもの。

西関東大会の順位は、自分の予想と結果が大きく異なっていたのだが今回の結果は納得。

S_pa250598_2 プログラムを眺めていると、職場・一般の部には同じ指揮者がいくつもの団体を指揮しているのが目立つ。

中には3団体を指揮している人もいる。

今回、偶然だろうが一人の指揮者が連続して二つの団体を演奏する場面が二度あった。

団体は異なり課題曲と自由曲は当然違っていても、一人の指導者による同じ個性の演奏。
隣で聴いていた家内など「課題曲は同じだったね」などと呟いていたが、自分も曲は違えど全く同じように聞こえた。

傑出した指導者が率いた団体が頂点まで勝ち進むのは自明の理とはいえ、この状態が極端なところまで行くと、出場団体の大部分を一人の指揮者が振っている。
なんてことが起きるかもしれない。

| | コメント (2)

2010年10月25日 (月)

日本武道館 から松山へ

先週末から今日にかけて東京から松山へと日本のほぼ半分を移動してのコンサート三昧。

金曜は、槇原ファンクラブに加入している家内のお付き合いで今年デビュー20周年だという「槇原敬之 シンフォニー オーケストラ コンサート“CELEBRATION 2010”Sing Out Gleefully!~」のために日本武道館へ。

家内はお昼過ぎに先発、自分はぎりぎりまで仕事を引っ張り15時過ぎに新幹線で東京へ。

武道館のある地下鉄九段下駅の狭い2番出口は、コンサートに向かう人でドンつまり状態。

開演時間直前だが皆が入らないと始まらないと心得ているらしくファン達は悠然たるもの。

S_2010102218200000 1万人のファンを収容してのコンサートの今回は、デビュー20周年ということでフルオーケストラと合唱入り。

舞台に並んだオケを見ると3管16型にリズムセクションとホーンセクションが加わるという豪華なもの。これではギャラも相当な金額だろう。

席は1階アリーナ席の中ほどのかなり良い席。オーボエのAで始まるチューニングがオケのコンサートならば当たり前の始まりなのだが武道館では新鮮に響く。

第1部はアコースティックな響きを生かしたしみじみと聴かせるもので、いつものマッキーのコンサートとは趣が異なるもの。曲目はデビューの頃の曲があったりとコアなマッキーファン向けのような趣だが、自分としてはオケの響きがありがたい。

第2部になると合唱も入りファンも総立ちなのはいつものコンサートと同じだが、PAの加減か100人もあろうかと思われる合唱がほとんど聞こえない。

だんだんとアップテンポの曲が中心となり、盛り上がり始めたところで、娘が出場する松山でおこなわれる吹奏楽コンクール全国大会に行くために22時東京駅発の寝台特急「サンライズ瀬戸」に乗り込まなければならず、第2部の最終場面で会場を後にする。

ところが列車は、先行していた車両が鹿と衝突して立ち往生の影響で一時間遅れとなり、早朝に起こされ、乗り継ぎ列車に間に合わせるために姫路から代替えの新幹線に乗り換えというアクシデント発生。

急いで荷物をまとめて列車を降りると、寝ぼけ眼の大勢の乗客が慌てて着替えたそのままの様子でスタコラと新幹線ホールにひた走る。

ここで偶然に沼津で有名な古刹のご住職にばったり鉢合わせして変なところでご挨拶。

遅延の証明を岡山駅で書いてもらい特急に乗り換え松山着は午前10時過ぎ。

S_pa230591 NHKの「坂の上の雲」の幟がここかしこに散見される8年ぶりの松山は、ゆったりとした明るさと風格の感じられる良い街だ。

家内と一緒に子規堂に寄った後は、高島屋屋上の大観覧車に乗り遠く松山城を眺めながら松山市街を俯瞰する。お昼は郷土料理の「五志喜」。団体客が入り待たされたものの有名店なだけにさすがの味。http://www.hotpepper.jp/strJ000029335/food/

