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2010年11月に作成された記事

2010年11月28日 (日)

第九、本番終わる

今日は沼響4回目の「第九」本番。

開演15時でしかもプログラムは「第九」1曲のみ。ゲネプロは11時開始とうことで比較的時間の余裕有り。

朝、「題名のない音楽会」を見終わったところで家を出る。多少早めに会場に入りウォーミングアップ。

2010112810580000 ゲネプロは全楽章をさらりと通す簡潔なもの。ゲネプロながら本番間近の緊張が次第に皆の間に漂ってくるのがよくわかる。

小泉先生は第九の歌詞の大切さ、ベートーヴェンの人間的な頑固さと、音楽に託された人類愛を盛んに強調されていた。皆神妙な面持ちで拝聴。

そして本番。

沼響としては4回目の第九だが、第1楽章の後半当たりでなんとなくいつもと異なる雰囲気に気が付いた。
皆、小泉先生の指揮に集中して、丁寧に一音一音噛みしめるように演奏している。

響きが自然と密度の濃いものになり、音楽の流れにうまく乗り演奏していて気分が良い、この心地よさがさらなる相乗効果を呼んでいる。

第2楽章の後半で、合唱団のメンバーが舞台の袖に集まる足音が聞こえてきた。さすがにいつものおしゃべりは聞こえない。
第3楽章のアダージョも弦楽器音が柔らかで美しい。F君のホルンソロもいつもながらの安定した出来。

Cdaiku2010a 個々の良い要素が一つの方向性を持って音楽が流れていく。このようなことはなかなかないことだ。

そして第4楽章。

有名な歓喜の主題のチェロ、バスも今までの中で最も良い出来だ。
合唱も声が良く出ていてとても昨日と同じ合唱団とは思えないほど。

曲の最後の最後の熱狂の部分。皆が一体となった怒涛の終結部で熱いものが込み上げてきた。
最後の音が会場内に減衰していった後、一瞬の間を置いての最大な拍手とブラボーの声、かなり良い出来だったようだ。

全体レセプションでは、小泉先生の奥様であり著名なアルト歌手の辻宥子先生からもお褒めの言葉をいただいた。http://www.hmv.co.jp/product/detail/2750927

レセプション後、オケの打ち上げの開始時間までには多少の時間の余裕があるので、車を置きに家に帰る。

今日の演奏を聴いていたいつも辛口批評の家内も「なかなか良かったじゃないの」とのひとこと。

ところが何やらいつも違う雰囲気。テーブルの上の小さなケーキを見て今日が下の娘の誕生日だったことを思い出した。
とても家内に送ってくれとも言い出せず、そのまま娘の誕生祝いを行う。

Youtubeはマゼールの「第九」

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2010年11月27日 (土)

明日は本番

山々の紅葉も散り始めた土曜の朝、職場に行く道すがら親子連れで散歩している別セクションの同僚とすれ違う。

本日午後3時からからの練習には間に合わせるつもりだったのだが、練習会場に向かう直前に一大トラブル発生。結局解決した時には5時近く。

今日の練習は夜からの参加となる可能性を、事前にホルンの仲間と事務局にはメールしておいたのだが、現実になるとは思わなかった。

演奏会本番前日の練習に遅れたのは、今までの演奏経験の中で初めてのこと。
とにかく夜の部のソリスト合わせには間に合わせようと会場へと急ぐ。

2010112718160000 会場に到着すると大ホールでは合唱団が練習中。沼響の仲間の多くは夕食休憩のようだ。

楽器を取り出しロビーで音出しをしていると、木管セクションと明日のロビーコンサートに出場する弦楽メンバーが練習していた。

昼間の練習の欠席はどうやら自分一人のようだ。(・・;
あまり大きな音を出すのも気が引けたので、ロビーの隅でこっそりウォーミングアップ。

Cdaiku2010a そして19時ぴったりに小泉先生の両手が一閃、4人のソリストも揃い、初めてのフルメンバーでの第九最終楽章。

ソリストの中ではバリトンの初鹿野剛さんがお馴染みだが、スキンヘッドの巨漢のイメージは全くなく、別人のようにスマートになられていて驚いた。

「オー!フロイデ!」の第一声。自信と風格漂う歌唱に今まで以上の貫録を感じたのは私だけだろうか。

Youtubeはエッシェンバッハの「第九」

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2010年11月26日 (金)

マルコヴィッチのシベリウス

今日は視察、見学その他の来客多くその対応に追われる。
ほぼ3時間しゃべりっぱなし。空気が乾燥していて、説明しているうちに喉が痛くなってきた。昨日から家内は風邪気味なので、うつされてなければ良いのだが。
明後日は第九の本番が控えている。

