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2011年5月に作成された記事

2011年5月31日 (火)

チャイコフスキー、「偉大な芸術家の思い出のために」

梅雨の合間のつかの間の晴れの一日。
部署が変わって早二ヶ月。仕事の内容、周りの環境が大幅に変化し、3月以前の仕事ははるか過去の出来事のような感覚。

今日、2週間ほど岩手の被災地に仕事で行っていた、3月まで一緒に仕事をしていたかつての部下から現地の模様を聞いた。

粉塵舞う一面に茶色と化した世界、その中を自衛隊のトラックが瓦礫を積んで何度も通過していく。絶えず響く重機の音。廃墟と化した小学校の玄関先には花束が手向けられている。
そして暗い会場でダンボールを切って作られた整理券をにぎりしめ、義捐金申請の順番をじっと待つ疲れ切った被災者たち。休みも取らずに黙々と仕事をしている多くの同僚を失った町役場の人々。電気は復旧しているものの電圧が低く壊れてしまったコピー機。

新聞やテレビでは伝わらない生々しい現実。涙を溜めながら話す彼の一言一言が実に重い。
被災地の方々が、日常の生活に戻れる日が一日でも早く来ることを祈りたい。

いつもと変わらぬ我が家に帰宅し、テレビから流れる内閣不信任案のニュースを見て暗澹たる気持ちとなる。

今はこんなことをやっている場合ではないだろうが。

P1010016 今日聴いたのは、チャイコフスキーのピアノトリオ「偉大な芸術家の思い出のために」。
旧友ニコライ・ルービンシュタインを追悼して作曲された曲。
スークトリオの演奏。スプラフォンへの旧録音。

P1010013 沼響のHPの聴き比べコラム「ラインを聴く」にシューリヒトの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/rhein.cgi

Youtubeはそのチャイコフスキーのピアノトリオイ短調

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2011年5月29日 (日)

定演終わる2011

第27回定演無事に終わる。
昨日は叔父の葬儀と重なり、朝早くに斎場に行き出棺の儀、火葬に立ち会い、親戚にお詫びの挨拶の後黒ネクタイをはずしそのままゲネプロに参加。

朝から雨。

「ライン」「レオノーレ」両方ともに出来が金曜とは格段の違い。やはり本番当日の緊張感が良い方向に向かっているようだ。コンチェルトの木管のバランスも良い。

あいにくの雨、しかも小ホールでは下の娘の通う高校吹奏楽部の定期演奏会と重なり駐車場は早くに満車状態。

そして開場時間が迫った頃にホールロビーでお客様を迎える。
開場30分以上前から開場を待つお客様達の長蛇の列。

いつもありがたいことです。

開場となってしばらくしても入場の列は途切れない。自分がチケットを売っていない職場の人間も意外に多い。やはり地元出身の海瀬京子さんの効果は大きいようだ。

自分は前半が降り番なので前半出番のインスペクターに変わりステマネ。

27thcon 今回は東日本大震災の犠牲者を追悼し最初にバッハの「アリア」を演奏した。静寂、そして黙祷のあといよいよ最初の「レオノーレ」序曲第3番が始まる。
ステージ横で待機し、指揮の横島先生を舞台へ見送る。

そして最初の緊張感に満ちたGの音が轟然と鳴り響く。まさにベートーヴェンの音、良い出来だ。

だがノンキに演奏を聴いている場合ではなく、この曲で活躍する舞台裏のトランペット奏者用のモニター確認と異動を行い、楽屋へ本日のソリスト海瀬京子さんを迎えに行く。
楽屋の京子さんは5年前とは異なり余裕の表情。

序曲が終り、ピアノのセット時に自分は指揮台にモーツァルトのスコアを置き、横島先生と海瀬さんを舞台に送り出す。

そしてピアノ協奏曲第17番。

外は雨ながら響きは湿っぽくなく爽やかな響き、音楽の流れに気持ち良く乗っている。
舞台の雰囲気を楽しみながら弾いている京子さんの、透明度の高い美しいピアノの音色と明るく屈託のないモーツァルトの世界に会場が酔っている。
アンコールはリストの「愛の夢」。お客さんの穏やかな表情がなんとも嬉しい。

後半はメインの「ライン」。

沼響の演奏会に、ここ数年いつも最前列真ん中に座って聴いている男性がいる。
ステージに上がり、今回もいつもの席に自分と同年輩の眼鏡をかけたその男性を見つけ嬉しい気分。最近その方の表情の変化で演奏の出来具合が判るようになってきた。