S_pa230594 そして松山城の天守に登った後は道後温泉へ。

日本最古の温泉として名高い道後温泉本館はあい変らずの古さだが、土曜の晩でもあり大層な賑わい。浴槽の周りにぐるりと大勢入っているのでなかなか割り込めない。

S_2010102320490000 風呂から出たあとブラブラしていると広場では和太鼓の演奏が始まっていた。

「風神・雷神」という地元で活動しているプロのようだ。

52歳だというリーダーが「私、今日子供が生まれました」という報告で、会場から驚きの声と大きな拍手が上がる。とても50過ぎには見えない体型と容貌

彼はトークの中で若さを保つ体操とやらを披露。50人ほどの観客が皆一斉に真剣な表情で真似をするのがおかしい。

長くなったので、コンクールの詳細は次回。

Youtubeは2005年、槇原敬之武道館コンサート

| | コメント (2)

2010年10月21日 (木)

コンドラシンのプロコフィエフ

週末の松山行きのために、仕事のピッチを上げるものの想定外の飛び込み仕事多し、昨日の練習は残業のためやむなく欠席。

S_pa180594 帰宅後聴いたのは、ロシアの名指揮者キリツ・コンドラシンのプロコフィエフとバルトーク。
ロシア、メロディアのLPでプロコフィエフの「スキタイ」組曲とバルトークの「弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽」。
オケはモスクワフィル。

異常なまでの緊張感に満ちたコンドラシンのロシア時代を代表する名演。

「春の祭典」にも似たバーバリスティックなプロコフィエフ、シロフォンその他、打楽器の1音1音に生命力が宿るバルトーク。いずれも見事なものだ。

金曜、仕事を早めに切り上げ東京へ。そのまま東京から夜行で松山まで直行予定。
帰宅は月曜日。

| | コメント (0)

2010年10月20日 (水)

マゼールの「火の鳥」全曲

朝から一日雨。

病休となってしまった職員の代替えとして急遽臨時の職員を雇うことになり本日面接。
雇用期間は短期だし条件もさほど良いわけではないのだが、意外と希望者が多く募集開始とほぼ同時に締め切り。長引く不況と就職難。

我が町内は自治会上げてのエコ活動に取り組んでいて、http://www.city.numazu.shizuoka.jp/sisei/kouhou/interview/200811/200811-3.htm

電気使用量が昨年に比べて大幅削減された家庭を定期的に表彰していたりしているのだが、この7-8月の省エネ大賞はなんと我が家に決定とのこと。

この猛暑でどの家庭もクーラーフル回転の中、我が家のクーラーは、故障のため使いたくても使えず、とうとう扇風機でこの夏を乗り切ったのが勝因に違いない。

あまり単純に喜べない。

15884865 この夏に購入した液晶テレビのエコポイント商品が今頃になって届き始めた。何を頼んだのかも完全に記憶から飛んでいたが、カニの詰め合わせと辛子明太子だったらしい。

エコに潤った一週間。

S_pa180620 今日は、マゼール指揮フランス国立放送局管によるストラヴィンスキーの「火の鳥」全曲。コンサートホールソサエティ原盤の米ターナバウトのLP.
1970年の録音。

オケの色彩豊かな響きとシャープな音楽運びが楽しめる。一気に45分を聴かせてしまう。

Youtubeはマゼールのバルトーク。

| | コメント (0)

2010年10月19日 (火)

サージェントのセント・ポール組曲

昨日は県内同業を集めての大きな会議と研修のために静岡市へ。久しぶりに顔を合わせる人もいれば、馴染みの顔が異動でいなくなったりと、毎年少しずつ周囲の環境は変化していく。
会場の外には巨大なガンダムが見える。

久しぶりに速く帰宅でき、就寝しようとした午前零時過ぎに突然携帯が鳴る。契約している警備会社からだ。
緊急事態発生!急いで着替え車も少ない夜道を職場に向かう。

結局大したことはなかったとはいえ帰宅は2時。

今日一日ほとんど記憶なし。

S_pa180610 今日はイギリスの指揮者サージェントによるエルガー、ワーロック、ホルストらのイギリス近代作曲家の弦楽器のための作品を聴く。

エルガーの「弦楽セレナーデ」、ワーロックの「キャプリオル」組曲そしてホルストの「セントポール」組曲と「ベニモラ」
オケはフィルハーモニア管、ロンドン響、BBC響を振り分けた英EMI盤LP.