体がだるく疲れ気味なので、久しぶりの定時退社とする。
まっすぐ帰れば良いものだが、町の書店に寄り来年用のダイアリーを物色するが気に入ったものが見つからない。
来週東京出張が控えているので、時間が有ればそちらで探そうと思う。

P1010102 今日聴いたのは、ルーマニアの美貌ヴァイオリニスト、シルヴィア・マルコヴィッチの弾くシベリウスのヴァイオリン協奏曲。

17、18才でエリザベートやロン・ティボー国際コンクールに優勝したマルコヴィッチのシベリウス。

伴奏はネーメ・ヤルヴィのエーテボリ響のBISのCD2枚組。ひところ盛んに出ていたヤルヴィの一連のシベリウス録音中の一枚。今ではNMLでも聴くことができる。http://ml.naxos.jp/album/BIS-CD-372

幾分憂いの気分の漂うマルコヴィッチのヴァイオリン。ほの暗い音色のオケの響きと同化して協奏曲というよりも大きな交響詩のような趣の演奏だ。

S_img_0002 沼響のHPの聴き比べコラム「ベートーヴェンの7番を聴く」に旧東ドイツの指揮者、クライネルトの演奏の感想をアップしました。
連載65回目
http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

Youtubeは、マルコヴィッチの弾くブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番

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2010年11月24日 (水)

全国高等学校総合文化祭静岡県予選

昨日は下の娘が出場する全国高文祭静岡県予選のため、家内と家内の両親を連れだって島田市へと行ってきた。

娘は高校の筝曲部。学校の筝のコーチは、自分が高校3年の時のクラス担任の奥様だと知って吃驚。世の中狭いものだ。

S_pb230598 東名高速に乗り、目指す吉田インターまで一時間ほどの道のりのはずが事故渋滞とやらで所用時間二時間。
娘の出演は午後なので近くの富士山静岡空港へと立ち寄る。

立ち木の問題で知事が辞職したり、JALの撤退などいろいろと話題の多い地方空港だが、休日ということもあり親子連れを中心に比較的見学者は多かった。

だが空港ビル内の食堂が「沼津魚がし鮨」のみなのはちょいと寂しい。http://www.uogashizushi.co.jp/shop_00023.html

空港に駐機していた11時45分発、14時15分ソウル着の大韓航空機が大きな爆音を残して飛び立っていったが、この飛行機が到着した直後に北朝鮮の砲撃事件が勃発。

Oorurihoru そんなことが起きようとはつゆ知らず、我々一行は昼食も取らずに演奏会会場へ。

娘の演奏を聴くのは初めてどころか筝曲合奏を生で聴くのも初めて。

 

曲は「六段の曲」のような古曲を取り上げたのは1校で、他は全て現代作品。三木稔、宮下伸、沢井忠夫など自分も知っている邦楽の大家の作品がずらりとならぶ。
出場校14校のうち来年の全国大会出場校は2校。

筝曲合奏は低音部の十七絃を舞台右手に配し、左手内側から第一筝、第二筝、さらに第三筝が並ぶのが標準のようだ。指揮者なしで第一筝の最前列の奏者がコンマスのような役割らしい。

オケに例えれば第一筝=1stヴァイオリン、第二筝=2ndヴァイオリン、第三筝=ヴィオラ、十七絃=チェロ、コントラバスということだろうか。

全て初めて聴く曲、これが滅法面白い。

優雅なイメージの筝の音楽だが、合奏となると繊細な弱音から巨大なフォルテまでダイナミックレンジは極めて大きい。女生徒達の左右に動く姿がぴったり揃った演奏姿もなかなかのパフォーマンス。

娘の学校の出番は前半の最終校の7番目。曲は牧野由多可作曲「春の詩集」。
娘の姿を探したら第一筝の一番手前だったので驚いた。

ピアノは幼い頃から今まで続け、中学時代は吹奏楽部のパーカションで舞台慣れしてはいるが、筝は始めてまだ半年ちょいなので心配になった。

娘の合図で演奏開始。親の贔屓目だが演奏はなかなか良かった。

S_pb230599 S_pb230602 休憩時間となったところで開場を後にし、義父母と家内を連れて会場近くの世界最長の木造歩道橋としてギネスブックにも載っている「蓬莱橋」を見学。

 

通行料100円を払い大井川上に架けられた長大な橋をトボトボと歩く。

 

22000953_2236_1 帰りは、とろろ汁で名高い丸子の「丁子屋」で食事とする。http://www.chojiya.info/jp/#/history
安藤広重の東海道五十三次の浮世絵にも描かれている400年の歴史の老舗。