「ライン」の最初から嬉しそうに聴いている彼の表情を、吹きながら見ているうちに自分も楽しくなってきた。皆も気合が入り前半の緊張感そのままの良い出来だ。
第一楽章終了時に拍手が入ったが、多くの人が曲を知らなかったこともあるものの、演奏が良かったからだと思いたい。

終演後の打ち上げは最後まで残り、〆の挨拶を頼まれたものの酔っていて何を話したのか記憶になし。

今年も演奏会に楽しく参加できたことに感謝。

Youtubeはエッシェンバッハ指揮の「ライン」

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2011年5月27日 (金)

明日は本番

明日は本番。

今週後半は雨が続き本日梅雨入り。日曜以降に台風接近の模様。第20回定演は台風直撃だった。今回も危ないところだったが明日の夜は雷を伴う激しい雨だという。

沼響定演は雨が多い。

今週は夜の行事が多く、水曜夜は前部署の県内同業仲間有志と沼津駅前「ライオン」での会食。

2011052517450000 自分は4月で他部門へ異動となってしまったので自然とオブザーバーのような形だが、近況報告などを交えながらの楽しい酒席。組織は異なれど悩み所はどこも同じ。
時間調整で沼津駅前の「イーラde」に寄ってみたら「フジ子・ヘミング版画展」のポスターを発見。http://www.e-ra-de.com/whatsnew.html

そして昨日木曜は海瀬京子さんとのコンチェルト合わせ2回目。帰宅後、雨の中会場の市民文化センター大ホールへ。

仕上がりは上々だが、オケ全体の反応の重さが多少気になる。モーツァルトらしい軽やかさが今一つ欲しいところ。特に第2楽章の音楽表現が難しい。
2011052620080000 第3楽章終盤のプレスト突入寸前の移行部分などかなりうまくなった部分はあるのだが。

音のパレットと表現の幅が広がった京子さんのピアノは、安心してモーツァルトの美しさに浸ることができるもの。

そして本日の練習は「レオノーレ」と「ライン」。

5月27日は横島先生の誕生日のため、最初に先生に内緒で皆で「ハッピバースデー」大合奏のサプライズあり。

降り番の「レオノーレ」は、舞台裏のラッパ奏者のモニター調整やら会場の響きを聴いたりと黒子に徹する。細かな部分は言いたいことはあるが、ベートーヴェンの壮大さは十分に出ている。弦楽器を少し前に出しただけで響きが大幅改善。

2011052719540000 沼津のホールはバランスを取るのが難しい。

そして「ライン」。やはり練習が進むにつれ難しさが見えてくる恐ろしい曲だ。楽章によって未だ完成度のばらつき有り。

特に第3楽章は歌曲をそのままオーケストラに移したとも言える曲だが、多くの楽器に移りゆく一本の旋律が一つの実体として響いていない。
皆、曲の本質が判っていないようだ。

自分のホルンは第1楽章は快調に飛ばしたものの、席を多少後ろにずらせてから響きが大幅に変わり、調子が狂い第4楽章半ばで完全に落ちるダイチョンボ有り。

本番じゃなくてよかった。(^^;

明日本番の集中力に期待しよう。

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2011年5月24日 (火)

モンテヴェルディのオルフェオ

気温は今日も低く朝から雨。

仙台で被災した叔母から連絡が入り、結局仙台を引き払い埼玉の従姉と同じマンションに住むことになったとのこと。
さほど被害のなかった叔母でさえこのような仕儀。

2011052420460000 同じ埼玉で学生生活を送っている娘からメールが入った。「これ地震雲?、飛行機は飛んでいなかったし灰色だった。」

巷でよく言われる地震雲についてはよく判らない。
原発騒ぎが未だ収束せず、政治も解決の道を見出せず混乱状態。

人々の心の中に言いようのない不安が澱のように沈殿してきているようだ。

032 今日は、バロック初期の大家モンテヴェルディ最初のオペラ「オルフェオ」を聴く。
BRILIANTから出ているアドホックアンサンブルのCD2枚組。

最も古いオペラのひとつとされるこの曲の手持ちの全曲盤はこの録音のみだが、古楽器の典雅が響きも美しく、演奏、録音とも不満は感じていない。

Youtubeは「オルフェオ」の舞台から

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2011年5月23日 (月)

チェリビダッケのドビュッシーとルーセル

新たな週はどんより曇った朝。5月も下旬とはいえ肌寒いほど。
心配した風邪をひくこともなく二日の休みで体調はほぼ正常となったが、この寒さでは油断はできない。午後から雨。

