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2011年12月に作成された記事

2011年12月31日 (土)

ゆく年くる年、フリッチャイの第九

いろいろあった今年も最後の一日。
昨日は仕事で帰宅が遅くなり、神棚と外の稲荷明神の締め縄を新しいものに替えたのが夜。
S_img_0002 プレヴィンの「ドイツレクイエム」を聴いているうちに疲れて寝入ってしまった。

この暮は休みが少なく、年末気分になりきれぬままの正月となりそうだ。

今年は部署が変わり、異動先が震災と原発事故の影響をモロに受ける部門ということでいろいろと予期せぬ事が出現し一年が慌ただしく終わってしまった。

明けて今朝はどんより曇り空。

日が照り始めたので車を洗い始めたら突然の霰となりそのまま雨に変わる。晴れた空からしばらくの雨で狐の嫁入り状態。
http://gogen-allguide.com/ki/kitsunenoyomeiri.html

この時期はベートーヴェンの第九を聴いていたのだが、今年は「第九」を聴く気にはなれず、ドリアン木管五重奏団のプーランクのピアノと木管合奏のための六重奏曲などを聴いていた。
20010101_00000020010101_04_2  ピアノはジャン・ドワイアンのVOX原盤によるワーナーのLP.

ニューヨークの演奏家たちによるパワフルなプーランク。

ピアノとの激しいバトルが聴きもの。カップリングのイベールやボザもエキサイティングな名演だ。

だんだんテンションが上がってきて、やはり「第九」。
棚から取り出したのはフリッチャイ指揮ベルリンフィルによる演奏。

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フィッシャー・ディースカウによる唯一の「第九」として著名なもの。

他のソリストもゼーフリートやヘフリガー、フォレスターなど非常に豪華なメンバーで、合唱はこの時期全盛期を迎えていた聖ヘドウィッヒ大聖堂の合唱団。
ほぼ同じ時期にクリュイタンスの「第九」でも歌っていた。

弾き締まった硬質の響きで厳しくまとめた「第九」。器楽的なまとまりのある声楽も素晴らしいものだ。

20010101_00000020010101_01 Xml_jacket_image 沼響のHPの聴き比べコラム「ベートーヴェンの7番を聴く」にポール・パレーの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

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2011年12月29日 (木)

燃える炭火に照らされた夕べ

年末とはいえ今日もお仕事。
巷は年末休みだが気分を引き締めデスクに向かう。

明るいうちに帰宅すると家内は体調が悪く寝込んでいる。
そんな中二人の娘はノンキにも遊びに出かけていた。

遅くに帰宅した娘に喝!

今日はアラン・プラネスの弾くドビュッシーピアノ作品全集から、ドビュッシーの珍しい作品の数々を聴く。

Cover_front_ehmn

仏ハルモニアムンディのCDで、「忘れられた映像」に始まり「6つの古代のエピグラフ(独奏版)」「慈善団体「負傷兵の衣類」のための小品」「リア王の眠り(ロジェ=デュカス編曲)」などの珍曲をずらりと並べたアルバム。

「版画」や「ピアノのために」や「夢想」などの著名な曲も入っているが、大部分が短い小品ばかり。

中でも2001年に発見されたドビュッシー最後の作品「燃える炭火に照らされた夕べ」が非常に貴重。

http://www.piano.or.jp/report/01cmp/knk_dbsy/2007/08/03_4338.html

とりとめのない散文詩のような曲だが不思議な魅力の漂う曲だ。

プラネスの演奏は、あい変らず強い説得力のある見事なもの。

「版画」を練習している横で聴いていた娘達が「オレンジ色の暖かい音!」「カッコイイ!」などと騒いでいた。

Youtubeはプラネスの弾くドビュッシー「忘れられた映像」

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2011年12月28日 (水)

メータのブラームス

今日で御用納め。
今日は関係各所への年末の挨拶回りやらで一日が終わる。
本来ならばこのままお気楽年末モードに入るところだが、30日まで出勤しなければならない。

交通事故に遭った昨年の暮は、仕事も休み碌に身動きができなかったが、今年は仕事が入ってしまったので、正月を迎える準備は今日ようやく帰ってきた上の娘を加えた家の女性達に任せることにする。

今日は、メータ指揮ウィーンフィルによるブラームスの交響曲第1番を聴いた。
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キングレコードが出したロンドン・ステレオラボラトリーシリーズのLPで、この1曲をLP3面にたっぷりとカッティングしたぜいたくなもの。
マスターテープもわざわざ英国本国から取り寄せたものだという。

同じウィーンフィルを振ったベームのハイドンとは対照的な演奏だった。

ベームの指揮に畏敬の念を持ちながら厳しくも弾き締まった演奏を展開していたウィーンフィルのハイドン。

このブラームスは、メータがウィーンフィルの美音に全てを委ねながらオケをドライヴしていくのが聴き物だ。

きわめて正統的なブラームス。

第一楽章提示部を繰り返している。1976年録音。
音は低域のたっぷり伸びた素晴らしい再生音。

YoutubeはメータN響の第九

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2011年12月26日 (月)

