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2012年2月に作成された記事

2012年2月27日 (月)

アルゲリッチのクライスレリアーナ

短い2月今週で終わり。今年は花粉の飛散量が少ないのがありがたい。くしゃみは時々出るものの目のかゆみはまだ出ていない。

昨日、SBSラジオ開局60周年記念番組「アメリカをとりこにした侍アイドルトミー」を聴いた。 万延元年の幕府の渡米使節に16歳にして通訳見習いとして加わった立石斧次郎をテーマとした1時間番組。
http://www.sbsgakuen.com/gak0130.asp?gakuno=2&kikanno=145573

出演は、斧次郎のひ孫報道キャスターの長野智子や他の子孫の談話、トミーポルカ以外にももう2曲斧次郎をテーマとした曲が発見されたことなど。
http://yaplog.jp/nagano/
新たな情報とは別に、20年前にカセットテープに録音された斧次郎を直接知る孫が語る祖父の印象などの興味深いもの。

トミーポルカと立石斧次郎の存在を初めて知った時、戸田に住む何人かの知人に立石斧次郎のことを尋ねても誰も知らなかった。

http://www.ny.us.emb-japan.go.jp/150JapanNY/jp/tommy.html


今から90年前に没した斧次郎の終焉の地となった戸田の地に、斧次郎の伝承や足跡が全く残っていないのは、彼がごく普通の市井の老人として生活していたことと、古くからの戸田の住民にとって斧次郎は所詮よそ者だったからではなかろうか。

今日はアルゲリッチの弾くシューマン、「クライスレリアーナ」を弾く。

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とりとめのない性格の早い曲と遅い曲8曲の小曲が、順に交互に交差していくつかみどころのない名曲だ。

感情の起伏の大きなこの難曲に、猛女アルゲリッチが果敢に挑んでいくスリリングな名演。

61wckvtju5l__sl500_aa300_ 沼響HPの聴き比べコラム「シベリウスの2番を聴く」にセーゲルスタムの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/sibe2.cgi

Youtubeはアルゲリッチの弾くシューマンのピアノ協奏曲

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2012年2月26日 (日)

Elgar,Nobilmente

今日も雨の休日。このような日はどうしても家に引きこもりがち。

3時過ぎに晴れ間が見えてきたので我入道海岸に行ってみた。
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鉛色の海と空、傾いた太陽も薄雲を通して青白く光っていた。

Sunset_a489_gamma_2sub_800_br 火星探査機「オポチュニティ」が伝送してきた火星の日没と似ているが、さすがに地球からの太陽は大きい。

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帰宅し家の白梅を見るとほぼ満開。

弟が来てエルガーが聴きたいというので、英EMIから70年代に出ていたエルガーの作品のオムニバス盤LP「Nobilmente」を聴く。

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弦楽セレナーデやヴィオリンソナタの第2楽章や「ゲロンティアスの夢」「海の肖像」など、「Nobilmente(高貴な)」音楽を集めたもの。

イギリスの音楽は今日の空のような薄灰色の音楽。

エルガーの音楽の独逸音楽とは異なる独特の品格がまた好ましい。
バルビローリ指揮シンフォニアオブロンドンのセレナードの暖かさが印象に残る。

そしてエルガーをもう一曲。

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モントゥー指揮ロンドン響による「エニグマ変奏曲」の外盤LP.こちらも慈愛の心に満ちた感動的な名演だ。

Youtubeは「エニグマ変奏曲」からニムロッド


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2012年2月25日 (土)

ボリショイ劇場のロジェストヴェンスキー

雨時々曇り。先頃まで庭の楠の木の上でフクロウが鳴いていた。

あまりにも大きな声なので外に出てみると、バタバタと大きな音がしてフクロウが飛び立ち暗い夜空の中裏山に飛んで行った。

まな板のような四角い胴と大きな羽。

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カラスや小鳥とは次元の違う威厳のある存在感にしばし見とれているうちに、今はやめてしまったがマンションの一室に隠れ家のようにあったお馴染みのお店、「梟」の壁にあった梟のステンドガラスのことを思い出した。

今日はアメリカのブルノレコードから出ていたLPで、ボリショイ劇場管弦楽団の演奏、でプロコフィエフの「ロメオとジュリエット」を聴く。

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指揮はロジェストヴェンスキーによるもの。

おそらくボリショイ劇場のバレー公演全曲を撮影した映画フィルムのサントラではないかと思う。
モノラルながら音は非常に鮮明。

曲は第一幕第2場の舞踏会のシーンを中心としたもの。

演奏は刺激的な迫力と重量感に満ちた見事なもの。

カップリングはロシアバレー界の重鎮、ユーリ・ファイエル指揮による「白鳥の湖」第三幕というもの。
この演奏はかつて国内盤のソノシートが出ていて、子どもの頃聞いた(聞かされた)懐かしい演奏。まだ家のどこかにあるはずだ。

Youtubeは「ロメオとジュリエット」からモンタギュー家とタビュレット家

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2012年2月24日 (金)