P1010011 今日はチェリビダッケのドビュッシーとルーセルの「小組曲」。オケはベルリン放送響、1945録音。

ウエルナー・エックの「フランス組曲」自演とセバスチアンが振ったマスネの「エスパダ」とのカップリングの米ヴァレーズサラバンドのLP。
これは50年代にウラニアから発売されていた録音からフランス物ばかりを集めたもの。

未だ録音を拒否していなかった頃のチェリビダッケ若き日の珍しい演奏。
ベルリンフィルを率いていた頃のウキウキとした上昇気分がそのまま演奏に顕れているのが面白い。

P1010011_2 そしてもう一枚は、シュタルケルの弾くブラームスのチェロソナタ集から第3番。エラートへの59年の録音でピアノはシェベックが弾いている。

柔らかなエラートの録音がシュタルケルの先鋭さをスポイルしているが、ブラームスならばこれも良いかもしれない。

S_img 沼響のHPの聴き比べ「ラインを聴く」にトスカニーニの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/rhein.cgi

Youtubeはチェリビダッケのドビュッシー「夜想曲」

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2011年5月22日 (日)

フルトヴェングラーのラヴェル

曇り夕方から一時雨。湿度が高く蒸し暑い一日。

今日は昼前から隣家の法事。場所は沼津港近くの妙覚寺。
http://tryu.cocolog-nifty.com/photos/temple/photo_12.html

2011052210280000 井上靖が旧制沼津中学時代に下宿していたことで知られる古刹で、境内にはそのころの井上靖の自伝的小説「夏草冬濤」にちなんだ文学碑が鎮座している。

会食は沼津港近くの「千本一」http://homepage2.nifty.com/koaji/shokujitokoro/numazu/senbonichi.htm

日曜の沼津港付近は関東圏からの車で賑わう場所。あい変らず混みようだが、震災以降、最盛期ほどの人出はないようだ。

ほど良い酔い加減、家に帰り横になるとそのまま気持ち良い眠りの世界へ。

マグロのように横になっていると、ぞくっとした寒気で目が覚める。
窓の外では雨。

これはまずい!風邪をひきそうだ。土曜日は沼響の本番が待っている。

P1010009 酔いも醒め、聴いたのはフルトヴェングラーのラヴェル「優雅で感傷的なワルツ」。
1953年4月、北西独逸放送局収録のリハーサル風景から。

出所不明のプライベートLPで、GMV10Sの番号。
同じフルトヴェングラーで、グルックの「アウリスのイフィゲニア」序曲本番と「レオノーレ」序曲第2番のリハーサル。
そしてクナッパーツブッシュ指揮のレスピーギ「リュートのための古風な舞曲とアリア」第2番というレア音源を集めたもの。

ベートーヴェンなどの独逸音楽に神の如き演奏を聴かせたフルトヴェングラーには珍しいラヴェル。

濃厚なロマンティシズムと官能の世界、一度聴いたら忘れそうもないほどの良い演奏だ。フルトヴェングラーが嬉々としてリハーサルを付けている様子も非常に面白い。

リハーサル後半がほぼ全曲に近い通し演奏なのもありがたい。

Youtubeはそのフルトヴェングラーの優雅で感傷的なワルツ」

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2011年5月21日 (土)

メータの悲愴

土曜の朝、塾に行く娘を送りながら図書館で調べ物。
帰りには塾帰りの娘を車に乗せ、家の近くに引っ越してきた「街道ラーメン」で昼食。
http://shizumen.jp/posts/2915.html

このお店、清水町にあった頃からの贔屓の店で、新しい店になって多少広くなった。店内は土曜と言うこともあり家族連れが2組とおっさん二人組。

ここで牛すじ味噌ラーメンと餃子を注文。肉好きの娘は豚角煮ラーメン。
味は移転前と変わらず素直でくどくないさっぱり味が良い。

この自分が家を空けていた間に、町内会の津波の避難場所を確認する催しが再びあったらしい。

完全に忘れていた。

避難地は自宅の裏の山で、登り口のフェンスの鍵が家にあるのだが、家内は美容院で留守、たまたま家に居た母が山登りに駆り出されてしまっていた。

帰宅後、昨晩のディスクコンサートで重量級のアンプを持ちあげたためか、腰が痛み始めた。しかも頭も重い。
一週間の疲労がここで一挙に噴き出したようだ。

P1010010 こんな中で聴いたのはロスフィル時代のメータの「悲愴」。

端正できっちりオケも優秀。あまり評判になることもない演奏だが
チャイコフスキーのスコアを忠実に再現した正統派の名演。
P1010007 もう一枚、アルノンクール指揮のバッハのヴァイオリン協奏曲集を聴き始めたが、睡魔に襲われ記憶は全くなし。

