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2011年1月に作成された記事

2011年1月30日 (日)

ルネ王の暖炉

今日は一日仕事となり通常と変わらぬ時刻に出勤。

真っ青な空には雲ひとつ見当たらず雨も雪も降る気配は全くない。
狩野川堤防上を歩いていると、日曜の朝ということでジョギングやウォーキングの人々多数。
美しい富士を撮ろうと携帯を出そうとしたら家に忘れたことに気がついた。

職場を出たのは夜の7時過ぎ、朝来た道を歩いていると周囲は暗く気温は下がり風も出ている。そのうち寒さで耳が痛くなってきた。
Imagesca2u3yad 帰宅するとネットで頼んでおいた牡蠣が着いていて、夕食は暖かな牡蠣鍋でほっと一息。http://item.rakuten.co.jp/masuyone/130030/

こんな日は暖かな音楽、ということでミヨーの組曲「ルネ王の暖炉」。
レイモン・ベルナール監督の映画「愛の騎馬行列」の音楽を木管五重奏用に編曲したもの。このジャンルでは最も親しまれている曲だろう。

P1010005 演奏は、フルートのラルデやホルンのフルニエなどのフランスの著名なソリストたちによるEMIのLP.

モダンな雰囲気の中に中世的なテイスト漂う、あたかも冬の日だまりの中で気持ち良くひなたぼっこしているような素敵な曲。

演奏もフランスのエスプリ漂う明るくもホノボノとさせるもの。
カップリングのフルートのためのソナチネも良い曲だ。

Youtubeは「ルネ王の暖炉」第1曲

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2011年1月29日 (土)

ホロヴィッツのシューマン

乾燥の日々、天気は良いが夜から風が出てきた。
S_p1290608 庭の紅梅、白梅がようやく咲きそろった。

畑の柑橘類が実をつけ始め、休日の今日はネーヴルと檸檬を収穫。
S_p1290605 ナツミカンも沢山生ったが、この時期のナツミカンは酸味が強くとても食べられないのでしばらくお預けだ。

Akanegumo444img600x4501269477713lh0 今日はホロヴィッツのシューマンから「子供の情景」「クライスレリアーナ」の2曲。フランクリンミントのLPで聴く。
CDでソニークラシカルから出ているものと同じ演奏。

ロマンティックにして強靭な意志の強さの感じられる深遠なる名演。
「クライスレリアーナ」の精度など他のピアニストとは次元の異なるもの。

Youtubeはホロヴィッツの「クライスレリアーナ

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2011年1月28日 (金)

アンチェルとノイマンのレオノーレ

1月もあとわずか、来年度から始まる新規事業3つの準備に取りかかり中。突然のトップダウンで予算が付いたのは喜ぶべきなのだろうが、事業の手法はこちらに任せてもらいたいもの。

今日も遅くなりそうなので、夜、一昨日職場の隣にオープンした「すき家」に行ってみたところ、店の外まで順番待ちの客の列。
http://www.sukiya.jp/

150x150_square_2169809 並んでまで食べる気はないので、駅前近くのマルコのスパゲティでもと思い、寒風の中トボトボと歩いて行くと本日貸切の看板が出ていてがっくり。
あのあんかけ風の独特のスパゲティを思い浮かべながらさらに駅方面へトボトボと歩き、結局CBカレースタンドでカツカレー。
http://popeye.mo-blog.jp/waraibuta/2007/04/post_c5f2.html

お店のカウンターでは水商売風のおばちゃんが「暇だわねぇ」と店員と話している中で、先ほどまでプロ野球の話をしていた親子が、突然始まった店内のテレビから流れているアニメ「巨人の星」のテーマ音楽の場面を食い入るように眺めている。

驚いたような中学生の男の子の顔が妙に新鮮。

昨日は、オケの練習。場所は文化センター大ホールで、来週来る横島先生の練習に合わせて「ライン」、「レオノーレ」とモーツァルトの17番のコンチェルトをざっと一通り通す。

「ライン」のホルン、「レオノーレ」コーダのプレスト部分、モーツァルトの第3楽章と、いずれも大きな難所を潜ませた難曲ばかり。

P1010011 今日は、序曲「レオノーレ」第3番をチェコの二人の指揮者、アンチェルとノイマンで聴く。いずれもチェコフィルを率いていた名指揮者だが、解釈は驚くほど異なっていた。