ベームのハイドンとシェッファー弦楽四重奏団

今年最後の週は波乱の幕開けとなり30日までの出勤も確定。
結局今年は震災に大きく振り回された一年となった。

今日は、先日いただいたLPの中からカール・ベームのハイドンを聴く。

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ウィーンフィルを振った交響曲第88番と89番でグラモフォンの独プレスのLP。
同じウィーンフィルのハイドンでも、クリップスのような柔らかさを押し出した演奏とは対照的な剛直なハイドン。
ウィーンフィルの伝統の響きを自分の音色に変えた稀有の演奏だ。

20010101_00000020010101_02 そしてもう一枚は、シェッファー弦楽四重奏団の演奏によるベートーヴェンの弦楽四重奏曲第3番。コロンビアから出ていた国内盤LP。

幾分線の細さは感じられるものの、ベートーヴェン若書きの明るく古典的な作品には、良い雰囲気だ。

20010101_00000020010101_03 沼響のHPの聴き比べコラム「シベリウスの2番を聴く」にオーマンディのステレオ第1回めの録音の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

YoutubeはI.フィッシャー指揮ベルリンフィルのハイドン88番。女性ヴィオラ奏者は清水直子さん。

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2011年12月25日 (日)

「花のワルツ」聴き比べ

今日は寒風吹きすさぶ中の畑作業。
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畑でサトイモとネーブル、レモンその他の収穫。
サトイモを掘り起こしたら、いきなり土の中にぽっかりと空洞が現れた。
・・・・・・・モグラが通過した跡だ。
幸い芋に被害なし。

レモンはとても取りきれない。
今年のネーブルは数は少ないが大粒。
ナツミカンの木に近い枝は、ナツミカンの花粉と交配してナツミカンのようなネーブルが実っているのが不思議。
味はナツミカンなのだろうか?

次回の演奏会で取り上げる「くるみ割り人形」から「花のワルツ」を何種類か聴いてみた。

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先月自宅でホルンのパート練習をおこなった合間に、ホルンセクションのみんなでドラティ指揮コンセルトヘボウ管「花のワルツ」を聴いた。

有名なホルン四重奏部分の旋律の後にくるヴァイオリンの合いの手が、独特のフレーズの切り方をしていて話題となった。
この時聴いたのは蘭フィリップスのLPで、全曲盤から抜粋したもの。
プレスも良く、コンセルトヘボウのホールに柔らかな音が響いていくのが良くわかる好録音だ。一同久しぶりに聴くレコードの音の良さに驚いていた。

ドラティのバレエ音楽の演奏は「そのまま実際のバレエとして使える」と言われるほど定評が有り、コンセルトヘボウ管とは「眠りの森の美女」全曲もある。
「白鳥の湖」も作曲者のオリジナルスコアによる世界初の全曲録音を残している。

20010101_00000020010101_02 今日は他にバレエの指揮として名を成した指揮者からイギリスのジョージ・ウェルドン&ロイヤルフィル、ロシアのエフレム・クルツ&フィルハーモニア管とアナトゥール・フィストラーリ&ロンドン響の演奏を聴いてみた。
全て60年代の録音でしかも国内盤の廉価盤LPのオンパレード。
奇しくもイギリスの名門オケのホルンセクションの聴き比べともなった。

20010101_00000020010101_0320010101_00000020010101_05  ピリッとした辛口の速いテンポのクルツ、ゆったりとしたテンポで始めて最後には猛烈に追い上げるフィストラーリ、エレガントで柔らかなウェルドン。
いずれ明快なリズムの切れと流れの良さでそのままバレーの本番に使えるようなもの。
ホルンセクションは、美しい音色とまとまりの良さでウエルドン盤のロイヤルフィルが見事なものだ。

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2011年12月24日 (土)

山下達郎「Season's Greetings 」

連休二日目。
20111223_1 昨日の上の娘が所属する楽団のクリスマスコンサートは無事に終わったらしい。

http://sound.jp/kswe/

ちょっぴりの独唱と、ホルンソロもあるというので行ってやりたかったのだが。

そして今日はクリスマスイブ。

この時期の定番となった山下達郎の「クリスマスイブ」がどこのお店にも流れている。
発売されて30年近くにもなる時代を超えた名作だ。

この曲を聴くと、なぜかバブル期で湧いていた元気な頃の日本を思い出す。

今日は山下達郎の「Season's Greetings 」を聴く。
Img_340901_21543864_1

http://blogs.yahoo.co.jp/lovehina_2/21543864.html

クリスマスにちなんだ曲を集めたもので、アカペラによる多重録音とオーケストラ伴奏によるしっとりとした歌が中心。

最初は、グルックのオペラからの自由なアレンジによるアカペラ独唱で始まる。

音楽的にも非常に水準の高いクラシカルなアルバムで、取り上げられた讃美歌はイギリス合唱界の重鎮ウィルコックスのスコアが元になっている。

もちろん「クリスマス・イブ」も収録されているが、こちらも英語バージョンによる格調の高いもの。

そしてもう一枚は、そのウィルコックス指揮ケンブリッジキングスカレッジ合唱団による「讃美歌集」。

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フィリップ・ジョーンズ・ブラスアンサンブルとオルガンの伴奏という豪華な出演者により教会で録音されたもの。