Youtubeはメータ指揮のバルトーク「中国の不思議な役人」

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2011年5月20日 (金)

本日の練習、ソリスト合わせ

ハードな週末もようやくゴール。昨日木曜は三重へ日帰り出張が入り、午前中の現地での打ち合わせに間に合わせるために午前3時に車で沼津出発。

本来なら前泊したいところだが、職場を空けられずやむなく早朝出発。
5月とはいえ満天の星がまたたく丑三つ時は未だ肌寒い。
運転手役の若い者も心なしか顔が青白い。

明け方早くの高速道路は長距離トラックの跋扈する世界。上り車線のトラックが異様に多いのは災害復興物資を運んでいるのだろうか。

O0240028811142943088 浜名湖付近で夜は白み太平洋上には大きな満月が輝いている。伊勢路に入り道の駅と間違えて入ったドライブインの朝定食180円。こりゃ安い。

目的地には8時着。昼までには所用を済ませ再び車中の人に。
四日市JC付近で工事渋滞に捕まり沼津オフィス到着は午後5時ジャスト。

このまま定時退社と行きたいところだが、そのまま夜の会議へ突入。
9時過ぎを覚悟していたが、予想外に会議は早く終わりおっとり刀で沼津市民文化センターへ車を飛ばす。
27thcon 水曜に帰国したばかりピアニストの海瀬京子さんとの初合わせに何とか間に合いそうだ。

ホール到着は午後9時15分前、演奏はちょうど第3楽章後半。
京子さんのご両親の隣で演奏を聴く。モーツァルトの穏やかなメロディに疲労が次第に溶けて行く。

時差ボケも物とせず、京子さんのピアノは堂々たるもの。オケもだいぶモーツァルトらしくなってきた。
2011051920460000 だがフィナーレのプレストがいまだしっくりいかない。
ソリストとオケのテンポ感が噛み合わない。
だが今回は初合わせなので、このくらいは良しとしよう。

終了後京子さんと再会の挨拶後帰宅。

長い一日が終り早めに寝るつもりが結局、午前零時過ぎ就寝。
ところが何故か午前3時に突然目が覚める。体のリズムが完全に狂ってしまった。

そして今日の夜は同じ市民文化センターで、ディスクコンサートの解説。
仕事を早めに切り上げ、視聴覚室で調整に入る。

今回はアンプ造り名人の現在の上司から30キロ手作り超ド級真空管アンプを借りて接続。
さすがに凄い音でJBLの4343が良く鳴る。

今回の曲目に、沼響定演曲目のモーツァルトのピアノ協奏曲第17番も入れておいたので、休憩時間に来場のお客さん達に海瀬京子さんの紹介と定演もコマーシャル。
実際に曲を聴いた後だけに皆さん非常に興味を示してくれた。
文化センターの職員によると、ホールに置いてある沼響のチラシは全部なくなってしまいましたのこと。

他にベネスエラの指揮者、ドゥダメルの演奏を中心に紹介。
生きの良いパンチの効いた演奏で会場も湧いてまずは成功。
中身の濃い二日間で三日分の仕事をした気分、この週末で体調を整えねば。

Youtubeはドゥダメル指揮のマーラー「巨人」

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2011年5月17日 (火)

バルトークのミクロコスモス

晴れのち夕方から雷を伴った雨。
今週末は木曜に三重への日帰り出張があり、その晩に大きな会議。そして金曜は市主催のディスクコンサートの解説、とかなりハードになりそうだ。
おまけに日曜は今月2度目の法事。

とりわけ木曜日のオケの練習に行けないのが辛い。この日は水曜に独逸から帰国するソリストの海瀬京子さんとの初合わせなのだ。

P1010013 今日は先日ブックオフで見つけたバルトークの「ミクロコスモス」の楽譜を眺めながら、シャーンドルの演奏で聴いている。

正直なところこの曲集の最初の部分は、ピアノを始めたばかりの初心者を対象に書かれているだけに、あまりにも単調で観賞用としては辛い。

だが譜面を見ながら聴いていると、さすがにバイエルとは異なり音の動きに現代風のひねりがあって面白い。
対位法的なもの、無調、さまざまな旋法を駆使した曲の数々。20番を超えたあたりから聴いていて楽しくなってきた。

P1010007 バルトークの友人であったシャーンドルのピアノも含蓄がある演奏で良い。
2台のピアノのための作品は、二つのピアノが左右に極端に別れて録音されている多重録音のようだ。
P1010012 そしてもう一枚は、「ビル・エヴァンス アット・シェリーズ・マン・ホール」。1963年ハリウッドのシェリーズ・マン・ホールのライヴ。