有朋自遠方来、不亦楽乎

有朋自遠方来、不亦楽乎

http://www.iec.co.jp/kojijyukugo/vo38.htm

facebookのおかげで、思いがけない再会がいくつか待っていた。
先月、長い間付き合いが絶え消息不明だった大学の同級生からの突然のメッセージ。

彼は同じ学部の同級生で、大学オケでは自分はホルン、彼はクラリネットを吹いていた。
卒業間もない頃に他の同級生の結婚式で会って以来、いつしか年賀状の行き来も絶え、お互いに消息が全くわからなくなっていた。

現在都内の某国立大学で教鞭をとっている彼は、研究に関連して沼津にも時折来ていることが判り、次に沼津に来るついでに会おうということになり、今日に至る。

今日久しぶりに会い、お互いの風貌の変わりようにも驚いたが、過去に何度かニアミスをしていたことも判り、さらに驚いた。

今日彼は車で来ていたのでアルコールは抜き。

次回は酒席でということで、3時間ほどで彼は帰途に。

帰宅後聴いたのは、グリーグの「ホルベルク組曲」ほか。
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イギリスの指揮者、ジョージ・ウエルドンによる心優しき演奏。

Youtubeはホルベルク組曲からプレリュード

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2012年2月23日 (木)

本日の練習、下田太郎先生

昨晩から雨。温かくなり梅の開花も早まってきた。

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今日は富士山の日ということで、朝の自分が出かける時間になっても下の娘は学校が休みで布団をかぶったまま出てこない。
今日は組織トップのヒアリングが入り午前中はその対応に忙殺される。

そして夜はオケの練習。

今日はホルン奏者の下田太郎先生を招いて、金管セクションの分奏。
場所は小ホールロビー。

下田先生は、上の娘が所属する吹奏楽団のホルンセクションのトレーナーもやっていただいている。
http://www.ahoc.jp/fan03/players/25/index.html

練習の合間にご挨拶とお礼を述べると先生も驚いていた。この世界は狭いものだ。

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2012年2月22日 (水)

立石斧次郎がSBSラジオ開局60周年番組に登場

昨晩あたりから暖かになってきた。
今日は午後から組織トップを含む大きな会議があり伊豆市修善寺へ。
途中の伊豆の山々も僅かに春の気配。

夜半から雨。

修繕寺からの帰りの車中で聴いていたラジオで、以前このブログで紹介した「ビールを飲んだサムライ」トミーこと立石斧次郎が、SBS開局60周年記念番組として2月26日に紹介されることがアナウンスされていた。

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SBSラジオ午前9時放送。
http://harumochi.cocolog-nifty.com/horn/2010/08/post-c674.html

日本史上ではほとんど無名に近い存在の立石斧次郎だが、沼津の戸田が終焉の地であったことでもあり世に紹介されることは嬉しい。
http://www.sbsgakuen.com/gak0130.asp?gakuno=2&kikanno=145573

この放送に出演するフリーアナウンサーの長野智子はトミーのひ孫だという。
http://www.furutachi-project.co.jp/profile/talent_04.shtml

今日はかつて隆盛を極めていた駅売りCDのシリーズもので、PILZジャパンが出していた「バロックフェスティバル」というタイトルのCD2枚組。

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このシリーズはCDが未だ高価だった90年代初めの頃に2枚組1,000円ほどで購入したもの。その後500円まで下がったようだ。
http://blogs.yahoo.co.jp/rocksteadyman25/53515763.html

かつてブックオフなどで中古が100~250円程度で出回っていたが、今はほとんど目にすることがなくなってしまった。

演奏者は架空のものも多かったが、ケルテスやリリング、レーデルといった著名アーティストの知られざる録音もあってなかなかどうして侮れない内容だった。

このバロックフェスティバルの2枚組は30曲以上のバロック音楽を集めたもの。
曲の表示も全ては書かれてなく演奏者名も怪しい。

バッハやヘンデル、テレマンなどの曲も並んでいるが、多くはクヴァンツやロゼッティ、ディッタースドルフなど、メジャーレーベルの同種のものに比べてセレクトされた曲はかなりマニアックなもの。

有名曲だと大手レーベルの著名アーティストには太刀打ちできないと踏んだのだろうが、
久しぶりに聴いてみたところ演奏水準の意外な高さに吃驚。曲の配置も絶妙だし、録音も良いではないか。

中でもロゼッティの管楽五重奏曲などこれ以上の演奏はなかなか聴けない。
特にホルンは相当な名手だ。演奏者はシュトゥットガルト木管五重奏となっている。

この演奏は幸いにしてナクソス・ミュージックライブラリーで全曲演奏を聴くことができる。元はBELLA MUSICAのソースだという。

Youtubeはロゼッティのホルンコンチェルト

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2012年2月21日 (火)