「天には栄え」やプレトリウスの聖歌など、聴いていて心が洗われるような感動的なアルバムだ。

Youtube はJR東海のCMから

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ミルシュタインのブラームスとブルッフ

今日から三連休。寒波到来、雪が今にも降りだしそうなどんよりとした曇天の一日。

昨晩は所属する部門の忘年会があり、今年最後のオケの練習は欠席。

一緒に現在の部門に異動となった昨年までの直属の上司の部門長を含め、参加者は10名ほど。
蟹料理のお店だったがさほどの内容でもなし。一次会で失礼し帰宅は9時ちょっと過ぎ。

Yuzu0010_2 今日の午前中は職場にちょいと顔を出した後、床屋に行ったり毎年交換する蛍光灯を買い換えたりとすっかり年末気分。

冬至は昨日だったが準備しておいた柚子を入れ忘れ、我が家は今日が柚子湯。
http://www.yunokuni.com/2010/06/yuzu.html

良い香りの中でぽかぽかと温まり、入浴後にお酒を飲んだら良い気分になってきた。

そんな中で聴いたのは、ナタン・ミルシュタインの弾くブラームスとブルッフのヴァイオリン協奏曲。

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東芝セラフィムの廉価盤LP。

強靭な張りのあるミルシュタインのヴァイオリン、気品と力強さを兼ね備えた名演だ。
伴奏のフィストラーリとレオン・バージンのサポートも雄大な出来。

Youtube はミルシュタインの弾くバッハ

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2011年12月21日 (水)

ソルの24の練習曲集

晴れの日が続き空気が乾燥、先日の検査では異常は見つからなかったが喉ががさついて乾いた咳が出る。

昨晩は外部委員に対する報告会があり帰宅が遅くなった。

帰宅すると裏門の錠前が変わっていた。

母に聞くと、月曜の夜遅くから火曜の早朝にかけて近所の家数軒に泥棒が入り、かなりの被害があったとのこと。冷蔵庫に入れてあったお弁当を取られ、庭先で食い散らかされてあった家もあったという。
昼間の空き巣ではなく、家人が寝静まった早朝に家の中に侵入するという手口。

警察によると我が家の庭先にも裏から侵入した形跡があったらしい。
そういえば昨日の早朝に、庭のセンサーライトが一斉に点灯し目が覚めた瞬間があったことを思い出した。

9月には落花生泥棒に畑をやられている。
http://harumochi.cocolog-nifty.com/horn/2011/09/post-4bfb.html

家の周りも物騒になってきた。

今日の夜は下の娘の通う高校の、芸術科音楽コースの生徒たちによる発表会。
娘は普通科だが、所属する箏曲部が友情出演することになっている。
仕事を早めに終わらせて会場の千本プラザ音楽ホールへ向かう。

1993011_1 出演する生徒たちは1,2年生の10数人。
ピアノ、フルート、チェロ、サクソフォン、声楽など変化に富み演奏もなかなか個性的で楽しい。

まだ未完成の個性たちだが、音楽に向かう心構えと姿勢の違いが如実に出ているのが面白いようで恐ろしい。

娘たちの箏曲合奏は内輪のコンサートの気楽さだろうか、演奏に破綻はないものの県予選のような緊張感に欠けるようだ。

今日は、ギターのベートーヴェンと言われるフェルナンド・ソルの「24の練習曲」。
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ナルシソ・イエペスの演奏によるグラモフォンのLP。
エチュードとはいえ音楽的にも洗練された珠玉の作品群たち。暖かでしっとりとしたイエペスのギターも見事なものだ。

Youtube はソルのエチュードから「月光」

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2011年12月19日 (月)

チェルニーの「練習曲集」、オケ編曲版

新たな週の始まりは早めに出勤し沼津市南部の戸田地区へ。途中の海岸線沿いから見える富士が美しい。

昨日の午前中に、膨大な量のウィンナワルツコレクションが出ていた三島のリサイクルショップに行ってみた。
CD棚の威容はほぼそのままだったが動きはあるようで、有名曲を集めた一般的なワルツ集は多少減っていた。

発見した時は驚きのあまり冷静さを欠いていたので、落ち着いて一枚一枚丁寧に見てみた。

CDの発売年はほぼ90年代の後半に集中。
ワルツだけではなく、ウィーンの大衆音楽や吹奏楽団の演奏やウィンナオペレッタの全曲集は、パウリク指揮のヴァンガード盤やEMI系のセット物が中心。
タウバーやルネ・コロなどの名歌手の珍しい大衆歌曲の歌唱などなど。
ヒストリカルではエーリッヒ・クライバーのウィンナワルツ集があり、これは既に架蔵済。
中でもロベルト・シュトルツの演奏が非常に多い。前所有者のお気に入りだったのだろう。

未知の作品や演奏家も多く、全曲盤が存在することすら知らなかったシュトラウスのオペレッタの数々など興味はあったのだが、聴く時間もないし正直なところ見ているだけで十分。とてもまとまった数を購入する気にはなれなかった。

その中で珍しいものをひとつだけゲット。

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ピアノの教則本で有名なカール・ツェルニーの練習曲をエストニアの作曲家クヌドーゲ・リーサゲル(1897-1974) がバレー音楽としてオーケストレーションしたもの。
バレーの世界ではチェルニーの「エチュード」として比較的有名な曲らしい。
http://blogs.yahoo.co.jp/hiroko_classic/4967098.html

ピアノの演奏で聴くと退屈そのものだが、オケ編はカラフルな色彩感が加わり深みはないものの聴くに堪えうる作品に仕上がっている。

英EMIの2枚組CDで、一枚目にはベルリーニのオペラから編んだ「Night shadow」
デンマークの作曲家、ヘルテッド&パウリ、ガーデによる「ナポリ」などが入っている。