アンチェルは手兵チェコフィルを振ったスプラフォン盤。緊張感に満ちたピアニシモが特徴的な序奏から筋肉質の引き締まった主部まで、隙のない出来。だがアンチェルとしては冷めてスクエアすぎて面白みに欠けるようだ。

木管にホルンを重ねたりと、かなり譜面に手を加えていた。

P1010012 一方のノイマンは、ライプティヒのゲヴァントハウス管とのテレフンケン盤。柔らかでゆったりしたテンポは、オケの伝統にそのまま身を任せたかのような演奏だ。いささかルーティーンだが、あまりいじっていないのが良い。

もうひとつ、「レオノーレ」第3番の演奏ばかりを集めたマニアックなCDが以前韓国から出ていた。

P1010013 1927年のクレンペラーから始まり、1946年のチェリビダッケまで実に10種類のCD2枚組。
他にワルター、フルトヴェングラー、メンゲルベルク、トスカニーニ、ベーム、カラヤン、ミトロプーロス、ロジンスキ。

細かなインデックスと演奏時間の変化など、詳細なデータを載せたリーフレットが実にマニアックだ。ただし解説がハングルなのでよくわからない。

Youtubeはルイージ指揮の「レオノーレ」

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2011年1月26日 (水)

セルのドヴォルジャークとスメタナ

今日は、組織外部の委員数人を引き連れて藤枝市へ出張。もう何年もの付き合いなので気心は知れてるとはいえ、やはり気を使う。

Imagescaot0vp9 天気が非常に良く、車窓から見える静岡県中部からの富士もオツなもの。
職場に帰ったのは6時過ぎ。しばらくすると肩と胸の痛みが出てきた。
今夜は市内のホテルで組織トップも含めた新年会だが、事故の後遺症も癒えぬ状態のため欠席としておいて正解だった。

机上は未決の書類の山の机上を横目に見つつ早めに退散とする。

Akanegumo444img600x4501274568231uul 帰宅後、ジョージ・セル指揮クリーヴランド管のドヴォルジャークの交響曲第8番とスメタナの「モルダウ」をフランクリン・ミントの赤盤LPで聴く。

名演としての誉れの高いものだが、ドヴォルジャークは先日聴いたミュンシュの演奏の方が今は好きだ。

このフランクリン・ミントのLPには、解説中に録音データと録音の様子が描かれているのが常だが、なぜかこの1枚には録音データが記載されていない。
したがってこのドヴォルジャークが、CBSの旧録音なのかEMIの最晩年の録音なのかの区別がつかない。

「モルダウ」はさすがに純音楽的な名演。ホルンの豪壮な響きが素晴らしい。

youtubeはハンガリーの名指揮者フリッチャイ最晩年の「モルダウ」。不治の病に侵された命を削るような凄絶なリハーサル。

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2011年1月24日 (月)

コレギウム・アウレウムのルネッサンス舞曲集

噛みつき猿として全国に名を轟かせたニホンザルの「ラッキー」が、拘留中の三島楽寿園から逃走。
飼育員のちょっとした隙を突いての脱走とのこと。
お猿の方が人間より一枚上手のようだ。
またもや、あのドタバタ捕り物劇が始まるのだろうか。

2011012421260000 今日はコレギウム・アウレウム合奏団による中世ルネッサンス舞曲集。
1978年頃の録音で、ブロックフレーテのコンラートや、リュートのゲルヴィッヒなど、古楽器による演奏が一般化する以前の録音。
ハルモニアムンディ原盤によるテイチクのLP.

曲はスザートやジェルヴェーズなど比較的著名な曲ばかり8曲で、これが滅法楽しい。
演奏の見事さもさることながら、この頃のテイチクのLPの音は艶と奥行きが豊かで非常に良い。

2011012421300000 実はこのLPと全く同一の曲と曲順で、ハルモニアムンディにはクレマンシックコンソートの録音がある。

コレギウムアウレウム盤がブロックフレーテとリュート、ヴィオールが中心なのに対して、こちらはクルムホルンやサックバットといった管楽器が中心。

いわばこの二つのレコードは対となる関係なのだが、演奏者の解釈によって同じ曲が全く異なった曲に聞こえるという古楽器演奏黎明期ならではのもの。
Youtubeはスザートの舞曲集