いずれも毅然とした品格漂う名演。

youtubeは、「セントポール」組曲からオスティナート

| | コメント (0)

2010年10月17日 (日)

本日の練習、合唱合わせ

秋の日差しも心地よい日曜日。畑の隅のコスモスも良く咲いている。

今日は小泉先生の指揮で合唱団との合わせの日。練習は午後からなので、午前中は職場に行き、職場から練習に行くつもりだったが、朝から外が騒がしい。

P1010196 何だろうと思い外を見ると、今日は村の鎮守ならぬ吉田神社の秋祭り。
ハッピや浴衣を着た小学生たちが町内の広場に向かっているのが見える。

この神社の由来には劇的な物語があるのだが、http://harumochi.cocolog-nifty.com/horn/2007/11/post_3fd0.html
毎年お神輿と踊りの行列が家の前に来てくれるので、迎えてから出かけることにした。

オケの練習は今回の第九初めての合唱団との初顔合わせ。

沼響としては4回目の第九だが、合唱団は今回のために臨時編成された合唱団。地方の第九の常として男声とソプラノが少ないのが難だが、何とかやる気と熱意でカバーしていただきたいもの。

合唱団は既に午前中から練習しているので、オケとの合わせはざっと一度最後まで通して一時間ほどでおしまい。

合唱団の皆さんはなんとなく不満そうだったが、合唱団も全員そろっておらず、声も十分出ていない今の段階ではこんなものだろう。

それからの練習は第4楽章の序奏部分が中心。誰もが知っている旋律を最初に演奏するだけに昨日さんざん絞られたチェロとバスもだいぶ音がまとまってきた。

本番まであと一カ月。オケも合唱も道のりは遠し。小泉先生との練習回数をもう少し多く取りたいところ。

S_pa170619 帰宅後聴いたのは、16世紀のイギリスの鍵盤曲を集成した「フリッツウィリアム・ヴァージナルブック」からウィリアム・バードやファーナビーらの作品。
演奏はアメリカのジョセフ・ペインの弾くVOX原盤の日本コロンビアLP.

他に優れた演奏は数多くあるが、この素朴で地味な演奏も捨て難い。
NAXOSのNMLでも今でも視聴可能なのは少々意外だった。http://ml.naxos.jp/album/CDX-5085

Youtubeはロンドンブラスの演奏でファーナビー

| | コメント (0)

2010年10月16日 (土)

本日の練習、小泉先生との再会

先日の組織トップとのヒアリングの際に出された課題解決のため本日出勤。資料作りにほぼ一日費やし、関係部署にメールで送付して終りとする。

今日はオケの練習日。

来月の「第九」の本番を振っていただく小泉ひろし先生による練習は午後3時からだがとても間に合わず、夕方の第2、4楽章の練習から参加する。

先生には、沼響草創期の第2回、3回の定演と初めてのトヨタコミュニティコンサートを指揮していただいた。
実に23年前のことだ。自分は20代半ばでとにかく若かった。
当時からのメンバーは今や5指に満たない。

その頃の沼響は創立2年目。メンバーも少なく練習も欠席がち、レベルも低く全く悲惨な状況だった。
小泉先生の練習は厳しく、メンバーも委縮気味だっと記憶している。今から思えばずいぶんと背伸びして、分不相応な指導者を呼んでしまったとの思いがする。

本日夕方からの練習は第2楽章から。久しぶりに見る小泉先生は、かつては長い指揮棒できっちり拍子を刻む棒だったのが、今は指揮棒を使わず穏やかな表情で両手で豊かな音楽を引き出していく。

ベートーヴェンの音楽に畏敬の念を持ちながら良い演奏会にしようとする先生の気持ちが自然と伝わってくる。
オケのメンバーもほど良い緊張の中、ベートーヴェンの真髄に触れた思い。