演奏は、テレンス・カーン指揮ロンドン・フェルティバル・バレー管弦楽団。
http://www.balletwest.org/AboutUs/Orchestra

指揮もオケも初めて聴く名前だが、華麗な音色と小気味よいリズムの冴えで演奏は非常に良い。
オケはロンドンの腕っこきのフリーランサーを集めた臨時編成オケではなかろうか。各楽器のソロなど、ベラボーなうまさだ。CD2枚組520円也。

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2011年12月18日 (日)

カイルベルトのグルック

今日のお昼過ぎにご無沙汰していた横浜の叔父の突然の訪問がありました。
8人いた父の兄弟は今や二人を残すのみ。
話好きの叔父の話は止まることを知らず、叔父が帰ったのは結局8時過ぎ。

話し疲れ、テレビのスイッチを入れると「坂の上の雲」をやっておりました。
ちょうど日本海海戦が始まるまでの部分。CGの出来も見事で、Z旗の上がる部分では興奮いたしました。

その後聴いたのは、昨日聴いたカイルベルトから、モーツァルトの交響曲第33番とグルックの「アルチェステ」と「アウリスのイフィゲニア」序曲。
ロシアメロディアから出ていたLP。

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素性不明の音源で相当古いモノラル録音。ライヴでもないようだ。
オケはバンベルク響と書いてはあるが、ディスコグラフィーによると録音は1943年。

モーツァルトはバンベルク響の前身、プラハのドイツフィルとなっている。
http://daphne.fc2web.com/keilberth-dis.htm

音は悪いが力の入った重厚壮大な演奏。

S_img_0002 沼響のHPの聴き比べ「チャイコフスキーの5番を聴く」にザンデルリンクの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi

Youtube は山田一雄さんのジュピター

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カイルベルトの「ジュピター」

今年もあと2週間、天気も良いので今日は庭木の剪定。

数年前から植木屋に頼むのを止めて自分で剪定することにしている。植木用の脚立を出して剪定挟でバシャバシャと切っていく。
時折脚立から下りて、枝と葉のバランスを見ながら切り進めていくのが意外と楽しい。

作業はお昼を挟んでほぼ丸一日。これで年末の行事の一つは終了。

夕食の時間まで先日いただいたレコードの整理。
既に所有しているLPを抽出しレコード番号を確認していく。

音楽部屋で仕分けながらカイルベルトのモーツァルトを聴いた。

S_img_0001

ワーナーから出ていた国内盤CDで、交響曲39番から41番の3曲が入っている。

カイルベルトのモーツァルトはLP時代からのお馴染みだが、ブラームスやベートーヴェンの演奏ほどの好印象はなかった。

だが久しぶりに聴いてみるとこのモーツァルトも実に良い。
バンベルク響の渋い響きを生かしながら、重厚でいて躍動感もある聴きごたえのある演奏を展開している。

20010101_00000020010101_05 「ジュピター」のハ長調の堂々たる開始を聴いただけでわくわくしてきた。

さらに小細工なしのストレートのようでいて、意外といろいろなことをやっているのが面白い。

39番第一楽章や「ジュピター」のフィナーレにおける微妙な間のとり方や同じ「ジュピター」のフィナーレの第一主題が再現する直前のチェロの下降音型の生かし方など見事なものだ。

Youtubeはオケピットの中のカイルベルト、「ゼヴィリアの理髪師」序曲

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2011年12月16日 (金)

本日の練習、「音楽のおもちゃ箱」

日本が歴史的な大災害に襲われた今年もあと半月、日本海側は大雪だがこちらは快晴の日が続いている。

2011121508060000 昨日はオケの練習日だったので車に楽器を積み込み通勤。途中の道では狩野川から川霧が立ち込めて周りは真っ白だった。

仕事は原発事故の影響をモロに受け手さぐりの状況のまま年を越しそうな気配。

昨日昨年まで在籍していたセクションメンバーから半ば愚痴のようないろいろと相談を受けたが、後任者に全てを委ねているので余計な口出しはせぬことにしておく。

昨晩オケの練習に行くと「明電舎ファミリーコンサート」の演奏会写真が出来ていた。
家にある過去30年の演奏会の写真を見ると、定点観測のような形でオケのメンバーの推移と老け具合がよくわかる。

会場は市民文化センター小ホールで来月の沼津市教育委員会主催の「はじめてのオーケストラ」コンサートの練習。

20120122 内容は交響曲の一部のみを取り上げる今回の演奏会の曲のうち、比較的長い時間を取り上げる「運命」の練習が中心。後半は「くるみ割り人形」に「ファランドール」。
今日はロクにウォーミングアップせずに乗ったので「ファランドール」の終わりでバテてしまった。

練習後に予定されていた次の定演のブラ2の前プロを決める「技術委員会」は、娘の塾の迎えがあるので欠席。

次の定演はコンチェルトがないので前プロは交響曲1曲か組曲というところだろうか、
プロコフィエフの1番が面白そうだが練習期間が短いので「運命」あたりでも良いのかなと思う。一応そのあたりの提案はしておいた。

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2011年12月14日 (水)

今年最後のボエームの会

今朝富士山頂に見事な傘雲がかかっていた。これはかなりの確率で天気が崩れる前触れだ。
http://www.cbr.mlit.go.jp/fujisabo/fuji_info/mamechisiki/b05/index.html

だが明日からの天気予報は晴れ。
娘が「地震の前触れかもしれない」などと言っていた。

その場は一笑に付したのだが、午後1時頃に比較的大きな地震があった。
震源地は岐阜県東部でM5.2.沼津は震度2.