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2011年1月23日 (日)

ミュンシュのドヴォルジャーク

今日も快晴、富士山が良く見える。
一カ月を経過したが事故による左胸の痛みと違和感がまだ消えず、それが背中のコリにまで派生してきた。やはり年だ。慢性化しなければ良いのだが。

事故の相手方はご近所の知り合いなので円満解決したいのだが、間に入っている保険屋の対応がまずい。初動から不愉快な事が多くこちらも長引きそうだ。

S_p1230606 今日はミュンシュのドヴォルジャーク。交響曲第8番を聴いた。先日オケのメンバーからいただいたLP中の1枚。

ミュンシュと言えばベルリオーズやラヴェルに大名演を残しているフランスの大指揮者だが、ドヴォルジャークの録音はこの8番とピアティゴルスキーをソリストに迎えたチェロ協奏曲のみ。

あまり期待せずに聴いたのだが、ドヴォルジャークをチェコのローカルな作曲家と捉えずにベートーヴェンやブラームスの延長上の交響曲作家として解釈した驚異的な名演だ。

冷静にしてがっちりとした構成感、それでいてミュンシュ独特のダイナミックな熱狂も不足していない。
第3楽章スケルツォの大きな歌など見事なものだ

録音は1961年でボストン響常任指揮者時代末期の録音。録音状態も良い。

これだけの名演を残しながら、ミュンシュのドヴォルジャークの録音がたった2曲なのは惜しい。

Youtubeはミュンシュのドビュッシー「イベリア」

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2011年1月22日 (土)

アーヨの弾くヘンデル

本日は怪我でしばらく放置していた畑で軽く作業。
今、冬場の野菜が軒並み収穫期を迎えている。

キャベツは時期を逸して開いてしまったものが多かったが、白菜は良い出来だ。ブロッコリーは今のところは小粒で良くない。これからを期待しよう。
大根は土が硬く伸び悩み。

木曜のオケの練習時に、古参のチェロ奏者から「もうレコードは聴かないから」ということでLPを100枚ほどいただいた。
室内楽や弦楽器の器楽曲が中心の質の良いコレクション。

畑作業の後はそのLPを一枚一枚見ながらつまみ聴きなどをしていた。

S_p1230605 その中に、大好きなヘンデルの4番のヴァイオリンソナタが入っていた。

ヴァイオリンはイ・ムジチの「四季」のヴァイオリンソロで名高いフェリックス・アーヨにチェンバロはブルーノ・カニーノ。
来日時に東芝EMIが録音したもの。

のびやかでよく歌うアーヨのヴァイオリン。
一連のフィリップス盤とは録音の取り方が異なり、より芯の硬い力強さの感じられるヘンデル。

Youtubeはアーヨの弾くパラディスの「シシリエンヌ」

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2011年1月21日 (金)

カラヤンの87年ニューイヤーコンサート

寒さ厳しく日本海側の大雪をよそにこちらでは乾燥の日々。
インフルエンザが流行り出し学級閉鎖も出てきたらしい。
先週の土曜日に娘と一緒に予防接種は済ませたので、ぎりぎりセーフということだろうか。
本日、文化センター主催のディスクコンサート。
会議が長引き、会場到着は開場ぎりぎり。 前回のトラブルで懲りたのか、担当の方は相当の気の使いようで、今回は装置のトラブルはなし。
いつもこの緊張感があればよいのだが。
プログラムの中心はウィンナワルツの特集ということで、客の入りもいつもより多い。
内容は、ウィーンフィルがウィンナワルツを取り上げ始めた1929年のザルツブルク音楽祭直後のクレメンス・クラウスの録音から取り上げる。

P1010010 使用ディスクはオーストリアDACAPOのLPで、曲は常動曲とアンネンポルカ。

80年以上昔の録音だが音は非常に良い。上品で蕩けるようなポルタメント。このロマンティックさは後のクラウスの演奏とはまた一風異なるものだ。

そしてシュトラウス・ファミリーの最後の音楽家、エドウアルト・シュトラウスの演奏などと比較しながら、メインは1987年カラヤンのニューイヤーコンサートのプログラム。
当時大ブレイクしていたソプラノのキャサリーン・バトルが「春の声」に加わっている。