20年の歳月の長さ、先生も自分も沼響も変わったことを実感した一日。

S_pa150602 沼響HPの聴き比べコラム「チャイコフスキーの第5番を聴く」にロジェストヴェンスキーがロンドン響を振ったスタジオ録音とザルツブルク音楽祭のライヴを紹介します。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi
youtubeはアバドの第九

| | コメント (0)

2010年10月14日 (木)

カラヤンのドイツ舞曲

本日朝一番から組織トップを含む幹部数人とのヒアリング。いろいろと鋭い指摘受けたものの現状を直接伝えることができ有意義な時間だった・・
と考えることにしよう。想定外の宿題が出され対応に一日追われる。

そして年に一度のVDT検査。視力の衰えは目を覆うばかり、メガネを外すと完全に測定不能。
検査会場でかつて同じセクションにいた女の子から結婚の報告を受ける。
いい気分となり、順番待ちの先輩と話をしていたら、検査員の女の子から「静かにしてください!検査ができません」との注意を受ける。

場を読めぬ中年オヤジ二人大顰蹙。

S_pa150599 今日は、カラヤン若き日のモーツァルトから独逸舞曲集。K600、602、605の3曲で、それぞれ「カナリア」「辻音楽師」「そり滑り」として名高いもの。
1960年、ベルリンフィルとの録音。手持ちは米エンジェルの初出のLPで、「アヴェヴェルム・コルプス」とヘンデルの「水上の音楽」とのカップリング。

モーツァルトとしては軽い娯楽用作品だが、カラヤンはこの録音以前にウィーンフィルとの録音も残している。

いずれも小鳥の音や橇の鈴などの擬音を入れたゴキゲンな演奏。

「水上の音楽」はハーティ編のフルオケのゴージャスな演奏で、こちらは重厚すぎて終曲など鈍重になってしまった。

S_pa150601 同じカラヤンの「水上の音楽」をフィルハーモニア管を振ったカラヤンの旧録音も聴いてみる。こちらも米エンジェルの初出LP.

基本的な解釈は変わらぬものの、オケのしなやかで軽い響きで、こちらは楽しめる。

YoutubeはK.605「そりすべり」、バーンスタインの演奏。

| | コメント (0)

2010年10月13日 (水)

フランクのピアノ曲

長い夏の影響か今日は一日中体が疲れ気味で集中力に欠ける一日。上司の話も上の空。明日は組織幹部を前にしてのヒアリング。

S_p9200581 今日はセザール・フランクのピアノ曲を聴く。オーストリアのピアニスト、デムスの演奏。

前奏曲コラールとフーガと前奏曲フーガと変奏、にフランク晩年のハーモニウムのための小品を集めたもの。

前奏曲フーガと変奏は良く弾かれるバウアー編曲ではなくデムス自身の編による。

曲、演奏ともに素晴らしい。深く艶のある飴色の音色、落ち着いたしっとりとしたデムスの演奏はフランクの内省的な作品にふさわしい。

前奏曲フーガと変奏の甘く切ない旋律は深い感動を誘う。

3分あまりの小品カノンからは、フランクの名作ヴァイオリンソナタの終楽章のエコーが聞える。

youtubeはフランクの前奏曲、フーガと変奏

| | コメント (0)

2010年10月11日 (月)

マルティノンのヒンデミット

秋らしい絹雲たなびく体育の日。良い天気だが、いろいろな問題発生で今日も一日お仕事。来週末の松山行きまでには何とかしたいもの。

S_pa090592 今日はフランスの指揮者ジャン・マルティノンのヒンデミットとバルトーク。
シカゴ響の音楽監督時代の録音で、ヒンデミットの「気高き幻想」とバルトークは「中国の不思議な役人」。手持ちは日本初出のLP.