昨晩は今年最後のボエームの会。

S_20111129_11410520111129_01_2 今年の冬の鍋シリーズは10月のしし鍋の前夜祭で幕を開け、11月の第一弾はスッポン鍋、そして今年の締めくくりの第二弾は
・・・・・ふぐ鍋です。

こんないいもんばかり食べていて良いのだろうかと思いつつ。一同ワクワクのうちにこの日を迎えました。

150x150_square_8103763_2 定時退社の後、バスと電車を乗り継ぎ三島駅到着は18時5分、待ちかねた仲間から「まだー?」との催促が携帯に入り、歩みを急ぐその先はいつもの小料理「はちまき」。

いろいろと苦労のあった今年一年を振り返りつつ。まずはビールをぐっと一杯。

S_20111129_11412420111129_02  鍋用に解体されたトラフグ2尾とふぐ刺しはかなりのボリュームです。
フグの皮のコリコリ感も嬉しく、一同目の前のふぐ料理に夢中で会話はいつもの半分程度。

頃合いを見て餅を入れた時点で皆かなり満腹状態。ふぐのヒレ酒で体もぽかぽかとなりました。そして最後はふぐ料理の定番、ふぐ雑炊。

仕上げのお酒は、宮崎限定の焼酎「石の蔵 麗泐豊醇(れいろくほうじゅん)」をオンザロックで。
S_20111129_13384720111129_03 20度の爽やかさな芋焼酎の味わいがちょうど良い加減で、贅沢な一夜の締めくくりとなりました。

今日は「三文オペラ」で知られるクルト・ワイルの交響曲を二つ。

ベルティーニ指揮BBC響の演奏による国内盤LP.

作曲家としてはシェーンベルクの影響を受け、指揮者としてもクナッパーツブッシュの補助指揮者の経験もあるクルト・ワイルだが、アメリカに渡ってからは主にミュージカルの作曲家として生涯を終えたワイルのほとんど最後のクラシカルな作品が交響曲第2番。

P1010043_2

この2曲の初録音だというベルティーニの演奏は、カチリとした石英のような明晰な演奏。名演と言ってよいだろう。

Youtubeはベルティーニ指揮ケルン放送響のマーラーの交響曲第5番

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2011年12月12日 (月)

ツィピーヌのオネゲル、「クリスマス・カンタータ」

本日快晴、自転車通勤再開。寒さのため途中でこめかみが痛くなってきた。
しばらく怠けていたので坂道が苦しい。

帰宅後、大学時代の恩師の訃報とお別れ会の通知が届いていた。

先生はフランス音楽がお気に入り。雪の降る深夜の研究室で先生の指導を受けながらの実験の合間に、「僕はオネガー(オネゲル)が好きなんだよ」とおっしゃっていたことを懐かしく思い出した。

大学卒業後は二度ほど研究室を訪れたことあったが、学会出席のために上京していた先生と神田の古書店で偶然お会いしたのが最後で、その後すっかりご無沙汰してしまっていた。

お別れ会は、同じ研究室仲間に久しぶりに会うことができる良い機会なのだが、遠方であるのと仕事の都合で出席することができない。

今日は先生のお好きだったオネゲルから「クリスマス・カンタータ」を聴く。

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フランスの名指揮者、ツィピーヌ指揮のパリ音楽院管によるフランス・トリアノン盤。作曲者立ち会いでの録音。かつて仏EMIからCDも出ていた。

829 こちらのサイト↓で取り上げられている感想に全面的に賛同であります。
http://suisse.exblog.jp/1067128

 

未だにこの演奏を超えるものがない感動的な名演。

Youtubeはオネゲルの「クリスマス・カンタータ」中間部

 

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2011年12月11日 (日)

日本モーツァルト協会30周年記念ライヴ

今日も良く晴れた。
午前中に家近くの牛臥公園の大山巌別荘跡地に自転車で行き、静かな駿河湾を眺めていた。
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岩礁にはウミウが群れをなしている。
http://toriz.info/mizube_umiu.html

2011121014070000 穏やかな海上にはヨットが数隻、昨日レコードをいただいたOさん宅近くのピラミッド型の淡島もよく見える。そして旧御用邸から防波堤沿いに自転車を走らせおよそ一時間。よい汗をかいた。

今日は日本モーツァルト協会30周年記念ライヴから、レクイエムと並ぶモーツァルト未完の大作、「ミサ曲ハ短調K.427.」を聴いた。

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演奏は濱田徳昭指揮のバッハ・コレギウム東京そのほかのプライヴェートLP2枚組。
会場は東京カテドラル協会聖マリア大聖堂。

日本モーツァルト協会は、500回の記念例会でも同じ会場でK.427を取り上げている。http://blogs.yahoo.co.jp/donkabosu/32803704.html
モーツァルトの1781年からのウィーン時代の宗教曲は、この大ミサ曲とレクイエム、アヴェ・ヴェルム・コルプスの3曲しか残していない。