1300114966 ニューイヤーコンサートの長い歴史の中で指揮者以外のゲストが出演したのはこのカラヤンの年だけだ。

カラヤンのワルツは今までさほど興味がなく、本当はクライバーにしようかと最後まで迷ったのだが。
結局この「春の声」が非常に良かった。バトルの歌はさほど全面に出さず、常にカラヤンのペースで音楽が進む。
緩急自在のテンポ変化に美しいピアニシモ。お客さん達も陶然とした表情で聴いている。
「常動曲」は直前に聴いたクラウスの演奏に似ていて吃驚。

ウィーンフィルの伝統にうまく乗りながらも自分の音楽を聴かせてしまうカラヤンの力。やはり大指揮者だった。

1youtubeはクラウスのアンネンポルカ

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2011年1月19日 (水)

2011年ボエームの会新年会

Front_mini 昨日は今年最初のボエームの会。
前回は事故で自分は急な欠席となってしまったが、今回は競技かるた13連覇を果たした西郷名人の祝勝会、兼自分の快気祝い(まだ通院中だが)、そしてメンバーのまもなく初孫誕生、と目出度いことが重なったということで明るく開始。

場所はいつもの割烹「はちまき」。

今回のメインは、当日の夕方5時に山形から届いたばかりの寒鱈の鍋。

2011011818140000 いつもの囲炉裏の間の真ん中でデン!と鎮座した土鍋の存在感も御見事なもの。
新鮮な鱈の肝、そしてぷりぷりした白子をしゃぶしゃぶ風にしてポン酢で食す。

 

 

Imagesca3z3i1r 今宵スペシャルな夜のお酒は、白木の升の隅にちょこっと粗塩を載せた升酒のみ。

二次会の隠れ家「梟」はなくなってしまったが、ミミ役のマドンナ和美ちゃんは健在。仕事帰りに顔を出してくれて賑やかな会となった。

この日、帰りのタクシーの運転手さんがずいぶんと話好きで、というよりも落語の小話を突然始めたのには驚いた。
それが滅法面白く、色っぽい小話で車中でヒーヒーと笑い転げてしまった。

ひと晩寝てしまったらその内容はほとんど忘れてしまい。ヒビの入った肋骨の痛みのみが残っている。あぁ・・・。

そして本日通院のため溜まった代休を取り一日休みのつもり。が結局、急ぎの仕事が入り診察終了後職場へ向かう。

S_p1150607 今日は20世紀フランスの作曲家、プーランクとサティのピアノ曲を優れたピアニストでもあったプーランク自身のピアノで聴く。

米オディッセイのモノラルLPで、プーランクの「フランス組曲」やサティのジムノペディ、サラバンドなどなど。

プーランクが弾くとサティの曲にもほんのりとした艶っぽい色気が漂う。
自作の演奏もお洒落で素敵な演奏だ。

Youtubeはサティのシャンソン「ジェ・トゥ・ヴ」

 

 

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2011年1月16日 (日)

ハイドン、ボッケリーニのチェロ協奏曲

昨日、インフルエンザの予防接種をやった個所が赤く腫れてどうも痛い。頭が重いのは事故の後遺症かしらん。
本日一日お仕事。

S_p1160622 今日は古典派のチェロ協奏曲からハイドンとボッケリーニの作品。

演奏は、カザルスの一番弟子にしてボザールトリオの初代チェロ奏者バーナード・グリーンハウスのソロに、ジョセヴォビッツ指揮のウィーン室内管弦楽団のコンサートホールレーベルのLP.
昨年、渋谷のレコファンの100円均一コーナーでゴミのように扱われていたもの。

曲はハイドンがニ長調、ボッケリーニが変ロ長調の協奏曲。
ウィーン風の情緒が漂うゆったりしたテンポにグリーンハウスの渋い音色が実に良い。
これは隠れた名盤と言ってよいと思う。
http://cello.jp/cellist/casals/int.html

youtubeはハイドンのハ長調のチェロ協奏曲

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2011年1月15日 (土)

ヘンデル、木管楽器のためのソナタ全集

寒波到来、終日曇りで気温は上がらず。
新型インフルエンザの流行が始まっているということで、娘を連れて予防接種に行くことした。
かかりつけの病院に電話したところ既にワクチンが終わってしまったということでだめ。