ゼルキンのブラームス、ブライロフスキーのショパン

余寒未だ厳しく、朝起きて新聞を取りに外に出たところ、車のフロントガラスは霜で真っ白。

このところ拾い読みをしているのがピーター・クレイトン著「ファラオ歴代誌」。
616adfzmkgl__sl500_aa300_ エジプト3000年の歴史の中の185人の有名無名のファラオ歴代の記録を網羅したもの。

今までなんとなく興味がありながら、取っ掛かりがなかった古代エジプト史の入門としては最適の書だ。
http://www.sogensha.co.jp/booklist.php?act=details&ISBN_5=21512

これだけ取り上げる人が多いとなると、著名なファラオの記述には物足りなさは残るものの、無名のファラオたちの足跡や、後世の発掘から判明した墓泥棒の痕跡の記述が面白い。

今日はほぼ同年代の芸風の異なる二人のピアニスト、ルドルフ・ゼルキンとアレクサンダー・ブライロフスキーの演奏。

ゼルキンはブラームスのピアノ協奏曲第1番、伴奏はオーマンディー指揮のフィラデルフィア管によるもの。

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強靭な打鍵と堂々たる風格。ゼルキンの演奏で今までハズレの演奏にお目にかかったことはない。時折唸り声も聴こえてくる。
バックハウスやケンプと並ぶドイツ正統派の大ピアニスト、ゼルキン貫録の名演。

一方のブライロフスキーはショパンのポロネーズ集。ラフマニノフに才能を見い出され、ショパン弾きとして名を馳せたブライロフスキー。
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こちらは19世紀風のかなり個性的な癖のあるショパン。大きなテンポの揺れとなだれ落ちるような強弱の変化。ゼルキンとは対照的な草書風の芸風のピアニストだ。

聴いたのは、両方とも先日入手した米コロンビアの初期LPで音は非常に良い。

S_20010101_00000020010101_03 沼響のHPの聴き比べコラム、「チャイコフスキーの5番を聴く」に、カラヤン&ベルリンフィルの最初の録音の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/tchai5.cgi

YoutubeはR.ゼルキンの弾くベートーヴェンのソナタ第30番

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2012年2月19日 (日)

戦時下のウィーンフィルのプログラム

朝から冷えて寝起きの息が白かった。
築80年を超える我が家は天井が高く、いずこからの隙間風に灯油の消費も早く一週間で60リットルを超えるほど。

第二次世界大戦中のウィーンフィルのプログラムを見ていた。

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1944年4月30日、有名なニューイヤーコンサートの創始者のクレメンス・クラウスの指揮。場所はウィーンのムジークフェラインザール。

曲はハイドンの交響曲第100番「軍隊」、カール・プロハスカ作曲の男声合唱とオーケストラ、オルガンのためのカンタータ「砲兵隊」、そしてベートーヴェンの「運命」というもの。

プログラムに書かれている「Anläßlich der Ausstellung Unser Heer 」は、
「わが軍展覧会を記念して」という意味らしい。

S_img_0001_3 1944年といえば第二次世界大戦も終末を迎えつつあった時期で、まさに戦時色濃厚なプログラムだが、クリーム色の紙質は悪くない。

60年以上経過しているのに劣化はしていない。酸性紙ではないようだ。

クレメンス・クラウスのサインの青インクも未だに鮮やかだ。

S_20120219_03254020120219_02_3 今日はそのクラウスのウィンナワルツから1929年録音のポルカその他と戦後DECCAに録音されたワルツ数曲を聴いた。

 

S_20120219_03265320120219_03 とろんとした妖艶な美しさの漂う戦前の演奏は、この時代のみでしか聴かれない退廃美が漂っている。

youtubeはニューイヤーコンサートから、ウェザー・モストの指揮

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2012年2月18日 (土)

ブリテンの「春の交響曲」

風は冷たいが良く晴れた一日。午前中に庭木の移動で汗を流したついでに自転車で牛臥公園へ。

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適度な風もありウィンドサーファー数人と遠くではヨットが見える。

P5_3   かつての政府の高官たちが泊まったという高級旅館三島館跡地に立ち海をしばらく眺めていた。

午後は、上の娘に仕送りする家で採れた野菜やレモンその他をダンボールに詰めていた。

夜、娘のピアノレッスンの送迎の合間に寄ったブックオフでは500円以下CD半額セール実施中。

どれどれっと棚を眺めた中で見つけたのは、ロジェストヴェンスキー指揮BBC響によるブリテンの「春の交響曲」。

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かつて日本クラウンが出していたBBCクラシクスシリーズ中の1枚。フランク・ブリッジの狂詩曲「早春」交響詩「夏」とのカップリングで、こちらはグローヴスの指揮。

この時期聴くにはふさわしい曲かもしれない。250円。

夜はグリュミヨーのバッハを聴いていた。

Grumiaux_toyoda_holliger_bach_conce フィリップスから出ていたCDで、バッハの三つのヴァイオリン協奏曲とヴァイオリンとオーボエのための協奏曲とのカップリング。