この演奏は司祭の説教に始まり、ときおり挟み込まれるグレゴリオ聖歌を含めたミサの典礼全体の実況を収めている。

このような本格的なミサとして実況録音は、レクイエムでは有名なケネディ大統領追悼ミサのラインスドルフ盤や、若杉弘、ヨッフムの録音をはじめ、いくつかの録音が出ているが大ミサでは珍しい。

この未完の曲を典礼に用いるとなると、未完のクレドや作曲されなかったアニュスディをどのように処置するかが問題となるが、この演奏では、一応の完成形となっているシュミット版(1911年)を用いずに指揮者の指揮の濱田徳昭が独自に編んだ版を採用している。

ただしアニュスディはシュミット版と同様キリエをそのまま転用し、他の部分はモーツァルトの他の宗教曲から転用している点ではシュミット版と考え方は同じ。

古楽器による演奏は、教会内の豊かな残響を生かしながら深い祈りの中で音楽が進んでいく見事なもの。

Youtubeはミサ曲ハ短調のキリエ、映画「アマデウス」から

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2011年12月10日 (土)

レコードをいただきました

本日快晴、放射冷却のためか朝は冷えました。

午前中に裾野市の大叔母のところへ見舞いに行き、帰宅すると家の上空にぽっかりと飛行船。

2011121012210000

最初はUFOかと思ったが、耳を澄ましてみるとブーンとエンジンの音が聞こえてきた。

3月はじめに、ある方を介し亡父のLPレコードを私にお譲りしますとの話がありました。
どうやら私が長い間レコードコンサート(ディスクコンサート)を文化センターでやっているということを聞いてとのことらしかった。

ところが何度か電話でのやりとりはあったものの、直後に東日本大震災が発生。
相手の方は超多忙となってしまい。その後音沙汰もなく、こちらから催促するのも気が引けたのでそのままに時は流れていきました。

もうすっかり忘れてしまっていたのですが、今週のはじめに相手の方から突然電話があり、今日の午後に伺いすることになりました。

約束の時間よりも30分ほど早く着いてしまったので、車から降りてしばし駿河湾上に浮かぶ富士山を飽きずに眺めておりました。

2011121014050001

そして訪問。息子さんと話をしているうちに、故人のOさんは沼津市内にかつてあったクラシック音楽鑑賞サロンに属していて、私も社会人になりたての頃にその会を通じてOさんと何どもお会いしていたことが判りました。

さらにOさんの奥様が話に加わると、共通の知人の話がポンポン出てきました。Oさんは私の祖父と同じ会社で奥様も祖父のことはよくご存知でした。

世の中狭いものです。

いただいたレコード数百枚は独盤の輸入盤が大部分で、状態も非常に良いものでした。
家に帰りレコード1枚1枚を眺めるうちに温厚な紳士であったOさんと、祖父のことを思い出しました。

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2011年12月 8日 (木)

はじめてのオーケストラ

今日はオケの練習日。

仕事を終え練習会場の文化センター大ホールに到着するとモーツァルトの交響曲第40番の第一楽章が聞こえている。

次の演奏会は市主催の「はじめてのオーケストラ」というクラシック入門コンサート。

20120122 この手のものは意外と難しい。テーマをキチンと決めないと変化に乏しいものになるかもしれない。

今回のテーマのひとつとして、初めてのオーケストラということで交響曲の名曲も数曲取り上げてある。とても全曲はできないのでサワリのみ。

今日の練習はモーツァルトの他に、ベートーヴェンの「運命」「第九」
ブラームスの1番、2番に新世界、そしてショスタコーヴィチの第5番などなどの有名交響曲の一部。

曲の途中で止めるので欲求不満が溜まり気味だが、いずれも沼響がかつて取り上げたことのある曲ばかりで吹いていて懐かしくなってきた。

そして最後は「花のワルツ」。

今日はホルンが3人しか揃わなかったので、ちょいと間抜けなバランスとなってしまった。

S_pb080753 沼響のHPの聴き比べコラム「ラインを聴く」に、ルモールテルの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/rhein.cgi

Youtubeはモーツァルトの40番、トスカニーニの指揮

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2011年12月 7日 (水)

ウォルトンの「ペルシャザールの饗宴」

今日は定時帰宅、娘が修学旅行中で不在、家内の帰りも7時過ぎになってしまったので夕食は最近ご近所にできたラーメン屋に行ってみようということになった。

以前同じ場所に老夫婦がやっていたラーメン屋が有ったが知らぬうちにやめてしまっていた。
今となっては店の名を思い出せないほど影の薄い店だったが、昔の支那ソバ風の鳥ガラスープがそれなりの良い味だった。