帰りの車中で、娘から県代表として全国大会出場が決まったとのメールが入った。

 

全国大会は来年夏、福島市で開催だという。



youtubeは沢井忠夫作曲「百花譜」







 

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2010年11月22日 (月)

メンゲルベルクのバルトークとコダーイ

今日は朝から一日雨。
昨日の沼響の練習の模様が地方紙に出ていた。
http://www.shizushin.com/news/local/east/20101122000000000026.htm

今日は、20世紀前半を代表する大指揮者メンゲルベルクの振るバルトークとコダーイのライヴを聴く。

S_img_0001 DANTEから出ていたCDで、ゾルタン・セーケイのヴァイオリンによるバルトークのヴァイオリン協奏曲第2番とコダーイのハンガリー民謡「孔雀は飛ぶ」による変奏曲。

いずれもメンゲルベルクが初演をおこなった20世紀の名曲。
バルトークは1939年3月23日、まさにこの曲の初演当日の歴史的な記録。
コダーイは1940年3月のライヴで初演はこの4か月前、メンゲルベルク率いるコンセルトヘボウ管弦楽団創立50周年を記念して委嘱された作品だ。

バルトークでは、第一楽章の盛大な盛り上がりの終結部の後で初めて聴く聴衆の盛大な拍手が聞こえるのが初演の生々しさを伝えている。

第二次世界大戦突入前後の大変な時代の記録、コダーイの作品は台頭するファシズムに対する抗議をも含めて作曲された曲。

録音は古いがいずれも異常なまでの熱気漂う名演だ。

Youtubeはバルトークの「ルーマニア民族舞曲」ショルティの指揮

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2010年11月21日 (日)

晴れたる日曜、今日もオーケストラ

深い青空の広がった秋らしい行楽日和の日曜日。

今日も一日仕事でオケの練習は休みのつもりだったが、お昼に中抜けして練習に参加。こんな時、練習会場が職場に近いのがありがたい。

自分が契約している月極め駐車場は職場よりも文化センターに近い、というよりも文化センターの正面にあるので、練習やコンサートの時などいろいろと重宝している。

1分でも惜しいのでお昼も食わず、職場から自転車で駐車場へ向かう。車から楽器を取り出しスタコラ大ホールへ。

2010112112420000 長引いた暑さのためか、文化センター前の欅の紅葉は未だ中途半端だ。

今日は2度目の合唱合わせ。前回の合わせは一度通したのみだったので、合唱団の皆さんは不満の様子。
今回も一度ざっと通し、小泉先生が早めに合唱団との合わせを切り上げようとしたら、合唱団から「もう一度お願いします」声が上がる。

2010112112530001 前回よりも合唱の声は出てきたが、自分の位置からだとフォルテになると合唱がほとんど聞こえない。客席では聞こえているのだろうか?

昨日の練習は緊張感の漂う良いものだったが、なぜか今日は精彩を欠く印象だ。集中力の欠如からの凡ミスも多い。

仕事が気になり、途中の休憩時間で職場に戻ることにする。自分としては中途半端な練習になってしまった。

夕食もとらず結局帰宅は9時。

youtubeは「第九」の初演を主題とした映画のようだ。

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2010年11月20日 (土)

土曜日もオーケストラ

本日大きなイベントが有り早朝から出勤、3時から小泉先生を迎えてのオケの練習の予定があり、ある程度軌道に乗ったところで部下に任せてオケの練習に参加。

2010112015010000 練習30分前に会場に到着。
今日はウォーミングアップも十分、ここでようやく「第九」をやっているという実感の持てた4時間。
オケのメンバーも本番一週間前で真剣。小泉先生の効率の良い練習で、オケの響きが次第に「第九」らしくなってきた。

明日は合唱合わせだが、仕事から抜け出せそうもないのが辛い。
ようやく面白くなってきたのだが。

S_pa180618 今日はマルティノン指揮フランス国立放送管によるドビュッシー管弦楽曲全集からドビュッシーのピアノ曲の他人のオケ編ばかりを集めた米EMIのLPでキャプレ編の「子供の領分」とラヴェル編の「タランティラ」。

Youtubeは木管五重奏による「小舟にて」






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2010年11月19日 (金)

舞子丼

昨晩遅くに録画しておいたBS海外ドキュメンタリーの「奇跡の映像 よみがえる100年前の世界」の日本編を見ていた。http://www.nhk.or.jp/wdoc/backnumber/detail/080113b.html