グラス片手でほろ酔い気分できくには最適のアルバム。
P1010009 P1010010 沼響のHPの聴き比べ「ラインを聴く」にワルターの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/rhein.cgi

Youtubeはバルトークの「ルーマニア民族舞曲」

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2011年5月15日 (日)

日曜日はオーケストラ

計画避難のニュースが流れる中、福島原発1号機は震災翌日にメルトダウンを起こしていた。
やっぱり・・
行程表は見直しだという。
想定される最悪の状況からあえて目を逸らせて対応策を立案しているのだろう。
これでは太平洋戦争中に、自分達の都合の良いように相手の動きを想定して作戦を立案していた日本陸海軍と同じではないか。

このような中、昨日に引き続き朝から畑作業そして午後はオケの練習、今のところ充実した日曜日を過ごすことができていることに感謝する。

2011051514490000 定演まであと2週間を切り、昨晩はピアノコンチェルト、本日午前中から弦分奏、いよいよラストスパートに入る。
自分はコンチェルトは降り番なので今日の午後からの参加。

場所は沼津市民文化センター小ホール。大ホールではバレーの発表会。
今日初めてシューマンを全曲通す。

後ろの反響板を下ろしていないので、ホルンの音が拡散して良く聞こえない。自然と体に力が入り過ぎとなり全曲通した後に大きな疲労感。
全休止の第3楽章の間客席で観戦する。
最初戸惑いがちだったオケの面々は、練習を重ね曲の面白みが判ってきた様子。午前中の練習の成果で弦セクションがよく鳴っている。
だが連日の畑作業の疲れが出て客席で寝入ってしまい自分の鼾で目が覚める。

P1010010 今日の夜はドニゼッティのオペラ「マンメルモールのルチア」ハイライトを聴く。
伊チェトラ原盤の米国製LPで未聴だったもの。
数年前にヤフオクで数十枚まとめて落とした中に入っていたLP.

リナ・パリウーギのルチアにウーゴ・タンシーニ指揮のトリノのオケと合唱団その他によるもの。1939年録音。

現在NMLで全曲を聴くこともできる。
http://ml.naxos.jp/album/8.110150-51

マリア・カラスの登場までは典型的はルチア歌いだったというイタリアを代表するコロラトゥーラ・ソプラノ、パリウーギの全盛期の録音。

時代を感じさせる甘い歌声だが、このような軽い歌声もたまには良いものだ。
Youtubeはハーディング指揮の「ライン」第五楽章

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2011年5月14日 (土)

ベルティーニのマーラー、交響曲第4番

本日休み、天気も良くさほど気温も上がらず朝から畑で汗を流す健康的な一日。

今日はトマトとサツマイモの苗を植えた。

植えながら畑に捨てられている空き缶を排除していく。
畑は我が家から歩いて1分の至近距離だが、周りがほとんど住宅や駐車場になってしまい最近空き缶を捨てていく人が増えてきた。
どうやら通りすがりの人が投げて行くようだ。

S_p5100653_2 S_p5100652 正午の時報の放送を合図に畑作業を止め、先日町内の皆さんの奉仕作業できれいに整備された自宅裏山の津波避難場所に行ってみた。

中腹の空き地には、雑草を排除したので、太平洋戦争中に高射砲陣地だった跡にあった水槽が現れている。
戦時中、毎日朝になると家の井戸から若い兵隊さんが山へ水を汲み上げていたという、父の話を思い出した。

795 今日は、イスラエルの指揮者、ガリー・ベルティーニの振るマーラーの交響曲第4番のライヴを聴く。

Weitblickから出ている2004年のライヴで、1973年の第6番とのカプリング。
オケはベルリン・ドイツ響というもの。

これは凄い演奏だ。

ライヴとはいえ緻密で隙のない完成度の高さはいつものベルティーニだが、全てが浄化されたような澄み切った抒情漂う神秘的な第3楽章、フォルティシモでのオケの荘厳なまでの圧倒的響きは感動的だ。

Youtubeはベルティーニ指揮の「ラ・ヴァルス」

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2011年5月12日 (木)