「しまった!出遅れた。」

ダメ元で以前行ったことのある隣町の病院に電話すると、やってくれるということでとにかく娘を連れて行くとマスクをした患者達で凄い混みようだ。一時間以上待ちますという話。

見ているだけで風邪を移されそうなので、とにかく受付を済ませ一度家に帰ることにした。

26bfa6fc29de88b6ee2ec01028ad687b_2 予防接種が終わったのは結局お昼時。ついでなので家内を呼び出し、この病院の近くの「街道ラーメン」でお昼を摂ることにした。

お店は混んでいて我々が入ってちょうど満席。次からの客は寒風吹きすさぶ中、外で待つことになってしまった。
ここのラーメンは好きな味で、特に今東京に居る上の娘のお気に入り。

さほど人気店でもないのだがこんなに混むのも珍しい。
お店を出ようとすると、23日で店を閉めることになりましたとの張り紙に気が付いた。どうやら隠れたファンが食べ納めに来店していたようだ。

S_p1010005 今日は、ヘンデルの木管楽器のためのソナタ全集LP3枚組を黙々と聴いた。演奏はフランス・ブリュッヘンがブロックフレーテとフラウト・トラヴェルソを吹いている70年代のSEONのLP。

続けて聴いていると眠気に襲われる瞬間もあるが、やはりこの曲集の代表的な名盤だ。
Youtubeはヘンデルのリコーダーソナタ

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2011年1月13日 (木)

今年の初練習、モーツァルト初見

S_img 本日他の部署からの相談の対応で半日を費やす。自分の周りに火が点いている状態の今、とても余裕はないのだが、かつての上司直々の頼みなので断るに断れない。

今日は沼響の練習日。実は初練習は先週だったのだが、交通事故の影響でとてもホルンを吹ける状態ではなかった。

今日も体調は万全ではなく参加するか否か迷ったのだが、リハビリのつもりで出席することにした。

多少遅れていくと、練習会場外の廊下で数人が自分をまじまじと上から下まで見ている。どうやらよほど重症だと思っていたらしい。

曲は、5月の定演の曲で、モーツァルトのピアノ協奏曲第17番。
20番以降のコンチェルトに比べ知名度は低いが、洗練された愛らしいメロディと天才的な転調の妙で、なかなか奥深い名曲。第3楽章の変奏曲などかなり練習し応えのある曲だ。

そして後半は前プロとなった序曲「レオノーレ」第3番の練習。

今年は独墺系大作曲家の洗練されたプログラムとなった。

さすがにまだ本調子でないのが吹いていて判る。
特にフォルテを無理に吹くと、ヒビの入ったロッコツが共鳴して震えているのが良くわかる。

こんな経験は初めてだ。恐ろしくなって後半はほとんどサボって吹いていた。

昨年の「第九」のDVDが出来上がった。

あらためて聴いてみると、確かにキズはあるものの、端正でまとまった良い演奏だったことを改めて確認。
オケは小泉先生の指揮に良く反応しているしバランスも良い。
第4楽章終盤などなかなか感動的だ。

Youtubeは、バーンスタインの弾き振りで、モーツァルトの17番のコンチェルト

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2011年1月11日 (火)

フィエルシュタートのチャイコフスキー

底冷えのする一日。正月がもう遙か過去のように感じる多忙な毎日の開始。
とはいえ無理をせず早めに定時退社とする。

P1010006 今日はノルウェーの指揮者、エルヴィン・フィエルシュタートのチャイコフスキーの交響曲第4番を聴く。

フィエルシュタートは、その活動の場がほとんどノルウェー国内に限られていたのでメジャーレーベルへの録音は少ない。
DECCAに残した「ペール・ギュント」が比較的知られた録音だろう。

かつてブラームスの交響曲第3番の聴き比べをしたときに、フィエルシュタートの演奏を聴いて、精神的な厳しさと品格漂う演奏に非常に感心した覚えがある。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/bra3.cgi

このチャイコフスキーはEMI系の廉価盤レーベルMFPへの録音で、オケはナショナルユースオケ。
いわゆるプロのオケではなくその上ライヴ録音なので、アンサンブルがバラケたりソロに危ない個所はあるもののなかなかよくまとめた演奏だ。
オケのメンバーの熱い思いがストレートに伝わるのが良い。