41e11g3zmrl__sl500_aa300_ C0000531 フランスの銀行家にして大富豪のアルベール・カーンが1908年から1930年までの間に私財を投じて、世界50カ国に写真家を派遣して残したカラー写真や映像の貴重な資料の数々を紹介した番組。

この中の80年前の浅草の風景の中に、大衆食堂の写真が出ていた。

店の外に貼りだされたメニューには、親子丼や天ぷらなどの今と変わらぬ品々が並んでいたのだが、その中で初めて目にしたのが「舞子丼」。

なにやら洒落た名で興味を持ってネットを探ってみたところ、出てきた出てきた。どうやら柳川鍋の上の部分を乗せた丼物らしい。

今でも出しているところもあるようだ。http://www.dozeu-iseki.com/maikodon.htm

食べたくなって、かつて「どぜう料理」も出していた近所の鰻屋のメニューを見てみたら、舞子丼どころかかつてあったはずの柳川鍋もメニューから消えていてがっくり。http://unayoshi.net/main.html


S_pb140606 今日聴いたのは、ヤナーチェクの合唱曲集。チェコスプラフォンのLPで、
イルジ・ピンカス指揮のブルノ国立フィルとチェコフィル合唱団その他による宗教的な名品の数々。

Youtubeはヤナーチェクの「グラゴルミサ」の壮大な冒頭

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2010年11月18日 (木)

木曜日はオーケストラ

曇り夕方から雨。夜になりちょっと冷えてきた。

本番を来週に控え今日はとにかくオケの練習。19時の練習開始には間に合わなかったが第一楽章の最後の部分の練習から参加する。

大ホールロビーでは合唱団が最後の追い込み中。

指揮はトレーナーの小林先生。先生との練習は今日が最終日ということで全楽章をほぼ通しての練習だ。

オケ全体としてはまだまだの感有り。だが今回自分はあまり練習に出ていないので、とにかく自分のパートで精一杯といったところ。
ウォーミングアップも不十分なので、とにかく皆の迷惑にならないように慎重に吹き続ける。

ここは日頃の忙しさから離れた別世界。ベートーヴェンの偉大な音楽に浸った2時間弱。

S_pa250607 帰宅後聴いたのはカール・ミュンヒンガー指揮のブランデンブルク協奏曲。
73年録音のミュンヒンガー3度目のブランデンブルクで、フルートのニコレやオーボエのヴィンシャーマン、若き日の宮本文昭ら豪華なソリストを迎えた演奏。

いわゆる古いタイプの演奏だが、本物のドイツ正統派のバッハ。がっしりとして立派なもので、ソリストはさすがにうまいものだ。

手持ちは米ロンドンのLP2枚組

Youtubeはカール・リヒターのブランデンブルク協奏曲第5番、フルートはマイゼン。


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2010年11月17日 (水)

ミュンシュのティル

昨日で一応の仕事の区切りとなり、今日は溜まった代休でも取って休もうかなとも思ったほどだが、出勤すると新たな問題の波状攻撃。
息抜きのない毎日で疲労蓄積中。

第九の本番まであと10日だが大丈夫だろうか?
明日の練習は、なんとしても参加したいもの。

S_pb140616 今日はシャルル・ミュンシュの指揮するR.シュトラウス。

フランス物だけでなくドイツ音楽でも名演を残しているフランスの巨匠だが、R.シュトラウスは「ドンキホーテ」と「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯」の2曲しか録音を残していない。

フルトヴェングラーやワルターの元でライプティヒ・ゲヴァントハウス管のコンマスを勤め上げたミュンシュのR.シュトラウス。

軽妙さと豪快さの絶妙な共存。ボストン響の腕前も確かなもの。
手持ちはRCA原盤の国内盤LPでカップリングはフリッツ・ライナー指揮シカゴ響との「ドン・ファン」。

R.シュトラウスと親しい仲であったライナーの名演と十分に肩を並べる名演だ。

Youtubeは、ミュンシュのブラームスの1番。来日公演の記録

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2010年11月16日 (火)

ロシアのフルート、モーツァルトのフルート協奏曲

先月末からの大きな混乱は本日ようやく収束し第二段階へ。
今日は久しぶりに早めの帰宅。夕食時も家族と一緒に過ごすことができた。

食後に聴いたのは、モーツァルトのフルート協奏曲第2番。

S_pb140601 ドミトリー・ベダのフルートに、ゴズマン指揮のレニングラード室内管というもの。カップリングはミヨーのトロンボーンのための冬の協奏曲、ヴィラ・ロボスのファゴットと室内オケのための7音のためのバレー曲という凝った内容。