プラッソンのラヴェル

昨晩からの雨はそのまま夜まで止まず。終日雨。

定演も近くなった。当日のプログラムの曲目解説も印刷に出し、いよいよ本番モードに突入だ。

しかし予期せぬ仕事が入りつつあり、来週の海瀬京子さんの久しぶりのオケ合わせの日には夜の打ち合わせが入ってしまった。 楽しみにしていただけにこれはがっくり。

2011051219420000 そして今日はオケの練習日。本番間近となり横島先生の指揮で市民文化センター大ホールでの練習。

会場に着くと、「レオノーレ」序曲第3番のちょうど舞台裏からのトランペットのファンファーレの場面だった。

「レオノーレ」は降り番なので、トランペット奏者に声をかけ、そのまま客席へ。オケ全体がいよいよベートヴェンらしい響きになってきた。

続く「ライン」は5楽章から始まり、2,3楽章の練習。

曲の面白さと深さがようやく皆もわかり始めたようだ。

それにしても・・・うーむ、ショパン的な抒情漂う第3楽章は難しい。

S_img_0002 帰宅後聴いたのは。フランスの指揮者M.プラッソン指揮トウルーズ・キャピタル管によるラヴェルの管弦楽曲集。

ホルンソロ客演に名手ヴェスコーヴォを呼んだ異色のCD。

演奏は、「ボレロ」「ラ・ヴァルス」といった曲よりも、「亡き王女のためのパヴァーヌ」「マ・メールロア」などの方がプラッソンにあっているように思う。
「マ・メールロア」の終曲など感動的な演奏だ。

youtubeは「マ・メールロア」から終曲、チョン・ミョンフムの指揮

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2011年5月10日 (火)

トルトウリエの「フレンチ・インプレッションズ」

本日、5月だというのに静岡市の最高気温32℃也。
今年も昨年並みの猛暑になるのかと想像しげんなりする。

浜岡原発の停止が決まり、電力不足は全国規模に波及。

福島原発事故は、今までの原発が誤った想定の上に建設されていたことを証明してしまった。
数年前に浜岡原発に見学に行った時に、説明していた担当職員が、地震が起きても緊急停止するのでダイジョーブです。と自信たっぷりに説明していたが、今はとても信用することはできない。

もし同じ規模の事故が浜岡で起きてしまったならば、東海道は封鎖となり、東海道新幹線、東名高速は使用できず、日本は完全に分断され国家そのものが危うくなってしまうだろう。
地震はいつ起こるかわからないとはいえ、この状況では停止もやむをえないと思う。

雨が強くなりはじめた。

S_img_0001 きょうはフランスの名チェリスト、ポール・トルトウリエがイギリス室内管を振ったフランス管弦楽曲集を聴く。

ドビュッシーの「小舟にて」から始まり、フォーレの「パヴァーヌ」、ピエルネ、マスネ、サティなどの小品を経てトルトウリエの自作ワルツ「ア・ラ・モード」で終わる素敵なアルバム。イギリスVirginが出していたCD.

ピエルネの「小牧神の入場」ピアノ入りの珍しいバージョン。フォーレの「エレジー」やサン・サーンスの「白鳥」はトルトウリエ自らがチェロを弾いている。

選曲も演奏も清楚で控えめ、これがすごくいい。

沼響のHPの聴き比べ「ラインを聴く」に「マーラー版について」をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/rhein.cgi

Youtubeはトルトウリエの弾くバッハ「無伴奏チェロ組曲第1番」から



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2011年5月 8日 (日)

フットリフターズ

過ごしやすい良い天気に恵まれた一日。暖房器具も片づけ、野菜の種と肥料を園芸店に買いに行く。

今年は落花生を撒いてみよう。

沼響のHPに、10年も前から定演に取り上げる曲の聴き比べレポートをコラムとして書いている。

時々読んでくれた方から、感想や問い合わせのメールをいただく。

597 なにせ古いものもあるので、今とは全然違う印象だったり明らかに誤りだったこともあり、その都度恥ずかしい思いをしている。

一昨日も6年前に書いた「新世界を聴く」を読んだ方から、クーベリックの録音でソロを吹いているクラリネット奏者について問い合わせをいただいた。
慌てて記事を読み返し再度聴き直したところ、どうもソロ奏者を間違えていたようだ。

ありがたいご指摘に感謝。

P1010012 今日は、アメリカ建国200年の年に録音された、アメリカ・マーチの100年「フットリフターズ」を聴く。

演奏は、ガンサー・シュラー指揮のコロンビア・オールスターバンドによるもの。
録音用の臨時編成バンドだが、ニューヨークフィルの首席や超一流のスタジオミュージシャンたちを集めたまさにオールスターの饗宴。

スーザなどの超有名曲だけではなく、ジョプリンやアイヴスの珍曲がまた面白い。さらに使用譜面も、当時のオリジナル譜を使用するという凝りようだ。

Youtubeはクーベリック指揮、ヤナーチェクのオペラ「イェヌーファ」前奏曲

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2011年5月 7日 (土)