P1010008 フィエルシュタートでもう一枚。RCAのグランプリクラシカルシリーズのLPで、モーツァルトの交響曲第40番とハイドンの「驚愕」との組み合わせ。
オケはフィエルシュタートが育て上げたオスロフィル。

古典的にして高貴なる演奏。オケの質朴にして渋い響きがフィエルシュタートの誠実さに実に良く合っている。

P1010008_2 そして「ペール・ギュント」抜粋。こちらのオケはロンドン響。

あぁ、いいなぁ・・・・・最初の前奏曲からして他の演奏とは一線を画す出来。
単にお国ものといった範疇を超えた貫録の名演。

Youtubeはパーシー・グレンジャーの弾くピアノ版「ペール・ギュント」

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2011年1月10日 (月)

ジョン・カルショウ著(山崎浩太郎訳)「ニーベルングの指輪」

正月気分冷めやらぬ中での連休。
昨日は強風が吹き荒れ、本日行われる予定のどんどん焼きは昨日内に早々と中止が決まったが、今日は風もなく良い天気だった。

今日は、母方の遠い親戚のお通夜が入り母と叔母を車で斎場まで送る。
斎場が妻の実家に近いので、通夜が終わるまでの間夕飯をご馳走になりながら岳父と歓談。
Ring 未だ体調は万全ではないので外出は控えこの二日間はほとんど家の中。
ジョン・カルショウ著(山崎浩太郎訳)「ニーベルングの指輪」などを読んで過ごしている。

ワーグナーの大作「ニーベルングの指輪」初の全曲スタジオ録音となったショルティ指揮ウィーンフィルの録音の全記録をプロデューサー、ジョン・カルショウが書き記した「リング・リザウンディング」の全訳。
1968年に発売されたショルティの「リング」全曲盤国内盤セットに、付録として黒田恭一氏の訳が添えられていた名著の待望の新訳だ。

未だ読了していないが、期待に違わぬ面白さ。
最近音楽書の類はほとんど読まなくなったが、久しぶりに興奮しながら読んでいる。

伝説的なホルン奏者ローランド・ベルガーのあの見事はジークフリートコールの演奏は、ビールを数本飲んだ後に録音されていただったとは。

P1010007 この二日でいろいろと聴いたが、今日は静かに「ギヨーム・デユファイと15世紀の音楽」。

テルツ少年合唱団にコレギウム・アウレウム合奏団によるハルモニアムンディ原盤によるテイチクの国内盤LP.
ソプラノはエリー・アメリンク。

Youtubeはその「リング」の録音風景

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2011年1月 8日 (土)

おめでとう!西郷名人、競技かるた名人戦13連覇達成!!

Jingu_zenkei 正月恒例の競技かるた名人位決定戦が、本日近江神宮でおこなわれた。
http://www.nhk.or.jp/otsu/karuta/index.html#sokuhou

 


Img_news 今回13連覇に挑む西郷直樹名人の義父は、ボエームの会のメンバーのお一人にして自分も西郷名人ともお会いしたこともあり、今日は朝からドキドキ。

されど悲しいかな今日は出勤しなければならず、BSで放送される実況生中継は見ることができない。

急いで帰宅してテレビをつけると、ちょうど第4戦の半ば過ぎ、今年のゲストは今渦中の人、大桃美代子。
場面は、挑戦者の川崎六段が猛然とダッシュして連取している最中だった。

うーむ、これはまずい・・・名人苦戦だ。
既に2勝1敗の有利な状況とはいえ、このまま第4戦を落として第5戦に突入すると挑戦者が若いだけに名人不利なのでは・・・

と心配しているうちにテレビ中継はあえなく時間切れで別の番組に切り替わってしまった。

NHK大津放送局HPの実況で第4戦を1枚差で落としたことを知り、がっくりとしたもののあの中盤戦の状況から1対1まで持って行った名人の底力に驚嘆。

そして夜の大会ダイジェストの放送時間はそのまま第5戦後半の実況となる。朝の10時から、実に9時間になんなんとする激闘。

さすがに両者とも疲れが見える。

だが、大企業の中枢で働いている多忙な日常生活の中、時間をやりくりして練習を積んでいる西郷名人がじわりじわりと若い挑戦者を追い詰めていく。

私はその様子を見ていて感動しました。

おめでとう!西郷直樹名人。

Iさん、18日のボエームの会はおいしいお酒が飲めそうですね。

S_img 沼響のHPの聴き比べコラム「チャイコフスキーの5番を聴く」に、ストコフスキーの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi

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2011年1月 7日 (金)

トーレンスのベルトを替える

本日快晴、底冷えのする朝。職場で一大トラブル発生。
日頃からいろいろと問題のある職員の大チョンボ発覚で一日対応に追われる。

S_p1010007 このところトーレンスのレコードプレーヤーの音がユルくなったような気がする。
年末から非常に気になったのでターンテーブルのベルトを替えてみた。
今ではネット上で純正品が手軽に見つかるのがありがたい。

注文から3日ほどで本日到着。

Img57079311 さっそく替えてみて吃驚、音の立ち上がり、静けさなどまるで別物だ。
こんなに変わるとは思わなかった。それほどアナログはデリケートだということだろう。

さっそく聴いたのは、数年前にご近所のおばぁさんにいただいた河出書房の名曲全集から、スヴェトラーノフのボロディンの交響曲第2番とグリンカの「カマリンスカヤ」。

S_p1010008 男性的にして荒削りな豪演。60年代の大味なメロディア録音だが良い音だ。

Youtubeはボロディンのノクターン

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2011年1月 6日 (木)

ミケランジェリのラヴェル

仕事開始3日目。

病休代替えの短期の契約社員が本日で期限切れとなり退職。自分の同じ年の女性だが真面目によくやってくれた。聞くと未だ次の仕事は未定とのこと。

やはり完全復調とは言えず3時過ぎくらいから辛くなってくる。昨年からの懸案事項をとにかく片づけ今日も早めに帰宅、とはいえ8時近く。

S_p1020607 夕食後に聴いたのは、ミケランジェリの弾くラヴェルのト長調のピアノ協奏曲。1957年、EMIのスタジオ録音。手持ちは英盤LP.

この曲最高の名演として著名なもの。他のピアニストとは次元の異なるクリスタルガラスのような精妙な音でピアノを自由に歌わせている。

これは全くミケランジェリ独特のものだ。 グラシス指揮フィルハーモニア管の伴奏も非常に良い。

カップリングはラフマニノフのピアノ協奏曲第4番というのがまた変わっている。

ミケランジェリは「他の曲はラフマニノフ自身の絶対的な演奏が残されている。だが、この4番だけはラフマニノフとしては不本意な録音しか残していない」といった趣旨の発言をしていたのをどこかで読んで印象に残っている。

youtubeはミケランジェリの弾くラヴェルのピアノ協奏曲ト長調第2楽章
伴奏はチェリビダッケというすごい組み合わせ

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2011年1月 5日 (水)

シベリウス、交響幻想曲「ポホヨラの娘」

昨日から仕事始め。
まずは事故直前に作りかけていた書類を再度確認するものの2週間以上のブランクに頭はボケ気味。どうも交通事故を境に記憶の一部が飛んでいるようだ。

いささか疲れて未だ年始休み中の家内に迎えにきてもらい定時退社。

本日通院の後、お昼前に職場へ到着。デスクには年始に来た業者さんの名刺がチラホラ。
午後から会議2連発、しだいに身体が仕事モードに切り替わっていくのが判る。

帰宅後聴いたのは、シベリウスの交響幻想曲「ポホヨラの娘」。

P1010009 中学時代にシベリウスの最初に買った交響曲第2番の演奏が、アンソニー・コリンズ指揮のロンドンエクリプス盤のLPで、そのLPにカップリングされていたのがこの曲。

知名度は低いがシベリウスの曲としては珍しく、コルネット2本、トランペット2本と3管の大編成でハープ付き。

P1010007 フィンランドの民族叙事詩の英雄ワイナモイネンがポヒョラに住む乙女に急愛する物語を音化したもの。
ポヒョラの乙女が結婚の条件とした3つの謎をワイナモイネンが解いていくといった「トゥーランドット」のような筋書き。

こちらは3つめの謎解きの際に年老いたワイナモイネンの手元が狂い、斧で自分の膝を割ってしまい負傷して求婚に失敗するというオマヌケな結末が「トゥーランドット」とは異なるが、さながらR.シュトラウスの交響詩を彷彿させる雄大な曲想で好きな曲だ。