ロシアからはピアニストや弦楽器奏者の偉大な才能は数多く出ているものの、ソリストとして著名な管楽器奏者となるとすぐには頭に浮かばない。
ましてやフルーティストとなるとほとんど聞いたことはない。

この新世界レコードのLPのライナーノートにはソリストの紹介はない。レニングラード室内管の首席奏者かもしれない。

質朴な音色で手堅く聴かせるモーツァルト。
フランス系の明るい音色とは一線を画す独特の音だが、テクニックはしっかりしているし渋い音の味のある演奏だ。

木製のフルートを使っていたオランダの名手バルワーザーの音に似ているが、使用楽器は木製ではないような気がする。

S_img_0001 S_img_0002 しばらく怠けていた沼響のHPの聴き比べコラム「チャイコフスキーの5番を聴く」に、クーセヴィツキーのスタジオ録音の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi
Youtubeはモーツァルトのピアノとフルートのためのソナタ

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2010年11月14日 (日)

コステラネッツの「ポーギとベス」

どんよりとした曇天の日曜日。
朝、部活のため学校に行く娘を車で送りながら職場に顔を出す。守衛さんから「今日も仕事ですか?」と声をかけられ、「すぐに帰りますから」と苦笑い。

関係部署にいくつかメールを送り小一時間ほどで帰宅。

畑仕事やら庭の柿を採ろうとも思ったが、貴重な休みなので今日は何もせず、完全休養の日とにする。

S_pb140603 今日はアメリカのライトクラシックの巨匠、アンドレ・コステラネッツのガーシュイン。

コステラネッツのガーシュインでは若き日のアンドレ・プレヴィンと組んだ「へ調のピアノ協奏曲」の快演が印象深いが、今日聴いたのは歌劇「ポーギとベス」のベネット編曲による組曲。

ニューヨークフィルを振った米コロンビアのモノラルLPで、カップリングはチャイコフスキーの歌劇「スペードの女王」からの管弦楽組曲。

絶妙なこぶしでオケを思うがままにドライヴしたベラボウに楽しい演奏。
各楽器のソロなど本物のジャズミュージシャンのようだし、陽気なバンジョーソロもゴキゲンな出来だ。

Youtubeはマゼール指揮の「ポーギとベス」組曲。




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2010年11月13日 (土)

カルミレッリのブラームス

このところ休みなしで体のリズムが狂ってきたようだ。夜になると目が冴えて眠れない。元々夜型の自分だがここ数日睡眠時間は4時間前後にもかかわらず昼間に眠くならないのが変だ。

昨日組織内でチョンボが発覚。今はさほど大きな問題ではないが、今日出勤し対応、小さな芽のうちに摘んでおく。

そして毎週土曜の夜は、娘のピアノのレッスン日。
先生のお宅は函南だが、レッスンが終わるまで車内でボケーと待つのも芸がないので近くのブックオフで小一時間ほど時間をつぶすのが習慣となっている。

ブックオフのCDの値付けは一般に割高で、新品で900円ほどのナクソスの中古盤が950円で売られてたりするのだが、時々面白いものがひょっこり格安で出たりする。

S_img_0003 今日行ったところ500円以下のCD半額セール実施中。
先週見かけなかったCDも多く、500円コーナーから4枚ほどをピックアップ。

まずは、カウンターテナーのアンドレアス・ショルの歌う「アルカディーア」というアルバムで、ガスパリーニ、コレッリ、パスクイーニら17世紀の作曲家たちのアリア集のDECCAのSACDハイブリッド盤。

S_img_0002 S_img_0001 ヨーヨーマの弾く、チェレプニンとコダーイの無伴奏チェロソナタそのほかのソニークラシカル盤。

グループ・ヴォーカル・ドゥ・フランスによる、ピツェッティ、ラフマニノフ、ヴェルディらの宗教曲集EMI盤。
そして、イ・ムジチのコンサート・ミストレスだったピーナ・カルミレッリが参加しているブラームスの弦楽六重奏曲第2番と、セル時代のクリーブランド管の首席ホルン奏者だったマイルン・ブルームによるホルントリオ。
S_img_0004 いずれもマールボロ音楽祭のライヴ盤。
これはそのうち購入しようと狙っていたものだ。

Youtubeはショルの歌うヘンデル「ジュリアス・シーザ」から。
バロックホルンのオブリガードソロが痛快な曲



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2010年11月12日 (金)

チェルカスキーのショパン

昨日は親戚の葬儀で休まざるを得ず、今日はその分いつもより一時間早く出勤すると机上はメモの山。
案件をひとつずつ片付けているうちにあっという間にお昼の時間。

そして重要な案件のひとつを任せていた自分と同じ年の職員が、若手職員の直訴により事を全く理解していなかったことが発覚。途中経過を報告させてみると予定の半分も進んでいないで愕然とする。