第二ヴァイオリンは豊田耕二、オーボエはハインツ・ホリガー。伴奏はレッパード指揮のイギリス室内管というもの。

フランコ・ベルギー楽派のグリュミヨーの芳醇な音色を楽しむ一枚。
中では第一番が傑出した出来だと思う。

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2012年2月17日 (金)

本日の練習、ブラ2、久世先生の指揮

昨日は冷たい雨、気温も下がり山間部は雪が降ったようだが今日は一転良い天気。

ここ数日睡眠不如意で頭が働かない。仕事の大きな山場はほぼ峠を越えたようだ。
この週末はゆっくり休みたいところ。

昨日はオケの練習日。
先週は狭いリハーサル室だったのが今回の練習会場は文化センター小ホール。
このくらいのスペースがないと合奏練習にはならない。

指揮はトレーナーの久世先生でブラームスの交響曲第2番。

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30分ほどの遅刻でしばらくホールロビーでウォーミングアップしていると、第一楽章が聞こえてきた。

ラッパが欠けているので妙にこじんまりした室内楽のような響きだ。

最近トランペット奏者が転勤になってしまった。

地方社会人オケの常として転勤その他で団員の出入りが激しい。
特定のパートに人数が偏る傾向もあり、現在はトランペット奏者が空席状態。
誰か入ってくれないものだろうか。

練習はだいぶ勘も戻り読み替えも苦にならなくなってきた。ひとつひとつの音符や強弱記号などの意味を考えながら吹いていると、聴くだけでは気がつかぬ新たな発見あるのが楽しい。
ブラームスのような名曲は、演奏していると精神が自然と高揚してくる。

今週の体調は必ずしも万全ではないが、生活のひとつのアクセントでもあり、気分転換にもなるこの練習は貴重な時間。

それにしてもこの曲、ヘミオラが多く指揮は相当難しそうだ。
ブラームス自身はハンブルクのフィルハーモニー協会のオケでこの曲を何度か指揮しているが、ぶきっちょで棒のテクニックに不足していたブラームスはちゃんと振れたのだろうか?http://www.numakyo.org/cgi-bin/bra3.cgi?vew=57

今夜はしっとりと室内楽。
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スメタナ弦楽四重奏団の古い録音で、ハイドンの弦楽四重奏曲「ひばり」とモーツァルトの弦楽四重奏曲第19番。スプラフォン原盤の日本コロンビアのLP.モノラル録音。

スメタナカルテットは録音も多く、日本にも何度も来たので実演も幾度か聴いたが、スメタナやドヴォルジャークの曲は感銘は受けたけれど、他の作曲家の演奏はさほど印象に残っていない。
この録音も音楽が生真面目で多少窮屈のように聴こえる。もう少し緩くても良いのではなかろうか。

Youtubeはミュンシュ指揮ボストン響のブラ2

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2012年2月14日 (火)

浦川宜也、ヴァイオリン珠玉集

昨日から一日雨。
バレンタインデーということで、下の娘は日曜から材料をどっさり買ってきていろいろと作っていた。
あげるのは男の子ではなく学校の女の子同志だという。
今日沢山手作りのチョコをいただいて嬉々として帰ってきた。

S_20120214_01084820120214_01_2 家では人気のケーキ店、ペルルのチョコケーキの豪華版。
http://www.perle-cake.com/

今日は結婚記念日だったのでした。

今日は浦川宜也の弾くヴァイオリン名曲集を聴く。

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悪魔のトリルやタイスの瞑想曲、熊蜂の飛行などの有名曲にシベリウスのロマンス、ヴィニアフスキーのカプリチオ・ワルツその他の1枚。
東芝EMIから出ていたCDで、ピアノは鈴木由紀子が弾いている。

録音年は90年頃だと思う。定価3,000円の表示があるが近くのブックオフで廉く入手したもの。

カイルベルト時代のバンベルク響のコンサートマスターにしてクライスラーの伴奏者だったフランツ・ルップと組んだベートヴェンとブラームスのヴァイオリンソナタ全集録音で名高い浦川の名曲集。
http://takaya-urakawa.com/

どの曲も渋く落ち着いたしっとりとした音色で聴かせる見事なもの。

タイスの瞑想曲でのちょっとした間にはホロっとさせられた。
名盤です。

Youtubeはムターのヴァイオリンで「タイスの瞑想曲」。
1976年、彼女が13歳の時の映像で伴奏はカラヤン。

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2012年2月13日 (月)

1967年、ウィーン芸術祭のアバド

曇り夕方から雨。

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出勤時にふと庭の梅が咲き始めたのに気がついた。

庭の東の紅梅、西の白梅がそろって同じようにつぼみをつけている。

春も近い。花粉症も始まった。

今日は予想通りの波乱の一日で始まる。今週は長い週になりそうだ。

帰宅後聴いたのは、マーラーの交響曲第6番。

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アバド指揮のウィーン交響楽団によるライヴで、伝説的な1967年ウィーン芸術祭のライヴ。伊ARKADIAのCD.