師匠のルーセルの数多くの録音をはじめ、ドビュッシー、ラヴェルの管弦楽曲全集などなど、フランスの主要な作曲家の曲の大部分の録音のあるマルティノンの珍しいレパートリー。

マルティノンとシカゴ響とは相性が悪かったというのが通説だが、残された録音を聴くかぎりでは、他のフランスオケとの録音で聴かれない、豪快さが魅力の名演揃い。

高い品格と同時にパンチの効いたヒンデミット、バーバリスティックに盛り上がるバルトーク。いずれも隠れた名演と言えるもの。

名人揃いのシカゴ響のソリストたちも良い仕事をしている。

youtubeはメータ指揮ベルリンフィルの「中国の不思議な役人」

| | コメント (0)

2010年10月10日 (日)

ルイス・レーンのことなど

一時大雨警報まで出た昨晩からの雨は午前の早い時間には上がる。

昨晩突発的な事件が持ち上がり本日出勤。日曜だというのに気苦労多し。明日も仕事となる。

土曜の東京では、海瀬さんのコンサートの前にちょいとお茶の水で降りディスクユニオンに立ち寄る。金曜の夕方でちょうど10~40%引きのセール中ということで、店内は混んでいた。

先月の末に寄っているので、LPの新入荷コーナーのみをちょいと覗く。

前回のゴルシュマンのような掘り出しものはなく、お荷物になるので、そのまま店を出ようとも思ったが、ルイス・レーン指揮のクリーヴランド管によるアメリカ音楽集EPIC盤を見つけたのでこれを持ち帰りとする。

ルイス・レーンはジョージ・セル時代のクリーヴランド管の准指揮者だった人で、セルのアシスタントとして当時世界最高のオケを影で支えたヒト。

録音も少なく一枚のアルバムとしては、テラークから出ていた「ローマの松」その他のレスピーギ集くらいしか見たことがない。

セルに可愛がられたレーンだが、セルの死後ダラス響の音楽監督に就任したもののぱっとせず、アトランタ響の音楽監督だったロバート・ショウにオーケストラビルダーとしての腕を買われ、こちらも准指揮者として呼ばれたりしたがその後はアクロン市やテペイロ市などのアメリカの地方オケを渡り歩いていたようだ。

同じセルの弟子では弟分のジェイムズ・レヴァインに水を空けられ、存命ならば80も半ばを超えているはずだが、今や生死も定かでない。

S_pa090588 見つけたLPは、1958年録音で、モートン・グールドの「アメリカン・サリュート」、コープランドの「ロデオ」、バーンスタインの「キャンディード」序曲、ピストンの「不思議な笛吹き」にアンダーソンの「セレナータ」というもの。

いずれもアメリカの作曲家によるポップス調のものばかりで、レーンの師匠のセルの録音のない曲ばかり。

演奏はいずれもレーンの職人的な腕の確かさを如実に示す快演。ベラボウにうまいクリーヴランド管の合奏力にも舌を巻く。「ロデオ」などバーンスタインの演奏に迫る出来だ。

Telarccd80085 ついでにアトランタ響を振った「ローマの松」をテラークのCDで聴いてみる。

オケを華麗に鳴らしきった壮大な演奏でこれも良い。

| | コメント (0)

2010年10月 9日 (土)

海瀬京子ピアノリサイタル in 東京

昨日はベルリン音楽大学留学中の海瀬京子さんのピアノリサイタルのため東京へ。

職場では、とにかく突発的な仕事が入らぬことを祈りつつ粛々と仕事をこなし、さて出かけようとすると電話が入りなかなか離れられない。振り切るようにして駅に向かう。

10月とはいえ日差しも強く、東京は汗ばむほど。

会場は飯田橋のトッパンホール。http://www.toppanhall.com/ 19時開演。

Kaise_flyer_mihon 曲目はスカルラッティのL.486,413、188の三つのソナタに始まり、ベートーヴェンの「熱情」、バッハ、ブゾーニ編曲の「シャコンヌ」。
後半は、ラフマニノフの作品23の前奏曲から4,5,6番の3曲にプロコフィエフのピアノソナタ第7番「戦争ソナタ」という重量級プログラム。