結局本日も職場を出たのは9時過ぎで明日も仕事。

S_img_0003 帰宅後聴いたのは、ウクライナ生まれのピアニスト、シーラ・チェルカスキーのショパン。
「20世紀の偉大なピアニスト」シリーズの2枚組CDで、前奏曲集と練習曲集を中心に舟歌とピアノソナタ第3番を集めたもの。

19世紀のスタイルを漂わせたチェルカスキーは一度だけ実演に接することができた。この時確か80歳を超えていたはず。
当日のメインの曲目は覚えていないが、洒落ていて艶っぽさの漂う独特の雰囲気のあるコンサートだった。アンコールはモートン・グールドの「ブギウギ」だった。

そしてここでも輝かしくも艶のある音色と華麗なテクニックで見事なショパンを聴かせてくれる。
気品のある「舟歌」と変幻自在のテンポの動きが見事なソナタ第3番のライヴが驚異的な名演だ。

Youtubeはツィマーマーンの弾く「舟歌」

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2010年11月11日 (木)

スークのスークとドヴォルジャーク

先月末に発生した重大な課題は一応の目処がたち事業はいよいよ始動。

今週初めに身内に不幸があり今日は横浜での葬儀に急遽出席。
故人は齢90を超えているので出席親族は広範囲となり、初めて会う人やら前回会ったのは自分が子供の時だった親戚も多数。

先週、函南のブックオフの250円均一コーナーで見つけたCD2枚。

S_img_0002 一枚は、ハンガリーの名指揮者ヤーノシュ・フェレンチク指揮ハンガリー国立管によるベートーヴェンの「エロイカ」。

全集録音とは別の1983年12月録音のHUNGAROTON原盤の国内盤CDで、CDが未だ高価だった頃のDENON盤。定価3,300円也。

今ではNMLでも聴ける。http://ml.naxos.jp/album/HCD12566

S_img_0001 そしてチェコのヴァイオリニスト、ヨーゼフ・スークの弾く同名の祖父スークと曾祖父ドヴォルジャークのヴァイオリンとピアノのための作品集。
チェコLOTOのCD.

多くは編曲ものだが、この中に1曲だけ、スークの祖母にしてドヴォルジャークの娘Otilie Dvorakova-Sukovaが作曲した「子守唄」が収録されている。

今日はこのCDを聴いた。

祖母が作曲した「子守唄」など、おそらくスークが幼い頃から親しんだ曲なのだろう。

他の曲もいずれも深い慈愛に満ちた心温まる演奏だ。

Youtubeはクライスラーの弾く「ユモレスク」


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2010年11月 9日 (火)

バティスト・マリのシャブリエ

ここ数日穏やかな良い天気、強い風に迫り来る冬の気配。
八方塞り状態の仕事も今日になってようやく光明が見えてきた。

S_pb070601 今日は、フランスの指揮者、ジャン・バティスト=マリの振るシャブリエの管弦楽曲集。オケはパリ国立歌劇場管。国内盤のLP

歌劇「にわか王」からのポーランドの祭り、スラブ舞曲、「エスパナ」
楽しい行進曲、田園組曲など、シャブリエの主要なオケ作品を集めたアルバム。

マリは学生時代に札幌交響楽団とのラヴェルの「マ・メール・ロア」を聴いたが、すっきりとした札響の音色が清楚な雰囲気を出していて良い演奏だった。

このシャブリエは、田舎風の野暮ったさが独特の面白みとなっているユニークな演奏だ。ひたすらネアカなマリのキャラクターがシャブリエの曲想に良くあっていて、聴いていて愉快な気分になってきた。

S_pb070611 そしてもう一枚は、ロベール・カサドシュの弾くラヴェルピアノ曲全集から「古風なメヌエット」と「ソナチネ」。

こちらはラヴェルと親交のあった洗練された巨匠の芸。

Youtubeは吹奏楽版によるシャブリエの「エスパナ」

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2010年11月 7日 (日)

熊倉功夫先生講演会

この土日は休めぬまま、明日から新たな一週間が始まる。

昨日は、国立民族学博物館名誉教授にして静岡文化芸術大学学長の熊倉功夫先生を招いての講演会を主催。http://www.minpaku.ac.jp/staff/kumakura/

茶道史、日本文化史の権威であるだけに準備段階から当日まで気苦労多し。

51ry9aqry1l__bo2204203200_pisitbsti 講演会は早い段階で申し込みで満席となり、当日は組織トップその他幹部多数が出迎え、来場者も茶道、華道関係者の和服のご婦人多数。