グールドのバッハ、協奏曲集

ちょいと朝寝坊、本日お寺の法事で明るいうちからの酒席有り。
昼間の酒は良く回る。

今日はグレン・グールドの弾くバッハのピアノ協奏曲集から1,2番の2曲。

CBSソニーの国内盤の協奏曲全集2枚組LP.
伴奏は1番は若き日のバーンスタイン、2番はゴルシュマンがコロンビア響を振っている。

明晰にして躍動感あふれる見事なバッハ。はちきれそうな音の奔流が部屋一杯に満ち、酔いが完全に吹っ飛んだ。

Youtubeは、グールドの弾くバッハ、BWV.972のプレリュード

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2011年5月 5日 (木)

九州新幹線全線開通CM

こどもの日。最近鯉のぼりを立てる家が目に見えて減り、家の近所を見渡してもほとんど見かけなくなった。

2011050520090000 今日はオケの練習日、場所は市民文化センター大ホール。休日のため6時練習開始。

曲もだいぶ仕上がり練習が楽しくなってきた。
が、横島先生曰く「シューマンはこれからが難しい」

今朝のフジテレビの「特ダネ」で、九州新幹線全線開通CMが紹介されていた。
http://www.shuku9.com/

このCM、3月12日の全線開通に合わせて3月10日から九州でオンエアされたものの、東日本大震災の発生で僅か3日でオンエアは終了。

ところがネット上で内容の素晴らしさがじわじわと伝わり、CMがアップされたYoutubeのアクセスは既に150万アクセスを超え、他の関連映像も加えれば今や200万アクセスは軽く超えているだろう。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/233892

今、この大変な時期に見ると感動的です。
是非全国ネットでオンエアしてほしいもの。

S_img_0002 沼響のHPの聴き比べコラム「チャイコフスキーの第5番を聴く」に
ムラヴィンスキーがソビエト国立響を振った1949年ライヴの感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi
Youtubeはその、九州新幹線全線開通CM

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2011年5月 4日 (水)

ヴェデルニコフのバッハとドビュッシー

連休二日目、今日は来年成人を迎える上の娘の晴れ着の写真撮影。
詳細は家内に任せてあるので、岳父と私は撮影時間の直前に写真館に行く。

着くと着物姿の娘二人と家内の姿。

とても普段の姿とは似ても似つかぬ別人のようだ。

「へーえー」と思わず岳父と二人でまじまじと見入ってしまった。

撮影は無事に終わり、夜は家内の両親を交え家族で外食。

S_p4300638 予定していた中華料理屋が定休日だったので、家から近い海鮮料理を出す「荒磯市場」で漁火の見える駿河湾の夜景を見ながらの食事
http://r.tabelog.com/shizuoka/A2205/A220501/22002974/

家に落ち着いてから、ロシアの大ピアニスト、ヴェデルニコフのドビュッシーの「月の光」とバッハのパルティータ第6番。

51mzcq0nxhl これはドリーフライフから出ているDVDで1975年に収録されたもの。

15歳の時に日本に滞在したことはあるものの、モスクワに帰った直後に両親は粛清され、自身も当局に睨まれソビエト国外にほとんど出ることがなかった幻のピアニストの貴重な映像。

モノラルだが落ち着いたカラー映像なのがありがたい。

映像はピアノの内部のクローズアップや風景が入ったりしているが、大部分はヴェデルニコフの演奏姿。表情を変えず淡々と弾いていくヴェデルニコフの使用ピアノはライプツィヒのブリュトナー。

渋く穏やかで古風なブリュトナー独特の音に、端正にして格調高いヴェデルニコフのピアノ。
深く心に沁み入る名演だ。

youtubeはヴェデルニコフの「月の光」

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2011年5月 3日 (火)

佐藤三武朗先生、出版記念講演会

曇り夜から雨。昨日から黄砂がひどく、遠く箱根の山が霞んでほとんど見えない。
GW後半の今日、午後から隣町にある日本大学国際関係学部の学部長、佐藤三武朗先生の講演会を上の娘と聞きに行った。

Bks11032707570009p1 場所は三島プラザホテル。

 

 

軽い気持ちで行ったのだが、この会が先生が先ごろ出版された「日本巨人伝 山田顕義」(講談社)の出版記念講演会だということを会場に着いて初めて気がついた。

 

http://sankei.jp.msn.com/life/news/110327/bks11032707570009-n1.htm

スーツでぴしっと決めた年配の人たちが多く、何やらフォーマルな雰囲気が漂っている。

多少早めに会場に着いていたので、佐藤先生に挨拶し持参した著書にサインをいただいた後、ロビーをウロウロしていたら近隣の市長さんや町長さん、県会議員さんたちが続々と現われた。