この年のウィーン芸術祭は、マーラーの交響曲全曲と主要な歌曲が演奏された。この時を契機にマーラーの音楽の再評価が始まったとされている。

演奏者はバーンスタイン(第2番)、クーベリック(第8番)のマーラー演奏の大家をはじめ、スワロフスキー(第3番)、ソモギー(第5番)といった御老体とは対照的にアバド(第6番)、マゼール(第9番)、カルロス・クライバー(大地の歌)らの当時の俊英という興味深い面々。

アバドの演奏は生真面目で優等生タイプ。きっちりバカ正直なマーラーで、面白みには欠けるが整ったところは評価されて良いと思う。

聴いていてこの曲の副題が「悲劇的」であったことを思い出した。

今週の行く末が「悲劇的」にならねばよいが・・・・・

S_img_0001 沼響のHPの聴き比べコラム、「ラインを聴く」にロベルト・ヘーガーの演奏の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/rhein.cgi

youtubeはアバド指揮のマーラーの交響曲第6番

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2012年2月12日 (日)

柳の下に二匹めのどじょうはいた

朝早くに遠縁のおじさんが海老を籠一杯持ってきてくれた。今朝4時に沼津港に上がったばかりのボタンエビだという。
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http://www.zukan-bouz.com/ebi/tarabaebi/botanebi.html
太平洋岸のみに棲息する稀少な高級エビ。

昼に生でいただいたのだが、超絶品。今まで食したことのある生海老とは次元の異なる味だった。

午前中に家内と買い物に出かけたついでに、初期LPを格安で見つけたリサイクルショップに寄ってみた。

さすがに柳の下にはもう泥鰌はいないだろうと、ちょいと覗いたジャンクコーナーの箱の中には無造作に置かれた多量のSPレコードがあった。
一枚100円均一で全てクラシック。

20010101_00000020010101_02 食指は動いたものの、さすがにSPまで手を伸ばすと深みにはまり身の破滅が見えている。

78回転盤の再生環境もないので諦めてふと上のLP棚を見上げるとそこには外盤LPがズラリ。全て100円!。

とたんにアドレナリンが急上昇。バタバタとLP棚をめくっているうちに、ふと一緒に来ている家内の顔が目に浮かんできた。

言い訳を考えつつとりあえず優先順位をつけた10枚ほどをレジに持って行った。

帰宅後、海老を一緒に食べながらどうも落ち着かぬ自分を見て家内曰く
「珍しいものをみつけたんでしょ?」

自分「ちょっとね。珍しくはないけれど掘り出し物をね。まだあったんだけどね」

「心残りだったら残りも買っちゃったら?」

意外な言葉が帰ってきました。
・・・・・・完全に見抜かれていました。

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数分後嬉々として再びお店に向かう車中の自分がありました。

ところがお店に着いて先ほどのジャンクコーナーに行ってみると、どうも様子がおかしい。

SPレコードはそのままであるものの、先ほどまとめて自分が置いておいた外盤LPがない!

なんと、自分が買ってから一時間ちょいの間に、誰かが見つけてお宝をごっそりと持ち去ったのでした。
たかが地方都市と甘く見過ぎていました。

とりあえずの捕獲は全て米盤。演奏そのものは国内盤で所有しているものが大部分なのだが。

20010101_00000020010101_112012021220210000  米コロンビア盤ではゼルキンのピアノ、オーマンディの伴奏によるブラームスのピアノ協奏曲第1番。オーマンディ指揮と編曲による「舞踏への勧誘」その他。
いずれもレーベルがいわゆる「6つ目」のもの。
「舞踏への勧誘」は全く同じ番号のいわゆるグレイレーベルのものは既に手元にあり、これは聴き比べが楽しみなもの。

20010101_00000020010101_01 20010101_00000020010101_16 ワルター指揮のワーグナー曲集とオーマンディーのイベールの「寄港地」ほかは、ちょいと新しい「2つ目」レーベル。

RCA盤ではルービンシュタインのピアノで、グリーグのピアノ協奏曲やラフマニノフの「パガニーニ変奏曲」、モーツァルトのピアノ協奏曲第24番などなど。他にラインスドルフ指揮の「ジュピター」その他全てLSC規格のもの。

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珍しいものではベッケルントのピアノ、ギュンナー・ヘッゲ指揮オスロフィルというノルウェーの演奏家たちによるラフマニノフのピアノ協奏曲第2番のキャムデン盤などなど。

他にスタインバーグのキャピトル盤やエラート原盤のものもいくつかお店にありましたが買い逃しました。

柳の下に二匹目のドジョウはいたが、三匹めは・・・もういないだろう。

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2012年2月11日 (土)

ワルターのマーラー、アンセルメのラヴェル

20010101_00000020010101_01_2 朝は晴れたので自転車で海岸沿いの堤防をひとっ走りと思ったが、にわかに曇りだしたので止めにした。

畑で枯れ木を片づけたり、ダブリのLPとCDをつまみ聴きしながら聴き比べたりしているうちに一日が終わってしまった。どうも無為無策の休日。

今日は保守的で面白みに欠けるセレクトだが、往年の名指揮者ワルターのマーラーとアンセルメのラヴェル。

アンセルメは「ダフニスとクロエ」全曲。ワルターは交響曲第4番でいずれも国内盤の古いLP.