演題は「茶の湯と日本料理」

平安の昔から現代に至るまでの日本人の食卓の文化史を茶道の始まりを絡めながら非常に判り易く話された。

平安時代の貴族が、既に椅子にテーブルという形で現代の晩餐会のようなことをやっていたことや、江戸時代に「八百善」のような高級料亭のお食事券が現代の商品券のように贈答用に使われていたことなど、興味深いお話満載の充実した90分。

そして今日も緊急に仕上げなければならない資料作成で一日が終わる。

S_pb070598 帰宅後聴いたのは、フランスの指揮者、アラン・ロンバールの指揮するバルトーク。フランスエラートのLPで、「管弦楽のための協奏曲」と「中国の不思議な役人」。

この演奏の魅力は、ストラスブール・パーカションアンサンブルを擁すしていたストラスブールフィルの打楽器セクション。

ロンバールの指揮もキリリと引き締まった良い出来だ。

Youtubeはストラスブール・パーカションアンサンブル

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2010年11月 5日 (金)

白鳥  ~徳永兼一郎の世界~

人並みに文化の日は休んだものの、降ってわいたような想定外の仕事に苦戦中で二歩進んで一歩下がる状態。今日一日で一挙に解決・・と勝負を賭けたものの思わぬ障害が生じ明日明後日も仕事の模様。

とはいえ昨日のオケの練習は遅刻しながらも参加しているから、まだ精神的な余裕が有るということだろう。

トレーナーの小林先生の指揮で第4楽章からの参加。チェロが有名な主題を静かに演奏している良いところで、そっと自分の席に滑り込む。

楽譜を譜面台に置いたところ、手が滑りバサリと床に譜面が落ちた。周囲の視線が痛い。
うーむやはり疲れているようだ。

そして今日一日関係各方面を駆け回った後、夜は文化センター主催のディスクコンサートの解説が待っている。

会場到着が開場直前になりそうなので、担当者には「直ぐに出来るように準備しておいてください」と電話しておいたのだが、なんとなく胸騒ぎが・・・

Tokucd1 まさか前回のような装置の不備はないだろうが、と思いつつ会場に着き、徳永兼一郎のCDをかけてみた。

「?????」スピーカーの右側から音が出ていない。

思わず後ろに立っている担当の人の顔をまじまじと見てしまった。

まずスピーカーのコードをチェック。なんともないので、CDプレーヤーからDVDプレーヤーに切り替えてもやはり右側から音が出ていない。しかもDVDは映像も映らない。

「ちゃんと、見てもらったのですか?」
「はい」
「誰に?」
「委託で入っている電気の詳しい人です」
前回のトラブルの時に出てきた、嘱託だというご老人の顔が浮かんできた。

「ドライバーを貸してください」
もう時間がないので、前回同様またアンプの後ろのパネルを取り外して仰天。

アンプの右側のスピーカーコードが外れている上にDVDプレーヤーの映像コードがアンプの関係ない部分にささっている。
直したとは言っているが全然理解していない上に、実際にCDを再生して確認していないのが見え見えだ。

単純な原因に安心と情けない気持ちでコードを付け替え、なんとか開演時間には間に合った。

今日のディスクコンサートの最初は、N響の首席チェリストだった徳永兼一郎さんの「白鳥~徳永兼一郎の世界」を聴く。

サン・サンーンスの「白鳥」やラフマニノフのヴォカリーズなど、おなじみの名曲をストラディヴァリウス、アマティ、ゴフリラ、モンタニャーナの四大銘器で弾き分けた名曲集。

渋く温かな徳永さんの、美しくも何かを諭すようなチェロの音。
「いい音だなぁ」
会場の皆さんもしんみり聴き入っている。

聴いているうちに自然と心が落ち着いてきた。

youtubeはマイスキーの弾く「白鳥」


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2010年11月 3日 (水)

笑ってコラえて・・・吹奏楽

文化の日の今日、やるべき仕事は山積みだが、ここで出るとほぼ2週間休みなしなので、さすがにお休みとする。
とはいえ畑の無花果の枝を掃ったり、明日手術のために入院中の岳父のお見舞いに行ったりと、なかなか忙しい。

Dscn0479 家内と娘と見舞いに行った後は、病院近くのラーメン屋「麺屋 中川」清水町店で遅いお昼。2時を回っていたが店内はほぼ満席の人気店。
http://menya-n.com/

