ジャノーリのラヴェル
昨晩からの雨は朝まで残り今日はこの冬一番の寒さ。
組織トップのヒアリングが午前中に無事に終わり、まずはひとつの区切りがついた。
風邪でもないのに時おり咳込み喉の違和感も気になるので、午後から年休を取り近所の耳鼻咽喉科へ行く。
平日の昼過ぎで花粉症の季節でもないので病院は空いていた。患者は自分の他には鼻を詰まらせた幼児とその母親のみ。
若い医者に症状を説明すると「内視鏡で見ましょう」とのこと。
予想はしていたが胃カメラが苦手な自分としては辛い選択。
内視鏡は5年ほど前の腸の内視鏡以来のこと。
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検査の前に、鼻を広げるためだろうか蒸気状の薬品を鼻の二つの穴から吸引する。
この場合息はどこからするのだろうか?
鼻が塞がっているので口からするしかないが・・・
しばらく我慢して口を閉じていたら酸欠気味となってきた。
限界となり大口を開けたら、口から白い蒸気がもわんと吹き出てきた。
いい年して間抜けな姿である。
そして内視鏡検査。大嫌いな胃カメラよりは小型で短いがあの内視鏡そのもの。本体部分には今話題のオリンパスの横文字が。
カメラの先端を鼻から入れて行く。
胃カメラほどではないがやはり苦しい。
「唾を呑んでください」と繰り返し言われる。
そのうち唾液が枯渇し、口の中が乾いてきた。
それなのに「もっと唾を呑んでください。」との無情な言葉が続く。
先生は諦めたのか、看護師にコップ1杯の水を要求。
水を飲ませながらで内視鏡の先端部を食道付近まで誘導していくつもりらしい。
これで多少は楽になった。
が永遠に続くと思えるほどの長い時間。
だが、あとから録画を見たら検査の時間は5分に満たなかった。
結果は異常なしで問題はありませんとのこと。しばらく様子を見ましょうということになった。
気楽にはなったが、内視鏡を呑んだ違和感がしばらく喉に残った。
今日はフランスの女流ピアニスト、レーヌ・ジャノーリの弾くラヴェルを聴く。
日本ウエストミンスターから出ているCDで、1954年録音。
マスターテープからではなく、古い国内盤LPを再生してCDとしたもの。 ジャノーリはショパンのコンチェルトのCDが手元にあり、個性的なテンポの揺れが印象に残っている。
曲は、「水の戯れ」、「夜のガスパール」「鏡」「亡き王女のためのパヴァーヌ」というもの。
淡々と始まった「水の戯れ」では前触れもなく突然テンポを早め、水の奔流が渦巻くかのように高揚するのには面食らった。
CDの紹介評では典雅で女性的と書いてあったが、自分の印象は正反対。
硬質で力強いタッチがむしろ男性的すらある。
早めの「パヴァーヌ」は同時代のピアニスト、ドワイアンの演奏に似ていたが、ここでも突然ガクンとテンポが落ちたりしている。
しかし「夜のガスパール」や「鏡」のような大曲を聴いているうちに、このピアニストの魅力がしだいに見えてきた。
「鏡」の終曲「鐘の谷」のガムランの響きに乗り暗い谷間に響く鐘の音、その奥に広がる大きな闇。
そして2曲目「悲しい鳥」の無機質なまでのドライな抒情は、冷たい刃を喉元に突きつけられたかのようだ。
Youtubeは「鐘の谷」
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