かつて定評のあったアンセルメのラヴェルは、オケの精度のゆるさをアンセルメの絶妙な間の取り方と詩情溢れる歌心でカバーしている演奏。

だが、聴いていてほっとする暖かさでさすがに聴かせる。

ワルターのマーラーは1945年カーネギーホールでのモノラル録音。
ソプラノはデジ・ハルパン。

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ワルターのマーラーの交響曲第4番の録音はかなりの数があり、ギューデン、シュワルツコップといった華のある名歌手とのウィーンフィルを振った数種のライヴに比べると、このニューヨークフィルとのスタジオ録音は影は薄いが、ハルバンの歌はコケティッシュで可憐な声質で楽しませてくれる。

デジ・ハルパンはマーラーがウィーン宮廷歌劇場に呼び寄せた往年のソプラノ歌手セルマ・クルツの娘。モノラルとはいえ録音は良い。

Youtubeはマーラーの交響曲第4番からチョン・ミョンフム指揮東京フィル。ソプラノは森麻季

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2012年2月 9日 (木)

本日の練習、ブラ2

来週からいよいよ年度末多忙モードに突入予定。既に今日からその兆候が現れる。

ともあれ今宵はオケの練習。次期定演の練習でブラームスの交響曲第2番を第一楽章から。

2012020920250000 練習会場は、市民文化センター地下のリハーサル室だが、あい変らず狭く音響は最悪。

50人ほどのオケのメンバーが入るとかなり窮屈で、部屋の奥にいる団員は汗ばむほどだが、寒気が侵入する入口付近のトロンボーンセクションからは 「寒い~」の声が上がり暖房を止められない。

ブラ2はヘミオラのリズムとシンコペーションが多く、合わせるのには厄介な曲。

しかも1、2番ホルンの第2楽章はホルンにとって読み替えが最もやっかいなin Hで書かれている。

前回ブラ2を演奏したのは17年前。


頭で音符を読み替えながら吹くものの完全に忘れている。
前と異なり視力が衰え音符が二重に見えてしまい、シャープをポロポロと落としてしまった。

帰宅後聴いたのは、ケルビーニのレクイエムハ短調。
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演奏は、ロジェ・ワーグナー指揮のロジェ・ワーグナー合唱団にロイヤルフィルというもの。国内盤LP.

アメリカの指揮者ロジェ・ワーグナーといえば、クラシカルな合唱音楽というよりもフォスターその他のポピュラーなコーラスの指揮者のイメージが強い。

このケルビーニの演奏は多少予想通りの展開となっているとはいえ、意外と録音が少ないこの傑作を過不足なく聴かせてくれる。
伴奏のロイヤルフィルは非常にうまい。

Youtubeはカルロス・クライバー指揮のブラームス、交響曲第2番。
市販されているウィーンフィルとではなく、1987年バイエルン国立歌劇場管によるもの。非常に珍しい映像です。
この前年の来日公演でのクライバーのブラ2を聴きました。

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2012年2月 8日 (水)

メトネルのピアノ協奏曲

今日はよく晴れ再び気温が下降気味。出勤前にメジロが庭木の間を飛び回っていた。
暖かな日差しに微かに春の気配。

昨年4月に新たな部署に異動となってもうすぐ一年。
自分の生活のサイクルや仕事の内容は大幅に変わったが、昨年春以降の日本国内の激変ぶりに比べればちっぽけなものだ。

先日東京電力の人が職場に来た。大口利用者に対する電気料金値上げの説明が目的らしい。
担当職員が対応する様子を、私は遠くの席でそれとなく聞いていた。

原発事故の補償その他で会社自体が存亡の危機にあり、もう倒産状態で自分たちも給料は減らされている。電気料金値上げは国も認めたことである。というようなことが聞こえてきた。

その一方的な説明を聞いていて、私はしだいに不快になってきた。

そこには被害者意識しか感じられなかった。恐ろしい原発事故を起こしたことへの謝罪や、値上げへのお願いの言葉はとうとう聞かれなかった。

東京電力の社風がそうなのであろう。

原発事故は完全に人災だった、ということが明らかになりつつある。
http://ohtsuki-yoshihiko.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-249f.html
責任の所在は何処へ?

本日歯科医通院のために定時退社。

今日は20世紀ロシアの作曲家、ニコライ・メトネルのピアノ協奏曲第3番。

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20世紀半ばまで作曲活動を続けていたとはいえ、作風はラフマニノフやスクリャービンに共通する19世紀後期ロマン派にずっぽり埋まった保守的なもの。

この第3番のピアノ協奏曲もラフマニノフ風の甘く切ないロマンの香り漂う曲。

幾分平板で散漫なきらいはあるものの、硬質なラフマニノフのようなテイスト。聴いた後にほのかな甘い後味。

演奏はGeoffrey Douglas Madgeのピアノ、Ilya Stupel指揮のArtur Rubinstein Philharmonicによるもの。
デンマーク、DANACORDのCD.