魚介系さっぱりだしの細麺、豚脂がぷかりと浮いた太麺を二つの柱に00000000000000 様々な創作ラーメンのメニューがお店の柱にべたべたと貼り出されている。
しっかりとした本格的な味で人気高いのも納得。
本日の日テレ系のテレビ番組「笑ってコラえて」は吹奏楽特集。
http://www.ntv.co.jp/warakora/
数年前から吹奏楽が何度か取り上げられていて評判となっていた。

番組の最初でいきなり、屋比久勲先生という懐かしい名前が出てきて驚いた。自分が中学時代に全国大会で名を轟かせていた名指導者だ。

いつものことながら、音楽に賭ける高校生たちの純な表情には感動させられる。
ここに出てくるのはいずれも全国大会を狙うトップ高ばかりだが、全国の学校の数だけ同じようなドラマがあり、かつての自分、そして娘たちの姿が自然とオーバーラップしてくる。

番組の最後には屋比久先生の振るワーグナーの「エルザの大聖堂への行列」。
淡々と振る棒から湧き出てくる柔らかで自然体の音楽に、深い年輪を感じさせる感動的な演奏だった。

S_pa300605 その後聴いたのは、「ブラジル風バッハ」というユニークな作品を残した、ブラジルの作曲家ヴィラ・ロボスがバッハの「平均律クラヴィア曲集」をチェロ合奏のために編曲した作品。

米エヴェレストのLPで、ニューヨークのプロとアマ32名のチェリストを作曲者自身が振った演奏。
Youtubeは歌劇「ローエングリン」から「エルザの大聖堂への行列」の部分

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2010年11月 2日 (火)

沼津法人会、税を知る週間コンサート

いよいよ11月、先月末に松山帰り以来無理難題が降りかかり、土日を含め一日も休めない日が続いている。

とにかく半年ほどかけて準備をし来年度から実施する予定のものを、急遽ここ数日で計画を完成させ取りかかることになったのだからたまらない。様々な所に頭を下げ、お願いをしつつ資料の完成を急ぐ。

とはいえ昨日は上の娘と、娘の高校時代の音楽上の師匠との楽しい夕食。

200905302055382afs 場所は職場近くの「山正」。もともと魚屋だったのが、お店の隅で常連さん向けに魚料理や鮨を出し始めたのが5年ほど前。

新鮮な魚と料理の腕の確かさでたちまち評判となり、今やお昼時は店に入りきれない客で行列ができるほど。

仕事を切り上げお店に着いたのは7時過ぎ。

20090530205831cf8s お通しは新鮮な「キビナゴ」から始まり、この近辺では「いいっこ」呼ばれる磯物からイクラ、中トロ、ノドクロその他の刺身のオンパレード。

生魚が苦手な娘も夢中でぱくつくほどの驚くほど新鮮なネタの数々。

話は、松山でのコンクールの話その他、吹奏楽ネタで盛り上がった楽しい一夜。
その娘は本日早くに東京に帰っていった。

201005185_thumbnail そして今日は、朝から計画は想定外の方向に走り出し八方塞の状態に陥る。このままで立ち往生では、脂汗を流す蛇の前のガマガエル状態なので、とにかく動き出して活路を見出すことにする。

夕方になりようやく光明が見出せたので、入場整理券をいただいていた沼津法人青年部主催の「税を知る週間チャリティコンサート」に行くことにした。http://www.numazuhoujinkai.or.jp/22concert.pdf

Viewer 今年はヴァイオリンの沼田園子、クラリネットの四戸世紀、チェロ北本秀樹、ピアノの蓼沼明美といういずれも日本を代表するトッププロ。

曲は、ピアノトリオト長調(ハイドン)、ヴァイオリンとチェロのためのデユオ(コダーイ)、クラリネット、チェロとピアノのためのコンチェルトシュトゥック(メンデルスゾーン)が前半。

そして後半はミヨーのピアノ、ヴァイオリン、クラリネットのための組曲。
子犬のワルツ、白鳥、リベルタンゴ、鈴懸の径、そしてベニー・グッドマンの「貴方の思いで」
というもの。

会場ではボエームの会のIさんとも遭遇、沼響のメンバーも多い。職場からかけつけた家内と、かつての部下の音楽好きの女の子と彼氏?とホールのほぼ真ん中の席で聴く。

最初のハイドンののびやかな音を聴いた瞬間「あぁ、来て良かった」としみじみ思う。この一週間の緊張が一挙に溶けていく。

緻密なアンサンブルと美しい音。特に後半の軽妙なミヨーが良かった。

アンコールはプーランクのクラリネット、ヴァイオリン、ピアノのための「城への招待」をチェロが加わった版で聴かせてくれた。

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