P1010006 今日はイギリスの指揮者サージェント指揮のBBC響の演奏でスコアを見ながら聴く。
幾重にも分割された弦楽器パートに木管とブラスが複雑に絡み合う難曲。

男性的で荒削りなブラスの咆哮に、ときおりホロッとさせるような優しさを聴かせるサージェントの演奏は実に見事なもの。
後半のクライマックスでの天駆けるホルンの響きには興奮させられる。

Youtubeは北欧各国の音楽学校の学生の混成オケによる「ポホヨラの娘」

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2011年1月 3日 (月)

復活、小澤征爾

正月休みも今日で終わり、とはいえ先月の18日に事故に遭ってから28日に一度職場に顔を出したのを除けば15日間も休んでしまった。

だが最初の10日間は痛みが気になり、このまとまった休みも感覚的には短かったというのが正直なところ。

2011010213450000 午前中は畑に行き、たわわに実ったレモンを収穫、その後近くの氏神である楊原神社と吉田神社へ家族と初詣。

楊原神社は今では小さなローカル神社といった風情だが、遠く10世紀まで遡る古社。http://www.d3.dion.ne.jp/~stan/kasi/ksz_yhr1.htm

2011010311030000  横に並ぶ吉田神社は、幕末のコレラ流行時に京都の吉田神社から分社したもの。創建にはご先祖も係わり現在の社殿の建築には亡き父も加わった。

正月も3日となれば初詣する人も少なく、境内横の公園では子供が5,6人遊んでいる。

社務所でおみくじを引くと小吉。さて今年はどんな年になるのやら。

夜、NHKのテレビで小澤征爾のドキュメントをやっていた。
http://www.nhk.or.jp/classic-blog/100/58027.html

昨年9月のサイトウキネンフェスティバルでのチャイコフスキーの「弦楽セレナーデ」第1楽章。これが鬼気迫るまさに入魂の演奏。

この時は持病の腰痛のために10分しか指揮できなかったが、12月には復調しカーネギーホールでブラームスの交響曲第1番を演奏している。
番組の最後に一部が放送されたこのブラームスも凄かった。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20101217-00000015-cdj-musi

youtubeは、そのカーネギーホールでのブラームス、ホルントップはあのバボラークだ。





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2011年1月 2日 (日)

謹賀新年、ウエルザー=メストのニューイヤーコンサート

年が明け、無事に正月を迎えられたことに感謝。

2011010106230001 元日の朝、娘たちはは珍しくも初日の出を見にいくために5時前起床、裏山に続く標高236メートルの沼津アルプスの徳倉山山頂へと登って行った。

休みとなるとグダグダとお昼近くまで寝ている二人だけにこれには驚いた。
2011010107010000 山頂には、東京から来たという夫婦がテントを張って大晦日から泊まって初日の出を待っていたという。

元日の朝は、弟の家族と一緒に皆で記念撮影の後朝食、昼からは親戚を回りながら家内の実家で夕食。
胸と腰は痛むがいつもと変わらぬ正月を過ごしている。

初詣は医者に長時間歩くのを止められているのでパス。昼間からの酒は良く回る。岳父と飲んでいるうちにウトウトと眠ってしまった。

帰宅してテレビを点けると、ちょうどウィーンフィルのニューイヤーコンサートのアンコール「美しく青きドナウ」をやっていた。

Images 指揮は昨年、サロネンの代役としてウィーンフィルの来日公演を振ったフランツ・ウエルザー=メスト。彼は2010年からウィーン国立歌劇場の音楽総監督に就任している。

92年にロンドンフィルと来日した時は、多少はにかんだようなシャイな表情が印象的だった自分と同世代のウエルザー=メストも今や50代。

「美しく青きドナウ」とラデツキー行進曲の2曲しか聴いていないが、着実に独墺系正統派指揮者としての王道を歩んでいる印象を持った。

そして本日正月二日、家内は娘たちと実家の母、そしてこちらの母と5人で来年成人式を迎える上の娘の晴れ着を見に行くために外出。

自分は、暮れに高級牛肉を食わせたらすっかり復調した愛犬ポチと一緒に静かにお留守番。

S_p1020606 クリップス指揮ロイヤルフィルのハイドン、交響曲第104番「ロンドン」などを聴いていた。

Youtubeはフランツ・ウエルザー=メスト指揮ウィーンフィルでハイドンの98番の交響曲

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