2011120719310000 新しい店は「火拳」というお店。

店に入ると厨房には若者3人、客は小学生を連れた家族連れが二組ほど。
私は味噌ラーメン、家内はピリカラ系の火拳ラーメンをオーダー。

3人のうちの若い一人は麺茹で専門らしくズンドウの前でタイマー片手でずーっと立っている。その姿を見ていて次第に不安になってきた。

3人でキリモリしている割には手際が悪く、出てくるまでにはかなりの時間。
まだオープンして間もないからだろうか。

出来た時になぜか気が変わり、家内と交換し私がピリ辛系の火拳ラーメンを食べることにした。

スープは濃いめ、辛さがストレートすぎて味のディティールが良くわからない。
麺は不安が的中し茹で過ぎでふにゃふにゃだった。

他の方の感想も同じようなもの。
http://ra-menkikou.net/ra-men.php?misecode=1134&kaisu=1

今日は20世紀イギリスの作曲家ウォルトンのオラトリオ「ペルシャザールの饗宴」を聴く。
P1010044

http://www.salvastyle.com/menu_baroque/rembrandt_belshazzar.html

大編成のオケと合唱に二群のブラスバンド、オルガンも加わる近代オーケストラの性能を駆使した一大スペクタクル。

演奏は、モリス・アブラヴァネル指揮のユタ響による米ヴァンガードのLP.
オケを豪快に鳴らしたゴキゲンな演奏。この曲は不思議と駄演というものがない。

カップリングされたヴォーン・ウイリアムスの「舞い上がるひばり」もしみじみとした良い演奏だ。

youtubeは「舞い上がるひばり」

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2011年12月 5日 (月)

ユズリンコンサート

修学旅行でハワイに行く娘を駅まで送りちょいと遅れ気味で出勤すると、先週の金曜に数時間早退しただけなのに机上は書類の山。
しかも先週で一段落したはずの案件が再燃するというダブルパンチという嬉しい週の幕開けだ。

昨日はシンガーソングライター(ウイキペディアの記事による)中山譲のコンサート。
http://www.ongakucenter.co.jp/SHOP/103347/103374/list.html

場所は沼津市民文化センター大ホール。


子どもたちが楽しめる歌を数多く作曲し(400曲を超えるという)全国の学校やコンサート会場で演奏している彼は高校の吹奏楽部の一級後輩。

熱狂的なファンも多く、遠くは広島や三重からも今日のコンサートに駆けつけていたという。

一流どころのメンバーを揃えたバンドミュージシャンを率いて3時間になんなんとするコンサートを全て自作の歌のみで歌いきった。
地元と言うこともあり、この中の数曲には吹奏楽部時代の友人、先輩も友情出演。

楽しさの中に暖かな温もりのあるコンサートだった。

終演後、本人と所属する音楽センターの方と高校時代の仲間達が集まって楽しい打ち上げ。

着実に実績を積み上げてきた、久しぶりに会う生き生きとした彼の姿には大きな自信が溢れていた。

クラシカルな世界とは異なるポップスのまた深い世界をいろいろと教えていただいたり、高校時代の懐かしい話で一同腹をかかえて笑い転げたり、と4時間近い時間を楽しく過ごさせていただきました。

本日聴いたのは、ハンガリーの指揮者、フェレンチク指揮するハンガリー国立管による、バルトークの管弦楽のための協奏曲。

Img001_2 キングレコードから出ていたLPで、ジャケットには1979年2月19日購入というメモが挟まっている。

ちょうどこの頃この組み合わせの来日公演が有り、「運命」とラーンキを迎えたリストのピアノ協奏曲のコンサートが近くのホールであったのだが、貧乏学生ゆえにチケット購入を見送ってしまったのが苦き思い出となって残っている。

カチっとした固めのオケの響きとバルトークと共演したこともあるフェレンチクの確信に満ちた指揮は非常に説得力が有るもの。

第3楽章エレジーの悲痛な歌、第2楽章最後の小太鼓の絶妙な消え方など、聴きどころの多い名演だ。

Youtubeはバルトークの管弦楽のための協奏曲フィナーレ、ルーマニアのオケによる演奏

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2011年12月 3日 (土)

エドゥアルド・シュトラウスのウィンナワルツ集、プライザー盤

S_img_0001 今日も朝から雨。

先週の日曜、三島に行ったついでに寄った中古本屋を覗いたところ、CDコーナーの半分ほどがクラシックCDになっていた。

驚いて棚に近寄ってみると、全部ウィンナワルツとウィンナオペレッタの輸入盤でその数およそ1000枚近く。

初めて見るようなマイナーレーベルも多い。

壮観だった。

よほど筋金入りのコレクターのコレクションが放出されたのに違いない。

かつてMarco Poloから出ていたシュトラウス全集に加え、おなじみのシュトラウスやミレッカー達のオペレッタの他に知らない作曲家のオペレッタ全曲盤の数々。
http://www.hmv.co.jp/news/article/1105060045/

この中にシュトラウスファミリーの最後の音楽家、エドゥワルド・シュトラウスのCDを3枚ほど見つけた。

S_img_0002

オーストリアPREISERから出ていたウィーンフォルクスオパー管とフィルハーモニア・フンガリカとのワルツ、ポルカ集と、Svenka Strauss-Sallkapetから出ていたウィーン響との録音。

S_img_0003 プライザーの1枚は「美しく青きドナウ」や「エンペラーワルツ」など超有名曲ばかりだが、あとは見事にマイナーな曲ばかり。

今日はその中のフォルクスオパーとウィーン響との2枚を聴いた。

ちょうど一年前にもエドゥアルドのワルツ集を集中的に聴いている。
http://harumochi.cocolog-nifty.com/horn/2010/12/post-c9f6.html