他の演奏は聴いたことはないが、水準以上だと思う。
あまり演奏されないのは、高度な技巧を要求するわりには効果が薄いからではなかろうか。
ピアニストやオケにとって苦労が報われない曲のようにも聴こえる。

Youtubeはリヒテルの弾くメトネルの「ロマンティックなソナタ」

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2012年2月 7日 (火)

クリュイタンスのフォーレ

明け方から風雨強く大雨警報発令中。娘を学校まで車で送ってからの出勤。
海からの風で温かい。

仕事中にくしゃみ三連発。いよいよ花粉症の到来か。
同じ職場の花粉症歴30年のベテラン職員が「良い物があるよ」と教えてくれた。
http://www.life-c.in/pdf/110112nikkei.pdf

20110125_tsuyumu02_2  どうやら花粉の酵素を不活性化するスプレーらしい。しかもセシウムもウイルスもブロック。本当だろうか???
http://www.pollen-prevention.com/
店頭では静岡限定発売で、早くも品薄だとのこと。

今日は昨年暮れにいただいた沢山のLPの中から2枚。

最初はオイゲン・ヨッフムの1976年録音のブラームス交響曲全集から第1番を聴く。米EMIのSQ4チャンネル仕様のLPセット物。オケはロンドンフィル。

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録音がボケ気味でモノラルのような音像が気になるものの演奏は豪快にして緻密、気迫充分の素晴らしい出来だ。ロンドンフィルの古めかしい音色もブラームスにはプラスとなっている。
第一楽章のリピート実施。フィナーレ最後のコラールではティンパニに大きな改変が有る。

ヨッフムさんはコンセルトヘボウ管との来日公演で、ブルックナーとワーグナーの名演を聴くことができたけれど、その数年前のバンベルク響の沼津公演では自分の前の席に座っていた。(当日の指揮は同行していたレオポルド・ハーガーだった)

巨匠指揮者たちの中では個人的に非常に親近感の有る指揮者。

そしてもう一枚は、クリュイタンス指揮するフォーレの「レクイエム」。
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パリ音楽院管との2度目の録音で、フィッシャー・ディースカウとロス・アンヘレレスという二大名歌手を起用した横綱級の名演として名高いもの。

LPからCDに変わっても常に現役の名盤。
CDの手持ちも有るが、いただいたのは東芝EMIの国内盤LP。

この曲は、多少稚拙な演奏でもそれなりの感銘を受けてしまう曲で、この演奏にも合唱のふらつきはあるけれどさほど気にならない。
だが二人の歌手の存在感があまりにも大きすぎるような気がする。オルガンはクリュイタンスの旧録音と同じピユイグ・ロジェ女史。

Youtubeはフォーレのレクイエム、エキルベルイの指揮

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2012年2月 6日 (月)

ベートーヴェンの弦楽三重奏曲

今日は朝から雨。ここしばらく乾燥していたのでこれでインフルエンザの流行も多少収まるかもしれない。これは恵みの雨か。

昨日は母の具合が悪くなり家を空けられなかった。

節分の日に三島大社に行き風邪でもひいたらしい。頑固で医者嫌いが困りもの。
今日になって調子は良くなったようだが、さすがに病院に連れて行った。

外の雨は夜になって激しくなってきた。

20010101_00000020010101_05 今宵はカール・リヒターのモーツァルトの交響曲第29番とセレナータ・ノットルノを聴く。70年代のキングの廉価版LPでテレフンケン原盤のもの。

リヒターのモーツァルトでは同じ頃の「レクイエム」がストイックな厳しさと高潔さで素晴らしい演奏だったのだが、この2曲も予想通りのかなり硬派のモーツァルト。

スクエアできっちりとした演奏が、交響曲はともかくセレナードではいささか野暮な雰囲気。こちらはもう少し遊びが欲しいかも。

そしてもう一枚、ズズケ率いるベルリン弦楽四重奏団のメンバー三人によるベートーヴェンの弦楽三重奏曲作品9の3曲を聴く。日本コロンビアの国内盤LP.