日本音楽コンクール1位の後、シュナーベルコンクール1位、ポルト市国際音楽コンクール3位、という着実にキャリアを積み上げた中でのリサイタル、ホールも満席。

深紅のドレスでステージに登場した京子さん。古典的な佇まいの中に上質なロマンティシズムが漂うスカルラッティのソナタを軽妙なタッチで弾き始めた。
続くベートーヴェンの名曲中の名曲「熱情」では、最初の音からしてベンツのような重厚な音が鳴り響く。ドイツ留学で獲得した音色感だろう。今までの京子さんから聴かれなかった音だ。

Photo1 19世紀末の大ピアニスト、ブゾーニの編曲となるバッハの超難曲「シャコンヌ」。
ピアノ編曲でさらに演奏至難な曲と化したこの曲では、中間部分から次第に興に乗り、表面的なテクニックの披露だけではなく、深く沈潜していくバッハの懐の深い世界をスケール大きく描き出していく名演となった。

休憩をはさんで後半は京子さん得意のロシア物。ラフマニノフのプレリュードとプロコフィエフの「戦争ソナタ」。
プロコフィエフでは、切れ味鋭いテクニックでばりばりと弾きこなしていく。鍵盤上を目にも止まらぬ速さで疾走する終楽章は、このコンサートの最後を飾るにふさわしい快演。

アンコールのガーシュインも全ての聴衆が楽しめる、お洒落で後味の良いもの。
プロのピアニストの優れたコンサートを聴いた、という充実感を多くの聴衆が受けたのではなかろうか。
自信に裏付けられた風格も漂う堂々たる姿に彼女の大きな成長を感じました。

そして会場では、この3月までボエームの会の仲間だったOさんと再会。あい変らずの若々しくも元気な姿で休憩時の間に歓談ができ、楽しくも充実した一夜となった。

Youtubeはアムランの弾く、バッハ、ブゾーニ編「シャコンヌ」

| | コメント (0)

2010年10月 6日 (水)

リステンパルトのモーツァルト

本日は朝から、昨日からの持ち越しの外部委員さんたちの審査の日。昨年のようなわが部署の集中攻撃はなかったが、午後までかかり、職場に帰還しても机上でしばらくぼーっとなる。いろいろと気疲れする一日。

ノーベル化学賞に二人の日本人科学者が受賞。いずれも70年代の研究が受賞対象とのこと。
景気低迷、尖閣諸島問題・・・このところ碌な出来事がない日本。自信を失いがちな日本人に久しぶりの嬉しい出来事。

こんな疲れた日にはモーツァルト。

S_pa050611 独逸の指揮者カール・リステンパルト指揮のザール室内管によるディヴェルティメントK.136と137を米ノンサッチのLPで聴く。

清廉潔白にして高い品格に満ちたモーツァルト。k.136第2楽章の中間部の直前でテンポを大きく落としながらじっくり歌いあげていく。
K137第1楽章のアンダンテも誠実に音楽に奉仕する姿が自然に浮かびあがって来る。録音も良い。

聴いているうちに、体の底に澱のように固まった疲労が自然に溶けていく。

S_pa050607 元気になったところで、昨日聴いた「我が祖国」から初めの二曲「高い城」と「モルダウ」をチェコフィル育ての親ヴァーツラフ・ターリヒの1954年録音で聴く。これは歴史的な名演として名高いもの。

こちらも深い祈りにも似た作曲者への敬意と故郷への愛に満ちた感動的な演奏だ。


YoutubeはK.136.メニューインの指揮

| | コメント (0)

2010年10月 5日 (火)

サージェントの「我が祖国」全曲

爽やかなる秋晴れ、されど明日かと思っていた昨年度決算の外部お偉方の監査がどうも今日になりそうだという気配となり、本日予定の仕事を急遽変更し組み換えを行う。
ところが夕方になって監査は明日に持ち越しとなり、結局組み替えた明日午前中の予定を再びキャンセル。思わぬ事態に振り回された一日。