こんな中で普段着の我々親子は完全に浮いている。

何となく場違いな気分になりながら、会場の隅の席に座っていると、たまたま家内の実家のお隣に住む顔見知りのご夫婦が隣に座り、ようやくほっとした気分になる。

講演は、著書の内容を中心に山田顕義の足跡を先生の留学経験を絡めながら紹介したもの。

映画化の話も進んでいるらしく、著名な映画監督も出席されていて講演終了後に紹介されていた。

ところで先生の著書「日本巨人伝 山田顕義」の最初の部分には、山田顕義が参加した岩倉渡米使節団で起きた事件について、アメリカ渡航中の船上で開かれた日本初の裁判の様子が書かれている。
この時の被告人は、昨年このブログで紹介した立石斧次郎のことだ。
http://harumochi.cocolog-nifty.com/horn/2010/08/post-c674.html

P1010008 帰宅後聴いたのはフランスのバリトン、スゼーの歌うシューベルト歌曲集。
日本フォノグラムが出していた国内盤LP

 

響きは浅く軽いが滑らかで美しい歌唱。

Youtubeはアーリーン・オジェーの歌う「野ばら」

 

 

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2011年5月 2日 (月)

ケーゲルの「音楽の捧げもの」

ゴールデンウィーク合間の出勤日。
職場では数人休暇を取ったものはいるもののいつもと変わらぬ一日。
来週提出する会議資料をまとめて定時退社。
先週会ったばかりの上の娘が埼玉から帰省していた。

タワーレコードからCDが届いた。

東武ランドシステムが東日本大震災のための義捐金集めのために、タワーでセールをおこなっている。

28606 WEITBLICKレーベルが主なもので、ヨッフム、ベルティーニ、プレートル、朝比奈隆、シュタインらのライヴ録音を格安で提供。
http://tower.jp/article/feature_item/76565

この中から何枚かを頼んでいたもの。
795 971 内訳は、ベルティーニのマーラーの4,6番、ドラティの9番、ホルスト・シュタインの「エロイカ」、ケーゲルの「第九」、「音楽の捧げもの」、テンシュテットのショスタコーヴィッチに加え、行きがけの駄賃ではないが、タワー独自規格の山田一雄、ベートーヴェン協奏曲集まで。

久しぶりのまとまった量の音盤購入。

Youtubeはバッハ、ウェーベルン編曲の「6声のリチェルカーレ」

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2011年5月 1日 (日)

オッフェンバックのチェロ協奏曲

曇りのち雨、この一連の連休は仕事は入っていないものの、それぞれ予定が既に入っていて、今日が唯一何もない日。

雨模様でもあり外出は調べ物で図書館に行ったのみ、あとはのんびり過ごした一日。

S_img_0001 幾分気持ちがユルくなっているので今日はオッフェンバック。

聴いたのはチェロ協奏曲その他管弦楽作品を数曲で、オーフラ・ハーノイのチェロ、クンツェル指揮シンシナティ響によるRCAのCD.

オッフェンバックは作曲家として名を上げる前は、チェロのヴィルトォーゾとして知られ、ヴァイオリンのヨアヒムやメンデルスゾーンら当時のトッププロたちとも共演している。

このチェロ協奏曲は自らが演奏するために作曲した作品。高度なテクニックを要求される難曲であるところを見ると、オッフェンバックが相当な名手であったことが想像できる。

この曲は長らくオッフェンバック家の所蔵となり、演奏されることなく眠っていたのを指揮者のアントニオ・デ・アルメイダが発見したというもの。

蘇演はこのCDのメンバーが行っている。

小太鼓が活躍するあたりがやはりオッフェンバック。ひたすら軽い曲調と美しい旋律がとりとめもなく流れて行く。

ハーノイはかつて実演を聴いたことがあるが、物憂げで妖艶な演奏姿の印象が強くて、演奏の内容と曲目は全く覚えていない。

他の管弦楽曲は、「大オーケストラのための序曲」「シューラー・ポルカ」
「ワルツ エクスレパンの思いで」「アメリカン・イーグルワルツ」の4曲。いずれもオッフェンバックの作品目録を作成している過程でアルメイダが発掘した珍品。

オッフェンバックは膨大な量の曲を残したものの、その大部分は印刷もされず、どこかの屋根裏部屋や古文書館でほこりをかぶっているのだという。

S_img_0003 沼響のHPの聴き比べコラム「チャイコフスキーの5番を聴く」、にムラヴォンスキーの最初期の録音。モスクワ放送響とのスタジオ録音の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi

Youtubeはハーノイの弾く「白鳥」

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