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若書きの親しみやすい旋律の中にも、アダージョの深さはやはりベートーヴェン。

三重奏のために比較的軽めのテイストだがおそらく弦楽四重奏曲以上の力量を要求する曲ではなかろうか。演奏は非常に良い。時として弦楽四重奏と錯覚するほど。

録音も良く、アナログの素晴らしさを堪能させてくれる至福のひととき。

Youtubeはモーツァルトの交響曲第29番の第3楽章

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2012年2月 4日 (土)

プロ・アルテ・クインテットのミヨーとオーリック

良く晴れたが風が強く、洗濯の物干竿が落下しプラスティク製の物干しが破損。
娘は部活で浜松遠征のため朝早くに出て行った。

お昼は家内とラーメン「らーめん 天」に行くつもりが先日テレビで紹介されたためか、お店の前には長蛇の列。http://shizumen.jp/posts/1960.html
並ぶ気はないので根強いファンがいるという沼津駅北の餃子専門店「高千穂」に行ってみた。

2012020413400000 8個定食を頼んでみる。噂の通りかなり大きな餃子だ。だが餡はほとんどキャベツとニンニク。これを物足りないと思うかは意見の分かれるところだろう。

ボリュームの割には後味さっぱりの不思議な味だった。

今日聴いたのは、スイスのプロ・アルテ・クインテットの演奏で、ミヨーの木管五重奏曲「ルネ王の暖炉」ほか。

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「ルネ王の暖炉」は、昨年1月末にもクリスチアン・ラルデの合奏団の演奏で聴いている。毎年春が恋しくなる季節に無意識のうちに聴きたくなる曲のようだ。

スイスの若手奏者を揃えたプロ・アルテ・クインテットの演奏は、確かなテクニックと清々しいさっぱりさが魅力の演奏だ。カップリングはイベール、オーリック、フランセなどの木管五重奏曲の定番の曲ばかり。 英ニンバスのLP.

そして20010101_00000020010101_02_2 、園田高弘の弾くバッハのイギリス組曲全曲、日本コロンビアのLP2枚組。

きっちり端正で整った中に各声部が美しく浮かび上がる名演。

Youtubeはイギリス組曲第2番、アルゲリッチのピアノ。

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2012年2月 3日 (金)

フンケのブランデンブルク協奏曲

今日は節分、この冬一番の冷え込みとなりました。
20010101_00000020010101_05 日本海側の豪雪降り止まず。

テレビでお年寄りが雪下ろしをしている場面を見ると心が痛む。学生時代に雪かきを経験したがあれは重労働です。

今日はドレスデン国立歌劇場管の第一コンマスを経てボッセと並びゲヴァントハウス管のコンマスとなったクリスティアン・フンケの率いるライプツィヒ・ゲヴァントハウス・バッハ管によるブランデンブルク協奏曲から1,2,4番を聴いた。

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録音はボッセ盤のちょうど10年後の1991年。キングレコードが出していたファイアーバードレーベルのCDで、おそらく日本独自の録音だと思う。
第2番はトランペットではなくコルノ・ダ・カッチャを使用。

ボッセの演奏の根底に流れていた連綿と引き継がれたライプツィヒのバッハ演奏のスタイルを残しながらも、より先鋭な演奏を聴かせるフンケ。
この録音の頃から台頭してきたピリオド奏法の影響を受けているのだろうか。

渋くやわらかなゲヴァントハウス管の美しい響きはここでも健在だ。

このセットには管弦楽組曲第1番、第2番もカップリングされている。
こちらもフルートの古雅な響きがなんとも美しい。

00000685353l 沼響のHPの聴き比べコラム、「ベートーヴェンの7番を聴く」にミュンシュ指揮ボストン響の1949年スタジオ録音の感想をアップしました。
http://www.numakyo.org/cgi-bin/beet7.cgi

Youtubeはカール・リヒターのブランデンブルク協奏曲第1番。ホルンはヘルマン・バウマン

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2012年2月 1日 (水)

ゲルハルト・ボッセ逝く

朝早くに強い風で目が覚めた。時計を見ると午前4時半。
さすがに早いので二度寝してしまったために起きるのが辛かった。昨日より気温が高いのが多少の救い。
本日歯医者通院のため定時退社。

第二次世界大戦中、リンツ・ブルックナー管の団員としてフルトヴェングラーやクナッパーツブッシュらの大指揮者の下で演奏し、戦後はライプツィヒ・ゲヴァントハウス管弦楽団のコンマスを長く務めたゲルハルト・ボッセが本日逝ってしまった。90才。
http://academyphil.com/conductors/bosse.html

晩年は日本に居を定め指揮者として新日本フィルの指揮台に立っていた。

51dfpbo5pvl__sl500_aa300_ 今日はボッセの指揮でライプツィヒ・ゲヴァントハウス・バッハ管弦楽団のブランデンブルク協奏曲を聴く。1981年録音の国内盤CD。

ゲヴァントハウス管のメンバーを核としてボッセ自らが創設したオケ。

渋くて堅実、誠実なバッハ。音楽が自由に飛翔していき大きな宇宙が目の前に広がるようなバッハ。

聴くほどに味のあるドイツ正統派の名演だが、演奏は驚くほど新しい。             
謹んでご冥福をお祈りします。

ボッセの退団後にあとを継いだクリスティアン・フンケが、ちょうど10年後にブランデンブルク協奏曲全曲録音をおこなっている。

これは明日の楽しみにとっておこう。

Youtubeはマタイ受難曲から「憐れみたまえ、我が神よ」ソロヴァイオリンはゲルハルト・ボッセ

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