聴いたところ、このCD3枚は、今までの手持ちのLPのどの演奏とも異なっていた。

特にフォルクスオパーとの演奏が絶妙なテンポの揺れと遊び心が溢れていて、聴いていて本当に楽しい気分になってきた。

格調の高さと曲への愛情が見事に音になっている「皇帝円舞曲」など、聴いていて感動的ですらありました。

Yutubeはシェーンベルク編曲による「皇帝円舞曲」

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2011年12月 2日 (金)

ジャノーリのラヴェル

昨晩からの雨は朝まで残り今日はこの冬一番の寒さ。

組織トップのヒアリングが午前中に無事に終わり、まずはひとつの区切りがついた。

風邪でもないのに時おり咳込み喉の違和感も気になるので、午後から年休を取り近所の耳鼻咽喉科へ行く。

平日の昼過ぎで花粉症の季節でもないので病院は空いていた。患者は自分の他には鼻を詰まらせた幼児とその母親のみ。

若い医者に症状を説明すると「内視鏡で見ましょう」とのこと。

予想はしていたが胃カメラが苦手な自分としては辛い選択。
内視鏡は5年ほど前の腸の内視鏡以来のこと。
http://harumochi.cocolog-nifty.com/horn/2006/12/post_5d36.html

検査の前に、鼻を広げるためだろうか蒸気状の薬品を鼻の二つの穴から吸引する。

この場合息はどこからするのだろうか?
鼻が塞がっているので口からするしかないが・・・

しばらく我慢して口を閉じていたら酸欠気味となってきた。

限界となり大口を開けたら、口から白い蒸気がもわんと吹き出てきた。
いい年して間抜けな姿である。

そして内視鏡検査。大嫌いな胃カメラよりは小型で短いがあの内視鏡そのもの。本体部分には今話題のオリンパスの横文字が。

カメラの先端を鼻から入れて行く。

胃カメラほどではないがやはり苦しい。
「唾を呑んでください」と繰り返し言われる。

そのうち唾液が枯渇し、口の中が乾いてきた。
それなのに「もっと唾を呑んでください。」との無情な言葉が続く。

先生は諦めたのか、看護師にコップ1杯の水を要求。
水を飲ませながらで内視鏡の先端部を食道付近まで誘導していくつもりらしい。
これで多少は楽になった。
が永遠に続くと思えるほどの長い時間。
だが、あとから録画を見たら検査の時間は5分に満たなかった。

結果は異常なしで問題はありませんとのこと。しばらく様子を見ましょうということになった。
気楽にはなったが、内視鏡を呑んだ違和感がしばらく喉に残った。

今日はフランスの女流ピアニスト、レーヌ・ジャノーリの弾くラヴェルを聴く。

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日本ウエストミンスターから出ているCDで、1954年録音。

マスターテープからではなく、古い国内盤LPを再生してCDとしたもの。

P3110799 ジャノーリはショパンのコンチェルトのCDが手元にあり、個性的なテンポの揺れが印象に残っている。

曲は、「水の戯れ」、「夜のガスパール」「鏡」「亡き王女のためのパヴァーヌ」というもの。

淡々と始まった「水の戯れ」では前触れもなく突然テンポを早め、水の奔流が渦巻くかのように高揚するのには面食らった。

CDの紹介評では典雅で女性的と書いてあったが、自分の印象は正反対。
硬質で力強いタッチがむしろ男性的すらある。

早めの「パヴァーヌ」は同時代のピアニスト、ドワイアンの演奏に似ていたが、ここでも突然ガクンとテンポが落ちたりしている。

しかし「夜のガスパール」や「鏡」のような大曲を聴いているうちに、このピアニストの魅力がしだいに見えてきた。

「鏡」の終曲「鐘の谷」のガムランの響きに乗り暗い谷間に響く鐘の音、その奥に広がる大きな闇。
そして2曲目「悲しい鳥」の無機質なまでのドライな抒情は、冷たい刃を喉元に突きつけられたかのようだ。


Youtubeは「鐘の谷」

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2011年12月 1日 (木)

シェーンベルクの「期待」

今日から師走となり朝から冷たい雨。

月曜から多忙となり、今日のオケの練習にも出ることができなかった。
世の中自分だけではどうにもならぬこともあるものだ。

明日の午前中で何とか目処が立てば良いのだが。

先週あたりから喉に違和感が有る。風邪をひいたかな。

帰宅後聴いたのは、シェーンベルクの1幕もののオペラ「期待」。

Wergo01
1幕4場、オペラとはいえ出演はソプラノ独唱のみ。
27才の女子医大生が書いた台本は、ヒステリックで強烈な錯乱の世界。
http://www.d3.dion.ne.jp/~rulicon/erwartung.htm

仕事に疲れ、今日のようなどんよりとした天気の日に聴くにはどうかと思うような恐ろしい曲で、聴き始めてから「シマッタ、止めよう」と思ったが、演奏の凄さで最後まで一気に聴いてしまった。

演奏はシェーンベルクのスペシャリストとも言える、ヘルマン・シェルヘン指揮の北西ドイツフィルの独逸WERGOのLP。
ソプラノはピラツルイク。

この人の絶叫が凄まじく、思わずボリュームを絞ってしまった。

1c7966d82fd5e827e26a5e450c817024 沼響HPの聴き比べコラム、「ベートーヴェンの7番を聴く」にクリュイタンス指揮パリ音楽院管のライヴの感想をアップしました。

フィナーレのトランペットに驚愕の改変があります。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

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