正月休みも今日で終わり。
朝は雲が厚く、気温が低かったもののお昼過ぎから晴れてきた。
「ちょいと海でも行こうかい」ということになり、娘達と家内とで近くの「街道ラーメンで」昼食の後、牛臥海岸へ行ってみた。
http://shizumen.jp/posts/2915.html
海岸近くの30台ほどの駐車スペースは珍しく満車状態。多くの犬を連れた家族連れやお年寄り達が散策している。
海面は静かに凪ぎ、堤防の端から家の方面を眺めると、旧御用邸ごしに我が家の裏山と遠く箱根の山々が良く見えた。
帰りに家の近くの「あずみ野」に寄ってみた。ここは地方都市には珍しいLPレコード専門のクラシック音楽喫茶。
http://iketerumainichi.seesaa.net/article/75677110.html
自分が高校の時から続くお店でマスターとは顔なじみ。
だが、ここ10数年ほど足が遠のいていた。
お店に入ると驚いたようなマスターの顔。
店内にはモーツァルトの「13管楽器のためのセレナーデ」が流れている。
タンノイのスピーカーとガラードのプレーヤーはそのままだが、大型の真空管845を使った巨大なアンプは初めて見るもの。
メニューを見ると、ブルマン、モカ、キリマンジャロに並んでバッハブレンド、モーツァルトブレンド、ショパンブレンドの作曲家の名を冠した名が並んでいた。
娘たちと家内はケーキセットを頼み、自分はベートーヴェンブレンド。
しばらくするとマスターの奥様がそっとLPジャケットを手渡してくれた。
演奏はジャック・ブライマー率いるロンドン管楽合奏団の英デッカのLP.だった。
イギリス風のメロウなサウンドに明るくのびやかな音色はブライマーのクラリネットだ。
マスターは次にデニス・ブレインのホルン協奏曲集をかけてくれた。
パテ・レファランスのLPでこれと同じものは自分も架蔵している。
ちょうど上の娘がこの第3番を学校でさらっているところだ。
モノラルながら深い奥行きのある響きは大型送信管の845の威力だろう。
マスターは何やら私に話しかけたそうだが、他のお客の対応で忙しく遠慮している様子。
ホルン協奏曲第3番が終わったところでお店を出ようとすると、マスターが話しかけてきた。
マスター「メンゲルベルクの1940年録音のベートーヴェンはご存じですか?」
私「えぇ・・・家にあります。第九ですか」
マスター「いや、交響曲全部です。今度時間のある時に聴きに来てください。アンプを変えたので」
私「・・・・・」
マスター「メンゲルベルクのマタイ受難曲は?」
私「えぇ、これも家にあります。あれはスゴイですね」
マスター「そうです。あの演奏を聴かないと人生において大きな損失です。」
私「そうですね、確かに・・・」
こんな会話の後に店を出た。
前回最後に来た時は、なりゆきでカザルスの無伴奏チェロ組曲全曲とエネスコの無伴奏を全部聴くことになったことを思い出した。ゆうに4時間は超えていた。
帰宅後にお店で聴いた演奏と同じ演奏を聴いてみた。
ホルン協奏曲は全く同じLPだが、セレナードの方はキングレコードが出したモーツァルト管楽器音楽全集の国内盤LP.。
やはり音は全く異なっていた。
我が家の音もさほど悪くないと思うのだが、ホルン協奏曲はソロの音像の実在感が「あずみ野」の装置の方が格段に上だった。
あそこの装置は古い録音ほど威力を発揮するようだ。
Youtubeはバボラクが吹く1番のホルン協奏曲
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