S_pa050606 今日は、イギリスの指揮者、マルコム・サージェントの指揮するスメタナの「我が祖国」全曲を聴く。ロイヤルフィルとの1964年録音。

「我が祖国」といえばチェコフィル歴代の名指揮者達の名盤ひしめく中で、他国のオケと指揮者の演奏はなかなか食い込む余地のない曲。
ましてチェコ音楽とは縁のなさそうなイギリス人指揮者サージェントとなると、とても売れそうにもなく何故録音があるのかも不思議に思うほどだが、これが意外なほどの名演だ。

折り目正しくきちっと整ったスクエアな芸風が、時として息苦しさを感じさせるサージェントだが、このスメタナは、贅肉を極限にまで落としたアスリートが全力を振り絞って疾走する姿を見るような、厳しくも緊張感に満ちた演奏。ケンペ時代のロイヤルフィルも良い仕事をしている。

手持ちは70年代の廉価盤LPで、一枚に詰め込んだために音はいまいちだが、外盤CDは今でも現役。

S_pa050608 沼響のHPの聴き比べコラム「チャイコフスキーの5番を聴く」に、ロジェストヴェンスキーのスタジオ録音の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi

やっと連載10回目

youtubeは、サージェント指揮のヘンデル「メサイア」序曲

| | コメント (0)

2010年10月 4日 (月)

フルネのドビュッシー、「イベリア」

曇り、時々雨。新たな一週間の始まり。

ゆっくり休めるはずだった昨日の日曜は、結局夕方に出勤することなってしまい、当番で出勤となっていた職員の帰宅と入れ替わるかのように夜遅くまで仕事。

S_pa020594 今日は、フランスの名指揮者ジャン・フルネのドビュッシー録音を2種。管弦楽のための映像から「イベリア」をチェコフィルとオランダ放送フィルによる2種の録音で聴く。

いずれも手持ちはLPで、チェコフィルとはスプラフォン原盤の国内盤LP,オランダ放フィルはDECCAの英盤。

S_pa020591 92歳で70年近い指揮活動を終える最後の場を日本に決め、晩年はほとんど毎年のように来日したフルネは幸いにして、数多くの実演に接することができた。

都響の演奏会で、前橋汀子をソリストに迎えたショーソンの「詩曲」の名演は特に印象深い。

この「イベリア」のかつての聴いた印象では、オケの音色に独特の艶のあるチェコフィルとの旧録音に魅力を感じていたのだが、今聴き比べてみると華やかな色彩感と細部の彫巧の深さでオランダ放送フィル盤の方が良い。

オケの音色は、いずれもフルネ独特の品の良いしっとりとした柔らかなフルネトーン。

Youtubeはドイツ物でも名演を聴かせたフルネの指揮でベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲。ソロはパガニーニ直系の弟子、フランチェスカッティ。

| | コメント (0)

2010年10月 2日 (土)

ビル・エヴァンス 「エブリボディ・ディグス」

10月に入り吹く風に秋の気配。外の青空を窓の外に眺めながら一日オフィスで仕事。今日は電話も少なく仕事が非常に捗り、来年度予算の骨子はほぼ完成。明日はゆっくりと休めそうだ。

S_pa020596 ビル・エヴァンスの「エブリボディ・ディグス」を聴く。1958年、リバーサイドへの録音。

Bill Evans piano
Sam Jones bass
Philly Joe Jones drums

エヴァンスの2枚目のリーダーアルバムとして名高いもの。選曲と曲順が実に良く考えられている。
LPではA面、B面の最後に30秒ほどのエヴァンス自身のピアノソロによる「エピローグ」が入るのが洒落ている。

幽谷の清流のような美しい響きのエヴァンスのソロが素晴らしい。バーンスタインの「ラッキー・トゥ・ビー・ミー」も良いが、ドビュッシーのピアノ曲にも似たスローバラードの「Peace Piece 」、しっとりとしたなんという美しさ。 このような秋の夜にこそふさわしい。

Youtubeはビルエヴァンストリオとモニカ・ゼタールンドの「サム・アザー・タイム」。この曲は「Peace Piece 」の変奏曲とも言うべき曲

| | コメント (2)

« 2010年9月 | トップページ | 2010年11月 »